ワシズ麻雀のため、4枚中3枚が透明なガラス牌、1枚が黒の練り牌です。
ガラス牌は青字で表示しています。
※は最後に用語解説を載せております。
南2局 鈴木の親番
ワシズは殺気を漲らせながら配牌をツモる。そして5巡目、ワシズはツモ牌を見てニヤリとする。
二三四八八八④④④⑤⑥27 ツモ3 ドラ四
※青字はガラス牌
「ククク、何が牌の重量によるガン牌だ、笑わせるわ。天運は我にあり。やはりわしは愛されている、勝利の女神に! 死ね! この手でわしが殺してやるわ! リーチ!!」
ワシズは7sを横に向け、力強く卓に叩きつける。その同巡、ドラえもんもリーチをする。しかも、再び手牌を全て倒してオープンリーチを宣言した。
ドラえもんはこの手から②筒を切り出して牌を横に曲げる。
「オープンリーチ、待ちは
「生意気な。ピンフに受けずに三色を取るか。しかし、待ちの④筒はワシの手に3枚あるのは貴様にも見えているハズだ。ここは普通、⑧筒を切ってピンフに受けた方がいいのではないか?」
「フフフ、ワシズ、予告するよ。お前はボクのリーチに一発で振り込む」
「なんだと!?」
「見せてあげるよ。ボクの100%の力を!」
そしてミニドラが②筒を打って合わせ打ちをする。そしてワシズのツモ巡。
「何が100%の力だ、笑わせる。ここでワシがツモってしまえばいい。それで終わりだ! 死ね! 貴様の言葉など所詮は
そう言いながらワシズは穴の中から一つの牌を選び、それをガッシリと掴む。そしてその牌を引き上げようとした瞬間、ドラえもんが言った。
「フフフ、いい事を教えてあげるよ。ボクは牌の重量を識別し全ての牌を意のままにツモる事ができる。しかし、それだけじゃない。ボクはお前に好きな牌をツモらせる事もできるんだ」
「なんじゃと!?」
「ボクは穴の中の牌のどの位置に何があるかを全部把握した上で、お前のツモ牌を見ていた。すると、お前が穴のどの位置からツモってるか、お前のツモる時のクセが解ってしまったんだ。だから、お前がツモりそうな位置に④筒を置いておいた。ここでお前は④筒をツモり、ボクに振り込む事になるよ」
ワシズは思わず冷や汗を浮かべる。そして、今まさに掴んでいる牌を別の牌に変えようかという考えが一瞬よぎったが、それは精神的な敗北になるようで、その考えをすぐに捨てた。
「妄言はいい。さっさと死ね! ワシは、ワシの意志で、ワシのためにツモるんじゃ! 断じて貴様の言いなりではない!」
そう言ってワシズは穴の中から牌を掴み取る。すると、その牌は④筒だった。
ワシズはその牌を見て一瞬呆然とする。
二三四八八八④④④⑤⑥23 ツモ④
「どうしたんだいワシズ、まるで“④筒をツモったような顔”をしてるじゃないか?」
その瞬間、ワシズの全身からブワッと汗が噴き出す。
「・・・・・・」
「どうしたんだい? リーチしてるんだから、アガれないんならさっさと切ってくれよ」
「・・・カン」
「えっ、カン!? そんな馬鹿な、確か④筒はカンできない形(※1)のハズ!」
ドラえもんは思わずワシズの手牌に手を伸ばす。するとワシズはドラえもんの手を力一杯振り払った。
「触るな!」
「な、何をするんだ」
「いいか、流局前の
「な、ない…」
これでドラえもんのアガり目は完全に無くなった。一方のワシズもルール上違法のカンである。もし流局になったら手を公開して罰符を払わなければならない。
「鈴木、何としてでも
「はいー、ワシズ様~」
ドラえもんとワシズがツモ切りする中、14巡目に鈴木は1フーロのタンヤオドラ1をツモりアガった。
「ツモです。1000オール」
「そうか、1000オールか。よし、よくやった鈴木!」
「何とかアガれて良かったです」
ワシズはホッと一安心で鈴木に点棒を1000点支払った。
「そうかい。どうやらボクは遊びすぎたようだ。もういい、ここで終わりにさせてもらうよ」
そうして南2局1本場が開始される。
そして全員が配牌を取り終わり、親の鈴木が1打目を切り出す。その直後、ドラえもんは穴から1牌をツモってから言った。
「ツモ」
「な、何!?」
ワシズがドラえもんの手を見ると、そこにはガラス牌が一枚も無く、全てが黒の練り牌で構成されていた。するとドラえもんは手牌をそのまま倒す。
一九①⑨19東南西北白発中 ツモ発
「
「ナニィ!?」
「ワシズ、もう永遠にお前のツモ番は回ってこない。ボクは必ず1巡目にアガり続ける! お前が泣いて許しを乞うまで!」
続く☆
※1 リーチ後にカンできない形
リーチ後に待ちが変わるカンができない。
今回の場合はカンをすると、雀頭がなくなり、そもそもテンパイですらなくなるため、カンをする事ができない。
二三四八八八⑤⑥23 カン④④④④
ただし、麻雀では流局前は相手の手牌を確認する事ができないため、仮に不正をしたとしても発覚するのは流局後であり、流局しないまま他家が和了するなどして手を公開する必要がなければ不正は不問となる。