漢数字がマンズ、英数字がソウズ、〇囲み数字がピンズを表しています。
また、会話の中の牌の種類は、萬はマンズ、索はソウズ、筒はピンズを表しています。
スネ夫はノーテンリーチの罰符により4000点オールの失点を喫する。
その後、イカサマを封じられ、コンビ打ちも看破されたジャイアンとスネ夫は、ドラえもんに全く抵抗できなかった。そして、ドラえもんはきっちりとジャイアンとスネ夫をことごとく狙い撃ちし、その一方でしずかがテンパイと見ると即座に差し込み、しずかを浮かせて二人浮き状態を作り出す。
そんな流れでついにオーラス(南4局)を迎えた。
東家:ドラえもん47600
南家:ジャイアン5300点
西家:スネ夫 4100点
北家:しずか 43000点
ドラえもん手牌。
この手からドラえもんはリーチをかけて一発でツモりアガった。
「ツモ! ラストだ! トップの上がり止めでいいね」
「クソッ、そんな薄い所を一発かよぉ…」
「でもジャイアン、何とかハコにならずに済んだね…」
「2000オールか、何とかなったな…」
するとドラえもんはニヤリと笑う。
「ボクまだ裏ドラをめくってないよ」
「へっ、どうせ乗ったところで4000オール止まりだろうが。今とどうせ大差ないぜ!」
「果たしてそうかな? それより一つクイズを出そう」
「クイズだと!?」
「フフフ、問題です。ボクがドラ焼き好きなのは知ってると思うけど、ボクはドラ焼きの皮とアンコ、どちらが好きでしょう?」
「ふんっ、そんな事知るかよ!」
「正解は、アンアンアン~とっても大好き~、ドラえ~もん~♪ で、アンの方が好きでした」
「ただの親父ギャグか。てめえ、オレ達をバカにしてんのか!!」
「ああ、ボクのアンコはそこにある…」
ドラえもんが裏ドラをめくると、そこに居たのは①筒だった。すなわち、ドラえもんの手牌の②筒がアンコでごっくりドラとなる。
「リーチ一発ツモ、ドラ3でハネ満の6000通し! 御無礼、トビだね」
「ふ、ふざけんじゃねえよ! 裏ドラがアンコで乗りやがった!」
「まあ、イレギュラー理論を応用すれば裏ドラも次のツモ牌も、全て計算で出せるからね。すべて狙い通りという訳さ」
「クソッ、あり得ねえ…」
東家:ドラえもん 65600点(+18000)
南家:ジャイアン ―700点(―6000)
西家:スネ夫 ―1900点(―6000)
北家:しずか 36000点(―6000)
この点数にさらに順位点が加わる。
順位点(1点500円)
1位:ドラえもん +67点(+33500円)
2位:しずか +11点(+5500円)
3位:ジャイアン ―31点(―15500円)
4位:スネ夫 ―47点(―23500円)
「さて、精算しようか。のび太くんの負け分30000円を相殺して、3500円きっちり払ってもらうよ」
ジャイアンは完全に怒りがピークに達している。顔を真っ赤にしてふぅふぅと息を荒げる。
「だ、誰が払うかよ…。所詮は口約束の子供のお遊びだろうが…」
するとドラえもんの表情が急に険しくなる。
「おいジャイ公!」
「ジャ、ジャイ公だと!?」
「いいかジャイ公、人間はみんな不平等だ。財力、知力、容姿…、みんな優劣がある。だけど、卓上の雀士はみんな平等なんだ。あるのは点棒という優劣だけなんだよ! その点棒の優劣は、たとえ神さまだって口出しできない!」
「な、ナニィ!?」
「敗者のクセに負け分を清算できないんだったら、キミ達はもう金輪際牌を握る資格はない!」
ドラえもんがそう一喝すると、ジャイアンは気持ちが事切れたのか、まるで糸の切れた操り人形のように、力なく卓上に倒れ込み、ドグシャァとけたたましい音を響かせ牌をなぎ倒していった。
その後、ジャイアンも観念したのか、負け分をしっかり支払ってきた。
そうして、ドラえもん達がスネ夫宅を出る頃には、もう日が沈みかけていた。真っ赤に染まる夕日に全身を染められ、歩く足取りは自然と軽い。のび太の顔にも自然と笑みが零れる。
「それにしてもすごかったね、ドラえもん」
「まあね、まだ全然本気じゃなかったけどね。恐らく21世紀の人には絶対負けないと思うよ」
「それよりさあ、ドラえもん?」
「なぁに、のび太くん?」
「ぼくにも次のツモや裏ドラが分かる計算方法教えてよ」
「それは無理だよのび太くん」
「ええー、どうして?」
「だって、この計算はとても複雑で、現代の最新スーパーコンピュータで1年はかかる計算が必要なんだよ」
「そんなぁ…。それじゃ、どうやって未来の人はイレギュラー効率を計算してるの?」
「脳内にスパコンを埋め込んでいるのが主流かな」
「あ、そうだドラえもん。せっかく臨時収入が入ったんだからさ、この前発売した最新コミックス、アバレちゃんとドラポンボール買って帰ろうよ。あと、ドラ屋のどら焼きも!」
「もう、しょうがないなぁ、のび太くんは」
そう言いながら、二人は本屋に立ち寄ってから帰路についた。
【エピローグ】
スネ夫宅での戦いの翌日。ドラえもんはドラ焼きをパクつきながら、昨日買ってきたアバレちゃんを読んでクスクスと笑っていた。
すると突然外から物凄い勢いで玄関のドアを開ける音が聞こえてきた。次いでダンダンと階段を駆け上がる音が聞こえてくる。
(のび太くんかな…)
ドラえもんがそう思った次の瞬間には目の前の襖が開かれ、のび太が駆け込んできた。その顔はすでに半べそ状態であった。
「ドラえも~ん!」
「どうしたの、のび太くん? またジャイアンに麻雀で負けたの?」
「それが、ジャイアン達がぼくと麻雀を打ってくれないんだぁ。ぼくも麻雀打ちたいよー、うわーん!」
そう言うとのび太はその場に泣き崩れた。
「もう、打ったら打ったで負けるのに、打てなきゃ打てないでごねるんだからあ」
やれやれ、と、ドラえもんは小さくため息を一つついた。
雀鬼! ドラえもん!!
【VSジャイアン&スネ夫戦】
終わり☆