こちら31Hホロックス! ぷらすみこにぇ! 作:たかしクランベリー
━━▶︎ DAY4 7:30
第31H部隊、寮部屋。
『31H総員、直ちに
ブリーフィングルームへ出頭』
室内天井部に設備された
放送スピーカー越しに、
呼び出しをくらった。
「ラプたん……また何かしたの?」
若干呆れた視線を向けて
ラプ殿に問うみこ先輩。
「はぁっ!? 吾輩が好き好んで
トラブル起こす訳ねぇだろ!!
絶対みこ先輩だって!!」
「あんだお!?
みこがやらかしたって言うのかよ!」
「――2人共。冷静に。」
「「……!!」」
ルイ姉が圧をかけた瞬間、
バチバチになっていた2人の気迫が
スンと沈んだ。
幹部に気圧される総帥と先輩という
あってはいけないような絵面だが……
ルイ姉のこういうビシッとした
部分は何かと頼りになる。
「総帥、指示を。」
「呼ばれたなら行くしかねェだろ。
総員、吾輩に続け。」
キュッと黄色のネクタイを
両手で整えたラプ殿が、
率先して退室する。
後を追うようにみんなも退室し、
ブリーフィングルームへ向かった。
……………………。
…………。
――ブリーフィングルーム。
「失礼するぞ。」
真面目な顔付きになったラプ殿が
入室し、連なるように風真たちも
足を踏み入れる。
「……来たわね。
手早く作戦報告を行いたいから、
席の位置は気にせず、
適当に座りなさい。」
司令官の指示通り
適当な空席へ各々が着席した。
「あ、風真さん!」
「え?」
真隣に、國見殿が座っていた。
「昨日はありがとうございました!
今回の任務、
共に頑張ったりましょう……!」
「え……あ、え?
この任務って風真たちだけ
じゃないのでござるか?」
訳もわからず辺りを見渡すと、
案の定31Aの面々も散り散りに
着席していた。
「風真さん。混乱させて悪いわね。
Scrap wingの撃破は作戦立案当初、
第31H部隊に一任させる予定だったわ。
しかしこの数日の偵察を経て、
司令部は2部隊編成で行う必要が
あると判断したの。」
司令官が、申し訳なさそうに
補足説明した。
要するに、件のキャンサーは
発見当初よりも脅威であると
司令部に判断された……
という事でござろうか。
「31Aの皆さんも急な動員で
悪いのだけど、その必要性や
作戦概要についても
今からスライドを交えて話すわ。
七瀬。」
「はい。」
ポチッ。
巨大な液晶モニターが光り、
なんらかの画面を映す。
それに追随するように、
士官殿が口を開いた。
「この数日。31Aには、
旧国道246号沿いの泰野盆地にて。
RED Crimsonの支配下に置かれていたと
推測される残党キャンサーの掃討処理を
してもらいました。
つい先日、奪還拠点の安全性が
一定ラインへ達したので。
こちらの任務に動員する事を
司令部は決定しました。」
「……ああ。あの後処理は
まぁまぁ大変だったぜ。」
「まだ任務は終わってねーぞ月歌。」
ざわざわする2人組を一瞥し、
士官は次のスライドを流した。
「それと同時、第31H部隊には
旧杉並区の松ノ木周辺を数日かけて
制圧してもらいました。
拠点として充分機能し、
軍事物資や救護車両等も
此処に集中しています。
今回の任務は、此処を降下場所にし
徒歩で奪還に向かって貰います。」
「ふっ……そこで吾輩の
力の見せ所って訳か。面白い。」
「ラプたん。イタいよ。」
頼む総帥。風真も、
そこで馬鹿みたいな発言は
して欲しくないでござるよ。
31Aの皆殿も居るというのに。
「さて、ここまでが
今までの任務のお浚いよ。
あなた達が各々の任務に尽力した
数日、我々は斥候部隊に
Scrap wingの偵察を
命じていたのだけど……結果的に、
彼の新たな生態が発覚したわ。
2部隊編成で動員した主な理由も、
これに直結するモノよ。
七瀬。」
「はい。」
ポチッ。
スライドが切り替わり、
旧杉並区のマップが現れる。
そこには、不自然な長い矢印が
点々と描かれていた。
「なんだよ……これ…………。」
「落ち着け月歌、
説明はこれから入る。」
「七瀬。説明を。」
「はい。この矢印は、
Scrap wingの『徘徊経路』です。
自身の優れた飛行能力を利用し、
数分という速さでテリトリーの
移動を可能にしています。」
徘徊経路……?
「現在当キャンサーが徘徊する地点は
4つ判明しています。
もし従来通り
テリトリーの拡大が行われれば、
周辺ドームにも危害が及びます。
当然、残された時間的猶予は
あまり無いと
考えた方が良いでしょう。
故に我々セラフ部隊は、出来る限り
迅速に当該キャンサーを追い詰め、
撃破する必要があります。」
「〝4つの徘徊地点〟。〝迅速な対応〟。
〝2部隊編成〟……ほう。
確かに、これが今の最善策ではあるな。」
「お気付きになられましたか。
流石、私の総帥です。」
ラプ殿の知ったかぶりに
付き合ってくれるルイ姉優しいなぁ……。
あ、またスライドが変わった。
「あなた達両部隊にはこれより、
松ノ木拠点へ降下。
五日市街道を進み、旧東京都道311号、
環状8号線へ行軍路を変更し行軍。
青梅街道、日大二高通りの
交わる交差点で小休止をとったのち、
各々の任務に従事して貰います。」
「えー途中で別れちゃうのー!
寂しいーー!」
「当たり前だろ月歌、
時間がねぇから
分担するしかないんだよ。」
「悪いわね。任務っていうのは
効率が大事なの。七瀬、続けて。」
「おいおい、司令官まで
渋い顔になってんじゃねーか……。」
何とも言えない空気で、
再び説明に戻った。
「はい。あなた達が分担して
行うのは4つの徘徊地点の制圧です。
対Scrap wingの打倒策として、
両部隊にはそれぞれ
2地点ずつ抑えてもらうのが
最も効率的であると、
司令部は判断しました。」
そして、スライドが切り替わる。
「荻窪駅跡地、西荻窪駅跡地の
周辺制圧担当を第31A部隊に任命。
両目標地点をポイント甲・乙と呼称します。
次に、
阿佐ヶ谷駅跡地、高円寺駅跡地の
周辺制圧担当を第31H部隊に任命。
両目標地点をポイント丙・丁と呼称します。
分担後の細かな行軍指示は
現場にて追々説明します。
私からは以上です。」
司令官が帽子を整え、口を開く。
「七瀬、ご苦労。
……さて、当作戦の大まかな流れは
これで掴めたかしら。」
「「「「「……………………。」」」」」
「特に質問はなさそうね。
では、出撃しなさい。」
*
━━▶︎ DAY4 9:10
〜《SIDE『ラプラス・ダークネス』》
松ノ木拠点。
そこには、ひたすらに荒廃した廃墟が
広がっていた。
「うっわ殺風景じゃん!
盆地ばっかに居たせいでなんか新鮮!」
「新鮮じゃねぇわ最悪だわ。
これからあたしらが人類の栄える地に
変えてくんだよ。」
「……そうだな。
つーわけでラプちゃんとユッキー。
あとよろ♪」
「「何でだよッ!!」」
くっ、茅森の奴め。
隙あらば吾輩たちに
仕事を押し付けようとしやがって……!
何でこんなサボり魔が
部隊長やってんだよ。
隣の眼鏡の方が明らかに適任だろ。
「えー、やんないのー。
じゃあみんなで頑張るしかないかー。」
「そういう任務なんだよ。
……頼むぜ月歌。」
「我々も、気を引き締めていくぞ。」
「ねぇ見てルイ姉ぇー、星形の
石ころみつけたよー♪」
「もうっ、クロヱったら……。」
「え! みこも欲しい!
どこにあんの!?」
「あたしもあたしも!」
「気を引き締めろって
言ったそばから何してんだよ!?
他部隊にまで恥を晒すなよ!
つか平然と茅森も混ざるなッ!!」
「「「へーーい。」」」
反省の色を微塵も感じない
この馬鹿トリオを今すぐ引っ叩いて
やりたいが、
そんな事に時間を割きたく無い。
「いいか。次ふざけた真似したら
罰金として一万GP徴収するぞ。
覚悟しておけ。……行くぞ。」
さっきまでヘラヘラしてた
トリオが途端に鎮まり、
任務に専念するようになった。
(コイツら、金好きすぎだろ……。)
内心そう思いつつ、
我々は本格的に任務へと動きだした。
どうも、たかしクランベリーです。
こんこよぉぉッ!
100万人チャンネル登録突破っ、
おめでとう御座いまぁぁあす!!
わおーーーん!!
ヘブバン公式生放送では
スキル強化、強ブレイクの誕生。
ホロライブ側では
全人類兎化計画最終章、
ReGOLLS vs holoXという
ありったけの夢を
詰め込んだ神企画の配信。
今年一番楽しい1週間を
味わえた気がします。
という訳で、しおりん同様。
らでんちゃんも、
その内登場するかもしれません。
よろしくお願いします。