こちら31Hホロックス! ぷらすみこにぇ!   作:たかしクランベリー   

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7話・ラプ様vs手塚司令官グレード120

 

 

「あなた達の会話もドローン越しに

聴かせて貰ったわ。

4年間、当セラフ部隊に

隊員として雇用されたいようね。」

 

「その通りだ。」

 

「単刀直入に言うわ。

――判断しかねる。」

 

判断しかねる……だと?

コイツら、まだ我々の事を――

 

いいや。ここは抑えろ。

まだ全てが決まった訳じゃない。

 

「おい、そこの偉そうな奴。

判断しかねると言ったな。

それは一体、どういう事だ?」

 

「入隊の手続きはそう難しくない。

ドーム住民ではないようだし、

あなた達が希望するなら

拒むつもりはないわ。

けれど、我々セラフ部隊が養うに足る

戦果を出せるのかしら。」

 

未だ我々の実力を

軽視してるという事か。

 

こう見えてそこらの

宇宙凶賊より危険視されてんだよなぁ。

我々の組織。

 

まぁ、異界人が知る由もないか。

 

「出せるに決まってるだろ。

なんなら、半日で貴様らの組織を

完膚無きまでに潰す事もできるが。」

 

「私たちセラフ部隊も

舐められたモノね。

……いいわ。そこまで言うのなら

この私の目で

直々に判断してあげましょう。」

 

あーあ。やっぱそうなっちゃうか。

 

穏便に済ませようと思ったのに、

結局は武力行使になんのかよ。

 

結構むずかいんだぞ。『加減』するの。

 

 

 

 

 

━━▶︎ アリーナ

 

「さぁ、遠慮は要らないわ。

全力でかかってきなさい。」

 

場所は変わり。

 

おそらく戦闘の疑似訓練を

行うであろう

無機質な空間に連れてかれた。

 

偉そうな奴は、

今にも此方の攻撃を待っている状態だ。

 

「なぁ月歌、あたしらまで

観戦に加わる必要あったか?」

 

「何言ってんのさユッキー!

ラプちゃんの本気が見れるんだよ!?

観に行かないなんて選択肢ある!?」

「普通にあったわ。」

 

見ての通り。

余計なギャラリーまでついてきて

鬱陶しい事極まりない。

 

「偉そうな奴、ちょっといいか。」

「……怖気付いたのかしら?」

 

「怖気付く? この吾輩がか?

何を勘違いしてるか知らんが、

やらせて貰うぞ。」

 

「好きにしなさい。」

 

「我々holoXの精鋭5人はな、

戦地に赴く前に

必ずやる前準備があるのだ。

士気を高めるための

号令みたいなモンだ。」

 

「…………。」

 

「幹部、沙花叉の縄を解いてやれ。

でなければアレは出来ん。」

「了解です。」

 

幹部の手によってスッと縄を解かれた

沙花叉が嬉しそうに伸びをした。

 

「ふぁ〜っ! 

シャバの空気は最高だぜ!

ありがとね♪ ルイ姉♡」

「総帥の命令に従った迄です。」

 

余程嬉しいのか。

沙花叉はニヤニヤと

幹部の頬を人差し指でつついてきた。

 

「あれれー? もしかして

ガチで照れちゃってるー?

照れてるルイ姉可愛いなぁ〜♡

ぷいぷいぷい〜〜っ!」

 

あ、頭グリグリの刑くらうなこれ。

 

「ぁぁあ゛あ゛っ! 

痛い痛い痛いよぉっ!!

沙花叉をグリグリしないでぇえっ!」

 

コイツら、少し目を離した隙に

イチャイチャ、イチャイチャと……

 

社内恋愛禁止だって何度も

言ってんのにさぁ……ったく。

 

場が白けたじゃねぇか。

 

「鷹嶺、そこまでにしろ。

幹部であるお前が

目的を見失ってどうする。」

 

「――ハッ! すみません総帥!

私とした事が……。」

 

「痴話喧嘩も謝罪も後でいい。

さっさとアレをやるぞ。」

「了解です。」

 

そうだ。

アレをやらなくては始まらない。

 

「ラプラプラプラプラプ……」

「タカタカタカタカ…………」

 

吾輩の言葉に

呼応するよう幹部から

頭を寄せて繋ぎ、

それぞれ同じように続いていく。

 

「こよこよこよこよこよ……」

「ござござござござござござ…………」

「ぽえぽえぽえぽえ………………」

 

――共鳴×5 !!

 

「何それぇぇええええっ!

みこスッゲェ既視感あんだけどぉ!!

てかパクリだよにぇーっ!?

あの某宇宙人のさぁ!」

 

「――パクリではない!

我々holoXの方が先だッ!!」

 

「ねぇユッキー、

司令官の額の青筋ヤバくない。」

「あそこまでキレた司令官見るの、

あたしも初だぞ………」

 

「くるくるぱーーかァァアアっ!!」

 

え、何コイツ。

何でこんなキレてんの。

 

「どうした?」

 

「――夏草や、兵どもが夢の跡!!」

 

ブウンッ。

 

話を聞かずに武器を出してくるか。

こりゃ相当キレ散らかしてるな。

 

「総帥、ここは私が。」

 

「いいや、その必要はない。

4人は下がってろ。

前に出るのは

吾輩だけの方が『良い』。」

 

「……わかりました。」

「みこは!?」

 

「好きにしろ。吾輩が

何と言おうと勝手に動くだろ。」

 

「――Collapse Lanceッ!!」

 

タンっ! バチバチバチッ…………

 

赤黒いエネルギーが

彼女の持つ槍に収束し、

空中で禍々しい赫雷を帯びる。

 

「うわぁ! 誰か助けてぇー!!

吾輩消し炭になっちゃうよぉ!!」

 

「待ってユッキー。

ラプちゃんアレまともに

くらったら死なない?

当人もビビり散らかしてるよ。」

 

「さぁな。だが……

『半日でセラフ部隊を潰せる』ってのが

ハッタリかどうか。

どの道、この一撃ではっきりする筈だ。」

 

「そうかも……

色々教えてく――!?」

 

「「「「「――!?」」」」」

 

「……なんてな。」

 

吾輩は、偉そうな奴の真後ろへ

『移動していた』。

 

「どうなってんだよ……

ラプちゃんが瞬間移動したのか?」

 

「違うぞ月歌。

瞬間移動なんかじゃねぇ。

もっと恐ろしい

『何か』が起こっていやがる……」

「え……」

 

「司令官を見てくれ。

地面に着地してるだろ。」

 

眼鏡の少女め、勘付いたか。

 

「そういや、攻撃する為に司令官が

宙に飛び上がったのはあたしも

見てたよ。……ってあれ。

いつ『着地』した?」

 

「やっと違和感に気がついたか。

攻撃、命中、不発、

司令官の着地、ラプラスの移動。

その一連の行動は

『既に終わっていた』。

それが、物音無しに『この一瞬で』だ。

……いや、

一瞬と言うのも語弊があるな。」

 

「何の話だよユッキー!!」

 

「……ああ。馬鹿みてェな話だが、

そうでなきゃ

まるで説明がつかねぇ……。」

「…………。」

 

「みんな聞いてくれ。

あの角を持った宇宙人は、

任意で『時間を消し飛ばせる』。

自分に不都合な未来だけを

消し去ってやがるんだッ……!!」

 

ほう……

吾輩が一言も発してないのに、

もう答えに辿り着いたか。

 

心の内だけであるが、

素直に称賛してやろう。

 

「貴様、中々に聡明だな。

一回でこれを

看破したのは貴様で7人目だ。」

 

「私との勝負を差し置いて

ブツブツと会話するなんて良い度胸ね。」

 

不意に背後から迫る攻撃。

当然それも、読んでいる。

 

「――ブラック・ロード。」

 

ギインッ。

 

紫色のノイズが世界全体に奔ると同時。

 

ゼンタングル調の白黒背景が、

自身の足場を中心部として

樹海を描くように広がる。

 

ついでに双角が黄金色に輝く。

 

これぞ、魔力『ブラック・ロード』の力。

 

魔力発動時、進んだ時は『消え去る』。

 

消し飛んだ時間の中では、

凡ゆる動きや事象が

全て『無意味』となる。

 

生物はその現象を

物理的に『認識する事が出来ない』。

 

――しかし、吾輩だけは違う。

消し去った時間の中に対応し、

自由に動ける。

 

(結果だけだ……

この世には結果だけが残る。)

 

さてと、

博士からあの注射器でも借りるか。

 

博士の目の前はっと……

大体ここでいいか?

 

「時よ、再始動しろ。」

 

ギインッ。

 

「くっ……ちょこまかとッ!」

 

「よぉ博士、あの注射器貸してくれ。

吾輩、もうアイツと戦うの飽きた。」

「おけこよ〜♪ はいどうぞ!」

 

よし、これで勝敗の準備は整ったな。

 

「いい加減になさい。

貴女たちの持つ能力がどうあれ、

一々逃げられては強さを測れないわ。」

 

諦めの悪い奴だな。

一体どうしたら分かってくれるんだ。

 

まぁ、すぐにでも分からせてやるけど。

 

「何を言っている。

強さはもう嫌って程体感しただろ。

なぜ自ら傷つこうとする……

ずっと言ってる筈だぞ。

我々は事を穏便に済ませたいと。」

 

「貴女の手の内はもう読めたわ。

次は上手くいくと思わない事ね。」

 

こりゃあ、話聞く気ないな。

 

ギュッ。ポタポタポタポタっ……

 

お、槍の切先を強く握り締めたか。

 

「え、司令官何やってんの……

手が血だらけになってるよ。」

「……その手があったか。」

「何納得してんだよユッキー。」 

 

「血の滴り落ちる速度は『一定だ』。

時が消し飛ぶという現象が

起きない限り、

地面に落ちた血痕が

一瞬で複数に増える事はねぇ。」

「…………。」

 

「要するにだ。

その異常を観測さえ出来れば、

あの能力のカウンターは容易い。

特に、戦闘経験値の

高い司令官なら尚更だな。」

 

「よく分かんないけど、

ラプちゃんに

攻撃が当てられるってコト?」

「そういうこった。」

 

対処法をどう練ろうとも、

吾輩の勝利は確実だ。

 

holoXの面々も

それを理解してるからこそ、

何の手出しもしていない。

 

「吾輩の能力を見切ったとて、

我々の力量を測るのは不可能だ。

――差があり過ぎる。

だからここは一つ、

条件付きのゲームをしないか?」

 

「……ゲーム?」

 

「ルールは簡単だ。

吾輩はこれから 

一回だけ同じ能力を使う。

貴様があと

30秒立ち続けられたら勝利。

この睡眠薬入り

注射器を刺されたら敗北だ。」

 

「条件というのは?」

 

「お互いにこれ以上

無益な争いは続けたくない筈だ。

その解決策として、条件を設ける。」

 

「…………。」

 

「条件その一。

我々が敗北したのなら、

大人しく手を引いて立ち去るとしよう。」

「私が敗北すると?」

 

「無条件で我々を雇用させろ。

手続き、部屋の用意、配属の諸々も

全て其方で済ませてもらうぞ。

これが、条件そのニだ。」

 

「ラプたん……

そんな横暴が通る訳ないじゃん。」

 

「――いいわ。」

「にぇぇえええっ!?

何で通るの!?」

 

今の今まで静かだったのに、

どうして急に

騒ぎ出すんだよこの先輩は……

 

「私たちセラフ部隊も暇じゃないの。

あなた達がさっさと

立ち去ってくれるのなら、

此方としても本望だわ。」

 

「言質は取った。

これで『交渉成立』だな。」

 

「さぁ、

何処からでも掛かってきなさい。」

 

血の滴り落ちる手を構え、

彼女は吾輩の動きを待つ。

 

その慢心が、敗北を招くと知らずに。

 

「では始めるぞ。

――ブラック・ロード」

 

 





どうも、たかしクランベリーです。

ヘブバン公式生放送、楽しかったです。
にゃん×2魔術師、良いっ……!

激甘な恋愛描写……ですか。

ルイクロとみっこよは
何かベクトル違うんで、
いろはスの2人が
多分その内てぇてぇを爆発させます。
よろしくお願いします。
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