【本編完結】ハリー・ポッターと何も知らない転生者   作:シャケナベイベー

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遅れてごめんなさいでした(平謝り)


出会いは必然か

いよいよホグワーツへと入学する日がやって来た。

 

両親と共にやって来たキングス・クロス駅は沢山の人でごった返しており、俺ははぐれないよう必死に両親の後を追う。

 

そうして行き交う人の間を通り、駅にある柱をすり抜けると其処は完全に魔法界へと様変わりしていた。

 

「おぉ…!」

 

思わず、その光景に感嘆の声を漏らした。やはりこういった事はワクワクするものだと常々思う。

 

「リオン、忘れ物はない?」

「勿論!」

 

母さんが膝を突いて俺と目線を合わせてくる。俺もそれを見つめ返し、笑顔で答える。

 

「辛いことも多いでしょうけど、きっとその何倍も楽しいことが待ってるわ」

「まぁ、あまり気負わないようにな。リオンの思った通りにしなさい」

 

両親からのありがたい言葉を受け取り、ホグワーツ特急へと乗り込む。

 

 

さて、空いてる場所は…とカートを押しながら探していると丁度誰も座っていないコンパートメントを見つけたので荷物を置いて座り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ、少し良いかな?」

 

しばらく持ち込んだ本を読んだりしていると、俺に声がかかる。

顔を上げると、そこには金髪碧眼の少年が荷物を持って立っていた。

 

「コンパートメント。一緒になっても良いかい?」

「あぁ、構わないよ」

 

俺が許可を出すと、少年は笑顔で俺の対面に腰掛ける。

 

「初めまして、僕はマーク・カリアン。同じ一年生同士仲良くしてくれると嬉しいな」

「リオン・アーデルだ。俺も仲良くしてくれると嬉しいよ」

 

少年──マークはにこやかに手を差し出してくる。俺もそれに応え握手を交わした。

 

「そう言えば知ってるかい?別のコンパートメントにあの“生き残った男の子”がいるらしいんだ」

 

ちょっと会ってみないかい?とマークは無邪気に笑う。

 

そんなマークを見て、ダイアゴン横丁で会ったハリーを思い出す。

あの後両親に聞いたのだが、どうやら本当にハリーが“生き残った男の子”だったようだ。

なんで当時産まれたばかりの赤ん坊が生き残れたのか不思議で仕方無いがそんなことを気にする必要もないだろう。

 

俺はマークの誘いに頷き、コンパートメントを移動することにした。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

ホグワーツ特急の中を歩いて暫く。

視線の先に数人の男女が二人の少年を囲んでいるのが見えた。

 

「いいよ。友達くらい、自分で選べる」

 

座っていた二人の内、眼鏡を掛けた少年がそんなことを言った。

どう見てもハリーポッターです。本当に(ry

 

「一体どういう状況なんだ…?」

 

俺の呟きにその場に居た全員がこちらを向く。

 

「あ、リオン!」

 

俺を見つけたハリーが嬉しそうに声を上げる。

ハリーの真正面に座っていた赤毛の男の子はこちらを興味深そうに見つめてくる。

 

「うん…?あぁ、誰かと思えばカリアンじゃないか。君もハリーポッターに会いに来たのかい?だとしたら残念だね、彼は魔法界のことについて何も知らないようだよ」

 

と、ハリー達を囲っていた集団の内、恐らくリーダーであろう金髪の少年がマークに話しかける。

少年の嫌味な物言いからしてそれなりに付き合いがあるようだ。

 

「やぁドラコ。実はそうなんだ。“生き残った男の子”がいるって噂を聞いてやって来たんだけど、まさかリオンの知り合いだったなんてね」

 

マークはそう言ってこちらに視線を投げてくる。

 

「ダイアゴン横丁でちょっとね。あんまり踏み込んだ話とかをした訳じゃ無いよ」

「そうなの?それにしては随分と親しげだったと思うけど…」

 

マークが不思議そうに首を傾げる。

向こうがどう思っているかは分からないけど、俺としては困っていた少年の一人くらいの認識なのだ。

 

「へぇ……おっと。初めまして、僕はドラコ・マルフォイ。宜しく頼むよ」

 

そんな俺達を面白そうに見ていた金髪の少年──ドラコと言うらしい──だったが、自己紹介をしていないことに気付いたのか俺に向けて自己紹介をしてくる。

 

「初めまして。リオン・アーデルだ。こっちこそ宜しく」

 

俺も自己紹介をして手を差し出し、それにドラコは少し驚きつつも握り返してきた。

 

「それで、後ろの君達は?」

「こいつらはビンセント・クラッブとグレゴリー・ゴイル。僕の知り合いさ」

 

知り合いという割には、まるで取り巻きか何かのような気がしないでもないが……

 

「そしてそっちの黒髪の奴がパンジー・パーキンソン。もう一人が……」

「ダフネ・グリーングラスよ」

 

引き続き周りの子達を紹介してくれていたドラコだったがもう一人の少女はその紹介を遮って自分で名乗ってきた。

 

「ちょっとグリーングラス!ドラコが紹介してくれてるんだから遮ること無いじゃない!」

「自分の名前くらい自分で名乗るわパーキンソン。一々他人に名乗らせるほど私は偉くはないもの」

 

どうやら二人の少女は折り合いが悪いらしい。

 

「あー、初めまして。さっきも聞いたと思うけどリオン・アーデルだ。宜しくね」

 

俺の自己紹介にクラッブとゴイルは興味無さそうに手に持っていたお菓子を頬張り、パーキンソンにはそっぽを向かれ、唯一グリーングラスだけが「宜しく」と返してくれた。

良かった。全員にそっぽを向かれた訳じゃ無いらしい。

 

「そうだ。そっちの赤毛の君にも自己紹介を…」

「ソイツはウィーズリー家の出身でね。知ってるだろ?ウィーズリー家。あの子沢山の癖して貧乏暮らしのウィーズリーさ」

 

またもドラコが紹介してくれたのだが、それは明らかに悪意を含んだものだった。

見れば赤毛の少年──ドラコの通りならウィーズリー家の子供──は、髪の色と同じように顔を真っ赤に染めていた。

 

「ドラコ。そんな言い方無いだろ?」

「言い過ぎよ。事を大きくしないで」

 

そんなドラコをマークとグリーングラスが窘めるもドラコにはあまり効果が無いようだ。

 

「なんだい?事実だろう?」

「この……っ!」

 

思わず殴りかかろうとしたウィーズリーをハリーと俺で咄嗟に抑える。

 

「抑えてロン!殴っちゃ駄目だって!」

「ドラコ!流石に言い過ぎだぞ!」

 

ウィーズリー──ロンと言うらしい──の剣幕にドラコは流石にたじろいだのかクラッブとゴイル、パーキンソンとグリーングラスを引き連れて戻っていく。

 

「気を悪くしたでしょう?ごめんなさいね」

「俺は大丈夫だよ。父さんからウィーズリーとマルフォイの仲が悪いってのは聞いてたし。悪いのはドラコの方だ。君もあまり気にしないでいいよ」

 

グリーングラスが謝りに来たので気にしないように言っておく。実際に俺は何もされていないし、気を悪くするのはウィーズリーの方だろう。

グリーングラスはウィーズリーにも頭を下げ、俺達に微笑むとそのまま去っていった。

 

「災難だったね。ドラコも悪い奴ではないんだよ、信じられないかもしれないけど。だからあまり嫌わないであげてほしい」

 

マークがそう言うと、ウィーズリーは渋々と言った感じで頷いた。

 

「じゃあハリー。ホグワーツでな」

「あ、うん。また後でね」

 

俺はハリーにそう告げると、ハリー達のいるコンパートメントから離れていった。

 

 

 

 

そうしてコンパートメントに戻り、各々自由に過ごすこと数時間。

 

「着いたね」

「あぁ。体が結構痛いな」

 

特急はホクズミード駅に着いた。ぞろぞろとプラットホームへと降りていく中、大きな声で一年生を呼ぶ声がした。

探すまでもなく、その声の主は目に入った。

 

三メートルを超えるかどうかという巨大な体に無造作に伸ばされた髭が特徴的なランプを右手に持った巨漢。

あの人が噂に聞く森番のハグリッドだろう。五十年近く“禁じられた森”の森番をしていると聞いた。

 

ハグリッドは「ようハリー、元気か?」とにこやかにハリーに挨拶する。

ハリーも嬉しそうに声を上げているのだが隣にいるウィーズリーはハグリッドの巨体に驚いているようだ。

 

ハリーの名前を聞いた辺りの子供達がヒソヒソと話すのを尻目に俺達はハグリッドの先導に従って歩き始めた。

 

 

 

「四人ずつボートに乗って!」

 

暗闇に包まれた道を転ばないように気を付けて歩くこと数分。湖に浮かぶ小舟を背にしてハグリッドが叫ぶ。

 

俺は暗くてよく見えない足元に気を付けながらボートに乗り込む。

俺の乗ったボートには、マークと近くに居た少年、そして意外な事にグリーングラスが乗り込んだ。

 

「ごめんなさい、お邪魔だった?」

「いや、全く問題ないんだけど…君はいいの?ドラコ達と乗らなくて」

 

俺がそう聞くと、グリーングラスは肩を竦める。

 

「ボートは4人乗りでしょう?だからマルフォイとクラッブとゴイル、パーキンソンで埋まっちゃって。どうしようって思ってたら貴方達が見えたから乗せてもらおうって思ったの」

 

成る程。確かにそれならこっちに来たことにも理解できる。

 

と、マークともう一人の少年がグリーングラスに前を譲り、後ろに行くのが分かった。

 

「あら、いいの?カリアン」

「いやいや是非とも。僕らよりはリオンと居た方が君も楽しそうだし」

「何かそれ嫌味っぽくない?」

「まさか。ダフネがここまで楽しそうに話せる人なんてダフネの家族以外だと見たことなかったからさ。それなら楽しく話せる人間が隣に居た方がいいだろ?」

 

そう言うものなんだろうか…?ダフネを見ると申し訳なさそうな顔をしつつ俺の横に座った。

 

「あ、ところで自己紹介してないよな!俺はランス・パーシヴァル。宜しくな!」

 

ボートが動き出して暫く。マークの横に座っていた少年が爽やかな笑みを浮かべて自己紹介する。

俺達もそれに合わせて自己紹介をすると、ボートが角を曲がり、ついにホグワーツが目に飛び込んできた。

周りの皆が歓声を上げる。かくいう俺もホグワーツの荘厳さに目を奪われた。

 

暫くしてボートは沖合いに到着し、一人ずつボートから降りていった。

再びハグリッドの先導に従って歩いていると、ホグワーツの扉が開き誰かがこちらにやって来るのが見えた。

 

黒いとんがり帽子を被り、女性にしては背の高い老齢の厳格そうな魔女は新入生の案内を終えたハグリッドと一言二言会話をすると、俺達を伴ってホグワーツの大広間へと進んでいく。

大広間を進んでいくにつれ、周りの子の緊張も高まり始めていた。

かくいう自分も緊張している。

 

組分け帽子が高らかと歌い上げ、拍手喝采が沸き起こる。

そして組分けが始まり、「アボット・ハンナ!」との名前が呼ばれた後、「アーデル・リオン!」と俺の名前が呼ばれた。

 

椅子に座り、マクゴナガル先生が組分け帽子を被せる。

 

「ふむ───成る程。君は他の子より精神が成熟しているね?それ故に我慢強く、感情で動くことが少ない。しかし、忠誠心はあまり高くはないようだ。いや、忠誠心はあるがそれを必要とあれば利用する狡猾さが上回っていると言った方がいいのかな?」

 

組分け帽子がつらつらと考えを纏めるために呟くのを尻目に、俺の頭は驚きで支配されていた。

 

帽子は精神が成熟していると言った。つまり、俺が転生者だと見抜いたのか?そういえば父さんが組分け帽子は考えを読む力があるとか言ってたような───

 

「なに、私はその子の考えを他人に喋ることはないとも。さて──そして君は友のために悪に立ち向かう勇気を持っている。だがそれを常に発揮するわけではない。知識欲はあるがそれほど重要だとは考えていない。友のため冷静に大局を見定めるならば君は───スリザリン!!」

 

組分け帽子が俺の行くべき寮を宣言する。それに在校生の多くがどよめくがそれを無視して椅子から離れ、スリザリンのテーブルへと移動する。

 

「……アーデル家の人間が……」

「なんだってスリザリンに……」

 

スリザリンのテーブルに座ると、俺をちらちら見て嘲るようにヒソヒソと話す上級生の姿が数人目に留まった───とはいえ一々気にすることでもないので無視し、他の子の組分けを見る。

 

結果、マークとランスはレイブンクロー、ハリーとウィーズリーはグリフィンドール、ドラコとクラッブとゴイル、パーキンソンとグリーングラスは俺と同じくスリザリンという結果になった。

 

そして道具が片付けられ、アルバス・ダンブルドア校長が生徒の前へと進み出た。

 

「おめでとう!ホグワーツ新入生の諸君、おめでとう!歓迎会を始める前に、儂から二言、三言言わせていただきたい。では行きますぞ。そーれ!わっしょい、こらしょい、どっこらしょい!以上じゃ」

 

とんでもない校長も居たもんである。こんな校長は端から見ている分には面白いのだろうかと考えながら、テーブル一杯に並べられている料理に舌鼓を打った。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

「エヘン――全員よく食べ、よく飲んだことじゃろうから、また二言、三言。新学期を迎えるにあたり、いくつかお知らせがある。一年生に注意しておくが、校内にある森は立ち入り禁止じゃ。これは上級生にも、何人かの生徒たちに特に注意しておく。」

 

「そして管理人のフィルチさんから授業の合間に廊下で魔法を使わないようにという注意があった。今学期は二週目にクィディッチの予選がある。寮のチームに参加したい生徒はマダム・フーチに連絡するように」

 

「最後じゃが、とても痛い死に方をしたくない人は、今年いっぱい四階の右側の廊下に入ってはならんぞ」

 

様々な料理で腹を満たした後、再びダンブルドア校長が前に出てそんなことを警告してきた。

最後の説明に関しては物騒過ぎやしないか?

 

そうして時は過ぎていき、俺達──新スリザリン生は監督生であるジェマ・ファーレイの先導に従って第二の家となるスリザリン寮へと向かっていった。




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