【本編完結】ハリー・ポッターと何も知らない転生者 作:シャケナベイベー
「墓場以来だな。息災か?」
「そういうお前は相も変わらず手勢を動かすだけかヴォルデモート。たまには外に出て日の光でも浴びたらどうだ?」
「わざわざ俺様が動く必要などあるまい?」
ヴォルデモートの変わらぬ不遜な物言いに溜め息を吐く。そんなリオンを意に介さずヴォルデモートは杖を向けた。
「さぁ───構えろリオン・アーデル。そのエドワードと一切合切同じ顔が、目が、絶望に歪むのを見たいのだ!」
「面倒な癖拗らせやがって……!」
飛んできた緑の閃光を右に跳んでかわし、呪文を放つ。しかしそれは軽く杖で弾かれ、またも閃光が飛んできた。
「ステューピファイ!」
「温いわ!!」
放った失神呪文は軽くいなされ、連続で呪文が飛んでくるのを盾の呪文で防いだり、跳んだりして凌いでいく。
やがて互いの杖から黄金の閃光が放たれ、ぶつかり、力比べを始めた。
「ぐ……っ……!!」
「その程度かリオン・アーデル!! 俺様を失望させるな!!」
歯を喰い縛り、なんとか保たせる。しかし、リオンとヴォルデモートの間にある魔力の差は歴然で徐々に押し込まれていった。
───大丈夫だリオン。俺がやろう。
「爺……ちゃん……?」
───奴に相対するには今のお前だと荷が重い。
瞬間、リオンの精神が引っ張られ、まるでテレビを見るかのような感覚になった。
そしてリオンに代わって顕現したエドワードは未だぶつかり合う繋がりを杖を捻って絶ち切ると、改めてヴォルデモートを見た。
「雰囲気が変わった───エドか」
「久しいなトム」
杖を下げ、目の前の少年を見つめるヴォルデモートはらしくもなく純粋な笑みを浮かべた。
それを見てエドワードも小さく笑みを浮かべ、杖を構えた。
「俺様に付けば、ユスティアを失わずに済んだものを」
「タラレバだ。何より、お前が敵対する者を生かす筈がないだろう?」
戦いの最中とは思えないほど、それこそ世間話でもするかのような穏やかさで二人は会話する。
「……リオン……?」
ハリーは、目の前の少年が自分の知るリオンとは何処か違うと直感していた。エドワードはハリーに目を向け、優しく微笑んだ。
「そこに居てくれ。そこから動かれると守りきれない」
「君は───」
「安心してくれ。必ず守る」
不安げな顔をするハリーに強く頷いてみせたエドワードはヴォルデモートに杖を向けた。
「お前では俺様に勝てんぞ?」
「確かにな。あの時とは状況が違うが……一対一じゃどうあってもお前には勝てない」
嘲るように言うヴォルデモートに反論することなくエドワードは肯定する。
エドワードは、かつて自分が死んだときの事を思い返した。あの時、傍らにはユスティアが居て、ヴォルデモートも複数の死喰い人を引き連れてやって来ていた。
多勢に無勢でこそあったが、一人で戦った訳ではなかった為に余裕があった。
そしてそんなエドワードを見てますます笑みを深めたヴォルデモートは彼に手を差し伸べた。
「分かっているのなら話は早い。さぁ、俺様の下に来い。そうすれば死など恐れることも無くなるぞ」
甘言を吐き、惑わそうとするヴォルデモート。そんな彼を見てエドワードの口から笑みが溢れた。
「……何が可笑しい?」
「いや、いや───お前は昔のままだなトム」
「何だと?」
「ヴォルデモートなんて仰々しい名前を名乗っていても考え方は俺のよく知るトム・リドルのものだ。訣別したつもりだろうが、結局は逃れられていない訳か」
言い終わるかそうでないかの内に、エドワード目掛けて死の呪文が飛んでくるがエドワードは『短距離姿くらまし』を使ってかわす。
「なんだ? 消したい過去を口に出されて気に障ったか?」
「黙れ」
立て続けに死の呪文が飛んでくるのを、エドワードは『姿くらまし』を乱発してかわし続ける。
ヴォルデモートの紅い双眸は激情に燃え、エドワードの群青の双眸は氷のように冷たい、されど静かな炎を宿していた。
「俺様は死を超越した」
「ただ逃げているだけだ」
「お前が愛したユスティアはもう居ないぞ」
「息子と孫がいる。だがお前はこれまでも、そしてこれからも独りだ」
「俺様の名はヴォルデモートだ!!」
「お前はトム・マールヴォロ・リドルだ」
お互いの呪文が相殺し合い、辺り一面を光で照らす。そして問答の末、ヴォルデモートの攻撃がより激しくなる。自らの過去を否定するかにようにただ我武者羅に。
「いくらお前自身が否定したとしても、過去は纏わりついてくるぞ」
「ならば力でねじ伏せれば良い」
「虚しい奴だな」
紅い魔力が爆ぜる。ヴォルデモートの怒りが、殺意が全てを呑み込まんと唸りを上げた。
ヴォルデモートが腕を振るい、そこから炎の大蛇が首をもたげた。『悪霊の火』だ。
無言呪文かつ
舌打ちを溢し、指を軽く曲げる。
すると『魔法界の同胞の泉』から水が殺到し、たちまち炎の大蛇を呑み込み鎮火させた。
これには流石のヴォルデモートも驚いたようだったが、エドワードが辺りに散らばった瓦礫を全て槍に『変身』させて自身に向けて放ったのを見ると、それに対処せざるを得なかった。
「俺様をこの程度で殺せると思ったかエド!!」
「まさか。思ってないさ」
全てを死の呪文で粉砕し、吼えるヴォルデモートを見据えたエドワードが再び杖を振るった。
その瞬間、ヴォルデモートはとっさに体をずらした。驚くべきことに、ヴォルデモートの右目が切り裂かれ、そこから血が流れた。
「ご主人様!!」
「は───?」
それを見たベラトリックスが悲痛な叫びを上げ、エドワードが訝しげに目を細めた。
エドワードは、ヴォルデモートはこの程度の攻撃──魔力による不可視の斬撃だ──は相殺するか、『姿くらまし』を使うかして避けるだろうと踏んでいた。だが実際は奴の右目を抉った。避けられる筈であったにも関わらずだ。
だが、避けなかったならそれはそれで好都合。続け様に呪文を放とうとして、体がガクンと崩れ落ちた。
「なっ……ぐっ……!」
膝を突き、地面に伏せるエドワード。その額には脂汗が浮かんで視界も霞み、心臓は五月蝿いほど鼓動を早めていた。
(まずい……リオンが限界か! 長引かせるとリオンがもたない……!)
原因は、リオンの体の負担であった。ただでさえエドワードが顕現している状態でも僅かに負担が掛かっているのに、それに加えてまだリオンが習得していない『姿くらまし』の乱発、普段の数倍の魔力消費など考えてみれば身体に負担が掛かって当然だ。寧ろここまで良く持ってくれたと言うべきだろう。
───悪い爺ちゃん……これ以上は……!
(いや、俺の方こそ無理をさせてすまない……だが……)
この状況は不味い……! ヴォルデモートが立ち上がり、杖を向ける。未だ吹き飛んだ右目からは血が流れ出ているが奴からすれば大した傷でもないのだろう。
「儚い幕切れだな。小僧の肉体でなければもう少し抗えたろうに」
「生憎と、この身体にこれ以上負担を掛けるわけにもいかなくてな」
「ならば、それこそ俺様に従えば良かったものを」
「それこそ御免だ。それに俺にばかり気を取られてていいのか?」
「なに?」
金色の銅像が独りでに動き出し、ヴォルデモートとベラトリックスの下へと向かう。
ベラトリックスは捕らえたものの、ヴォルデモートは像を破壊した。
「───ダンブルドアか!」
「遅れてすまんのうエドワード」
「全くですね……後はお願いします」
「うむ。任されようぞ」
エドワードが目を閉じ、意識がリオンに戻される。そして崩れ落ちたリオンの体をダンブルドアの老いた二本の腕が支えた。
「下がっておるのじゃリオン。君達は充分良くやってくれた」
「……すみません。お願いしますダンブルドア」
ハリーの近くまで寄っていくリオンを見届けて、ダンブルドアは改めてヴォルデモートと対峙した。
「ここへ来たのは愚かじゃったなトム。じき闇祓いが来よう」
「その前に俺様は居なくなり、貴様は死んでおるわ!」
「エドワードと戦い、手傷を負った君に果たしてわしが殺せるものか」
「黙れ老いぼれよ!!」
ヴォルデモートの杖から死の呪文が飛ぶ。ダンブルドアはそれを『姿くらまし』を使ってかわし、杖を振って泉の水でヴォルデモートを繭のように包む。
ヴォルデモートは繭から抜け出そうと足掻き、やがて繭が地面に落ちた頃にはヴォルデモートの姿は消えていた。
「ご主人様!!」
ベラトリックスのすすり泣き声が聞こえる。終わったのかとハリーが動こうとして、それをダンブルドアが制止した。
「ハリー、動くでない!」
ダンブルドアの声が恐れを帯びる。するとハリーの額の傷が今までにないほど痛みだし、ハリーは絶叫して蹲った。
そして、ハリーの口がひとりでに動く。
「俺様を殺せ、今すぐ、ダンブルドア……」
それにリオンが杖を抜いた。しかしダンブルドアは一歩後ろに後退した。
「俺様を止めたいのなら、この子を殺せ……」
ハリーはあまりの激痛に死を望んでいた。この痛みに比べれば死などどうという事はない。そうすれば向こうでシリウスに会える───
「……シリウス……」
ハリーの中で熱い感情が溢れ、涙が一滴流れた。それに耐えかねたヴォルデモートはハリーの中から逃げ出しベラトリックスの下に向かう。
するとエントランスに備え付けられていた無数の暖炉からエメラルドの炎が噴き出し、そこからファッジや闇祓い、内閣府の人間たちが殺到した。
彼らはエントランスの惨状に目を丸くしたものの、その場にいたヴォルデモートとベラトリックスに気が付くと直ぐ様杖を向けた。
それを見たヴォルデモートはベラトリックスを引っ付かんで即座に『姿くらまし』で消えていった。
「ダンブルドア、何があった?」
事態を察知したファッジが慌ててダンブルドアに駆け寄り、倒れるハリーとリオンを見て目を丸くする。
「なぜ彼らがここに?」
「ヴォルデモートによって神秘部に誘き出されたのじゃ。死の間にわしが捕らえた死喰い人と騎士団の者達がおる。彼らを頼んで良いかの?」
「分かった。詳しい話は後にしよう──ドーリッシュ、ウィリアムソン! 聞いたな? 死の間へ!」
慌てて闇祓いと役人達が死の間に駆けていくのを見届け、ダンブルドアはハリーとリオンを伴って歩き出す。
「ポートキーを使うか?」
「そうさせてもらおうかのう。わしはともかく二人が限界じゃ」
ダンブルドアが目をやった先にはフラつくリオンとハリーの姿があった。
「……大丈夫リオン?」
「お前こそ……無理、は……」
と、リオンが崩れ落ちる。なんとか支えたハリーだが彼もまた疲労が蓄積していた。
「リオンを聖マンゴに連れていった方が良さそうじゃ。コーネリウス、すまぬが」
「分かっているとも──誰か、彼を聖マンゴに!」
ファッジの呼び掛けに応えた職員の一人がリオンを担いで聖マンゴに『姿くらまし』するのを見届けたダンブルドアは今度こそハリーと共にホグワーツへと帰っていった。
◆ ◆ ◆
「……ここは……」
まず視界に入ってきたのは真っ白な天井だった。そして無地のカーテンが四方を囲み、自分はベッドに寝かされているのだと理解した。
体を起こし、ベッドの下にあったスリッパを履く。病院の服を着ていることからして、どうやらここが聖マンゴであることは理解できた。
「あぁ、俺は倒れたのか……迷惑掛けたなぁ……」
あの後、ハリー達はどうなったのだろう。そんなことを考えていると、カーテンがシャッという音を立てて開き、そこからダンブルドアが姿を見せた。
「おはようリオン。気分はどうかの?」
「ダンブルドア先生。はい、すっかり元通りになりましたよ」
ダンブルドアはベッドに座っているよう促し、やがて目の前にやって来た。
「ハリー達は……?」
「おぉ、みな無事にホグワーツに帰ったとも。怪我をした子もおるがマダム・ポンフリーの処置のお陰ですっかり元通りじゃ」
「そうですか、良かった……それで、その──シリウスは?」
友人達が無事であることに胸を撫で下ろしたリオンは、未来視で察知していなければ確実に死んでいたであろうシリウスについて訊ねた。
リオンが触れたときは脈は正常だったが万が一ということもあるかもしれない。厭な想像を振り払い目の前の老人を見つめた。
「シリウスは生きておる。じゃが、死のアーチに触れた影響か目が覚めておらぬ。魂だけが失くなったかのようにの」
「それは───」
死んでいることと変わらないのではないか。そう訊こうとして、あまりにも不躾だと思い直した。
もしかしたらひょっこり目覚めるかもしれない。少なくとも死んだ訳ではないのだから、自分がどうこう言っても仕方無いだろう。
「……ヴォルデモートは、“予言”を手に入れようとしていた」
「“予言”……ですか?」
「そうじゃ。予言はそれに関わる者にしか取り出せぬからこそ、あやつはハリーを神秘部に誘き出したのじゃ」
「つまりその予言はハリーとヴォルデモートに関することだと?」
ダンブルドアが頷く。
リオンはハリーが持っていた水晶がダンブルドアの言う“予言”なのだとこの時に理解した。
「ですがそれは死喰い人との戦闘で壊れました。ヴォルデモートの手に渡っていません」
「左様。あやつは怒り狂っておるじゃろうな。なにせ“予言”を手に入れることが出来ず砕けたばかりか、部下は再びアズカバン行きとなり、自身は誰一人として──ハリーや君を──殺せなんだ」
なるほど、結果だけ見ればヴォルデモートは何一つとして目的を遂げられなかった訳だ。
「どういった内容で、一体誰がその予言を?」
「その予言を聞いたのはわし、そして予言を告げたのはシビル・トレローニー先生じゃ」
「トレローニー先生が?」
リオンの目が信じられないとばかりに見開かれる。ダンブルドアは冷静に、過去を思い出すように語り出した。
「当時、ホグワーツの占い学を担当したいと言ってきたシビルをわしがホッグズ・ヘッドの旅籠の一室で面接したのじゃ。しかしわしは、常から占い学の必要性について疑問を持っておった。君も知っておるようにシビルは、かのカッサンドラ・トレローニーの曾々孫じゃったから挨拶くらいはしておくのが一般的な流儀じゃと思っておった。
そうして面接を始めて、わしは失望した。シビルには才能の欠片もないと思ったからじゃ。そしてなるべく礼を失さぬように「貴女はこの職に向いてないと思う」と告げて帰りかけた───すると驚くことにシビルが今までと違う低い声で語りだしたのじゃ」
闇の帝王を打ち破る力を持った者が近づいている……七つ目の月が死ぬとき、帝王に三度抗った者たちに生まれる……そして闇の帝王は、その者を自分に比肩する者として印すであろう。しかし彼は、闇の帝王の知らぬ力を持つであろう……一方が他方の手にかかって死なねばならぬ。なんとなれば、一方が生きるかぎり、他方は生きられぬ……闇の帝王を打ち破る力を持った者が七つ目の月が死ぬときに生まれるであろう……。
「一方が生きるかぎり、他方は生きられぬ……つまり、つまりそれは──」
「そうとも。ヴォルデモートかハリー。どちらかが、どちらかを殺さねばならぬ」
リオンは、目覚めたばかりの身体に冷や水を掛けられたような気持ちになった。あまりにもあんまりだ。だってそれは、ハリーをみすみす死なせるようなもので、そうでなくとも危険極まりないものだ。
「当時、この予言をヴォルデモートの部下が盗み聞きしておった。偶然なのか、わしの後をつけてきただけなのかは分からぬが、その者は予言の内容をヴォルデモートに伝えた。幸いにして聞かれたのは最初の部分だけじゃったからヴォルデモートはその危険性に気付くことはなく、そして───」
「赤ん坊だったハリーに破れた」
「その通り。そしてつい先日──と言ってもシビルが解雇される前の日じゃが──シビルがまたも予言したのじゃ。今度は、君に関することを」
「俺に……?」
何故か、ドクンと心臓が跳ねた。ダンブルドアの青い目がリオンを射抜き、そして告げた。
その者、輪廻の果てより来たりし者は大いなる試練に向かうであろう。騎士の誇りを胸に闇の帝王に立ち向かわんとする者、その者は闇の帝王の手にかからねばならぬ……さすれば闇は祓われ、鎖は絶ち切られるであろう……そして千の果てより続く因縁は終わり、死は汝の友となるであろう……。
絶句した。リオンにとって、それはあまりに無慈悲な宣告であった。
「これは……つまり、俺は──死ななければならない……?」
「……そうじゃ。予言は君に向けて送られたのじゃ……“輪廻の果てより来たりし者”……この言葉が何よりの証明となっておる……」
「前世の……あぁ……」
ダンブルドアがくぐもった声を漏らす。その瞳から涙が零れ、顎髭に落ちた。
◆ ◆ ◆
ホグワーツ特急が汽笛を鳴らす。キングス・クロス駅は人で溢れ返り、カートを押すリオンは人にぶつからないように注意しながら歩いていた。
「リオン!」
「ん?」
声を掛けられ、振り返る。そこには満面の笑みを浮かべるトンクスとルーピン、目高帽を被ったマッドアイが手を振ってこちらにやって来るところだった。
「トンクスにルーピン先生にマッドアイ。二人ともハリーの見送りに行ってたんじゃ……」
「それが終わって、さぁ帰ろうとなった時に君を見掛けたからね。今年は色々大変だっただろうから挨拶しておこうと」
「そうよ。リーマスってばリオンを見た瞬間に嬉しそうにするんだもの」
「ドーラ!」
「えぇー、何よ。本当のことでしょう?」
「だからってわざわざ言わなくても……!」
リオンそっちのけで言い合いを始める二人にクスクスと笑みが溢れた。そんなリオンの肩を、マッドアイの節くれだった手が叩いた。
「お前達とは長い付き合いになるだろう──お前の祖父から闇祓いのなんたるかを教わり、その息子をわしが鍛え上げ、そしてお前にもまた教えることがあるだろう。───そう簡単にくたばってくれるな」
リオンはマッドアイに開心術でも使われたのかと思った。しかしそれは違うだろうなと思い直し、強く頷いた。
「勿論です。まだまだ死ぬつもりなんてないですよ」
「なら良い──ルーピン、ニンファドーラ! 油断大敵! いつまで痴話喧嘩している。とっとと帰るぞ!!」
「あのね、ニンファドーラって呼ばないで!!」
「それじゃあリオン、またね」
ワイワイと騒がしそうに去っていく三人に苦笑しつつ、リオンもカートを押して両親の下に歩き出した。
たとえ死ぬとしても、それは今を生きない理由にはならないのだから。
これにて不死鳥の騎士団編、完結です!
予言はリオンにももたらされた。ここからは死への階段を登ることとなるのか、それとも───