【本編完結】ハリー・ポッターと何も知らない転生者   作:シャケナベイベー

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ハリポタシリーズ八話目にしてハーマイオニーが初めて喋る作品があるらしい


賢者の石と竜の卵

クリスマス休暇が明けてから大体一ヶ月が過ぎた頃。

グリフィンドールとハッフルパフのクィディッチの試合であのスネイプ教授が監督をするという情報を耳にした俺は試合の観戦に訪れていた。

 

「凄いなハリーの奴……五分とかからずにスニッチ取った……」

 

相変わらずなハリーの箒テクニックに舌を巻く。まさしくクィディッチの申し子と言っても過言ではないだろう。

もしハリーがプロのクィディッチ選手になったらきっと凄いんだろうなぁと考えているとホイッスルが鳴り、試合終了の声が響いた。

 

 

 

 

「よっす、ハリー。お疲れ様!」

「うわっ!?リオン!?う、うんありがとう…?」

 

突然後ろから話しかけてきた俺に驚いたのか、ハリーの感謝の言葉は疑問形になっていた。

と、スリザリンの俺の登場で多くのグリフィンドール生が嫌そうな顔をする。

未だグリフィンドールとスリザリンの仲は険悪なままだ。何とかしたいとは思うが一年生の俺に出来ることはないだろう。

 

「あー…なんかお邪魔だったか?」

「そ、そんなことないよ!」

 

ハリーの優しさに涙が出そうになる。出来れば純粋な心のまま成長してほしいもんだ。

 

「ま、俺としてはお疲れを言いたかっただけだ。クィディッチ頑張れよ」

「うん、ありがとね」

 

そう言ってハリーに手を振り、その場を離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん?」

 

ハリー達と別れ夕陽に照らされるホグワーツを歩いていると、キョロキョロと辺りを気にしながら歩いていくスネイプ教授の姿が見えた。

 

「いや明らかに怪しいだろ…」

 

その様子が気になったので目眩まし呪文を使って姿を隠し、スネイプ教授の後をついていく。

 

 

 

しばらくして、林の開けた場所に出た。

そこにはスネイプ教授と意外というか予想通りというかクィレル教授がいた。

 

「や、やぁセブルス……わ、私に、何の用だ……?」

「もう理解しているのではありませんかな?我輩は貴方がどちらにつくのか聞きに来たのです」

 

(どちらにつくか…?)

 

そんな俺の疑問を余所にスネイプ教授は言葉を続ける。

 

「『賢者の石』を見つけることは出来なかったようですな。あのお方が何と言うか…」

「そ、そういう君はどうなんだ…?あ、あの、アーデルの息子とけ、結託しているのでは、ないか…?」

「我輩が?」

 

くつくつと心底愉快そうにスネイプ教授は笑う。

その笑いに、背中を冷たいものが伝った。

 

「そ、そうだ……あ、あの日、君が襲われているところを助けた子だ…」

「有り得ませんな。一体どんな理由があって協力するというのか。それに、向こうは我輩を嫌っているようだが」

「そ、そうか……それなら、良いんだ……」

「怖いですかな?アーデルが。多くの死喰い人を捕らえた男の息子が」

 

その言葉にクィレル教授はビクッと体を震わせたものの、そのまま何も言うことなく去っていった。

 

俺も急いでその場を離れ、ある程度生徒を見かけるようになったところで目眩まし呪文を解く。

 

「……賢者の石。たしか、ニコラス・フラメルが作ったっていう不老不死をもたらす石だっけ。クィレル教授はそれを狙ってたのか?ってことは禁じられた廊下で探してたのは賢者の石で、あの三頭犬は賢者の石を守ってたってことでいいのか……?」

 

ぶつぶつと己の頭を整理するために考えた事を声に出す。

結果、考えが纏まらなかったので寮に戻ることにした。

 

 

 

───一体ホグワーツで、何が起ころうとしているんだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、俺はホグワーツにある図書館にやって来た。昨日のスネイプ教授とクィレル教授の会話に出てきたニコラス・フラメルと賢者の石について調べようと思い立った……までは、良かったのだが……

 

「全っ然、分からん!!」

 

本を閉じ、頭を抱える。

ニコラス・フラメルの情報が載っている本を見つけたまでは良かったのだが、肝心の賢者の石については詳しい情報を得られなかった。

 

「まぁ、賢者の石って相当な代物だし探すのに苦労するのも仕方ないさ」

 

対面に座り、本を読んでいたマークがそう慰めてくる。

 

「とは言ってもなぁ…せめて手掛かりの一つくらいあってもいいもんじゃないか?」

「そう簡単に見つかるくらいならクィレル教授も苦労しないんじゃない?」

 

思わず押し黙る。確かに、一学生に見つけられるなら教師が見つけていてもおかしくないか。

 

「仕方ない。今日はこの辺に……あれ、ハリー達?」

「え?あ、ホントだ。何やってるんだろ?」

 

俺の視線の先には何やらコソコソしているハリー、ロン、グレンジャーのグリフィンドール三人組がいた。

 

「ちょっと話し掛けてみるか」

「そうだね」

 

席を立ち、ハリー達の方に向かう。三人はよほど何かに集中しているのか近付く俺達に気付く様子はなかった。

 

「三人とも。何してるんだ?」

「わぁっ!?……って、リオンとマークか…ビックリさせないでよ…」

 

俺が話し掛けるとロンが飛び上がり、こっちに顔を向けた。

 

「ごめんごめん。で、何してるんだ?」

「何って、そりゃ賢者のい───むぐっ!?」

「な、何でもないわ!!ねぇハリー!?」

「う、うん!な、何でもないよ!」

「いや明らかになんかあるだろ」

 

ロンの口を抑え、誤魔化そうとするハリーとグレンジャーだったがそれは逆に何か隠してますと言ってるようなものだ。

 

「当ててやろうか。賢者の石について調べてるんだろ?」

「えっ!?何でそれを……!?」

 

しまった!と言うようにハリーが口を両手で覆うも、ほとんど喋ったので意味はない。

 

「やっぱりか。三人も賢者の石を探してたんだな」

「三人もって……じゃあリオンも賢者の石を探してたの?」

「あぁ。実は───」

 

俺は三人にこれまでの事を話した。

ハロウィンの日、禁じられた廊下で三頭犬を見たこと。それにスネイプ教授が襲われ、クィレル教授はその間に何かを探していたこと。

先日、スネイプ教授とクィレル教授の会話の中でクィレル教授が探していたものが賢者の石だと判明したこと。

そして賢者の石の手掛かりを探すためにニコラス・フラメルの本を読んでいたこと。

 

「──とまぁ、こんなとこかな。三人はどうやって賢者の石を?」

「僕らはね──」

 

ハリーの話を要約すると──

 

ハリー達も禁じられた廊下で三頭犬(フラッフィーと言うらしい)を目撃した。

そこでフラッフィーが何か大切なものを守っているのではないかと思った三人はハグリッドに聞きに言ったところ、ハグリッドが「ニコラス・フラメルとダンブルドア」と漏らしたため、ニコラス・フラメルについて調べた結果、賢者の石の製作者であることが分かりフラッフィーが守っているのが「賢者の石」だと判明した──ということらしかった。

 

「それでね、僕がグリンゴッツに行ったとき、ハグリッドはなにか包みみたいな物を取り出してたんだ」

「包み、か……そう言えば、グリンゴッツに侵入者が現れたって大騒ぎになってたな……ってことは……」

 

その侵入者の狙いは賢者の石で、その侵入者の正体は──

 

 

「あれ、ハグリッドだ」

「何?」

 

ロンの呟きに思考を中断してロンが見ている方向を見る。

 

そこには、何やら本棚の前でコソコソしているハグリッドが居た。

何だろう、最近は図書館でコソコソするのが流行っているのだろうか?

 

「ハグリッド。何してるの?」

 

ハリーが声を掛けると、ハグリッドはビクッとしてこちらを向いたがやって来たのがハリー達だと知るや「なんだお前さんらか…」と明らかにホッとしたような声を出した。

 

「まぁ、ちょっとな……お前さんらはこんなとこで何してるんだ?」

 

ハグリッドは手に持っていた本を後ろに隠し、俺達に聞いてくる。

 

「ちょっと賢者のい──「はいストップハリー」むぐっ!?」

 

ハグリッドに明かそうとするハリーの口を塞ぐ。

ハグリッドもハリーが何を話そうとしたのかを察したのか「ここで言っちゃいかん」とハリーを窘める。

 

「……ここで話すのもあれだな……よし、今夜俺の小屋に来いや。そこで話そう」

 

その言葉に俺達は頷いた。

 

ちなみに、グレンジャーからは「ハーマイオニーと呼んでほしい」と言われたので今後はハーマイオニーと呼ぶようにします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どう思う?賢者の石のこと」

「一番怪しいのはクィレル教授だな。次点でそのクィレル教授と何かしらの繋がりがあるスネイプ教授か」

 

ハリー達と別れ寮へと戻る道すがら、俺とマークはそんなことを話し合っていた。

 

「君から見るとそうなんだ?」

「マークは違うのか?」

「いや、僕もそうだと思う」

 

お互いに考えることは同じようだ。

 

「しっかし、なんだってクィレル教授は賢者の石を狙うんだ?」

「それは…不老不死になりたいから、とか?」

 

本当にそれが理由何だろうか。

そんな理由が似合うのは例のあの人くらい──

 

「あっ…!」

「リオン?どうかした?」

「そうだ…そうだよ、闇の帝王だ!」

 

何故今まで見落としていたのかと気付かされる。

そう。そうなのだ。あの時、スネイプ教授は「あのお方が何と言うか」と言っていた。

順当に考えればスネイプ教授の言う『あのお方』はダンブルドア校長になるだろう。

ダンブルドア校長は賢者の石を守る側にいるし、目の届く場所で賢者の石を奪えば手痛いしっぺ返しを食らうことになる。

しかし、スネイプ教授はかつて死喰い人として活動しており、闇の帝王の傘下にいたということを父さんが話していたのを聞いたことかある。

 

 

「そうか…例のあの人が不老不死になるために賢者の石を欲した。そしてその賢者の石を手に入れる役目に任命されたのがクィレル教授だとしたら辻褄が合う!!」

 

スネイプ教授とクィレル教授はグルで、今現在も賢者の石を狙っている……と、考えたは良いのだがスネイプ教授もクィレル教授を怪しんでいた。

あれが演技でないとすればスネイプ教授もまた、賢者の石を守る側にいるということになる。

となれば、怪しいのはクィレル教授ただ一人となるわけだが…

 

「まぁ、ただの憶測だし下手に動くのも危ないよな…」

「見つかったら只じゃすまなそうだしね」

 

 

 

 

 

未だ謎は多い。それでも、真相に一歩ずつ近付いている確信はあった。

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

 

「おぉ、来たか。さぁ入っちょくれ」

 

そして夜。俺達はハグリッドの小屋へやって来た。

小屋のカーテンは全てきっちりと閉められており、むわっとした熱気が俺達を襲った。

 

「何だって閉めきってるんだよ…」

「まぁ、ちょいと事情があってな……まぁ座れや」

 

ハグリッドに促され、ソファに座る。

サンドイッチとコーヒーが出てきたので有り難く胃に収めた。

 

「それで、フラッフィー以外に賢者の石を守っているのが誰かハグリッドなら知ってるんじゃないかなぁって」

「すまんが答えられん。いや、答える以前に俺も分からんのだ。それに、お前達は知りすぎとる。これ以上危ないことに首を突っ込むもんじゃねぇ」

 

ハリーの問い掛けにハグリッドは首を横に振って答える。

どうやら、知らないということはホントらしい。

 

「なら、禁じられた廊下のフラッフィーは?あれはハグリッドのペットでしょう?それに、私達は賢者の石が誰によってどうやって守られているか知りたいだけなの。ハグリッドなら知ってるんじゃないかと思って。だって、ここで起きていることに一番詳しいのはハグリッドでしょう?」

 

ハーマイオニーの見え見えなおだてにハグリッドは誇らしげに胸を張る。

嘘だろ…気付かないのか?

 

「まぁ、それくらいならいいか──ダンブルドア先生が俺からフラッフィーを借りて、他の先生達が石を守るために魔法の罠を仕掛けたんだ。マクゴナガル先生、スプラウト先生、フリットウイック先生、クィレル先生……あと、そうそう。スネイプ先生もな。それに加えてダンブルドア先生もちょいと細工しとった」

「スネイプだって?」

 

ハグリッドが上げた名前にハリーが信じられないと目を見張る。

それは俺もだ。怪しいと思っていたクィレル教授とスネイプ教授が守るために罠を仕掛けただって?

 

「ハリー、まだあの事を気にしてるのか?スネイプ先生は石を守る側の人だ。石を盗もうだなんて考えもせんだろう」

「ハグリッドだけがフラッフィーを大人しくさせられるんだよね?誰にも教えてないよね?」

「勿論だ。俺とダンブルドア先生以外誰も知らん」

「そっか…なら安心だね」

 

ハリーが安心した顔をする。

俺はそれを見て、「いや…」と頭を被った。

フラッフィーを大人しくさせるという意味では魔法でも可能だろう。

俺がハロウィンの日、失神呪文でフラッフィーを昏倒させたように。

 

「ハグリッド、カーテンを開けてもいい?湯立っちゃうよ」

 

そう言って、ロンがカーテンを勢いよく開ける。

ふと、その向こうに映った暖炉に全員の目が止まった。

 

暖炉の燃え盛る火の中、一つの巨大な黒い卵が置かれていたからだ。

 

「ハグリッド、あれは何?」

「い、いや~、あ、あれはな、興味本位でちょっと…」

「どうしたのこれ。高かったろう!」

 

ハリーの問いにハグリッドは気まずげに視線をさ迷わせ、ロンが興奮した様子で暖炉の前に座り込む。

 

「ねぇリオン。あの卵って…」

「ドラゴン、だな」

 

ドラゴンを飼うことは法律で禁止されている。

まだ孵っていない状態ならば良いが、この状態からしてハグリッドは卵を孵すつもりだろう。

 

「ハグリッド。ドラゴンを飼うことは禁止されてる。それはよく知ってるだろう?」

「あ、あぁ。…つっても、俺が自分で買った訳じゃねぇんだ。賭けをしてな。その時に貰ったんだよ」

「厄介払いされてるだけだろう。ダンブルドア校長かマクゴナガル先生には?」

 

俺が聞くと、ハグリッドは目を逸らす……おいおい冗談だろ…!?

 

「まさか、誰にも言ってないのか!?いくら卵の状態でも、ドラゴンなことに変わりはない!誰かを襲ったりでもすれば…!!」

「分かっちょる。だが、誰かに譲るのも……」

「そうじゃなくて!卵を貰うのはいいけど、とりあえず報告はしろよ!大事になったら誰にも伝えなかったハグリッドの責任になるんだぞ!!」

 

と、少し強くハグリッドを怒鳴ってしまったものの、その後のハリーの提案でロンの兄であり、ドラゴンの研究をしているというチャーリーに預けるという話で纏まった。

 

そしてその後、産まれたドラゴンはノーバートと名付けられ、ハグリッドが世話をしていたようだ。

 

 

 

 

 

それから数日。

 

俺に会いに来たらしいマークが衝撃の出来事を伝えてきた。

 

 

 

 

 

 

「ロンがノーバートに噛まれたみたいだ」

 

 

思わず、天を仰いだ。




なんか解けそうで解けない問題があるとモヤモヤするよね
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