【本編完結】ハリー・ポッターと何も知らない転生者   作:シャケナベイベー

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陥落。そして

 今日も今日とてホグズミード村は閑散としていた。普段ならば小さな学生や住民、飲みに来た魔法使いで賑わうこの場所も、さしもの闇の時代とあっては普段通りに過ごすことなど出来なかった。

 

 それはホグズミードにひっそりと佇むパブ『ホッグズ・ヘッド』も同じで店の店主は濡れたカップを拭きながらどんよりした曇り空を見てため息を吐くと壁に掛けられた一人の少女の肖像画に目をやる。

 

 

『兄さま』

 

 

 優しい子だった。優しくて、愛らしくて可愛い妹だった。それがあんなことになるなど、誰も予想していなかっただろうに。

 良く晴れた日に『ピクニックに行きたい』と主張した妹の為に家族揃って外に出た。母と手を繋いでにこやかに微笑む妹を、自分も兄も父も穏やかに眺めていた。

 

 そしてピクニックを終えて、さぁ帰ろうとなった時、妹の姿が無いことに気付いた。慌てて家族全員で探し回り、そして倒れ込むその小さな体躯を見つけた時には手遅れだったのだと理解してしまった。

 

 虚ろな目、青アザを作った身体。元凶は近くにいたマグルの少年三人。

 

 

『よくも!!』

 

 

 事を理解した父が怒りのままに杖を振るった。自分も兄も母も止める間もなく、呪文によって少年達は意識を失い、後には怒りで肩を震わせる父が残った。

 その後に父はマグルに魔法を使い、永遠に意識を目覚めさせなくしたとしてアズカバンに収監され、母はまだ幼かった自分達を守るためにゴドリックの谷へと移住した。

 

 その日から自分たち家族は沈んでいき、最終的には───と、過去を思い返していた店主の耳に小さな鐘の音が届く。

 誰かが扉を開けて店にやってきたのだと理解し、小さくため息を吐いてから振り向くことなく告げた。

 

 

「悪いな、今日はもう店仕舞い──」

「珈琲一つ貰えるかいアバーフォース」

「あん? ……あぁ、なんだアンタか」

 

 

 訪ねてきた客が自分の名前を呼んだことでようやく来訪者の顔を見た店主ことアバーフォース・ダンブルドアはその顔を見て辟易したように顔を顰める。

 アバーフォースの目に映るのは一人の青年。間違っても彼を気安く呼べるような年齢に見えるはずもないのだが、この人物に限っては外見など詐欺に等しいということをアバーフォースは良く知っていた。

 

 

「店仕舞いつったろうが。とっとと帰ってくれねぇか」

「良いじゃないか珈琲の一つくらい。アルバスの奴から伝言を頼まれてるんだし」

「あのクソ兄貴からの伝言なんて訊きたくもないね」

 

 

 けっと吐き捨てたアバーフォースに青年──アルバス・ダンブルドアの『先輩』のアルバート・クラウンは苦笑いを見せる。

 やはりというかこの兄弟の折り合いは悪いらしいと。

 

 

「まぁそう言わずにさ。君だってアルバスの死に思うところが無いわけじゃないだろ?」

「……ちっ」

 

 

 小さく舌打ちを溢し、荒々しく珈琲の入ったカップをカウンターの上に置く。

 

 アルバートの言う通りではある。嫌っているとはいえたった一人の兄だ。妹を蔑ろにし、グリンデルバルドと巫山戯た夢のために走ろうとも彼はアバーフォースの家族であることに変わりはない。

 

 

「アルバスの遺言じゃ、遺産諸々は君に渡すってさ」

「別にいらんが」

「だとしてもだよ。君は唯一残ったダンブルドア家なんだから」

 

 

 そんなんじゃアウレリウスに顔向けできないよ? そう言われたら反論できない。

 幼くして離れ離れになり、ようやく見つけたかと思えばグリンデルバルドに良いように扱われていた息子。結局子を残すことなく若くして死んでしまったアウレリウスはアバーフォースにとって心残りだった。

 

 

「それで、もしハリーたちがここにやって来たら手助けしてあげてほしいって」

「ハリー…あぁポッター家の」

 

 

 ハリー・ポッター。兄が用意した闇の帝王を倒すための切り札。まだ学生の身分だろう少年に何をさせようとしているのやら。

 

 

「逃げ出すんじゃないか? いくら闇の帝王とやらを倒さないといけないとはいえまだ学生だろう」

「どうかな。少なくとも彼は進むよ。なにせそういう予言が下されたようだから」

「不憫だな」

 

 

 まだ見ぬ予言の子を憐れむ。兄のことだ、自分の死さえ利用してハリーに死の階段を登らせるだろう。

 

 

「それにリドルにとって因縁があるのはハリー以外にもう一人、アーデル家のリオンがいるよ。彼もまたリドルに挑むだろうね」

「アーデル家…となるとステラのひひ孫か」

「そうだよ──そういえばステラの母親はダンブルドア家だから君達とは親戚なんだっけ」

「あぁ。あの子の葬式を取り仕切ったのもアイツだったな」

 

 

 自分たちにとって姉のようなアーデル家の女を思い返す。そして交流が多かった訳では無いが、ゴドリックの谷に越してきた自分たちを当時同じく谷に住んでいた彼女も一際気に掛けてくれていた。

 

 そしてアリアナの葬式の時、ステラはアルバスの頬を平手打ちしたのだ。『貴方は──お前はダンブルドア家の家長だというのに何をしていたの』と群青の瞳に怒りを宿して。

 

 

「……うん、ご馳走様。それじゃそろそろ行くよ」

「いや本当にそれだけかよ」

「そうだよ?」

 

 

 あっけらかんと言ってのけたその顔に微かな苛立ちが浮かぶがなんとか抑え込み、代わりにため息を吐いた。

 

 

「それじゃ伝えたから。後はお願いね」

「へーへー。とっとと帰りやがれ」

「うん。それじゃあね」

 

 

 ヒラヒラと手を振って去っていくアルバートを見送り、アバーフォースはもう一度ため息を溢すと片付けに戻る。

 

 曇り空は晴天に変わっていた。

 

 

 

 

 

 

「もう限界だ! 一体何回部屋の掃除をすればいいんだよ!!」

 

 

 ウィーズリー家の一室にロンの声が響く。ウィーズリー家の母、モリーおばさんは俺達四人に繰り返し掃除を命じていた。

 彼女は「せめてビルとフラーの結婚式が終わるまで居てほしい」との事だが、本音は俺達に危険な旅に出て欲しくないのだろう。

 

 

「我慢しなきゃ。私達も無断で出ていくわけにはいかないわ」

「だからって、このままじゃ僕ら一生掃除をさせられるよ!」

 

 

 ハーマイオニーがロンを宥めようとするが、それはロンの反骨心に火を点けるだけだった。

 

 

「……リオンはさっきから何してるの?」

 

 

 二人の痴話喧嘩に辟易した様子のハリーが俺の手元を覗き込む。俺の手元には「終の書」が置かれていた。

 

 

「この本の解読だよ。もしかしたら『分霊箱』について何か載ってるかもしれないしな」

「ハーマイオニーに見せてみたら?」

「逆に聞くが今のアイツに見せられると思うか?」

 

 

 そう言って俺は未だに言い合いを続ける二人を見る。あの二人ときたら、お互いに好意を抱いてるはずなのにどうにも喧嘩ばかりだ。

 素直ではないのだろうがこうも喧嘩ばかりでは先が思いやられる。

 

 

「とりあえず何とかしてモリーおばさんを説得しないことには出られないだろうよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの子達がやる必要なんてない。貴女もそう思うでしょうエレイン」

「モリー、その話何度目よ……」

 

 

 杖を振り、玉ねぎをカットしながら横のモリーの言葉にため息をつきたくなる。どうもモリーは子供たちがここから出ていくことに反対のようだ。

 

 

「あら。それじゃ貴女はあの子達が危険に晒されてもいいって言うの?」

「そんなことないわよ。けど過度に構い過ぎてもあの子達の負担になるだけよ」

 

 

 実際、モリーの息子のロンはほぼ限界だろう。いい加減夜逃げしたりするのかもしれない。

 モリーは杖を振る手を止め、不安げに彼らがいるだろう部屋に目を向ける。

 

 

「……不安なのよ。あの子達が兄のように……ギデオンとフェービアンのように居なくなるんじゃないかって……」

「……モリー、それは──」

 

 

 モリーの二人の兄、ギデオンとフェービアンのプルウェット兄弟。二人とも不死鳥の騎士団でめざましい活躍を遂げていた。二人はドロホフ率いる五人の死喰い人との戦いの果てに命を落とし、それはモリーの心に暗い影を落としてしまった。

 かくいう私も従兄弟であった二人とは交流があり、騎士団として何度か行動を共にした事もあった。

 

 震えるモリーの肩に手を添える。彼女の不安は分かるつもりだ。だが自分はエレイン・プルウェット。イグネイシャスとルクレティアの娘。レックスの妻。

 彼の妻となる時に私は覚悟を決めているのだ。

 

 

『俺と一緒になればきっと散々な目に遭うだろう。命の保証も出来ない──それでも良いか?』

 

 

 私はその問いに頷いた。愛しているから、死ぬ時は二人一緒だと。アーデルの妻となるとはそういうことだと良く知っているからと。

 

 

(そうでしょうレックス。だからこそ、貴方は戦うのでしょう?)

 

 

 子供たちにこの禍根を残したくないから。幸せに生きてほしいから杖を取り戦うのだと貴方は──貴方達は私に教えてくれた。

 

 

 

 

 

 

「マッドアイの亡骸は?」

「未だ見つからず。騎士団と共にいくつか手勢を動かしましたが……」

「そうか。恐らく死喰い人も亡骸を探しているだろうな」

「増員しますか?」

「いや、捜索は打ち切り。手勢を戻し手筈通りに動けフランク」

 

 

 「分かりました」と頷いて歴戦の闇祓いは大臣室を後にする。深く息を吐き、椅子に腰掛ける。

 

 騎士団によるハリー・ポッター護送は理に適っている。今の魔法省はどこにヴォルデモートの手勢が食い込んでいるか分からない以上、無闇に頼るべきではない。

 

 

(儘ならんな……)

 

 

 学生に頼らねば何も出来ぬ大人など。スクリムジョールはそっと溢し、物思いにふける。

 ファッジが殺され、その後任として大臣に就任して暫く。何とか闇の勢力に抵抗してきたがやはり自分は現場が性に合っているなとつくづく思い知らされる。

 

 自分の肉体すら質に入れ、争い事に向いていなかったにも関わらず死喰い人に痛手を与えたファッジ。そして第一次魔法戦争で全身全霊で彼らに抗った傑物バグノールド。

 この二人に比べ自分のなんと矮小な事か。

 

 

「……さて。お出ましか」

 

 

 感慨に耽っていた思考を取り払い、魔法戦士としてのそれに切り替える。同時に床を踏み、自身の魔力で構成された魔法陣が室内に散らばり、溶けていく。

 

 向かってくる足音は一つ。だが扉を隔てているのに肌を焼く魔力の持ち主は奴らの中では数少ない。

 

 

「大臣自らお出迎えとは。ご苦労なことだな」

「何。お前のような者を饗すなら私自らが出向くべきだろうと思ったまでだ」

 

 

 立ち上がり杖を抜いたスクリムジョールと同時に、扉をすり抜けるようにして、音も無くその男は彼の目の前に現れる。

 

 蛇のような顔に彼の生家特有の紅い目を宿し、仮にも大臣と対面しているのに崩れない見下したような表情こそヴォルデモートがスクリムジョールを舐め切っている証拠だろう。

 ヴォルデモートはクツクツと忍び笑いを漏らしながら辺りを見回すと再度スクリムジョールにその視線を向ける。

 

 

「部下がいないようだが?」

「無駄に血を流すこともあるまい」

 

 

 偽らざる本心だった。闇祓いを総動員すればなんとかなるだろうが、他の連中を抑えられるか怪しい。だからこそスクリムジョールは省内に残る者と外に逃がす者で人員を振り分けた。魔法省はヴォルデモートの手に落ちるだろう。だがそこから奪還するための準備を進める為には人員をある程度残さなければならない。それに間諜がどれだけ入り込んでいるか把握する必要もあった。

 そして外に逃がした者には騎士団と連携して死喰い人を撹乱させるように指示を出しておく事で動きを分かりやすくする事も出来た。

 

 スクリムジョールの仕事はこれで終わりだ。

 

 

「私を殺し、忍び込ませた間諜を大臣の座に就かせる……シックネスだな?」

「かなり抵抗されたが最早我々の手駒よ」

 

 

 ヴォルデモートがクツクツと笑い、緑の閃光を飛ばす。スクリムジョールは咄嗟に岩壁を出現させて死の呪いを防ぎ、口笛を鳴らす。

 

 

「なんとも過激だな」

 

 

 最も魔力が潤沢なところでマグル支配などという馬鹿げた妄想を掲げる時点でクソガキだが。スクリムジョールの小馬鹿にしたような態度にヴォルデモートは紅い目をギラつかせながら杖を横一文字に振るう。不可視の刃が迫り、スクリムジョールが反応するよりも早く彼の首が血飛沫と共に床に転がった。

 

 

「愚かな男よ」

 

 

 嘲笑い、ヴォルデモートはスクリムジョールの亡骸に近付く。大人しく我々に従っていれば死なずに済んだものを。

 そんなありもしない事を考えながら、ヴォルデモートはスクリムジョールの首を持ち帰ろうと手を伸ばし──その瞬間、魔法大臣の身体と大臣室に仕掛けられていた呪詛が発動する。

 

 身体が崩れ、魔法陣が一層輝きを増しながら呪詛が膨れ上がる。それはかつてファッジが死と共に死喰い人達をベラトリックスを除いて葬った呪詛。

 ファッジのそれはベラトリックスには阻まれたが、今回はスクリムジョールという歴戦の闇祓いが仕掛けたもの。

 

 

 ───お前に永遠の災いあれ、ヴォルデモート

 

 

 肉体と魔法陣が爆発し、その一瞬の後ヴォルデモートの絶叫が響いた。

 

 

 

 

『魔法省陥落、同時に大臣死亡! すぐに離脱するんだ!!』

 

 

 華やかな祝いの場に一匹の山猫の守護霊が降り立ってキングズリーの声が響く。

 談笑していた声も、音楽も衣擦れの音も全てが止み、そして絶叫が辺りを包んだ。

 

 人々が動き回り騒がしくなる。ビルとフラーの結婚式の中、行き交う人々を眺めていたリオンも同じで近くにいたハーマイオニーの手を引っ張りながら杖を取り出す。

 

 

「リオン、死喰い人が!」

「分かってる、グリモールド・プレイスに行くぞ! 姿くらましの準備をしておけ!!」

 

 

 叩きつけるようにハーマイオニーに言い放つとリオンは杖を振るい、衣服に意識を集中させ、その対象となっていたハリーとロンを『呼び寄せ』た。

 

 

「待って、まだ家族が!!」

「あの人達があれくらいでくたばるものか!!」

 

 

 家族のもとに駆けつけようとするロンをハーマイオニーの方に蹴り飛ばし、リオンはハリーの首根っこを掴む。

 その時、革袋が二つリオン達の目の前に投げ落とされる。視線を向ければ、それを投げたのがフレッドとジョージの双子、そして本日の主役だったビルとフラーだと分かった。

 

 リオンは杖を取り駆け出していく四人に目線で礼を告げると二つの革袋をハリーとロンに持たせ、ハーマイオニーに視線を向ける。

 

 

「準備いいわ!」

「よし、行くぞ!」

 

 

 力強く答えたハーマイオニーに笑みを浮かべ、リオンは三人と共に『隠れ穴』から跳んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 景色が回った一瞬の後、四人は静寂に包まれた室内に立っていた。

 

 

「……成功したみたいだな」

 

 

 額の汗を拭い、リオンが安堵の息を吐き、ぐるりと室内を見回す。

 どうやら四人が跳んだのは一階の部屋のようだ。ブラック家の先祖たちの肖像画が彼らを驚いたように眺めている。

 

 

「僕達、着替え持ってきてないよ…」

 

 

 近くに椅子に座ったハリーが困惑したように呟く。四人とも、今の格好はパーティー用に用意されたドレスコードだった。

 

 

「あら。貴方達の着替えならここにあるわ──下着もね」

「ハーマイオニー、それはセクハラだよ」

「お黙り」

 

 

 キャーなんて呟くロンにハーマイオニーはピシャリと言い放つ。大方、ハーマイオニーはバッグに『検知不可能拡大呪文』を掛けているのだろう。

 それはリオンも同じで持っていたバッグから自分の着替えを取り出すとロンとハリーと共に別室に移動しさっさと着替える。

 

 そして私服に着替えた四人は改めてどうするかを考える。

 

 

「魔法省が陥落なんて……きっと家に死喰い人が来てるよ……」

「あの場にはリーマスや母さんもいた。早々やられはしないさ」

 

 

 不安げに瞳を揺らしたロンは『火消しライター』を握りしめる。これは今朝、魔法省からダンブルドアの遺言と共にロンに送られたものでハリーには『金のスニッチ』、ハーマイオニーには『吟遊詩人ビードルの物語』が贈呈された。

 

 

 その時、ギシリと扉の向こうから音がした。それは床を踏む音でどうやらこちらに近づいてきている。

 四人は咄嗟に杖を取り出し、部屋の奥に下がる。

 

 

「もしかして死喰い人?」

「分からない。だけど用心して」

 

 

 ハーマイオニーの言葉にハリーが返すと扉を鋭く見つめる。やがて扉がゆっくりと開き、人影が部屋に入ってくる。

 その瞬間、ハリーが真っ先に動いた。

 

 

「エクスペリアームス!」

 

 

 ハリーお得意の武装解除呪文が人影に迫り、しかしそれは杖でいなされる。ならばと立て続けに三人が呪文を放とうとしたところでその人影が「待て、私だ!」と声を上げる。

 そしてその人影が室内の明かりを点け、素顔が顕になる。

 

 

「嘘…!?」

「…本物か?」

「……」

 

 

 ハーマイオニーとロンが信じられないとばかりに声を上げ、リオンは警戒を解いていないものの、僅かに目を見開く。

 

 それものそのはずで、その人は彼らが良く知っている顔だったからに他ならない。

 

 

 長くストレートに伸ばされていた黒髪は短くさっぱりとし、一年開くことのなかった灰色の瞳はかつてと変わらぬ強い意志を宿している。

 そして何より、彼の大嫌いだった生家に居るはずなのにその顔には嫌悪一つ見受けられない。

 

 

「久しぶりだなハーマイオニー、ロン、リオン───ハリー」

 

 

 彼が穏やかな笑みを浮かべて声を掛ける。さしてその声を聞いたハリーが目を見開き、唇を震わせてその人の名前を呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

「───シリ…ウス…?」

 

 

 

 

 ハリーの後見人たる一等星、シリウス・ブラックがそこに立っていた。




というわけでシリウスが目を覚ましました。彼に何があったのかは次の話で。
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