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2月12日にRE:/RE:RE:円盤発売!もちろん予約済みですよね?
今回で原作コミック第5巻分が終わります。早いね!
「あっじゃっじゃあいってきます…」
「いってらっしゃいひとりちゃん。頑張ってね」
スタジオ収録が始まって2回目の週末。今日と明日で残りの曲を録りきらなければならないというかなり追い詰められた状況のひとりちゃんは、どこか覚悟を決めたような表情でスタジオへと向かった。「頑張れ」とかありきたりな応援をすることしかできない自分がもどかしい…。そういえば先週、収録がうまくいってなくて御乱心だった虹夏ちゃんは大丈夫だろうか…。星歌さんは「私が何とかする」って言ってたけどうまくフォローできたのかな?
「あっ星歌さんこんにちは」
「晋作さんどうも、先週はありがとう。あと虹夏が心配かけてすまない」
「いえいえ」
前回買い物をしたスーパーで星歌さんと鉢合わせ。今日は待ち合わせではないから奇遇だね!ここにいるということは先週に引き続き星歌さんが晩御飯担当なのだろう。
「今日明日が勝負ですからね、ひとりちゃんも気合い入ってましたよ。虹夏ちゃんの方は大丈夫ですか?」
「ああ、それなら…まあなんとかなったよ」
星歌さんの話では、星歌さんの元バンドメンバー(ドラム担当)に声をかけて、虹夏ちゃんへ技術的なことや精神的なことを色々アドバイスしてもらったらしい。なるほど、信頼のおける先輩ドラマーからの助言か。これ程説得力のある言葉はないね!星歌さんナイスアイデアだ!
「あとは虹夏次第だな」
「ですね。でも私は大丈夫だと信じてますよ。きっと素敵なミニアルバムを完成させてくれると思います」
「ん…そうか。それ聞いたらアイツらも喜ぶだろうな。あっそうだ晋作さん、明日なんだけど…晩飯もう決めてある?」
「明日ですか?一応皆のレコーディングお疲れ様会みたいなのしようかなと考えてますけど」
「やっぱりな。晋作さんならそうくると思ってたよ。…その話私ものっていいかな?」
そう言って星歌さんは少し照れくさそうに私を見つめてきた。その目を見ただけで、星歌さんの結束バンドに美味しいものを食べさせたいという気持ちがバンバン伝わってくる。うん、やっぱり星歌さんは素敵な人だね!
「もちろん!一緒に結束バンドを労いましょう!」
星歌さんとそんなやり取りをした次の日…
「あっではいってきます…」
「いってらっしゃいひとりちゃん。レコーディング最終日頑張ってね!」
「あっはい」
最後のスタジオ収録へと向かうひとりちゃんを見送った後、私は昨日と同じく行きつけのスーパーへと足を運んだ。目的は無論、星歌さんと『収録終わりの結束バンドを労う会』で振る舞うメニューを買い物をしながら相談するためである。待ち合わせの時間より少し早かったが、私が到着した時既に星歌さんがスーパーの入り口で待っていた。
「星歌さんこんにちは。ごめんね、待たせちゃったかな?」
「いや、時間通りだよ。私が早くに着いちゃっただけだ」
「じゃあ早速中で今日のメニューを考えましょうか」
「ああ」
いざ星歌さんと共にスーパーの中へ。野菜、鮮魚、精肉のコーナーを回り、目ぼしい食材をチェックしていく。
「うーん…良い食材は色々あるけど肝心のメニューが思い付かないな…晋作さんは何か良い案浮かんだ?」
「そうですね…1つやってみようかなと思うものがあるんですけど」
「おっ?本当か!」
「はい、ただ準備に結構な手間がかかりますけど…」
「私と晋作さんなら余裕だろ。任せてくれ、晋作先生のおかげで料理はそこそこやれるようになったんだ!」
星歌さんは自分の胸をトンッと叩いて、フフンと自信満々に言い放った。そのドヤ顔は、凛々しくもどこかやんちゃな少女っぽさを併せ持つ。他の人には真似できない星歌さんならではの男女問わずキュンとくること間違いなしの必殺技だ。かわいい。
「それは頼もしいですね。じゃあやってみましょうか」
メニューが決まってからはとても早く、必要な食材をあれもこれもとドンドンカゴに入れていき、気付けば2人とも両手いっぱいの荷物になるほどに買い込んでしまった。
「ごめん晋作さん。私が手当たり次第に買ったせいで…」
「大丈夫ですよ。私も同じだったので気にしない気にしない。まあ余ったら冷凍保存したりできるんでなんとかなりますよ」
「ただいまー。はい、星歌さんどうぞ」
「ん、どうもお邪魔します…と」
お互いに雑だった買い物のことを少し反省しつつ、私の家に到着。買ってきた食材を整理して早速準備に取りかかる。
「さて、品数も多いのでどんどん進めていきましょう」
「ああ、任せてくれ!」
茄子は半分の長さに切ったあと縞柄になるように皮を剥き、さらに十字に切って8等分する。
レンコンは少し酢を入れたお湯で軽く茹でて半月に切る。
アスパラガスは半分の長さに切り、上半分はそのままで下半分は豚バラ肉を巻く。
椎茸は石づきを切り落とし半分に切る。
牛サーロインと豚ロースは塩コショウで下味を付けて4等分に切る。
鶏ササミは筋を取り除き削ぎ切りにして大葉と梅肉を包む。
ハムは少し厚めに切っておく。
ちくわの穴にチーズを詰め込み4等分に切る。
エビは背わたをとったら殻を剥き、腹に切り込みを入れて腰を折る。
「下準備する系統はこのくらいですかね」
「おおー…わかってはいたけどすごい数だな」
「あとはひたすら串に刺していく作業ですね」
「よし、やっていくか!」
キッチンで星歌さんと2人で串打ち作業開始。各食材に黙々と串を刺していく。2人とも無言ではあるが、星歌さんと私の心は1つ。全てはひとりちゃん達に美味しく食べてもらうために!
「晋作さんこんな感じでいいかな?」
「いいですね。この調子でたくさん刺していきましょう。一通り具材を刺し終わったら次はパン粉とバッター液を準備しておきます」
「バッター液?って何だ?」
「一言で言うと小麦粉と卵と水を合わせた液ですね。普通の衣付けの小麦粉、卵、パン粉の順番の小麦粉と卵の所を一気に済ませられるので、こういうたくさんの数を揚げる場合はバッター液の方が効率的で便利ですよ」
「なるほど。晋作さん、そのバッター液私が作ってもいいかな?」
「もちろん!じゃあレシピと分量を教えるのでやってみましょうか」
ふむ…なんか楽しいな…。先週もだったけど、星歌さんとの料理は普段1人で作る時よりもずっと心がぽかぽかする。きっと星歌さんがご飯を美味しく食べてほしいという気持ちを共有する同志だからかな。
1時間後、全ての段取りを終えて後は星歌さんと一緒にひとりちゃん達の帰宅を待つばかりとなった。事前にひとりちゃんに、私の家でレコーディングお疲れ様会をやる旨を伝えてあるので全員お腹ペコペコで帰ってくるはずだ。私の側では星歌さんが、リビングにある時計と玄関のある方向を交互に見ながら椅子に腰かけて組んだ足と、伊地知家のトレードマークである頭のドリトスをせわしなく動かしながら待っている。うん、かわいい。
「まだか?遅いなあいつら…ん?どうした晋作さん。私の方を見つめて…」
「あっいえ、何でもないですよ。さっきレコーディング終わったってロインがきてたのできっともうすぐ帰ってきますよ」
ピンポーン
程なくして玄関のインターホンが鳴った。
「お!やっと来たか!」
「ですね。いきましょう」
星歌さんと2人で玄関へ行き、2週間の戦いを終えた4人を出迎える。
「お邪魔しま~す!いや~やっと終わったよ~♪」
「疲れた…腹減った…晋作オジサンもてなして」
「ですね!私もさすがにヘトヘトです!」キターン
「あっ…ただいまです…ふぅ」
「おかえり、皆本当にお疲れ様。すぐご飯にするから入って入って」
「お前ら満身創痍だな。とりあえず休んでろ」
「うん!お姉ちゃん晋作さんありがとー♪」
結束バンドの様子を見ると、皆達成感と疲労の入り混じった良い表情をしている。でも私の思ってた以上に心身ともに疲れ果てているみたいだね。さてさて、そんな4人に私と星歌さんが最高のご飯を作っちゃいますよ!
串打ちした食材にバッター液をくぐらせ、フードプロセッサーで細かくしたパン粉をまぶしたら170℃に熱した油に入れてカラッと揚げて「完成」
本日の晩御飯
叔父さんと星歌さん特製串揚げ
お品書き
牛サーロイン
豚カツ
梅しそ鶏ササミ
ハムカツ
赤ウインナー
エビ
イカ
ちくわチーズ
うずら卵
肉巻きアスパラ
アスパラガス
茄子
レンコン
プチトマト
椎茸
バニラアイス
「私と星歌さんでどんどん揚げていくから皆は遠慮しないでいっぱい食べてね」
「お姉ちゃんも!?大丈夫?」
「任せろ。私は揚げ物は得意(晋作さん談)だからな!」
「う、うんわかった!じゃあ皆レコーディングお疲れ様!いっぱい食べて疲れを吹き飛ばそう!手を合わせてー」
「あっはい」
「はーい♪」パシャシャシャシャ
「うん」
「「「「いただきます」」」」
今日のメニューは私と星歌さんで仕込んだ串揚げ。揚げたてをすぐに食べられるように、コンロを2台使って私と星歌さんが次々に揚げていくスタイルにしてみた。飽きさせないように具材のバリエーションも豊富に取り揃えている。その分用意するのは大変だったけどね。ひとりちゃん達は最初に揚がった分を手に取りソースを付けてパクリ!サクサクッと良い音をたてて私の耳を幸せにしてくれた。
「ん~♪牛カツ美味し~♪一口サイズで食べやすいね!」
「こっちは鶏と梅しそでさっぱり食べられますね!」
「んっうんっうむ!どれもうまい!何本でもいける!」
「はむはむ…んっあっうずら卵美味しい…」
よしよし、出来は上々のようだ。隣にいる星歌さんも心なしか嬉しそうに見える。
「よし、次が揚がったぞー」
「私の方も揚がりましたよー」
「どんどん持ってきて。全種類制覇するから。なんなら2周目も可」
「いや食べすぎだろ…って思ったけど一口でいけるちょうど良いサイズだから全然いけそうなのがまた罠だ…はむっ…ん~うまっ!ちくわの中にチーズ入ってる!」
「んっ…!?あっこれ冷たいと思ったら中身アイスですね。ひっ表面はカリッとしてるのになっ中はトロッと甘くて美味しいです」
「なんだと!?晋作オジサンこっちにもアイスを!アイスをください!」
「叔父様私にも♪」
「えっあたしも欲しい!お姉ちゃんアイスまだある!?」
「わかったから!順番に揚げてやるから待ってろ!」
「ふふふ…」
やはり甘いものに食いついてくれたね!変わり種だったけどバニラアイスも用意しておいて正解だったようだ。
「それで?お前らレコーディングはどうだったんだ?」
「お、それ訊いちゃう?えへへへ♪」
「うふふふ♪」キターン
「ふへへへ…♪」
「ふっ完成を期待しまくって待つといいよ」
「あー…今の反応で大体わかったわ」
「あはは…そうですね」
ごちそうさまでした
「あー美味しかった~晋作さんお姉ちゃんありがとう!」
「ふぅ…満腹。5円しか持ってなかったから晩御飯どうなるかと思ったけど、楽園はここにあった…」
「叔父様と店長さんがいなかったら、危うくスタジオの机にあった飴で打ち上げするところでしたしね!」
「あっですね。わっ私も月末だからお金なかったので…ありがとうございました。すっすごく美味しかったです」
用意した串揚げを全て食べてくれた結束バンドの満足そうな顔を見れて私も大満足です。これも私の提案に協力してくれた星歌さんのおかげだね。
「皆改めてお疲れ様。ミニアルバム楽しみにしてるからね。星歌さんも手伝ってくれてありがとう」
「いや、礼を言うのは私の方だよ。私一人だったらこんなクオリティの晩飯は作れなかった。ありがとう」
「先週も思ったけど、お姉ちゃんと晋作さん随分仲良しになったよねー」
「ですね。2人で並んで串揚げを作ってる姿は夫婦二人で切り盛りするお店の人みたいでした♪」
「ヒューヒュー」
「あっ…」
「晋作さんは料理の先生ってだけだ。茶化すならもう作ってやらねーぞ」
「まっまあまあ」
星歌さんとの串揚げ作りは楽しかったし大成功と言えるけど、あまり頻繁にやるとあらぬ誤解を生んでしまうようだね。星歌さんに悪いし次からは自重しないと…。
原作だと収録終わりがとてもさみしい事になってましたね。
どんなだったか、ミニアルバムの出来がどうなったかは原作コミックをチェックしましょう。
次回 職質される姪と◯◯
アンソロジーコミックからのお話だよ!
↓おまけ
ぼっちスポット(仮)
現在放送中のテレビドラマ『ホットスポット』の設定をお借りしています。超絶見切り発車なのでご注意下さい。
あたしの名前は伊地知虹夏。下北高校に通う高校2年生!同じく下北にあるライブハウスSTARRYの店長をしているお姉ちゃんと二人暮らししている。あたしの朝は早い。二人分の朝御飯とお弁当を用意して、タイマー予約で回しておいた洗濯機から洗濯物を取り出して手早く物干しハンガーに干していく。寝惚け眼のお姉ちゃんと朝御飯を食べたら片付けをお姉ちゃんに任せて登校。
「リョウおはよう!」
「うんおはよう」
こいつは幼馴染みの山田リョウ。何を隠そうあたしが結成したバンドのベース担当で作曲編曲もできる結構すごいヤツ。実家がお金持ちなのに浪費家でいつも金欠なのが玉に瑕だけど。
学校が終わったらリョウと二人でSTARRYへ向かう。このライブハウスでバイトとバンド活動をする。そしてここで残りのバンドメンバー二人が合流する。ギター&ボーカルの喜多ちゃんとリードギターのぼっちちゃんだ。ちなみにあたしはドラム担当。あ、“ぼっちちゃん”は本人希望のあだ名で決して貶してる訳じゃないよ?
4人でバイト前に軽くミーティングしてからバイト開始。開店前の清掃や受付やドリンク係に大忙し!バイトのシフト入ってない日もバンドの練習にSTARRYのスタジオを使わせてもらったりとかなり充実している。家に帰ったら洗濯物を取り込んで、晩御飯の仕度。料理中にできた待ち時間でドラムの練習や宿題を終わらせる。仕事を終えて帰ってきたお姉ちゃんと晩御飯。お風呂に入って寝る前の時間に明日の授業の予習や勉強。そして就寝。これがあたしの一日。
「あっお疲れ様でした…」
「バイバイぼっち」
「後藤さんまたね!」
「…」
ライブに向けてのバンド練習が終わるとぼっちちゃんはそそくさと帰宅。うーん、ぼっちちゃん今度のオーディションに向けて頑張ってくれてるみたいだけど何か迷ってるように見えるなぁ…。いつも練習とバイト終わったらすぐ帰っちゃうし…。追いかけて話してみようかな。
「あっいたいたぼっちちゃ」
ドンッ
ぼっちちゃんを追いかけてて見つけたから走って近寄ってたら横からトラックが突っ込んできた。あ、あたし死んだ…。注意一秒怪我一生とはよく言ったものだ。いやこれは怪我では済まないか…ごめんねお姉ちゃん…車に轢かれて死ぬ時ってあんまり痛くないんだね。意識も思ったよりハッキリしてるし
「大丈夫ですか!?お怪我はありませんか!?」
「えっあれ!?全然なんともない…」
「えっ!なんともないんですか!?そちらの方も?」
「あっはい」
気付けばあたしの側にはいつの間にかぼっちちゃんがいた。というかよく見たらあたしがトラックに接触したであろう場所から随分と離れた場所にいる。駆け寄ってきた運転手さんはあたしとぼっちちゃんを交互に見ておろおろしてるしあたしも驚いている。轢かれて吹っ飛ばされたのならこうして五体満足でピンピンしてられるはずもないし…。どういうことなんだ?
「えっと本当に大丈夫なんですね?」
「あっはい大丈夫です!でででですよね虹夏ちゃん!」
「えっ?あっうん。そうですねどこも痛くないし…」
「ってことがあってさー」
「ふーん」
「伊地知先輩、九死に一生を得たんですね!」
「その後ぼっちちゃんが『この事は内緒にしててください』って言ってすぐ帰っていっちゃったんだけどね」
「ふーん」
「えっ伊地知先輩、秘密なのに私達に言っちゃっていいんですか!?」
「あっ本当だ…2人とも誰にも言わないでね?」
「うん」
「まあそういうことなら内緒にしますけど…」
「で、その次の日バイト前にぼっちちゃんに呼び出されてさー…」
「あっあの、昨日の事なんですけど誰にも言ってませんか?」
「うん、大丈夫。その、ありがとね。まだよくわかってないんだけどぼっちちゃんが助けてくれたんだよね?」
「あっはい、まあ一応…それでなんですけど1つ虹夏ちゃんに言っておかないとけないことがあって…」
「うん。何々?」
「あっあの状況って普通の人間じゃ助けられないですよね?」
「うん、だよね」
「じっ実は私普通の人間じゃなくてですね…」
「うん」
「わっ私実は…あっ…うっ…宇宙人なんです!!」
つづく(つづく?どうする?)