ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

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ご覧になっていただきありがとうございます。

ぼっちちゃん誕生日おめでとう!

さあ皆様!ぼざろ二期がやってきますよ♪楽しみですね。それまで書き続けられるように頑張ります!

今回はアンソロジーコミック第1巻からのお話を少し加筆。元の話の都合上あの人もご飯を食べますよ。


職質される姪とフィッシュティッカ

無事ミニアルバムの音源収録も終わり、またいつもの叔父さんの家、高校、STARRYというお決まりルートの巡回が始まる。平常運転って素敵なことだ。さらに今日に関してはバイトもバンド練習もお休みなので、学校終わりから叔父さんの家へ直帰できる。なんて素敵な日なんだろう。早く帰ってすり減らしたメンタルを回復しなければ…

 

「ひとりちゃん!」

 

「あっはい」

と思ってたら目の前には絶賛キターン状態の喜多ちゃんが…まっ眩しい!あっイヤな予感…

 

「この後空いてるかしら?空いてるわよね!バイトもバンド練習もないから暇よね?ね?」キターン

 

「えっあっはい。あっいや…」

 

「じゃあせっかくだから遊びに行きましょ!108の近くに映えアイテム満載と噂の雑貨屋ができててね!」

 

「えっあっ」

遊びに…これは憧れの放課後友達と遊ぶ陽キャJKの図!うう…だけど108の側ってことはまた渋谷に行かないといけないのか…まだ私にはハードルががが…。あっでも2年生になって喜多ちゃんと同じクラスになったのに、未確認ライオットやレーベルやミニアルバムの事とかでなんだかんだそういったことしてこなかったからな…

 

「お?後藤もくるのか?楽しくなりそうだなー」

 

「ぴっ!?さっささささん!?」

いつの間に私の後ろに…というかささささんも一緒!?

 

「決まりね!さあ行きましょうさっつー!ひとりちゃん!まだ見ぬ映えが私達を待ってるわー♪」

 

「張り切りすぎて私ら置いてくなよー?じゃ後藤行こっか」

 

「あっはい」

ちゃんと返事する前に参加が決まってしまった…ささささんは何だか喜多ちゃんの対応が手慣れてるな…そして相変わらず喜多ちゃんの陽キャパワーはすごい。

 

 

 

 

 

 

3時間後、喜多ちゃんは最初の雑貨屋だけに留まらず、108や行列のできているキッチンカーやイソスタに上げられている映えスポット等目に付いた所をあちこち見て回った。目まぐるしく変わる状況に喜多ちゃんに付いていくのがやっとで、渋谷特有の陽キャオーラにビビる暇もなかった…。

 

「は~堪能したわ~♪イソスタ更新できたしお揃いのストラップも買えたし♪」

 

「そりゃ良かったな。後藤は大丈夫かー?」

 

「うう…あっはい。へへへ」

正直ものすごく疲れたけど、友達と学校帰りに遊びになんてほとんどしたことないから楽しかったな…今の私、すごく女子高生感出てるよね。うへへへ。

 

 

 

 

 

「それじゃひとりちゃんまた明日学校でね!」

 

「またな後藤ー知らない大人についてっちゃダメだぞー」

 

「あっはい、また明日…」

下北沢駅で喜多ちゃん達と別れ、漸く叔父さんの家へ帰れる…。事前にロインで叔父さんに喜多ちゃんと遊んでから帰る事は伝えてあるから心配はない。あとは今から帰りますのロインを送れば大丈…「あ~ぼっちちゃんら~」

 

「あっお姉さん…」

と思ってたら今度は廣井お姉さん…今日は帰宅を阻止してくるエンカウントが多い日だ…。

 

「こんなところで奇遇らね~っておっちゃんの家があるから珍しくもないか~」

 

「あっはい、じゃじゃじゃあこの辺で…」

「そんなことより聞いてよぼっちちゃ~ん。志麻がさ~昨日せっかくいいライブしたのにおにころ没収してきてさ~…」

 

「えっあっ」

廣井お姉さんは慣れた手付きで私の肩に腕を回してきた。かっ絡み酒だ…どうしよう。逃げられなくなってしまった…。

 

「そんで今日もスタ練寝坊して遅刻しちゃったけど説教される前に逃げてきちゃったんら~今絶賛路上飲み中だからちょっと付き合ってよ~」

 

「えっあっはい」

仕方ない…素直に話を聞いてればそのうち解放してくれるよね。ここは聞き役に徹して廣井お姉さんが満足するのを待つしか…

 

 

 

 

「君達、少しいいかな?」

 

「えっ」

「えっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピロン

お、ひとりちゃんからのロインだ。そろそろ帰りますの連絡かな?

 

 

すいません今下北沢駅にいるのですが迎えにきてもらえますかお願いします

 

 

迎えに?あー、外はもう暗いし危ないから来て欲しいのか。そんなことに気付けないとは私もまだまだだな…。急いで返信っと。

 

 

了解。すぐ行くからね。

 

 

 

 

連絡の通りにひとりちゃんを迎えに下北沢駅に行ってみると、改札を出てすぐ側の所にひとりちゃんはいた。しかし何故かひとりちゃんは体育座りで項垂れていて、辺りにはどんよりとした空気が立ちこめているように見える。そしてひとりちゃんの隣には見覚えのありすぎる姿の女性がひとりちゃんに何かを話しかけてるな…これはどういう状況?

 

「ごっごめんねぼっちちゃん…あっでもバレなくてよかったよね~…なーんて…」

 

「廣井さん?こんばんは。ひとりちゃん廣井さんと一緒だったんだね」

 

「あ、おっちゃんこんばんは~…」

 

「あっ叔父さん…すっすいません呼び出したりして…」

「それは全然構わないんだけど、何があったの?目が虚ろで涙のあとも見えるけど大丈夫?」

 

「あっそっそれは…」

 

「えーとねー…私達ちょ~っとばかし職質をされまして」

 

「職質!?どういうことひとりちゃん!」

 

「あっいやでもぼっちちゃんは何にも悪いことしてないんだよー!お、おっちゃんごめんなさい!全部私が悪いのー!」

 

廣井さんに話を訊くと、路上飲みしていた廣井さんが、駅から出てきたひとりちゃんを見かけて絡んでいる所に警察官が職質のために話しかけてきて、未成年を路上飲みに付き合わせている事がバレるのを恐れた廣井さんが、ひとりちゃんに女子高生であることを黙っててもらおうとしたらしい。警察官も特に疑問に思わずに真っ直ぐ帰るように注意だけして去っていったんだそうだ。なるほど、成人だと嘘を付いたのに疑われなかったのがショックだったのか。乙女心は複雑なんだね。

 

「う…すいません、わっ私の僅かばかりに残った女子高生の意地が顔を出してしまいました…」

 

「そっか…色々大変だったみたいだね。早く家に帰ってご飯食べよう。廣井さんもよかったら来るかい?というか来なさい」

 

「へ?私もいいの?」

 

「廣井さんのことだから、さっき言ってた路上飲みっておにころとコンビニの安いおつまみ位しか口にしてないんでしょう?前にも言ったけどちゃんと食べなきゃダメですよ?もっとお肉を付けなさい」

 

「うっ…はーい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

 

「あっただいまです…うぐぐ」

 

「おっ邪魔しや~す」

 

「すぐご飯にするから2人とも待っててね。あ、廣井さんお風呂沸いてるから先に入ってきてもいいよ」

 

「えっいいの!?あっいやそこまで甘えるのは…」

 

「遠慮しなくていいから入ってきなさい本当に」

 

「あっはい」

 

この間コンビニで会った時よりも臭いが…いや、これは廣井さんの名誉のために言わないでおこう。さて…ひとりちゃんを迎えに行ったのについ廣井さんまで連れてきてしまったけど、まああそこで路上飲みし続けて他の人の迷惑になるよりずっとマシだよね。ひとりちゃんはまだ落ち込んでるみたいだし私のご飯で元気を取り戻してもらおう。

 

 

細長く切った紫玉ねぎ、赤パプリカ、黄パプリカを塩コショウで炒めておく。骨取り済みのカジキの身を小さくカットしヨーグルト、カレー粉、塩、ニンニク、生姜、クミンを混ぜ合わせたものに半日漬け込んだものをオリーブオイルを引いたフライパンでこんがりじっくり焼く。炒めた野菜を熱した鉄板の上に敷き、焼き上がった魚を中央に盛り刻みパセリを散らしたら「完成」

 

 

本日の晩御飯

炊きたてご飯(やまのしずく)

叔父さん特製フィッシュティッカ

ツナ入り卵焼き

厚揚げのなめこあんかけ

エビとチンゲン菜のトムヤムクン風スープ

 

 

「では手を合わせてください」

 

「あっはい」

 

「あい」

 

「「「いただきます」」」

 

今日のメニューはフィッシュティッカという骨無しの身を小さくカット(ティッカ)してヨーグルトや香辛料に漬け込んで焼くインド料理。2人にはあまり馴染みのないメニューかもしれないけど果たして気に入ってもらえるだろうか。

 

「はむ…あつつ…んっんっあっこの魚柔らかくて美味しいです」

 

「はふっはふっ…ん~♪本当うめぇー!一口サイズだし後味まろやかで食べやすいねー♪」

 

ひとりちゃんと廣井さんは鉄板の上でジュージューと音を立てているフィッシュティッカを頬張りながら口々に耳が幸せになる咀嚼音と感想を聞かせてくれた。かわいい。

「口に合ったようでよかったよ。ひとりちゃんは元気になったかな?」

 

「んっうっ…あっはいなんとか…う…へへ…」

 

「ぼっぼっちちゃん大丈夫だよーぼっちちゃんはどこからどう見てもかわいい現役JKだよー!」

 

まだ少し引きずってるひとりちゃんに廣井さんが必死にフォローしている。叔父さん視点だとちゃんと女子高生に見えるけどなぁ…。ジャージの上とはいえ制服のスカートも履いてるし。

 

 

ごちそうさまでした

 

 

「おっちゃんごちそうさま~。あとお風呂ありがと~。また来ていい?」

 

「いいですけど、今度はひとりちゃんに絡んで路上飲みとかはやめてくださいね」

 

「は、はーい…」

 

廣井さんは反省したのかしてないのか…注意だけで終わったからよかったものの、もしそのまま警察署に連れていかれたりでもしたら、ひとりちゃんきっと罪悪感で押し潰されてより一層落ち込んじゃいそうだね。

 

「あっあの、叔父さん!」

 

「ん?どうしたのひとりちゃ…え?」

私が振り向くと、ひとりちゃんはいつぞやか装着していた星形サングラスと、どこにしまってあったのかわからない『私は現役女子高生』と書かれたたすきをかけて立っていた。何事ですか?

 

「いっ今の私…女子高生に見えてますか?」ポロポロ

 

「だっ大丈夫だよひとりちゃん!そんな攻めた格好しなくても十分に女子高生だよ!だから泣かないで!ね!」

 

この日叔父さんはひとりちゃんに職質をした警察官を少しだけ恨んだとさ。




どんな職質をされたのか気になる方はアンソロジーコミック第1巻を読みましょう。

次回 仲良しになりたい姪と◯◯

何回かアンソロジー回が続くかもです。理由は察して?

↓おまけ

ぼっちスポット(仮)2

現在放送中のテレビドラマ『ホットスポット』の設定をお借りしています。超絶見切り発車なのでご注意下さい。

前回までのあらすじ

車に轢かれそうになった伊地知虹夏を間一髪で助けたのは同じライブハウスでバイトをしているバンド仲間の後藤ひとりだった!しかしその窮地を救う事は普通の人間では不可能!それが可能なのは実は後藤ひとりが宇宙人だからであった!


「えっ?なんて?」

「でっですから、わっ私実は宇宙人なんです!だから虹夏ちゃんを助けることが出来たんです!」

「…へっへ~そーなんだー」
あっこの子ヤバイ人だ。

「あっ今こいつヤバイ人だって思いましたか?」

「そ、そんなことないよー?」

「いや完全に思ってますよね?…わっわかりました!しょっ証拠見せます!」

「証拠?」
そう言ってぼっちちゃんは徐にジャージのポケットから何かを取り出して私の目の前に差し出してきた。

「えっこれって…ギターのピック?」

「あっはい。しかも金属製のやつです。見ててください…ふん!」グニ

「えっ!?まっ曲がった!?」

「あっはい…かっ確認してください」スッ

「えー…硬っ本物だ…」
どうやらぼっちちゃんはこのすごいパワーを使ってあたしを助けてくれたみたい。宇宙人ってすごいね!

「しっ信じていただけましたか?」

「うっうん、信じるよ」

「そっそれでなんですけど、こっこの事は誰にも言わないでほしいんです。わっ私が宇宙人だとバレたら…その…けっ研究者とかに追われたりするので」

「研究者…」

「なっなのでよっよろしくお願いします!」

「うん、わかったよ!」







「って事がこの間あってさー」

「へー、ぼっち宇宙人だったのか」

「えっあの伊地知先輩、それ私達に言っちゃダメなんじゃ…?」

「だってこんなに衝撃的な話を誰にも話せないなんて拷問もいいとこだよ!」

「でもぼっちが宇宙人ならそういう方向でバンドを売り出せば人気出るかも」

「えっ!?どうだろ…出るかな?」

「あの、後藤さんの黙っててほしいという意志は…?」

「うーんやっぱり勝手にやるのはダメだよね。売り出すかどうかはともかく正直結束バンド内位では共有してたいからぼっちちゃんに訊いてみようかな?」







「という訳でリョウと喜多ちゃんに話しちゃった。ごめんね!」

「なっ内緒って言ったのに…」

「大丈夫大丈夫!2人とも口堅いから!」

「リョウさんはともかく喜多さんは映えとバズりのためなら話しちゃいそうなんですけど…」

「それでなんだけど~その2人がぼっちちゃんの宇宙人パワーを見てみたいって言ってるんだけど…またピック曲げてくれない?」

「えっ…あっあの、あの力って使うとそれなりに副作用がありまして…」

「副作用あるんだ」

「あっはい、大体使った部位が痒くなったり痛くなったり熱が出たりします」

「あと一回だけダメかなー?リョウと喜多ちゃんも楽しみにてるし、このまま秘密にし続けるより理解者が何人かいた方がぼっちちゃんもSTARRYやバンド活動で過ごしやすくなると思うよ?」

「そっそうですかね…?」

「そうそうー」






という訳で宇宙人パワーをリョウと喜多ちゃんに見せることになった。後日STARRYに集まってメンバーミーティングと称してぼっちちゃんのギターピック曲げを披露した。

「あっこっこんな感じです…」

「すごい…こんなに硬いピックが…」

「おおー…ぼっちのサイン入り曲げピック…次の物販で売れるか?」

「売れるか!それに4人だけの内緒にするからダメだよ!」

「えー」

約束通りぼっちちゃんが宇宙人であることは結束バンド内の極秘事項になり、誰にも言わないこと以外は今まで通りのバイトとバンドの日々が続いた。だだ、時々ぼっちちゃんが手足を掻いてたり、足腰を痛そうにプルプル震えてることが増えた。後で訊いてみたら、ダメだって言ったのにリョウが物販用に曲げピックを量産させてたり、喜多ちゃんが映える動画用に高速で反復横飛びさせてたことが発覚したのでシメといた。教えない方がよかったかな?



つづく(続くんかなぁ?続かないんかなぁ?)
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