ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

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ご覧になっていただきありがとうございます。

今回はまさかのビックエコーコラボと結束バンドの歌ってみたドラマパートから思い付いたお話。そしていつものように叔父さんも混ざっているので注意。


カラオケと姪とコラボ飯

「叔父様!今度こそ私とカラオケに行きましょう!」キターン

 

「えっ」

バンド練習とバイトが終わり、私の家に帰ってきたひとりちゃんの隣に、いつになくキラキラした瞳で私を見つめてくる喜多さんがいつぞやと同じような爆弾投下をかましてきてくれた。その話まだ生きてたんだね。

「えっと…喜多さん、それは前に水着を一緒に買いに行くことで消化されたはずでは…?」

 

「そんな事一言も言ってませんよ!それはそれ!これはこれです!」キタキターン

 

おおう…なんという眩しさ。隣のひとりちゃんも思わず仰け反って目を瞑ってるね。

 

「ぐぁ、眩しい…あっあの叔父さんすいません。すっ全ては私の失言が原因なんです」

 

「失言?」

 

 

 

 

 

 

数時間前のSTARRY

 

バンド練習が一区切りついて、休憩時間になったところで虹夏ちゃんは最近の大槻さんとのやり取りを話し出した。同じ芳大狙いということで意気投合したのをきっかけによくロインのやり取りをしているらしい。いつの間にそんなに仲良く…やはりこれがコミュ力弱者と強者の違いか。

 

「…という訳で、『SIDEROSの新曲をまたカラオケで歌えるようにしてもらったドヤァ』っていうロインが大槻さんからきてるんだ~」

 

「やっぱりSIDEROSはすごいですね!いつか結束バンドの曲もカラオケで歌えるようになるくらい頑張らないと!」

 

「だね~その後『どうしてもと言うなら御本人である私が目の前で歌ってあげてもいいけど?』ってロインもきてるんだけど、さすがにSIDEROSの活動とかで忙しいだろうから断っちゃったよ」

 

「カラオケといえば今下北のベックエコーで何かのアニメとコラボしてるらしい」

 

「あっコッコラボですか?」

 

「うむ。そのアニメ一色にした特別なルームやコラボメニューも豊富に取り揃えているとのこと!しかもコラボメニューを注文すると付いてくるコースター(全9種類)はメルカイで高値で取引されているという噂!という事でぼっちお金貸して」

 

「おいこら!リョウは純粋にコラボを楽しむ気ないだろ!目が銭になってるぞ」

 

「でも普段とは違う雰囲気の部屋でのカラオケは楽しそうですね♪リョウ先輩、何ていうアニメとコラボしてるんですか?」

 

「えーと、『孤独・な・ろっく』っていうガールズバンド物のアニメらしいよ。主要キャラ4人が特に人気らしい。つまりこの4キャラのコースターは当たり枠。転売すれば余裕で元が取れて」

 

「リョウ、いい加減にしないとそろそろシバくよ?」

 

「孤独・な・ろっく…あっそういえば叔父さんがそんな感じのタイトルのアニメ見て面白かったって言ってたような…」

 

「叔父様が?…あっそうだ!私まだ叔父様とカラオケに行けてないわ!そのコラボのことを話したら一緒に行ってくれるかも!」

 

「あっえっ?きっ喜多ちゃん?」

 

「そうと決まれば善は急げね!ひとりちゃん、今日叔父様の家にお邪魔してもいいかしら?」

 

「あっえっと…」

 

「ありがとう!うふふ♪今から楽しみになってきたわ♪」

 

「あっいやまだ返事してな」

 

「ぼっち、こうなった郁代は誰にも止められないよ。カラオケの日程が決まったら教えて」

 

「さらっと混ざろうとしてるな」

 

 

 

 

 

 

 

「という事がありまして…」

 

「な、なるほど。喜多さんが今キタキターン状態なのはそういうことだったんだね…」

「叔父様、孤独・な・ろっくコラボは今月末までらしいので行くなら今しかないですよ!」

 

「そっそうだねーそのコラボには興味あるけど…」

おっさんと女子高生のカラオケの図。うん、想像しただけで罪悪感が…。

 

「叔父様、そんなに私と行くのは嫌ですか?」

 

「えっ?あっいやそんなことはないよ」

うーむ、このやり取りは前にもあったな…という事はまた私は喜多さんの泣き落としに絆されてしまうのかな。ここは私から落としどころを提示することでなんとか納得してもらうしかないか。

「一応訊くけど私と喜多さんの2人きりとかじゃないよね?」

 

「それはもちろん結束バンドの4人と叔父様でですよ。…それとも私と2人での方がよかったですか?」

 

「いやいやいやそんな滅相もない!きっ喜多さんと私なんてそれはあまりにも罪深すぎるというか敵を作りすぎるというか…あ、結束バンドの皆となら喜んで一緒に行くよ!」

 

「そ、そうですか…じゃあ決まりですね!それでいつにします?明日ですか?明後日ですか?」

 

「あっじゃあ…明日のお昼にでも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで結束バンドとのカラオケデート(?)当日

 

ガチャ

「へ~ここが孤独・な・ろっくのコラボルームか~」

 

「目の前に主要キャラ4人の立ち絵がでかでかと貼られてて映えますねー♪」パシャパシャ

 

「晋作オジサンの推しアニメ堪能するか。主にコラボ飯で」

 

「あっ全面キラキラしてて落ち着かない…それにどこに座ればいいのかわからない…」

 

「大丈夫ひとりちゃん?気分悪いなら横になるかい?」

 

「あっだっ大丈夫です。あっ叔父さんこそ大丈夫ですか?なっなんだかいつもより余裕のない表情をしてるような…」

 

「うん大丈夫大丈夫。皆とカラオケに来るのに少し緊張してただけだよ」

というのは建前で、本当は行くと決まった時からずっと何を歌えばいいか悩んでいる。なんて恥ずかしくて言えないな…。何せ一回り以上歳の差がある子達とのカラオケだからね。最近の曲なんて結束バンドの曲くらいしか知らないし、現役バンドマンの前で歌うってことでもあるから余計緊張に拍車がかかるのだ。

 

「ここのカラオケはドリンクオーダー制みたいだね。皆何飲むー?」

 

「やはりここはコラボメニューにあるドリンクを制覇するのが妥当。そしておまけのコースターをコンプしてセットで売れば元取れまくりで今日のカラオケ代も浮いて私の懐もぽっかぽか」

 

「後半の言い分はともかくコラボドリンクは興味あるね。皆はどうする?」

 

「私もそれに賛成です♪どんな映えドリンクがくるのか楽しみだわー♪」キターン

 

「あっはい、だっ大丈夫です」

 

「私も構わないよ。孤なろ(孤独・な・ろっくの略)のキャラクターをイメージしたドリンクはとても興味があるしね」

 

「決まりだね!じゃあ注文しちゃうよー」

 

 

 

 

注文してから程なくしてカラオケルームの扉をノックする音がした。すぐに「失礼しまーす」の声と共にゆっくりと扉が開き、店員さんがカラフルなドリンクをトレーにのせて入ってきた。慣れた手つきでテーブルにドリンクを一つ一つ静かに置いていっている。ひとりちゃんはというと、あからさまに動揺した様子で喜多さんの後ろに隠れて存在感を消している(私の視点だと丸見え)。

 

本日のコラボドリンク

 

ロンリーちゃんのピンクドリンク×2

レイサマちゃんのイエロードリンク

クズベーちゃんのブルードリンク

キラキラちゃんのレッドドリンク

 

「じゃあ飲み物も来たことだし結束バンドカラオケ大会With晋作さん始めていこっか!カンパーイ!」

 

「「「「(カッ)カンパーイ」」」」

 

虹夏ちゃんの号令で目の前のドリンクを一口飲んだ。私が頼んだのはひとりちゃんと同じピンクドリンクで、甘酸っぱいフルーツと某乳酸菌飲料の味が渇いた喉を潤してくれる。

「うん、美味しいね」

 

「本当、このレイサマちゃんってキャラクターはよく知らないけど、イメージカラーに合ったドリンクになってるね~♪」

 

「こっちのキラキラちゃんのドリンクもキレイな赤色で映えるわね♪」パシャシャシャシャ

 

「ゴクゴク…ぷはぁ、よし今度はこっちのコラボメニューを片っ端から注文しよう。晋作オジサンの奢りで」

 

「おいこら」

 

「あはは、いいんだよ虹夏ちゃん。私も食べるしコラボメニュー自体も気になるからね」

 

「むぅー晋作さんがいいならいいけどさ…」

 

「こういう時は大人に甘えていいんだよ。そうだ、もし作れそうなのがあったら今度家で一緒に作ってみるかい?」

 

「っ…うん!それ面白そう!それじゃあ一緒に食べてどんな料理なのか確かめないとだね♪」

 

「よし決まり。郁代注文よろしく」

 

「はーい♪すいませーん料理の注文いいですかー?」

 

「注文も済んだことだし晋作オジサン最初に何か歌って」

 

「えっ私から!?きっ緊張するな…」

 

「晋作さん無理しなくていいよ?ほっとけば喜多ちゃんがガンガン曲入れるだろうし」

 

「叔父様の歌声!?録音の準備しておかないと!あ!恥ずかしいなら私とデュエットします?」

 

「そっそれはまだ心の準備ができてないのでもうちょっと後で…」

 

せっかくの結束バンドのカラオケなのに一番手が私なのはいささか気が引けるけど、こういう場で遠慮すると場がシラケちゃうからね。ここは覚悟を決めて歌うべきだよね。

※歌の模様はおまけの方に書きます

 

 

 

皆がそれぞれ入れた曲(主に喜多さん)を何曲か消化した頃に再び店員さんが注文した品を持って入室してきた。運悪くその時歌っていたのはひとりちゃんで、一番盛り上がるであろうサビのところで歌うのを止め、ひたすら「あっどっどうも…」とペコペコ頭を下げていた。うん、後で同じ曲をもう一度リクエストしておこうかな。

 

本日のコラボ飯

 

ロンリーちゃんのピンクサーモンフライサンド

レイサマちゃんの3種のイエローソースポテトフライ

クズベーちゃんの草を食え草を!野草ジェノベーゼ

キラキラちゃんのベリー爆盛り鬼映えハニートースト

 

「おおー!ドリンクに続いてキレイな盛り付けのメニューばっかりだね!」

 

「フフフ…もう空腹も限界だぜ」

 

「あっどれもいい匂い…ポテト美味しそう」

 

「アニメの事はよく知らないけど、各キャラクターに寄せたステキな料理ばかりですね!」パシャシャシャシャ

 

「では今日はカラオケだから歌いながらになるだろうけど、皆手を合わせて」

 

「「「「「いただきます」」」」」

 

今日のご飯はアニメ孤独・な・ろっくのコラボ飯。ただ色を各キャラのイメージカラーに合わせたというだけでなく、それぞれの料理に並々ならぬこだわりを感じる。これは食べるのが楽しみだね!

 

「はむはむ…んっんっ。うん!このピンクサーモンサンドおいし~♪タルタルソースもたっぷり入ってて食べごたえ抜群だね!」

「むぐむぐ。あっこのポテトに付いてる黄色いソースチーズ味とカレー味なんですね。あと1つは…なんだろう?」

 

「どれどれ。あむ…ふむ、カボチャとプリンの味がするね。良い感じに甘じょっぱくてポテトと合うね」

 

「晋作さん正解。チーズとカレーとパンプキンプリン味だって!」

 

「はぐはぐ…うむうむ、なるほど上に乗った草とパスタが素晴らしいハーモニーを奏でている!いける!」

 

「ん~♡このハニートースト映えるだけじゃなくてベリー系の甘酸っぱさとバターとトーストの相性が素晴らしいわ~!歌った後の喉がみるみる回復していくわね♪叔父様、今度は私とデュエットしましょう!」

 

「えっあっうん。そうだね、何を歌おうか…」

普段やらないからだろうか、カラオケをしながらのご飯はなかなかに楽しい。そしてそれが結束バンドの皆とならもっと楽しい。喜多さんに誘われた時はどう断ろうかと思ってたけど、来て正解だったね。

 

 

ごちそうさまでした

 

 

「は~楽しかった!たくさん歌ったし食べたわね♪それに叔父様の歌声も聴けて大満足だわ~!ね?ひとりちゃん!」キターン

 

「あっはい」

 

「よし、次のライブで結束バンドと晋作オジサンとのコラボも検討するか…きっと晋作オジサンと同年代のマダム達を虜にする事間違いなし!そして晋作オジサンを連れてきたことによって次は晋作オジサンの家でもあのコラボ飯が堪能できるという寸法。我ながら完璧な計画だ」

 

「確かに晋作さん上手かったけど、リョウはまたなんて浅はかで打算的な考えを…また目が銭になってるぞ?」

 

「リョウさん、歌うのは楽しかったけど、さすがに結束バンドと一緒にライブは場違いすぎるし恥ずかしいから勘弁してね?」

私の歌を誉めてくれているのだろうけど、きっとカラオケ特有の空気感で上手に聴こえてただけだと思うし、現役バンドマンのこの子達に言われたからといって自惚れないようにしないと…でもちょっと嬉しいな。

 

「あっそうだ叔父様!」

 

「ん?どうしたの喜多さん」

 

叔父様さえよければ次は2人きりで来ましょうね?」ゴニョゴニョ

 

「えっ?」

 

「ふふっ♡なーんちゃって!さぁ映える写真もたくさん撮ったしイソスタ更新するわよ~♪」

 

喜多さん、コラボルームに入った時からイソスタに『結束バンドでカラオケですー♪』というタイトルの投稿ですごい量の写真を投稿してた気がするけど…まあどの写真も楽しそうだし、私の姿は入ってないからいいか!それにしても次…か。2人きりってことは…喜多さんもっとたくさん歌いたかったってことかな?




ビックエコーコラボキャンペーンは3月末までらしいよ。


次回 やかましい後輩達と姪と◯◯

原作6巻に入りますよー?心の準備はよろしいですか?
ついに奴らと叔父さんが…?



↓おまけ
叔父さんが歌ってみた。

「えーっと…じゃあこれにしようかな」

「あっこの曲知ってる~。名曲だよね!」

「叔父様の生歌…撮影してもいいですか!?」

「さてさて…晋作オジサンのお手並み拝見」

「あっ叔父さん、がっ頑張ってください」

叔父さん歌唱中…


ジャーン


「お、お粗末様でした…」

「…」
「…」
「…」
「…」

「あっごめんね。こんなおじさんの歌で始めちゃってシラケちゃうよね!私の事は気にしないでどんどん曲入れていって…」
「叔父様ステキ!想像以上のイケボでしたよ!」

「これはぼっちに続いて凄まじいダイヤの原石を発見してしまった!」

「なんだ~晋作さん歌上手いじゃん!」

「えっあっありがとう…変じゃなかったかな?」

「全然!むしろ聴き入っちゃったよ~」

「ですね!」

「あっ叔父さんいつもと歌う時とで声が全然違いましたね」

「そうだね…たしか中学くらいから音楽の授業の度にクラスメイトから同じようなこと言われてたっけ…」

「うむ。これはそのギャップに魅了されるファンが急増する予感!晋作オジサン、STARRYで一稼ぎする気ない?」

「そ、それはさすがに…あっほら次の曲が始まるよ?」


結論

叔父さんの掘り下げはあんまりしなくていいね。


つづく(二期早よこい…)
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