今回もアンソロジーコミック4巻からのお話だよ。いつものように叔父さんが混ざるので元の話とは少し違うよ。
この世の動物達は冬を越すために食糧を確保したり、冬眠前に食い溜めたりと生き残るために日々知恵を振り絞って生活している。それが自然の摂理であり、だからこそ毎日を必死に生きる動物達は美しく尊い存在と言えよう。そんな中、ここ下北沢のとある公園で愛読書『食べたい野草全集』片手に冬を越すために…というよりも現在進行形の空腹を満たすために野草集めに精を出す人間がいた。
「ふう、そこそこあるけどやっぱり秋から冬にかけてはあんまり集まらないな…」
また内緒でぼっちからお金を借りていたのがバレて絶賛金欠中の私。結束バンドのベーシスト山田リョウである。
「虹夏に、これ以上ぼっちからお金借りたら虹夏の家出禁って言われたから仕方なくぼっちにお金返してからの食糧探し…やはり季節が悪い。晋作オジサンに持っていくにしてもまだ足りないな…」
「あっリョウ先輩、とっとりあえず見た目が美味しそうな草をいくつか集めてきました!」
「うむ、ご苦労ぼっち。野草を抱える姿様になってるね。選別は私がやっておくからそこ置いといて」
「あっはいありがとうございます。ふへへへへ」
お金を返した後、公園の草を集めると言ったら手伝いを申し出てくれたぼっち。少し褒めれば大型犬の如く尻尾を振り(幻覚)ながら嬉々として野草を集めては私のところに持ってきてくれる。おかげでなんとか一食分お腹に貯まるくらいの量を調達できた。かわいいやつめ。…かわいい?そうだ、ぼっちはかわいい。
「ふむふむ…」ジー
「あっえっとリョウ先輩?」ナンカミラレテル?
改めて目の前の後輩を観察してみる。長い前髪に隠れた大きな瞳。適当なのにやたら肌艶の良い整った顔立ち。そして何よりいつものピンクジャージ越しでもわかるくらいたわわに実った体つき!つまり顔よし体よしのダイヤの原石!何でこんな大事なことを忘れていたのだろう。私の金欠問題を解決してくれる金の卵がすぐ側にいるじゃないか!
「手始めにテッカテカの黒ビキニ着せてのグラビア撮影で際どいポーズとかとらせて、あえて濡れさせるのもアリか?カメラマンは郁代に頼めばタダだし…物販爆売れ間違いなし…フフフ」ブツブツ
「あっあのリョウ先輩?」
「安心してぼっち、悪い大人に目を付けられてあんなことやこんなことされちゃう前に私がしっかりプロデュースしてあげるから」
「えっ?あっはい」
「それはそうと、この集まった野草達を晋作オジサン家に持っていったら料理してもらうことってできるかな?もう空腹も限界で…」グゥゥゥ
「あっそれなら大丈夫だと思います。おっ叔父さんに連絡しておきますね」
よしよし完璧だ。晋作オジサンの家で腹ごしらえしつつ、ぼっちのジャージの下に隠されたダイナマイトなボディで荒稼ぎを…
「あっあそこに何かありますね」
「えっ」
ぼっちが指差した先には草むらから生えた2本の足。
…足?何で?疑問に思いつつぼっちと共に覗き込むと、そこにはそれはそれは見事な人様にお見せできない姿勢でひっくり返ったことで露になった両足と真っ白なパンツが…
「う…う~ん」
「あっ廣井お姉さん…こっこんなところで寝てたら危ないですよ?」
「うわぁ…ファンでもこのレベルの奇行は引くな…」
「あっあのリョウ先輩、お姉さんも連れてっていいですか?こっこのままここに放置するわけには…」
「うむ。まあ仕方ない」
ピロン
お、ひとりちゃんからのロインだ。もうすぐ帰りますの連絡かな?
すいません今日リョウ先輩と一緒に公園で取った野草を持って帰りますけどいいですか?それと草むらで寝ていた廣井お姉さんも一緒に連れて帰ろうと思うんですけど大丈夫そうですか?
ふむ、情報が多いね。とりあえずリョウさんと廣井さんに晩御飯を食べさせられそうということはわかった。あと野草を持って帰ってきてくれるのか。いつぞやのスベリヒユみたいだね。返信っと。
大丈夫だよ。安心して連れておいで。
さて、わざわざ公園で採取してきてくれるなんてありがたいね。この時期の野草って何があるんだろう?まああえて調べずに持って帰ってくるのを楽しみに待ってるとしよう。
「あっただいまです…おっ叔父さん、突然無茶言ってすいません」
「晋作オジサン、たくさん草取ってきたから料理よろしく。ご飯も盛り盛りで!これがシロツメクサでこっちはサルナシね。それから…」
「…」
「おかえりひとりちゃん。リョウさん廣井さんもいらっしゃい。って廣井さんは大丈夫かい?」
「あっ…おっちゃん…すすすすすいません不法投棄された粗大ゴミが後輩に連れられて情けない姿をさらしてしまいまして大変申し訳なく…」ブツブツ
私の返信から程なくしてひとりちゃん達のご帰宅。草むらで寝ていたという廣井さんは前に見たシラフ状態のようで、ひとりちゃんに肩を貸してもらいながら下を向いてブツブツ何か呟いている。リョウさんはリョウさんで、山盛りの野草を抱えながら「はい」とこちらに差し出してきた。久々の野草料理、ちょっとワクワクしてきたね!だけど先ずは『食べたい野草全集』を見ながらどの草が何ていう名前なのかをリョウさんから教わってから献立を考えないといけないな。最近は寒さが際立ってきたけど、まだこんなに食べられる野草が生えてるんだね。
「…でこっちがイヌビユ。これが一番食べやすいかな」
「ふむふむ、こんなにたくさんありがとう。任せて、美味しいのをすぐ作るからね!」
イヌビユをよく洗って食べやすいサイズに切り、パプリカ、人参 、ベーコンと一緒にバターを引いたフライパンで炒める。塩コショウと醤油で味を整えたら「完成」
シロツメクサを軽く塩茹でしてから氷水で冷ます。軽く水気を絞り、3センチ程の長さに切ったら皿に盛り付け上にちりめんじゃこと鰹節を散らして「完成」
サルナシ、レモン、塩、はちみつをミキサーにかけてソースを作る。塩コショウ、オリーブオイルで下味を付けた鶏モモ肉を180℃のオーブンで5分焼き、一度取り出して上にシュレッドチーズをたっぷりかけてさらに7分焼く。鶏肉を食べやすい幅に切り分けたら皿に盛り付け、最後にサルナシソースをかけたら「完成」
本日の晩御飯
炊きたてご飯(天のつぶ)
鶏肉のチーズ焼きサルナシソース
イヌビユのバターソテー
シロツメクサとじゃこのおひたし
卵と残りの野草ぶっ込みお味噌汁
「うおぉ…さすが晋作オジサン。野草達がこんなご馳走に早変わり…ゴクリ」
「あっですね」
「わわわ私なんかがこんな大御馳走に手をつけるなんておこがましいというか食べられる野草が可哀想というか…金欠でお酒どころか食糧も買えなくなって空腹の限界がきて倒れてたのも全部自分の責任ですからこのまま干からびた方が…」ブツブツ
「廣井さん、私は食べてくれた方が嬉しいので遠慮はいりませんよ」
「うっ…はっはい」
「では手を合わせてください」
「(いっ)いただきます」
今日のご飯は野草料理。リョウさんが秋の野草を色々と持ってきてくれたので、ありがたく使わせてもらった。よほど腹ペコだったのか、リョウさんはイヌビユのバターソテーを口いっぱいに頬張ってもぐもぐ。目を閉じて「うん…うん…」と頷きながらゴクリと飲み込み、いつもの「うむ!うまい!」と一言。かわいい。
「公園に生えてた草とは思えないうまさ!やはり晋作オジサンにお願いして正解だった」
「あっですね。この鶏肉にかかってるソースも食べたことない味です」
「これはサルナシのソースだね。検索してみたら果物みたいにジャムにできるって書いてあったからアレンジしてみたよ」
「ふむ、形が美味しそうだからと言ってぼっちが持ってきたやつか。これはいいものだ、ぼっちのお手柄」
「うへへ…そっそんな大したことしてないですよへへへ」
リョウさんの野草集めを手伝ったことを誉められてひとりちゃんも上機嫌なご様子。かわいい。
「はむ…むぐむぐ…うっまぁ…このおひたしうまぁ…じゃこの塩気がいい仕事してるぅ…」
「廣井さんもドンドン食べてくださいね」
「はいぃ…こっこの味…欲しい」
「ん?」
「お酒…欲しい…」
「…家では自重しましょうね」
あー…ご飯が進むようにしっかり目の味付けにしてあったんだけど、飲んべえの廣井さん的にはそういう感想になっちゃうんだね。見た目はシラフの大人しい廣井さんだからギャップがすごい。けどかわいい。
「フフフ…晋作オジサン、今晋作オジサンが何を考えてるか当ててあげようか?」
「えっ?急にどうしたのリョウさん」
「ずばり、普段の廣井さんとのギャップにキュンときてるんでしょ?」
「えっ」
リョウさんは急に何を言ってるのかな。まあ少し当たってるけど。
「わかるよ、同一人物とは思えないよね!可能性の塊!ぼっちの持つたわわなポテンシャルとの組み合わせで売り出し方も無限大!ご飯おかわり」
「えっあっはい」
うーむ、リョウさん声高らかに力説し出したよ…正直ひとりちゃんが持つたわわなポテンシャルとやらは、叔父として衆目に晒すのに賛成できないんだけど。あっ目が銭になってるね。そしてご飯もしっかりとおかわり。絶好調だなぁ。
「先ずは白黒のバニー衣装から始めて徐々に布面積を減らしていって、ゆくゆくは2人の◯◯を◯◯して✕✕✕なバッキューンをアッハーンな映像を」
「はい、おかわりどうぞ。リョウさん、それ以上は叔父として看過できないよ?それに…」
「ん、ありがとう…それに何?」
「それに私から見たら、私の作った料理をいつも美味しそうに食べてくれるリョウさんもとても魅力的に見えるよ。それこそ物販で売れるくらいにね」
「…っ!」
「あっそそそそうですよ!リョウ先輩もかっ可能性の塊?ですよ!」←よくわかってない
「うう…若さっていいなぁ…こんな時はやけ酒…はダメなんだった…」
「ふーん……晋作オジサンって、実は結構なすけこましだよね。味噌汁おかわり」
「え"っ!?すけこま…どういう意味?」
「…まあいつか虹夏や郁代に背中を蹴られるかもね」
「なんでそこで虹夏ちゃんや喜多さんが出てくるの?」
よくわからないけど、リョウさんはその一言の後は静かに残りの野草料理を平らげていった。ひとりちゃんと廣井さんの良くない売り出し方でお金儲けする妄想はひとまず止んだみたいだけど、さっきよりも下を向いてイヌビユを食べるリョウさんの頬と耳が少し赤くなってるように見えるのは気のせいかな?
ごちそうさまでした
「あっあのご飯ありがとうございました。わっ私なんかのために用意してくれて嬉しかったです…」
「またきてね廣井さん。来た時よりも大分顔色良くなったけど、まっすぐ帰ってちゃんと寝るんだよ?」
「あっはい。やっぱりおっちゃん優しい…」
草むらで寝ていたと聞いたときは心配したけど、この様子ならもう大丈夫そうだね。
「私は満腹でもう動けないからもうここで寝る。また晋作オジサンのベッド借りるね」
「えっ」
「リッリョウ先輩?」
リョウさんは有無を言わさず私の部屋に入っていった。なんという早業。親御さんに連絡とかした方がいいのかな。
パタン
「ふう…まったく晋作オジサンはすぐああいうことを言う…顔…熱」
『リョウさんもとても魅力的に見えるよ』
「…寝よ」
次回 コンセプトカフェとイライザさんと◯◯
原作が進むようで進まないやつ
↓おまけ
今さら異世界転生物とかやってみようの巻
※当然ですがぶっちぎりでパラレル時空でございます
異世界でも叔父さんは食べさせたい
「あっあれ?こっここはどこ?」
「目が覚めた?後藤ひとりちゃん」
「あっ虹夏ちゃん」
「私は下北沢の美少女大天使虹夏ちゃんではありません!あなたの転生案内人ニッジーカです!」
「あっえっ?転生?案内人?」
「そうそう案内人。君はつい数秒前に車に轢かれて死んでしまったのだよ~」
「う"ぇ!?死!?」
「残念だったね!でも大丈夫!今回の君の死はこっちも想定外の事だったんだよ~。だから君の本来全うするはずだった寿命を考えるとあまりにも不憫すぎるってことで神様から転生の許可をもらってるんだ!」
「えっあの転生って具体的にはどんな…」
「君の転生先は最近できたばかりの世界でね~今の後藤ひとりの姿のままその世界に送ることになるけど大丈夫そう?」
「あっはい、あっいや」
「それと転生者特典として現在の君に合ったスキルをいくつか付けといてあげるね!どんなスキルかは転生してからのお楽しみだよ~♪」
「えっあのスキルってどういう意味?」
「それじゃあいってらっしゃい!楽しい転生ライフを過ごしてね!」
「はっ!?あっ待って虹夏ちゃ…って夢?」
気が付くとそこはたくさんの木々に囲まれた森の中。どうやら寝ぼけていつの間にかこんなところまで来てしまっていたようだ。我ながら寝相が悪すぎるなー…
「そっそうだよね!わっ私が死んで転生ってどこのなろう系創作だよって感じだよね!いやービックリしたー」
ガサガサ
「ぴゃあ!?」
突然目の前の草むらが激しく揺れた。そしてすぐさま小さな物体が目の前に飛び出してきた。
「なっ何!?ナニナニナニ!?」
スライムがあらわれた!
『はい、ここでチュートリアルだよ!』
「えっあっ虹夏ちゃん!?」
『違います!案内人のニッジーカです!この世界での戦闘は初めてだろうから教えてあげるね!』
「せっ戦闘!?」
『このスライムは誰でも簡単に倒せるモンスターだから安心してね!とりあえずこうガツンと叩いてみよう!』
「あっはい…スッスライム…えっ叩くの?」
恐る恐るスライムに手を近づけてペシペシと叩いてみる。叩く度にスライムの頭上(?)に1という表示が出るが、何回目かでその表示が0に変わる。
「あっあの、スライム全然倒せないんですけど…」
『あれぇ?おっかしいな~…ねぇちょっとステータス画面出してみてくれる?えっと、君から見て右上辺りを軽くタッチしたら出てくるから』
「えっあっはい…右上…ここかな」
後藤ひとり レベル1
ステータス
体力 10
攻撃 1
防御 24
俊敏 4
魔力 0
幸運-50
スキル
1.ロック&トレジャー
効果:装備品が破損、消耗しにくくなるがモンスターを倒せなくなる
2.???
3.???
『あちゃ~…君1人じゃモンスター倒せないみたい』
「えっあっじゃあどうすれば?」
『よし逃げよう!スタコラサッサと!』
「あっはい、にっ逃げ…あっ」
戦闘から逃げようとした後藤ひとりにスライムが襲いかかる!
「ぴゃあぁぁぁ…ぜっ全然痛くないけどなんかネトネトして気持ち悪い…」
『お~レベル1なのにやたら防御が高いからほぼノーダメージだね!』
「せっ精神的にはダメージがあります!たっ助けて!」
『ごめんね~。私はあくまで案内人だから手は出せないんだ~。なんとか自力で頑張ってね!』
「ひっひぃぃぃ…」
そこへどこからともなく火の玉が飛んできて後藤ひとりに絡みついたスライムに命中した。
「あっえっひっ火!?」
「ひとりちゃん大丈夫かい?」
声の主は後藤ひとりの叔父の後藤晋作だった。
「よかった…また会えたね」
「おっ叔父さんどうしてここに…?」
「いや…我ながら情けない話なんだけど、ひとりちゃんがいなくなってから料理する気力を失ってしまってね…そのまま引きこもって衰弱して…」
「あっなっなんかすいません…」
「でもこうしてまた会えたし不思議な力も手に入ったからね!」
「不思議な…あっさっきの火は叔父さんの…?」
「そうそう、なんか虹夏ちゃんそっくりの転生案内人から色々教えてもらってね」
『後藤晋作さんは徳積みまくってたので転生特典増し増しでここにお送りしたんだよ!いや~合流できてよかったね!』
「とっ特典増し増し…」
『そんなことよりスライムを倒したことで経験値が入ったよ!レベルも上がったよ!』
「あっレベルが?」
後藤ひとりはもう一度自分のステータス画面を開いた。
後藤ひとり レベル2
ステータス
体力 12
攻撃 2
防御 34
俊敏 5
魔力 0
幸運-40
スキル
1.ロック&トレジャー
効果:装備品が破損、消耗しにくくなるがモンスターを倒せなくなる
2.???
3.???
「あっ本当だ…レベルが2になってる…」
「へえすごいね。そうやって自分のステータスが見られるんだね。私もやってみようかな」
叔父さんもひとりちゃんに倣ってステータス画面を開いた
後藤晋作 レベル2
ステータス
体力 38
攻撃 22
防御 25
俊敏 16
魔力 12
幸運 8
スキル
1.CookStar
効果:???
2.???
3.???
「うわぁ…おっ叔父さんの数値すごい…」
「どうなんだろうね。これが多いのか少ないのかわからないけど、まだお互いにレベル2だしこれからドンドン強くなるってことなんじゃないかな。それよりもこの森を抜けた先に街があるみたいだよ。行ってみない?」
「あっはい」
『私の案内はここまでだよ!素敵な転生ライフを~♪』
後藤ひとりと叔父さんは、初心者の森【ヤソークエの森】を抜けてはじまりの街【アンダーノース】へ辿り着く
「ふむふむ、どうやらここはアンダーノースって名前の街らしいよ」
「なっなんか雰囲気が下北沢みたいですね…あんまり異世界っぽくないような…」
「そうだね。とりあえず私はここで情報収集しようと思うんだけどひとりちゃんはどうする?」
「あっ雰囲気は下北っぽいですけど、1人は心細いのででっできれば叔父さんと一緒に…」
「うん、わかった。じゃあ町の人に色々話を聞いてみようか」
道行く人に片っ端から話しかける叔父さんと、叔父さんの少し離れた所で目線をキョロキョロと忙しい後藤ひとり。叔父さんがコミュ強でよかったね!
「ふむ…どうやらこの世界にはたくさんの冒険者がいて、ここはレベル1の初心者が集まるはじまりの街らしい。あと全ての人にレベルとステータスがあるみたいだね。普通のおじいさんや子供にもステータス画面を見せてもらったけど皆レベルが高くてビックリしたよ」
「あっですね。おそらく今現在この街で私が一番のザコ人間です…へへへ」
「大丈夫、これから成長すればいいんだよ。さて、とりあえずどこか日雇いのバイトみたいなのやってないか探して、寝泊まりできる場所も探さないとだね」
「あっはい、ですね…バッバイトか…STARRY以外でできるかな」
『いっけなーい!大事なこと忘れてた!』
「あっ虹…じゃなかった、ニッジーカさん」
「まだ何か伝えてないことがあったのかな?」
『そうそう!後藤晋作さんの転生時の特典のことをまだ全部話してなくてね~』
「私の?なんか増し増しでとか言ってたやつ?」
『そうそれ!特典その1はあなたに見合ったスキルを付けること。これは後藤ひとりちゃんと一緒だね!』
「見合った…?わっ私のスキルは見合ってるのかな…」
『特典その2!この世界の全属性の初級魔法習得!地味に便利だね!』
「まっ魔法?あっさっきスライムを倒した火の玉みたいなやつですか?」
「あれがあったおかげでひとりちゃんを助けることができたから感謝感謝だね」
『そして最後に特典その3!今後この世界で生活するための拠点をプレゼント~♪実はこの街にある空き家を一つ後藤晋作さんの持ち物に登録しておいたんだ!』
「えっ私の家があるの!?」
『うん♪見た目はこの世界の外観に溶け込んだ造りになってるけど、中身はあなたが生前暮らしていた所の間取りを参考に魔改造してあるから!これ、その家の鍵と地図ね』
ニッジーカがそう言うと叔父さんの手の上に鍵と丸めた紙が出現した。
「あっこれはどうも…本当にいいんですか?私が住んでも」
『もっちろん!そこからどうするかはあなた達次第!冒険に出かけて己の腕を磨くも良し!ゆっくりまったりなスローライフをエンジョイするも良し!だよ~♪それじゃあ今度こそ私の案内は終了!さよなら~』
という訳で2人は地図に書いてあった場所に移動&到着。早速鍵を使い中へ入ると…
「お邪魔します…って本当に私が住んでた家そっくりだ」
「あっですね…わっ私の部屋の方も見てきます」
「うん、気をつけてね。いや~正直助かった…あっ冷蔵庫ちゃんと動いてる。しかもある程度の食材も入ってるね。よし、とりあえずご飯を作って腹ごしらえといこうか」
本日の異世界ご飯
炊きたてご飯(異世界ブレンド米)
色とりどり野菜炒め
切り干し大根のツナマヨ和え
甘口だし巻き玉子
豆腐とワカメの味噌汁
「ひとりちゃん、ご飯できたよー」
「あっはい、あっありがとうございます。そういえばお腹空きました」グゥゥ
「では手を合わせてください」
「「いただきます」」
ごちそうさまでした
テッテレー
後藤晋作のスキル効果が判明しました!
「えっ?ひとりちゃん、なんか私のスキルの効果が明らかになったって…」
スキル CookStar
効果:自身の料理に体力&状態異常回復、経験値取得効果を付与する
「ほう、回復効果が付くんだ。これは便利なスキルだね」
「おっ叔父さんこれ!これ見てください!」
後藤ひとりは慌てた様子で叔父さんに自分のステータス画面を見せた。
後藤ひとり レベル7
ステータス
体力 22
攻撃 7
防御 88
俊敏 7
魔力 0
幸運-5
「おお、すごいね!私の料理を食べてレベルが上がったんだね」
「あっはい、おっ叔父さんのレベルも上がってるんじゃないですか?」
後藤晋作 レベル5
ステータス
体力 56
攻撃 30
防御 36
俊敏 21
魔力 21
幸運 29
「おー私も上がってるね」
「つっつまり叔父さんのご飯を食べ続ければレベル上がり放題で異世界で無双し放題で爆乳陽キャにモテモテ…ふへへ」
「そうだね。でも先ずはこの世界で生きていくために必要なことを学んで、生活の基盤を整えるところから始めていこうね」
「あっはい」
こうして異世界でもロックな姪と食べさせたい叔父さんの生活が始まったような気がした。
つづく(こっちもユル長の予定…予定)