時間がかかってしまったけどまだまだ続きますよ。
今回は原作が進むっぽい。そんな気がするししない気もするよ。
「おや、虹夏ちゃんとリョウさん。おかえりなさい」
「あっ♪晋作さんこんにちは~。奇遇だね!」
「ほほう…晋作オジサン、その荷物は今日のライブの打ち上げの食材だね?あ、もう既にお腹が…」グゥゥ
いつものように仕事を終えた後の買い出しの帰り道に学校帰りの虹夏ちゃんとリョウさんに会った。2人はこの後結束バンドのライブがあり、私ももちろんファンとして観に行きます。そしてその打ち上げ会場は何を隠そう私の家なのである。はい、ありがたいことに最近では恒例になってますね。ライブ後の結束バンドを労うことができるのはとても嬉しいから、ライブも合わせて今からワクワクしてくるね!
「最近一悶着あったから、晋作オジサンの打ち上げ料理はその弱った心を癒すのに最適」
「一悶着?何か問題があったの?」
「あ~…まあこの間のSICK HACKのライブでちょっとね~」
虹夏ちゃんから話を訊いてみると、最近リョウさんが誰かに家まで後を尾けられて困っていたと言う。まさかリョウさんがそんな悩みを抱えていたとは…全然気が付かなかった。犯人はリョウさんが昔やっていたバンドの時のファンだったようで、先日のSICK HACKのライブの合間にそのファンから接触があったが、一緒にライブに来ていた日向さんが仲介してくれて事なきを得たらしい。今では結束バンドの事にも興味を持ってくれて、今日のライブにも来てくれるとのこと。日向さん、いったいどんな仲介の仕方をしたんだろうね。
「そんな訳だからもう心配いらないよ!リョウもなんだかんだで日向さんとも打ち解けたみたいだし」
「へえ、そうなの?リョウさん」
「ん…まあ。話してみれば恵恋奈はそんなに悪いやつではなかった。あの謎言語に目を瞑ればタダ飯にありつけるし…」
「ん?リョウなんか言った?」
「いや別に…それはそうと晋作オジサン、今日のご飯は何?ちなみに今の私はお肉の気分」
「おいこらリョウ、その前にライブに集中してよね!」
「そうだね、結束バンドがライブで良い演奏してくれたら私も腕によりをかけてご馳走を用意するよ。今日は良い赤身肉が手に入ったから分厚いステーキなんてどうかな?」
「うん、やる気出てきた。STARRYへ急ごう虹夏、そして良いライブしてしっかりお腹を空かせよう!ほら早く」
「動機が不純すぎる~!まあやる気になったならいいけど」
「ライブ頑張ってね虹夏ちゃん。私も仕込みを終わらせたらすぐ行くからね」
「うん!応援よろしくね晋作さん!」
虹夏ちゃんとリョウさん2人を見送った後、私も晩御飯の仕込みのために一度帰宅。メインはライブ後に焼くとして、その他のサラダや付け合わせや副菜等を仕込む。最後にお肉にキッチンペーパーを巻いて常温で保管。この季節はもう夕方にはそこそこ冷え込んでくるので、当日食べる肉なら冷蔵庫に入れておかなくても大丈夫だ。さて、準備はこれくらいにしてそろそろ出ないとね。
冬本番を前にした夕方の下北沢。STARRYへの道のりを歩く。もうすぐ12月か…一年が過ぎるのは早いね。今年のクリスマスには去年みたいにたくさんの人に食べさせたいな。またSTARRYで星歌さんの誕生日を兼ねたパーティーとかやるのかな。…と、そんな事を考えてたらあっという間にSTARRYに到着。今日の受付は誰がやってるのかな?
「へいらっしゃい!!あっ!ヒッピー先輩のおじさん!こんばんは!」
「はいこんばんは。大山さんだったかな?受付お疲れ様。これライブチケットとドリンク代ね」
「まいどあり!あ、そうだ!今日はどのバンドを視に来ましたか!」
「結束バンドですよ。大山さん相変わらず元気いっぱいだね」
「ありがとうございます!ライブ楽しんでください!」
大山さんのあの明るさ…ライブハウスの空気感とのギャップがすごいね。まるで魚市場のような活気のある受け答えの大山さんに中へ通してもらうと、すでに結構な数のお客さんがいた。皆結束バンドの今日のセトリや他のバンドの話等で盛り上がっている。その中に一際大きな声でキャイキャイと賑やかなお客さんが2人…片方は見覚えがあるね。あのシルエットと声はもしかして…
「あ♪給仕のおじさまこんばんはです~♡この間はご来店&ご指名ありがとうございました♪」
やっぱり。コンセプトカフェでお世話になった日向さんだ。見たところ私服で友達とライブを視に来たといった感じだね。
「こんばんは日向さん。今日はバイトじゃなくてお客さんとして来てるのかな?」
「そうなんです~♪今日は同じリョウさん推しの山田のATMちゃんと一緒にリョウさんのとっておきの御尊顔(激レア)を見せ合いっこしてたとこなんですよ~」
山田のATMちゃん?それは日向さんの隣にいる女の子のことかな。もしかして彼女がリョウさんの言ってた困ったファンの子だったりする?
「どうもこんばんはです!しゅきぴの養分になりたいオタクさんが話してたおじさまってあなたの事ですね?同じリョウさん推しの同志として結束バンドを盛り上げていきましょうね!」
「えっあっはい」
この子はこの子ですごい熱量だね。私は厳密には結束バンド全員を平等に推しているつもりなんだけど、話がややこしくなりそうだから黙っておこう。
「給仕のおじさまも見ますか?山田のATMちゃんからシェアしてもらったリョウさんのレア顔コレクション!これが初ライブの少し恥じらいのあるお顔で、こっちが演奏ミスして不機嫌なリョウさん!これはMCですべった後の何とも言えないお顔のリョウさんでそれからそれから」
日向さんは嬉々としてスマホの画面を私に見せながら熱くリョウさん愛を語ってくれた。しかしこの画像の数々、リョウさんにとっては見られて恥ずかしくなる類いのものではなかろうか…。確かにかわいいけど。
「尊いですよね~!」
「尊い~~~!!!」
その後日向さん達は、私そっちのけで再び結束バンド談義(主にリョウさん)に戻った。楽しそうだしそっとしておこう。あ、奥に虹夏ちゃんとリョウさんがいるね。挨拶しておこう。
「あの子、リョウが新宿FOLTで話してた子だよね?最近よくライブ来てくれてるよね~さすが日向さん布教が上手!」
「うん、よかった…」ヤッパリヤッカイナオタクタチ
「虹夏ちゃんとリョウさん。今日のライブ頑張ってね!私も打ち上げの料理張り切って作るから」
「晋作オジサンのご飯のために頑張るよ」
「いやお客さん楽しませるために頑張れ」
「ははは…」
「ただいま~…っと、さてさて作っていきましょうかね。皆のために」
ライブの後、私は打ち上げの料理を仕上げるために早めに帰宅。メインは少し時間がかかるから今のうちにやっておかないとね。
フライパンに油を引いて一分加熱しておく。弱火にしてから軽く塩コショウをふった牛の赤身肉をフライパンに置いて2分焼いたらひっくり返す。片面2分焼いてひっくり返すのを何度か繰り返し、中心温度計を使って肉の中心が50℃~60℃まで上がったのを確認できたら、フライパンから取り出してアルミホイルに15分包み余熱で火を通す。再びフライパンを熱し、片面30秒焼いて両面に焼き目をつける。
よし、これで大まかな準備ができた。後は皆が帰ってくるのを待つばかりだ。
「あっただいまです」
「叔父様~お邪魔します♪」キターン
「お邪魔しま~す。晋作さん何か手伝うことある?」
「恵恋奈達をふりきるのに一番体力使った…さあ晋作オジサン、今日はどんなご馳走を用意してくれたのかな?」グゥゥゥゥ
「皆おかえり、来てくれてありがとう。すぐご飯にするからね!虹夏ちゃんも休んでていいよ」
肉を食べやすいサイズにスライスして皿に盛り付けたら「完成」
本日の晩御飯
炊きたてご飯(くまさんの力)
叔父さん特製ゴールデンジュースステーキ
薄切りポテトのカレー焼き
ほうれん草とハムのバターソテー
紫タマネギとパプリカのサラダ
北海道コーンの濃厚ポタージュ
「うっうわぁ…おっお肉ツヤツヤしてますね」
「えっすご!晋作さん本気出しすぎじゃない?」
「素敵!まるでミシュランガイドで紹介されてそうなステーキね!」パシャシャシャシャ
「早く!早く食べよう!」ググゥゥゥゥ
「そうだね。では手を合わせてください」
「「「「「いただきます」」」」」
今日はテレビで紹介されていた『家庭で極上のステーキを味わえるレシピ』というのを試してみた。ステーキにはあえて何もかけず、にんにく醤油ベースやおろしポン酢のステーキソースやワサビ醤油や岩塩等を自分の好みでかけられるスタイルにした。肉を切っている時の見た目と感触はかなり良い感じだったけど皆の反応はどうかな。
「はむっ…んっんっ…うっまぁ!何これ!?想像してた味よりも遥かに美味しい!」
「あむっんっ…んぐっ、あっ美味しいです。噛むほどにジュワジュワ旨味が溢れてきて」
「すごいわ!岩塩で食べたらお肉の味がダイレクトに伝わってきますよ!お世辞じゃなく今まで食べたステーキで一番美味しいです!これはライブ後の疲れが吹き飛びますね!」キタキターン
「もぐもぐ…んっんっ…うむ、うまい!これは良い肉だ!ステーキソースも相まってご飯と合いすぎる!」
「気に入ってもらえて何よりだよ。皆どんどん食べてね」
「晋作さん、これって相当お高いお肉使ってるんじゃない?もしかして100グラム数千円するようなものだったり…?」
「いや、このお肉は普通にスーパーで売ってた赤身肉だよ。それにちょっとだけ手間をかけた焼き方をしただけさ」
「えっ焼き方だけでこんなに変わるの!?」
「うん。ゴールデンジュースって言う肉汁の7倍の旨味があるエキスを逃がさないように焼いてるから、赤身のお肉でも柔らかくて美味しく仕上がるんだって」
「7倍!?晋作さんちょっとそれ詳しく教えて!」
「もちろん。これはね、肉の温度管理が大事で…」
「ふむふむ…」
私の解説を食い入るように聞く虹夏ちゃん。きっと自分の家で作って星歌さんに食べさせたいのだろう。やっぱり姉思いの優しい子だね。
この後、結束バンドの皆はうまいうまいと連呼しながらゴールデンジュースステーキを平らげていった。これだけ満足してくれたなら作り甲斐があったというものだ。
ごちそうさまでした
「晋作さんありがとう!早速今度お姉ちゃんに作ってみるね!」
「叔父様~♪今日の打ち上げ風景イソスタに上げてるのでチェックしてくださいね!あ、例によって叔父様が写ってるのは載せてないので安心してください!」キターン
「ふう…大満足。お腹も心も満たされた。晋作オジサンあのステーキ定期的によろしく」
「皆たくさん食べてくれてありがとう。それと今日のライブお疲れ様。帰ったらゆっくり休んでね」
「あっじゃあまた明日…」
もう外がすっかり暗くなった家への帰り道。伊地知虹夏、山田リョウ、喜多郁代の3人が話題に出すのは、さっき食べたステーキと叔父さんの話…
「いや~またご馳走になっちゃったね。やっぱり晋作さんの料理はすごいな~」
「ですね♪あ、さっき上げたイソスタにもうこんなにいいね!が付いてますよ!」
「確かにうまかった…あれをもう一度味わえるのなら多少の犯罪を犯すことさえ厭わない」
「いや法に触れるようなことはやめて」
「き、きっとリョウ先輩なりの冗談ですよ!それよりも見てください伊地知先輩、SICK HACKのイライザさんが幾つかイソスタを更新してたんで開いたんですけどその中にこんな投稿が…」
「イライザさんが?次のライブの事とかかな?」
SICK HACKのイライザ♡デス
先日のコンカフェで彼氏役をしてくれた人の超キュート♡なあーん♡画像デス!推しのメイドさんもかわいくて最高に楽しかッタヨ♪
※口元以外がスタンプで隠された叔父さんが胸元ガッツリメイド服の日向恵恋奈にあーん♡されてる画像が貼られています
「…これ晋作さんだよね?」
「…叔父様ですね」
「…まごうことなき晋作オジサンだね」
「…まあ今日はもう遅いから明日詳しく問い詰めるか」
「…ですね。叔父様本当に節操なしなんですから」
「2人とも目が笑ってない。晋作オジサン…マジで背中蹴られるかも」
ゴールデンジュースの元ネタはN◯Kのとある番組です
次回 自主企画ライブと姪と◯◯
↓おまけ
異世界でも叔父さんは食べさせたい
※途方もなくパラレル時空です。
前回までのあらすじ
山田リョウも転生してきたよ。叔父さんの家に住むことになったよ!
キャラ紹介
後藤ひとり
転生先の世界でも叔父さんと同居。スキルの効果で自力でモンスターを倒せなくなっているが、叔父さんか山田リョウが倒すので全く支障がない。
叔父さん
異世界でもひとりちゃん達に食べさせる生活を目指す。作った料理に体力と状態異常回復&経験値取得の効果が付くスキルを持っている。
山田リョウ
特典ほぼなしで転生してきた不憫な子。スキルのせいで戦闘中は強いけどすぐお腹が空く。
山田リョウが叔父さんの家に住むようになって数日が経過した。
「さて、ひとりちゃんとリョウさんにお話があります」
「あっはい」
「何?」
「家にある食料が底をつきそうです」
「えっ」
「えっ」
「なので本格的にクエストをこなしてお金を稼ぐ必要があります」
「あっやっぱり働かないといけないんですね」
「どの世界でも労働はついて回るのか…」
「地道にクエストを一つ一つやっていくのが無難だけど、2人さえよければどこかのギルドに所属してもいいかもしれないね」
「ギッギルドですか?」
「簡単に言えば大人数のチームで行動してるって感じかな。名前が売れてるとそのギルドに直接依頼がくるみたい」
「いちいちクエストを受注しに行かなくても仕事を回してもらえるかもってこと?」
「うん、そうなるね。モンスター退治やアイテム収集以外にもクエストの種類はたくさんあるみたいだから、ひとりちゃんやリョウさんが得意な分野を売りにしてるギルドに入れるといいね」
「わっ私の得意なこと…あるのかな」
「大丈夫だよぼっち。いざとなったらその豊満な体を売り込めば仕事に困ることはないよ」
「それは私が全力で阻止するから不可能だよ」
そんなこんなでクエスト案内所へ来た後藤ひとりと叔父さんと山田リョウ。今日やれるクエストを探しつつ、入れそうなギルドも平行して検索。
「うーん、どれも肉体労働(モンスター討伐系)のギルドばかりだね」
「戦うとすぐ腹が減る私やモンスターを倒せないぼっちには不向き」
「あっですね…あれ?このギルド名…おっ叔父さん、リョウ先輩!」
「どうしたの?ひとりちゃん」
「何かいいギルド見つけた?」
「こっこのメンバー募集のところにこんなギルドが…」
【急募】
ギルド名 結束ギルド
ギルドメンバーを募集しています!
結成したばかりなので初心者大歓迎!
詳しくは地下食堂“星と虹”まで!!
「結束ギルド…?」
「結束バンドみたいだね」
「あっでっですよね!もっもしかして虹夏ちゃんもこの世界に来てるのかも?」
「うむ、可能性は十分にある!」
「地下食堂“星と虹”に行けば詳しい話が聞けるみたいだね。2人とも行ってみるかい?」
「あっはい!」
「ついでにその食堂で昼御飯にしよう」
町の人に“星と虹”の場所を教えてもらい、3人は地下食堂へと赴いた。
「あった。ここが地下食堂“星と虹”か」
「なっなんだかSTARRYみたいな雰囲気ですね」
「というか階段と入り口がまんまSTARRYだね」
3人はSTARRYそっくりの階段を降り、『営業中』の札がかかった入り口の扉をゆっくりと開けた。すると入店してすぐに「おかえりなさいませ~♪」という声とともに、フリフリの可愛らしい服装の店員が接客にきた。
「3名様で…えっ?」
「えっ」
「あっ」
「おー」
「嘘…ひとりちゃん、リョウ先輩、それに叔父様!?」
地下食堂にいたのは喜多郁代。異世界での再会に感動を隠せないのか、人目を憚らず一番近くにいた後藤ひとりに抱きつく喜多郁代。
「すごいすごい!また会えた!一人で心細かった~!」
「うぐっ…喜多ちゃん、くっ苦し…」
「おお~間違いなく郁代だ」
「喜多さんも異世界転生してたんだね」
「リョウ先輩と叔父様もお久しぶりですね!」
一先ず席へ移動して喜多郁代の話を聞くことにした。
「私、目が覚めたらここの看板娘として住み込みで働いてることになってて…」
「最初から住むところと仕事が確保されている…私と違う」
「もしかして目覚める前に虹夏ちゃんみたいな妖精に色々説明されたりした?」
「はい、この世界に来る前に伊地知先輩にそっくりな妖精さんに転生特典?っていうのがどうとか言われて…」
「私の時はそんなのなかったのに…」
「あっじゃあ『結束ギルド』のメンバー募集してたのは」
「ここに来てくれるお客さんって冒険者の人が多くて、話を聞いてみたら私の持ってるスキルは冒険者向けだからギルドのメンバーを募って活動してみたらいいかもって言われたので!」
そう言って喜多郁代は自分のステータス画面を開いて見せた。
喜多郁代 レベル1
ステータス
体力 26
攻撃 18
防御 8
俊敏 10
魔力 15
幸運 5
スキル
1.サンライトキャラクター
効果:太陽が出ている間に限り火、光属性の攻撃でダメージを受けない
2.???
3.???
「へぇ…そんなことが。それでギルドメンバー募集を始めてたまたま見つけた私達がここに来たと」
「そうですね!まさかまた皆に会えるなんて感激だわ♪あ、でも伊地知先輩はいないんですね…」
「あっですね。でっでもこの調子だと案外近くにいるのかも…」
「そんなことよりお腹減った…せっかく食堂に来たんだし何か食べよう」グゥゥゥゥ
「そうだね。少し早いけどここでお昼御飯にしようか」
お昼御飯は割愛
ごちそうさまでした
「さて、では改めて。私達は喜多さんが作ったギルド【結束ギルド】に入りたくて来たんだけど」
「はい!それはもちろん大歓迎です!」
「よっよかった…」
「これで4人パーティーになった。つまり私は後方で楽できる」
「喜多さんはこれからどうする?このままここで住み込みで働くかい?」
「そうですね…そういえば叔父様達はどこに住んでるんですか?」
「あっそれは、私もリョウ先輩も叔父さんの家で…」
「えっ?」
「うん、毎日晋作オジサン飯でかなり充実してる」
「ええっ!?」
「喜多さんと同じく転生特典で前に住んでた部屋と全く同じ家をもらってね。今そこに3人で生活してるんだ」
「叔父様!まだ部屋の空きはありますか!?」キターン
「えっあっはい」
「私も入れてほしいです!」キタキターン
叔父さんの家の同居人がまた1人増えました。
「あ、でもここのお仕事も続けたいので叔父様の家から通いますね!もちろん家賃も払います!」
「あっえっけっ結束ギルドの活動は…?」
「当然そっちも頑張るわよ!」キターン
「ぐあっ…眩しい!」
「この行動力。郁代はどんな世界でも郁代だね」マブシイ
数日後
「という訳で結束ギルドの初任務です!」キターン
「と言っても全員で地下食堂のお手伝いなんだけどね」
「うっ緊張する…あっでもSTARRYみたいで暗くて落ち着くかも」
「この制服の趣味…どっかで見たことあるような」メイド
「リョウ先輩素敵!スマホがないのが残念だわ!あ、叔父様はキッチンで料理担当お願いしますね♪」
結束ギルドでの初クエストは喜多郁代が働いている地下食堂“星と虹”からの依頼。後藤ひとり、山田リョウ、喜多郁代が接客と配膳、叔父さんが料理のお手伝いをすることになった。
「あわわわ強面の人がいっぱいいる…」
「大丈夫よひとりちゃん!最初は私がついててあげるからね!」
「あっできれば最初と言わず最後までお願いしたいです」
「注文覚えきれない…」
「一つ一つメモを取れば大丈夫ですよリョウ先輩!」
「メモ取るのめんどい」
「まあまあ、実際にやってみて少しずつ慣れていこう。私はキッチンで他の料理人の人を手伝えばいいのかな?」
「叔父様の料理の腕は店主さんに前もって話してあるので、好きなように作ってください!」
「えっ好きなように?」
「はい!叔父様が作れそうな定食とかも私が事前にメニューに載せてます!頑張ってくださいね!」
「郁代、攻めの姿勢がすぎる」
「あっでも叔父さんの料理って、たっ確か体力回復と経験値が付いてくるから、すっすぐにお客さんの噂になっちゃうかも…」
後藤ひとりの予感は的中した。叔父さんが作った『スタミナモリモリ定食』を食べたお客さんが口々に「うまい!」を連呼したかと思えば…
「なっなんか力が漲ってくるぞ!」
「えっ?さっきまでやけど状態だったのに治ってる!?」
「飯食っただけなのにレベルが3も上がってるんだけど」
普通のご飯では現れないような現象の数々に、お客さん達の驚きの声が続出した。
「さすがは叔父様ね!」
「どこへ行っても飯テロの権化」
「あっですね」
数日間結束ギルドがお手伝いした結果、元々店員である喜多郁代のビジュアルが話題になってそこそこ繁盛していた地下食堂“星と虹”だったが、突然出てきた謎のおじさん飯が口コミでドンドン広がり、店の外まで行列が出きるほどの未だかつてない賑わいを見せた。そしてあっという間にお手伝いクエスト最終日の閉店後…
「なんか店長さんに正式に料理人として入ってくれと言われたんだけどどうしよう」
「あっ今日なんかは、おっ叔父さんが作ったご飯目当てのお客さんがほとんどでしたもんね」
「おかげでこっちはヘトヘト…早く晋作オジサンのまかないをよろしく」ググゥゥゥゥ
「ですね!叔父様はどうしますか?叔父様が入る日は私達も入りますよ!ね、ひとりちゃん!」キターン
「えっいや、あっはい」
「うーん、それだと喜多さんの言う『結束ギルドの活動』がほとんどここになっちゃうけどいいのかい?」
「皆と一緒ならどんなお仕事でもいいですよ♪」
こうして叔父さんは異世界でも定職に就くことができた。安定した収入+結束ギルドのクエストの報酬で叔父さんの家の食料事情も解決。全然冒険者らしい冒険はしないけど、異世界でも誰かに食べさせることができるようになった叔父さんは今日も変わらずご飯を作る。
つづく(終わってないからね?まだあるからね?)