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今回は久しぶりに叔父さんと虹夏ちゃんが一緒にご飯を作る回ですよ~。はい、ただそれだけの話ですよ~。
雲もまばらなすっきりとした晴れ間とは裏腹に、コートなしでは外出が厳しいくらいに寒くなってきた。しかも週末なので、ひとりちゃんという最愛の食べさせたい人が家にいない。いつもなら少し寂しい思いをしているところだけれど、今日はその寂しさを払拭してくれるほどの約束がある。時刻は午後3時。行きつけのスーパーの入り口付近で待ち合わせ。来るべきクリスマスに執り行う予定の結束バンドの自主企画ライブ。そのライブ中に振る舞う限定メニューの打ち合わせ兼晩御飯作りをするために、先ずは食材を見て回ろうということで集合場所がここになったのだ。
「あ、いたいた♪おーい!晋作さ~ん!」
私の姿を見つけた途端、大きな声で私の名前を呼びながらパタパタと駆け寄ってきた虹夏ちゃん。彼女のトレードマークである頭のドリトスがピョコピョコ揺れていて、本日も元気いっぱいで絶好調なことが伺える。かわいい。
「こんにちは虹夏ちゃん。なんだかやる気に満ち溢れてるね」
「そりゃもちろん!あたし達初の自主企画ライブだからね!晋作さんも突然のお願いなのに料理の手伝い引き受けてくれてありがとう!」
「こちらこそ、こんな機会をもらえて光栄だよ。結束バンドのライブを盛り上げる手伝いが出来るなら喜んで協力するよ」
「ありがとう!じゃー先ずはここ(スーパー)で必要そうな食材相談しながら買っていこう!」
そう言うと虹夏ちゃんは、慣れた手つきで入口付近の買い物カゴをカートにセットする。
「ほら、晋作さん行こ♪」
「うん、そうだね」
上機嫌な虹夏ちゃんと共にスーパーへ入店。2人で野菜コーナーから順にライブの日に使えそうな食材を見て回る。そういえば、虹夏ちゃん達のミニアルバム収録お疲れ様会の買い出しの時も星歌さんとこうやって一緒に食材を探し回ったっけ…あの時も思ったけど、1人で買い物する時よりもなんだか心がホッコリしてくる。娘と買い物をする父親ってこんな感覚なのだろうか。
「うーん…やっぱりパーティーの時と違ってライブを楽しみながら手軽に食べられるものがいいよね!」
「そうだね、片手で持っていられてそのまま食べられる形式が一番ちょうどいいかもしれないね」
「クリスマスの時期だし、王道はフライドチキンとかになるかな~」
「となるとお肉コーナーで手頃な鶏肉がないか見ておきたいね」
「よーし!そうと決まれば早速お肉コーナーに行ってみよう!ついでに今日の晩御飯のメインの分も買おう!」
虹夏ちゃんの「おー!」という号令で2人で精肉のコーナーへ向かう。いつも以上に張り切った様子の虹夏ちゃんに心なしか周りのお客さんがあたたかい眼差しを向けているように見える。
お肉屋さんの店頭には『国産鶏肉フェア』ののぼりが掲げられていて、いつもの鶏モモ肉やむね肉だけでなく手羽元手羽先に始まりハツやぼんじりやセセリといった希少部位まで陳列されていた。
「ふむふむ…やっぱり王道のチキンは入れときたいよね~。ねえ晋作さん、フライドチキンって1から作れる?」
「フライドチキン?そうだね、いくつかのスパイスやハーブがあれば専門店っぽい味のものができるよ。私の家に大体の香辛料が揃ってるから今日お試しで作ってみるかい?」
「うん!いいねそれ♪面白そうだしやってみようかな!」
「ならこの手羽元を買っておこうか。晩御飯の分はどうする?手羽元多めに買って別の料理にする?」
「ん~せっかくいろんな部位が売ってるならそっちを使ってみたいかな~…あ、晋作さんこれ!これ見て!」
いくつか並んでいる鶏肉を眺めていた虹夏ちゃんは、その中の1つを手に取って私に見せてくれた。おお、これは!
「『よくばり焼き鳥セット』だって。このパック1つにいろんな部位の鶏肉が小さめにカットされて入ってるから、手作りの焼き鳥作るのにもってこいだよ!」
「へえ、これはいいものだね。手作りで焼き鳥か…星歌さんも喜びそうだね」
「うんうん♪お姉ちゃん絶対飲みたくなっちゃうだろうな~♪よし、今日の晩御飯はこれに決まり!晋作さんも一緒に作って食べようね!」
無事晩御飯のメニューも決まり、必要な分の焼き鳥セットと手羽元を抱えた虹夏ちゃんの眩しい笑顔がこちらに向いた。かわいい。
「たっだいま~」
「お邪魔します」
「はいどーぞどーぞ~♪」
買い物が終わり、途中フライドチキン用のハーブやスパイスを取りに私の家へ寄ってから虹夏ちゃんの家へ移動。時刻は午後4時過ぎ。晩御飯はもう少し後に作るとして、先ずは虹夏ちゃんと2人でライブ用のフライドチキン(仮)を相談しながら作ってみることにした。
「さて、材料は揃ったし作っていくよ」
「はい!晋作さん、よろしくお願いします!」
「味付けは持ってきたハーブとスパイスにショウガやニンニクと塩コショウで付けるとして、問題はどんな形状で出すかだね。ライブ中ならなるべく持ちやすくて手が汚れにくい形にしてあるのが理想なんだけど」
「うんそうだね!できれば持つところがアルミホイルか何かで包んであるといいかな!」
「ふむ、だとすれば…手羽元をチューリップ型にするといいかもしれないね」
「チューリップ型?それどうやるの?」
「えーっとね…先ずキッチンハサミで手羽元の先端を切って」
「ふむふむ」
「次に骨と肉を切り離して上に巻き込んでいくと、骨部分と肉の部分がこうやって別れてチューリップの形になるよ」
「おおー」
「これで味と衣を付けて揚げていけば見映えのいいフライドチキンになるんじゃないかな」
「料理の本とかでしか見たことなかったんだけど、こんな風に作るんだね~。やっぱり晋作さんはすごいなぁ」
「やってみると結構簡単だよ。虹夏ちゃんもやってみる?」
「うん!」
その後、2人であれこれ相談しながらチューリップフライドチキンの作成に取り組んだ。どんな器で出すかや何個ずつ付けるか等、実際に販売するにあたって大事な要素を話し合いながらの料理は、仕事中や晩御飯作りの時とは違った面白さがあってとても新鮮だった。そしてその甲斐があってか自主企画ライブの限定商品として出すのに十分すぎるほどのクオリティのものが出来上がった。これで本番でもファンとして結束バンドの力になれるかな。
「晋作さんありがとう!これならお客さんも大喜び間違いなしだよ~♪」
「うん、私も当日が楽しみになってきたよ」
「それじゃあ晋作さん、次は今日の晩御飯の方を作っていこっか!」
「そうだね、すごいのを作って星歌さんを驚かせちゃおう」
「うん♪」
一口大の大きさの鶏モモ肉に軽く塩コショウをして揉み込む。ぼんじり、セセリ、ハツ、砂肝、鶏皮も同様に下処理しておく。鶏ミンチ、みじん切りにした軟骨と長ネギ、卵黄、酒、ショウガ、塩を粘り気が出るまでよく混ぜ合わせる。
「ネタの準備はこんな感じかな」
「おお~まさに焼く前の焼き鳥のネタだ。これを串に刺していけばいいんだね?」
「うん、たくさんあるけど2人でやればあっという間だよ」
「よーし、やっていこう!」
虹夏ちゃんと2人並んで鶏肉を串に刺していく。途中虹夏ちゃんから「こんな感じでいいかな?」と自分が刺した肉を見せてもらっては私が確認するという流れを挟んだり、ライブに呼んであるSICK HACKやSIDEROSの返事が待ち遠しいという話を聞いたりと終始和やかな雰囲気で料理が進んだ。虹夏ちゃんの上機嫌な表情を見る限り、自主企画ライブの出演バンドの件は順調そうで安心した。
「結構な種類ができたね!これでいつお姉ちゃんが帰ってきても大丈夫だよね!あ、塩味だけじゃなくてタレ味も作っちゃう?」
「そうだね、ハツ以外はタレの味も用意しておこうか」
砂糖、みりん、醤油を鍋で煮詰め、トロミが出てきたら火から下ろす。
ピロン
「あ!お姉ちゃんもうすぐ帰ってくるって!完成したフライドチキンと晩御飯の焼き鳥見たらどんな顔するかな~♪」
星歌さんからのロインを見てさらにテンションが高めになる虹夏ちゃん。よっぽど星歌さんに食べてもらうのが嬉しいんだろうな。かわいい。
「それなら今からドンドン焼いていこうか。星歌さんが帰ってくる頃にちょうどいいタイミングで焼けると思うよ」
「うんわかった!あたしはこっちで塩味の方を焼くから晋作さんはタレ味の方お願いしていい?」
「喜んで。ふっくら柔らかに焼き上げちゃうよ」
2本のフライパンそれぞれに油を引き、鶏肉を入れたら中火で蓋をして蒸し焼きにする。蓋を取ったらこまめにひっくり返しながら焼き目を付けていく。火が通ったら、片方はフライパンから取り出し岩塩をふる。もう片方のフライパンにタレを入れて鶏肉と絡めたら「完成」
「虹夏ちゃん手際いいね。それに焼き目もキレイで美味しそうに焼けてるよ」
「本当?えへへ♡ありがとう♪晋作さんのタレ味の方も照りが抜群で食欲をそそるね!」
星歌さんが帰ってくる前にたくさんある焼き鳥を2人で焼き上げていく。虹夏ちゃんはお世辞などではなく、プロ顔負けなくらい本当に上手に焼いている。ふむ…なんだろうこの時間、上手く表現できないけど兎に角すごく楽しい。虹夏ちゃんと料理をするのは初めてじゃないのに今日は特に心がウキウキしている?虹夏ちゃん、受験生でバンド活動以外も何かと忙しいだろうに…いやはや頭が下がる。
「ただいま~…ってなんかめっちゃいい匂いだな」
「お姉ちゃんおかえり~ご飯の準備もうできてるよ!すぐ食べるでしょ?早く食べよ!冷めちゃうからほらほら!」
「おかえりなさい星歌さん。あとお邪魔してます」
「ああ、晋作さんどうもこんばんは。虹夏のワガママに付き合ってくれてありがと」
「ワガママって何さ!それより早く座って!ライブで出す料理も晩御飯もすごいの作ったんだから!」
「わかったわかった、虹夏はちょっと落ち着け。慌てんなって」
「あはは…」
本日の晩御飯
炊きたてご飯(はるみ)
叔父さんと虹夏ちゃん特製焼き鳥
もも(塩・タレ)
ねぎま(塩・タレ)
皮(塩・タレ)
つくね(塩・タレ)
ぼんじり(塩・タレ)
せせり(塩・タレ)
ハツ(塩)
大根の塩昆布揉み
玉ねぎとキャベツの味噌汁
「うわ、すごいなこの品数…」
「でしょ~?晋作さんと頑張ったんだから!ね?晋作さん」
「そうだね、虹夏ちゃん串打ちも焼くのも上手くて驚きました。それに何度も星歌さんに食べさせるんだーって言ってたし」
「ちょっ!?晋作さん!あたしそんなには言ってないよ!?」
「そんなに思いがこもってるなら心して食べないとだな」
「ふふふ、そうですね」
「もう!2人とも恥ずかしいからあんまり茶化さないでよ~」
「ごめんごめん、じゃあ食べましょうか。手を合わせてください」
「「「いただきます」」」
今日の晩御飯は虹夏ちゃんと焼いた手作りの焼き鳥。普段あまり見ない部位もあるので星歌さんがどんな反応をするのか楽しみだ。
「んっんっ…うん、うまいなこれ。普通に焼いた鶏肉とはまた違った味わいだ。これは飲まない選択肢はないな。えーと、確かとっておきのお高めのビールがあったはず…」
「お姉ちゃん、飲むのはいいけどほどほどにしてよね?あたしはぼんじりのタレにしようかな。はむっ…んっん~♪濃厚な鶏の旨味とタレの味が抜群だね!これはご飯が進むよ~」
「もぐもぐ…うん、美味しいね。塩味の加減も絶妙なバランスでどんどん食べれちゃうよ」
「えへへ♪ありがと晋作さん。えーと、次はつくねにしよっと。あむっ…んっんっん~おいし~♪ふわふわのつくねの中にコリコリの軟骨が入っててクセになっちゃうね!」
「ゴクゴク…ぷはぁ!はぁ~ビールがうまい。ていうかよく見るとすごい種類だな」
「えへへ~♪お肉屋さんにいろんな部位がセットになったやつが売ってたんだ~。それに今日はライブで出す予定のチキンも試作品として作ったんだよ!こっちも食べる?」
虹夏ちゃんは得意気にさっき作ったフライドチキンも食卓に並べてみせた。
「こっちも晋作さんと作った自信作だよ!ライブでバンバン売っちゃうからね!」
「ほう、キレイな形だな。ちゃんと持つところも作ってあるし、これならライブ中も片手で持ってられていいんじゃないか?」
「でしょ~?あとは値段とか当日の仕入れとかすり合わせして~…」
焼き鳥もフライドチキンも、店長である星歌さんからのお墨付きももらって虹夏ちゃんはかなりご満悦の様子で、頭のドリトスの動きも一際活発になっている。かわいい。自主企画ライブのことも怖いくらいに順調だし、このまま何事もなく進んでいってくれることを切に願う。神様、今のはフラグじゃないですからね?
ごちそうさまでした
晩御飯が終わり、仕事で疲れている星歌さんを休ませている間に虹夏ちゃんと2人で食べ終わった食器を片付ける。並んで洗い物をしながら自然と会話も弾む。
「今日はありがとう晋作さん!これで最高の自主企画ライブになりそうだよ~。あ、その食器はそっちの戸棚の中ね」
「戸棚…ここだね。こちらこそありがとう、ライブの日もバッチリお手伝いするからね」
「うん!…そういえば晋作さん、今日ってぼっちちゃん帰ってる日だよね?」
「え?うんそうだね。週末だし」
「じ…じゃあ…さ、家…泊まってく?」
「え?」
背中合わせで作業していた手が止まる。今何て言ったの?虹夏ちゃんからなかなか強烈な発言があったような気が…
「っ!?なっなーんてね!冗談冗談!気にしないで!い、いきなり何言ってるんだって話だよね!」
と思って振り替えった私と目が合うと慌てて訂正する虹夏ちゃん。自分が言ったことのヤバさに気が付いたようで、顔が真っ赤になっていてとても動揺している。
「そっそう…だね。その申し出は嬉しいけど、こんなおじさんが女性2人の住んでる家になんてさすがにね」
「だよね!ゴメンゴメン!ちょっちょっと言ってみただけだから気にしないで!」
うーむ、慌てふためく虹夏ちゃんもかわいい。…自分の心臓の鼓動がやたら早い。私も年甲斐もなく動揺してるみたいだ。しかし自分でも言った通り、若い女性2人暮らしのお宅におじさんが長居するのは倫理的によろしくないからね。片付け終わったらちゃんとおいとましなければ。
やっぱり叔父さんと虹夏ちゃんが料理する話は和むね!
次回 バズりたい姪と◯◯
アンソロジーコミックのあの部分からの話です。
↓おまけ
異世界でも叔父さんは食べさせたい
※めちゃめちゃパラレルワールドです。
前回までのあらすじ
虹夏ちゃんと星歌さんも転生してました!しかもお姫様と護衛団長だってさ!
キャラ紹介
後藤ひとり
転生先の世界でも叔父さんと同居。スキルの効果で自力でモンスターを倒せない。だけど叔父さんか伊地知虹夏か山田リョウか喜多郁代が倒すので全く支障がない。
叔父さん
異世界でもひとりちゃん達に食べさせる生活を目指す。作った料理に体力と状態異常回復&経験値取得の効果が付くスキルを持っている。地下食堂“星と虹”が伊地知虹夏の特典パワーでSTARRY異世界店になったけど変わらず料理を作る。
山田リョウ
特典ほぼなしで転生してきた不憫な子。スキルのせいで戦闘中は強いけどすぐお腹が空く。叔父さんのご飯が大好きなのでめんどくさがりながらもちゃんと働く。
喜多郁代
転生特典で地下食堂“星と虹”の店員として住み込みで働いていた。今は叔父さんの家に住みながらSTARRY異世界店へ通う。喜多郁代が結成したギルドの『結束ギルド』としての活動も本格始動。
伊地知虹夏
叔父さん以上に特典盛り盛りで転生してきた元下北沢の大天使。異世界でもライブハウスSTARRYを作り、結束バンドも再結成。しかし異世界なので足りないものがたくさんあるのでまだバンド活動はできないでいる。
レベルを上げよう
「結束バンドメンバーミーティングIN異世界~はい、拍手!」
「わっわ~…」パチパチ
「この感じ懐かしい」
「ですね!なんだかワクワクしてきちゃう!」キターン
「そんな訳で異世界でもSTARRYを作ったはいいけど、まだ楽器とかその他機材とかスタッフとかもう何もかも足りないからその資金を貯めていくよ!」
「虹夏の特典の復活を待てばいいのに」
「ダメ!ここ(元地下食堂)をSTARRYにできただけでもありがたいんだから、これ以上甘えられないし待ってられないよ!それにせっかく異世界転生したんだからもっとクエストとか冒険しようよ!」
「一応言っとくけどあんま危ないことはするなよ?今のお前はこの国の姫なんだから」
「じゃあお姉ちゃんもクエスト付いてきてよ~。今のお姉ちゃんはあたしの護衛団長なんだし」
「それはまあそのつもりだけど…危ないから晋作さんも一緒に来てもらっていい?」
「それはもちろんそのつもりですよ」
「叔父様も含めたらこれで結束ギルドは6人になりましたね!」
「私が楽できるから人が増えるのは大歓迎」
「あっですね…」
「おいこら陰キャども」
「まあまあ。それで具体的にはどんな活動をしていくつもりなのかな?」
「あたし達が本格的に活動するためには先ずそれぞれの楽器が必要だよね!」
「私とひとりちゃんがギターでリョウ先輩がベース、伊地知先輩がドラムですね!」
「この街にはなかったけど、2つ隣の街に世界中の楽器が集まる場所があるんだったね」
「うむ、興味深い。この世界ならではの掘り出し物の楽器があるかもしれない」
「ああ、だがそこに行くには少し問題がある」
「問題?」
「音楽の街ティズワラ周辺は中~上級者の冒険者向けでな。今の結束ギルドのレベルでは太刀打ちできないぞ」
「そういえばあたし、転生してから一度も戦闘とかしてないからレベル1のままだよ」
伊地知虹夏 レベル1
ステータス
体力 26
攻撃 10
防御 8
俊敏 9
魔力 15
幸運 30
スキル
1.フォワードリーダー
効果:パーティーのリーダーになると仲間のステータス&取得経験値が増加するが、モンスターから狙われやすくなる
2.???
3.???
「ふむ…虹夏ちゃんのスキルは便利そうだけど、デメリットのことを考えると暫くは後方に置いた方がよさそうだね」
「ああ。安全にティズワラへ行くんだったら最低でも全員レベル20は必要だと思うから、それまでは地道に経験を積むことだな」
「むぅ…先は長いな~」
「手始めに難易度低めのモンスター討伐クエストをこなしていくのはどうですか?私もまだまだレベル低いので一緒に強くなりましょう!」キターン
「えー…私戦闘するとすぐお腹空くからあんまり戦いたくない」
「あっわっ私もスキルのせいで自力でモンスター倒せないので全くお役に立てないです…」
「まあそこ2人はしょうがない。私と晋作さんが前に出れば問題ないだろう」
「そうですね。この辺りのモンスターなら苦戦しないと思うけど、油断しないようにね」
「「はーい!」」
結束ギルド全体のレベルを上げるためにモンスター討伐クエスト(難易度1)を受注した。一行は初心者の森【ヤソークエの森】へ
「例によってここのスライムが大量発生してるらしいからたくさん倒そう」
「はーい♪」
「よーし!頑張ろう!」
「まあ私と晋作さんもいるし、この人数だ。そんなに苦戦はしないだろう」
「じゃあ私は食べられそうな草を取ってるから終わったら教えて」
「あっじゃあ私も…」
「おいこら、サボるな陰キャ共」
「あらら…あっほら虹夏ちゃん、モンスターが現れたよ」
スライムの群れが現れた!
「ほら虹夏、油断するなよ」
「わかってるって!」
結束ギルドは午前中からスライムを狩って狩って狩りまくった。一部は野草集めに精を出した。
「てやー!」ヌ”ーン
「えーい!」キターン
「ふう、結構な数倒したな」
「ですね!そろそろお昼時ですしご飯にしましょうか。叔父様と伊地知先輩と私でお弁当作ってきたんです!」
「晋作オジサンのご飯と聞いて」
「早っ!どっから出てきた!?」
「あっ戦闘には参加できなかったけど、やっ野草はたくさん集まりました」
本日の昼御飯
叔父さん虹夏ちゃん喜多さん特製山盛りサンドイッチ
「では手を合わせてください」
「「「「「「いただきます」」」」」」
「もぐもぐ…は~美味しい♪体動かした後だから余計に染み渡るね!」
「ですね!なんだか力が漲ってくるわー♪」キターン
「はむはむ…んっんっうむ。うまい!やはり労働の後の晋作オジサンのご飯は格別」
「リョウは草取ってただけじゃん!」
「だって私のスキル戦闘するとすぐお腹空くんだもん」
「でも結局食べてるじゃん」
「それはそれこれはこれ。晋作オジサンのご飯は私の生命線」
「まあまあ、リョウ先輩とひとりちゃんは野草集めのクエストをやってたみたいですし、きっと後々の活動のための資金集めをしてくれてたんですよ!」
「えっいやこれは今日の晩御飯」
「さすがはリョウ先輩です」キターン
「いやだから晩御飯」
「リョウさんとひとりちゃん、戦闘が苦手だから別のクエストで頑張ってくれたんだね。ありがとう」
「えっあっいやはい」
「う…まっまーね。モンスター討伐はやってないから、これくらいはしないとね」
「諦めたな」
「リョウのやつ、こっちの世界に来て晋作さんに弱くなったよね~」
「叔父様にモジモジするリョウ先輩も素敵ね!」
「そういえば虹夏、レベルはどれくらい上がった?」
「レベル?えっとね…」
伊地知虹夏 レベル12
ステータス
体力 58
攻撃 62
防御 33
俊敏 47
魔力 72
幸運 77
スキル
1.フォワードリーダー
効果:パーティーのリーダーになると仲間のステータス&取得経験値が増加するが、モンスターから狙われやすくなる
2.???
3.???
「あれ!?何か思ってたよりもずっと上がってるね。ここのモンスターってそんなに経験値高いの?」
「いや、初心者の森だから大したモンスターは出てこないはずだが…」
「あっそれおっ叔父さんの料理の効果だと思います」
「えっ晋作さんの?」
「晋作オジサンの料理には体力と状態異常回復と経験値取得の効果がある」
「そうなの!?」
「うん、何か私のスキルがそういうのになってて。あれ?言ってなかったっけ?」
「初耳だよ!」
「そりゃまた便利なスキルだな。これなら数日で目標レベルまでいくんじゃないか?」
「虹夏が晋作オジサンのご飯を食べまくれば低レベル問題も解決する」
「そんなことしたらレベル上がる前にデブになっちゃうよ!」
「虹夏ちゃん、少し痩せ気味に見えるから少しくらいお肉付いてた方がいいと思うよ」
「晋作さんは黙ってて!」
「あっはい」
ごちそうさまでした
「何はともあれ、レベルの問題はなんとかなりそうだな」
「音楽の街へ私達の楽器を探しに行ける日も近いですね!」
「でもある程度お金も貯めてからにしないと楽器見つけても買えないかもしれないよ。軍資金は大いに越したことはない」
「リョウにしてはまともな意見だね。でもあたしもそれに賛成かな。自分達でしっかり稼いでからティズワラへ行こう!」
「またしばらくお仕事の日々ですね!」
「あっまた労働が続くんですね…」
「全員でやればすぐだよ。私も協力するから頑張ろうねひとりちゃん」
「あっはい」
結束バンド活動再開&STARRY異世界店開店までの道のりはまだまだ遠い。
つづく(今さらだけどステータスの数値は超適当です)