ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

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ご覧になっていただきありがとうございます。

もうすぐぼっち・ざ・ろっく!一番くじボリューム4が始まりますよ。皆様戦闘準備はよろしいですか?

今回はアンソロジーコミック第5巻。の裏表紙にある4コマから1話作っちゃったやつです。ええそうですひとりちゃんがおんおん言ってるアレです。


バズりたい姪と手打ちうどん

「伊地知先輩見てください!さっきイソスタに上げた結束バンドの練習風景の投稿にもうこんなにいいね!が付いてますよ!」キターン

 

「おお~さすがイソスタ大臣。その調子でドンドン結束バンドの宣伝していってね」

 

「はい♪」

 

いつものスタ連の休憩時間に、喜多ちゃんと虹夏ちゃんのやり取りを遠目で眺める私。喜多ちゃんが始めた結束バンドのイソスタアカウントは、喜多ちゃんの絶え間ない投稿によってフォロワー数を徐々に伸ばしていっている。投稿しているのが喜多ちゃんなだけあって、その内容はキラキラ陽キャバンド感満載の可愛らしい写真が多い。そのせいで一部のフォロワーからは、私達がガールズバンドであることを忘れている人もいるみたいだけど…。

 

「郁代が投稿したやつの幾つかはプチバズりしてる。特に結束バンドのご飯風景が好評みたい」

 

「バンドマンとしてはライブや練習風景を見てほしいんだけど…」

 

「まあまあ、いいじゃないですか。どんな形でも私達を知ってもらえるきっかけになれば!」

 

うう…私も自分のアカウントでバズって承認欲求を満たしたい…いつもオーチューブに上げてる弾いてみたの動画なら気の利いた文面とか考えなくていいし、私にもできそうだよね。でもそんな邪な理由で動画をアップするのは人としてどうかと思うし、だけどやっぱりいいね!もらってチヤホヤされたい!うぐぐぐ、どうすれば…

 

 

『呼んだ?』

 

あっお前は私の中の承認欲求モンスター

 

『弾いちゃえばいいじゃん』

 

でっでもマイニューギアの時もそんなにいっぱいいいね!付かなかったし…

 

『生足出しちゃえばいいじゃん』

 

な!?そっそんな私なんかの足を写したらバズるどころか炎上しちゃうかも…

 

『ヤダヤダヤダヤダいいね!欲しい!バズりたい!楽して不特定多数から誉められたい!』

 

ぐぬぬぬ…こいつのワガママは私自身の本音…私も一応現役女子高生だし、足を写すだけならもしかしたらいいね!数増えるかも?いやでも何かのはずみで身バレして悪用とかされちゃうかもだし。どうしようどうしようどうしようどうしよう…

 

 

 

 

 

動画を投稿しました!

 

「や…やってしまった。スカートと生足のアングルで弾いてみた動画…まっまあ表面上はただの弾いてみた動画だし、たまたま!本当にたまたまジャージ履き忘れただけだからセーフだよね!」

 

 

 

翌日のSTARRY

 

「ぼっち、なんか昨日のぼっちの投稿バズってるよ」

 

「あっはいへへへへ…じっ実はそうなんですよ♪いいね!がこんなにいっぱい…ふへへへへ」

 

「へ~よかったじゃん!やっぱりぼっちちゃんのギターテクをもってすればバズれるもんなんだね!」

 

「虹夏違う」

 

「へ?」

 

「ぼっちの投稿に対するコメント見てみて」

 

「コメント?どれどれ」

 

 

生足だ!

 

太もも!太もも!

 

JKのふともも!!

 

サイコーすぎる

 

うほっいい生足

 

次は二の腕とか鎖骨オナシャス!

 

 

「曲じゃなくてふとももで万バズしたらしい」

 

「全然よくねぇ!!」

 

「もう20万以上いいね!が…ふへっうへへへへへ…」

 

「でもぼっちは満足そう」

 

「ぼっちちゃん目ぇ覚ませ!それはSNSの闇に片足突っ込んでるやつ!!」

 

「そういえば今日のぼっち下ジャージ履いてないね」

 

「現実に影響出始めてる!?」

 

「わっ私の太ももに需要があるのなら、きっきっと今日のお客さんにも誉めてもらえるかも…」

 

「ぼっちちゃん、その考え方は危険だよ!」

 

虹夏ちゃんからNGが出てしまった…でもこれからもさりげなく生足写しながら弾いてみた動画を投稿すればもっといいね!がもらえて私の承認欲求が…

ピロン

 

「えっあっロイン?…叔父さんからだ」

 

 

今日の晩御飯はひとりちゃんの家で皆で作ります。先に行って待ってるね。

 

 

「あっ叔父さんが家に来るんだ。何作るんだろう?」

 

 

 

時は少し戻って…

 

「いってらっしゃいひとりちゃん…ふう」

 

バイトとバンド練習のためSTARRYへ出掛けていったひとりちゃんを見送った後、私は思わず軽くため息が出てしまった。食べさせる人がいない週末。ひとりちゃんが金沢八景へ帰るこの日は、毎週のことながらやっぱり寂しい。この心にポッカリ穴が空く感じはいつまで経っても慣れる気配がないな…

 

ブゥゥゥゥゥン ブゥゥゥゥゥン

 

そんなことを考えていたらスマホの通話だ。誰からだろう…って兄さんから?何の用だろう。

 

「はいもしもし」

 

『よう晋作、今日暇か?暇だよな?ひとりがこっちに帰る日だから暇を持て余してるよな?』

 

電話に出るなり兄さんから唐突にディスられている?週末だしひとりちゃんが帰るのは事実だけどどういうことなんだろう。

「えっうん。まあ確かに暇だけど突然どうしたの?」

 

『なら家に来い。皆でうどん作るぞ!』

 

「うどん?また急な話だね」

 

『テレビの老舗うどん屋の特集してる番組見てたふたりが自分で作りたい!って言い出してな。で、色々準備してたらふたりが折角だからおじちゃんも呼びたいって言ったからじゃあ誘うか!ってことになったんだよ』

 

「ほう、ふたりちゃんから直々にお誘いしてくれるなんて光栄だね」

 

 

『来るだろ?』

 

「もちろん。是非行かせてもらうよ」

 

『そーこなくっちゃ!じゃあ待ってるからな!』

 

兄さんは言いたいことだけ言って電話を切ってしまった。相変わらず自由な人だな。さて、思いがけず素敵な予定ができた。ひとりちゃんが帰るのはバイトとバンド練習後だろうから私が先に行ってることを連絡しておかないとね。ロインで伝えよう。

 

 

今日の晩御飯はひとりちゃんの家で皆で作ります。先に行って待ってるね。

 

 

これを送信して…よし、私は一足先に後藤家に行ってふたりちゃん達とうどん作りだ。楽しみだね!

 

 

ピンポーン

 

/ハーイ!\

後藤家に到着しインターホンを鳴らすと、途端に元気な姪っ子の声がドア越しで聞こえてくる。そしてすぐにドアが開き、その声の主がヒョコっと顔を出した。

 

「おじちゃん!いらっしゃいませ!」

 

「わんわん!」

 

「ふたりちゃんこんにちは。今日も元気いっぱいだね」

 

私を出迎えてくれたのはもう1人の愛すべき姪ふたりちゃん。側には愛犬のジミヘンがピッタリくっついてブンブン尻尾を振っている。玄関には兄さんと美智代さんもニコニコ笑って手を振ってくれてる。いつ見ても仲良し家族だね。

 

「晋作よく来たな!準備はできてるから早速作るぞ!」

 

「いらっしゃい晋作さん。ひとりちゃんももうすぐ帰ってくるらしいわよ~♪」

 

「どうもお邪魔します。ふたりちゃん今日はうどんを作るんだって?」

 

「うん!テレビでやってたおっきな生地をのばしてトントントンって切るのやってみたいの!」

 

「わんわん!」

 

「それはいいね。きっとすごいうどんができちゃうね」

今から作るうどんについて力説してくれているふたりちゃんと一緒に部屋の中へ進む。既にキッチンには一通りの材料が計量して置いてあり、いつでもうどん作りを始められるようになっていた。皆で手を洗い、しっかり消毒してエプロンを着けたらいざ料理開始!

 

 

ふるいにかけた小麦粉(中力粉)に塩水を用意した半分の量回し入れよく混ぜ合わせる。

 

「よし、じゃあふたりちゃんはこの粉をグルグル~ってかき混ぜようか」

 

「ふたりにできるかな~?」

 

「できるよ!」

 

ふたりちゃんが混ぜている間に残り半分の塩水も入れ、粉が舞い上がらないくらい且つそぼろ状になるまで混ぜ続ける。

 

「できた!でもまだ全然うどんじゃないね」

 

「これからだんだんうどんになっていくよ」

 

生地を丸くまとめてジッパー付き保存袋に移し、空気を抜いてジッパーの口を閉じて10分生地を休ませる。

 

「いい感じにまとまってきたな!」

 

「ではここでふたりちゃんに重要任務を任せます」

 

「じゅーよーにんむ!なになに?」

 

「ふたりちゃんには今からこの生地を踏んで平らにしてもらいます。できるかな?」

 

「うんできる!」

 

レジャーシートを敷いた上に生地を保存袋に入ったまま置き、両足で踏みながら平らにしていく。

 

「あはは♪グニグニでやわらかい!」

 

「わんわん!」

 

「うどん生地を踏む娘の図!いいぞふたり!かわいいぞ!」パシャパシャ

 

「ジミヘンも真似して生地に乗ってるわね♪」

 

兄さんと美智代さんはうどん作りそっちのけで、生地を踏むふたりちゃんの撮影に精を出している。うん、かわいいからね。仕方ないね。

 

「表面がつるつるになってきたら、折りたたんで何回か繰り返すから頑張ってねふたりちゃん」

 

「うん!がんばる!」

ふたりちゃん(+ジミヘン)が踏み続けでできた生地を丸めて形を整えたら一時間ほど寝かせる。

 

「よし、この間に他の料理を仕上げていこうか」

 

「任せろ!ふたり力作のうどんに合うあれこれ作っていくぞ!」

 

「わーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま…えへへへ」

 

「おかえりひとりちゃん。お疲れ様」

 

「あっ叔父さん、どっどうも…ふぇへへへ」

 

しばらくしてひとりちゃんが帰って来た。やけにニコニコしてるね。なんだかすごくご機嫌なご様子だけど、STARRYでいいことでもあったのかな?

 

「おねーちゃんおかえり!うどん!もうすぐうどんを切るよ!おねーちゃんもやろう!」

 

「あっえっうどん?」

 

「うん。今生地を寝かせてて、もうすぐ仕上げの作業になるからひとりちゃんもよかったら一緒に作ってみるかい?」

 

「えっと…どうしようかな」

 

「おかえりひとり!今からうどんの生地をもう一度踏む作業があるぞ!ふたりと一緒にやってみないか?」

 

「踏む…あっそれならできそう…」

 

ひとりちゃんはうどん作りに誘われても目を伏せて及び腰だったけど、兄さんの言葉でパアッと目の輝きが戻った。皆で作ればきっと楽しくなるよね!

 

 

再び生地を丸く広げて踏む作業開始。今度はひとりちゃんとふたりちゃんの2人で挑む。仲良し姉妹の共同作業って素敵だね!

 

「あっわっわっバッバランスが…」

 

「あははは♪おねーちゃん踏むの下手~♪」

 

「いいぞ2人とも!さっき以上にエモエモな絵に!」パシャシャシャシャ

 

「動画は私に任せて♪」ジー

 

2人が生地を踏むのをハイテンションで撮影する兄さんと美智代さん。尻尾をブンブン振って走り回っているジミヘンも含めてこの家族本当仲いいなあ。さて、そろそろ生地を伸ばして切っていこうかな。

 

 

 

 

打ち粉をした生地を麺棒で伸ばし、ある程度薄くなったら麺棒に巻き付けて分厚いところを重点的に転がして厚さを均等にする。3ミリくらいの厚さになったら打ち粉をしながら山おりと谷おりを繰り返して折り畳み、包丁で切る。

 

「ふたりもやりたい!」

 

「よーし、じゃあこっちのテーブルでお父さんと一緒に切ろうか。危ないからお父さんの手に合わせてゆっくりな」

 

「うん!」

 

兄さんはいつの間にか用意していた折り畳みテーブルに、ふたりちゃんでも扱えそうな子供用の包丁と小さめに広げた生地をふたりちゃんと一緒に仲良く切り始めた。さすがはお父さんだね。

「ひとりちゃんも切ってみるかい?」

 

「あっ切るのは下手くそなので…あっふたりみたいに叔父さんと一緒ならなんとか」

 

「えっ私とでいいの?」

 

「あっはい」

 

そして私とひとりちゃん、兄さんとふたりちゃんの麺切りの時間が始まった。私と兄さんはそれぞれ後ろにまわり、ひとりちゃんとふたりちゃんの手に自分の手を添える形で麺を切るのをサポート。2組の前には美智代さんがカメラを構えてその様子を撮影している。

 

3ミリくらいの幅に合わせて包丁を落とす。包丁を持ったひとりちゃんの手を支えながらトン、トン、ゆっくり、ゆっくりと…

 

「あっうっ…わわっ」

 

「落ち着いてひとりちゃん。私がついてるから大丈夫」

 

「あはは♪おとーさん太さバラバラ~」

「むむむ…結構難しいなこれ」

 

「ウフフ♪皆頑張って~」

 

「わんわん!」

 

ふむ、これはなかなかに楽しい。後藤家に混ざってこうして手作りのうどんが作れるなんて幸せだね。発案者のふたりちゃんには感謝感謝だ。

 

「うん、いい感じに切れたね」

 

「あっはいうへへ」

 

「後は茹でるだけだな!」

 

「うん!」

 

大きめの鍋にたっぷりの湯を沸かし、うどんをほぐしながら入れて浮き上がってきたら菜箸でかき回す。麺が透き通ってきたら一本取り出して茹であがったか確認する。 うどんを引き上げて流水でぬめりを洗い落としながら締める。

 

「よし、これで後はざるうどんにしたり出汁をかけたりして完成だね」

 

「うどんできた?」

 

「ああできたぞ!伸びないうちに早速食べよう!今日は後藤家うどんパーティーだ!」

 

「わーい♪」

 

本日の晩御飯

後藤家特製手打ちうどん(ざる・かけ)

かしわ天

野菜の天ぷら(なす、かぼちゃ、ピーマン)

玉ねぎとゴボウのかき揚げ

うどん出汁のだし巻き玉子

大根とキュウリの浅漬け

 

「では皆の者手を合わせて!」

 

「はい!」

 

「うん」

 

「うふふふ♡」

 

「はい」

 

「わんわん」

 

「「「「「いただきます」」」」」

 

今日の晩御飯は手打ちうどん。後藤家皆で作った渾身の一品だ。ひとりちゃんとふたりちゃんは同時にざるうどんをめんつゆに付けてチュルチュルと啜った。かわいい。

 

「んっんっ…んまーい!」

 

「んっあっおいしい…ツルツルでコシがあって」

 

「ん~♪天ぷらうどんにすると出汁にコクが加わってまた違った味わいになるわね~♪」

 

「やっぱり一から手作りすると苦労した分格別なうまさがあるよな!」

 

「そうだね。ひとりちゃんとふたりちゃん踏むのも麺切りも上手だったからすごくおいしいうどんに仕上がったよ」

 

「ほんと?よかったー♪」

 

「うへへ…わっ私にはうどん作りという隠された才能があったみたい」

 

自分達が作ったうどんを食べながら終始ニコニコな2人を見れて私も嬉しい。同じく兄さんと美智代さんも満足そうだ。あとジミヘンもね。こんなに素敵な晩御飯に誘ってもらえて私は幸せ者だな…。

 

 

ごちそうさまでした

 

 

 

 

週明けのSTARRY

 

「あっおはようごさいます…うぐぐ」

 

「おはようぼっち」

 

「ぼっちちゃんおはよう~…ってあからさまにテンション低いね。週末何かあったの?」

 

「あっいや、じっ実は家でうどんを作ったんですけど…」

 

「あ~それイソスタにあげてたよね。足だけ写ったふたりちゃんとぼっちちゃんがうどんの生地踏んでるところ」

 

「あっはい」

 

「その投稿この前のぼっちの太ももよりもバズってるよね」

 

「うぐっ」

 

「へ~よかったじゃん。それなのになんでそんなに落ち込んでるの?」

 

「多分その投稿に対するコメントのせいかも」

 

「コメント?」

 

 

幼女だ!

 

ウワヨウジョカワイイ

 

幼女!幼女!

 

幼女の生足尊い…

 

女児の太ももが見られると聞いて

 

そのうどんを言い値で買おう

 

 

「ふたりの太ももに負けた…」

 

「そんなことで張り合ってどうする!?ていうかこの界隈変態しかいないのか!!」

 

 

危ないコメントで埋め尽くされる前にその投稿は削除されました。




対象年齢が上がっちゃうからさすがに「おんおん」は言わせられなかったよ。

次回 ホットヨガと大人組と◯◯

深酒日記からのお話ですよ。

↓おまけ

異世界でも叔父さんは食べさせたい

※すごくすごいパラレルワールドです。

前回までのあらすじ
STARRY異世界店で再び結束バンドをやることにしたけど、足りないものが多いので準備しようという流れ。


キャラ紹介
後藤ひとり
転生先の世界でも叔父さんと同居。スキルの効果で自力でモンスターを倒せない。だけど他の人が倒すので全く支障がない。

叔父さん
異世界でもひとりちゃん達に食べさせる生活を目指す。作った料理に体力と状態異常回復&経験値取得の効果が付くスキルを持っている。地下食堂“星と虹”が伊地知虹夏の特典パワーでSTARRY異世界店になったので全力で協力する。

山田リョウ
特典ほぼなしで転生してきた不憫な子。スキルのせいで戦闘中は強いけどすぐお腹が空くのであまり戦いたくない。叔父さんのご飯が大好きなのでめんどくさがりながらもちゃんと働く。

喜多郁代
転生特典で地下食堂“星と虹”の店員として住み込みで働いていた。今は叔父さんの家に住みながらSTARRY異世界店へ通う。喜多郁代が結成したギルドの『結束ギルド』としての活動も本格始動。

伊地知虹夏
叔父さん以上に特典盛り盛りで転生してきた元下北沢の大天使。異世界でもライブハウスSTARRYを作り、結束バンドも再結成。しかし足りないものがたくさんあるのでまだバンド活動はできないでいる。

伊地知星歌
伊地知虹夏と共に転生してきた伊地知虹夏の姉。立場的には伊地知虹夏の護衛団長、そしてSTARRY異世界店の店長。しかしライブハウスをやるのに足りないものがたくさんあるので結束バンドに協力する。


お金を稼ごう


結束ギルドのレベル上げ大作戦から数日後のこと、STARRY異世界店では恒例のメンバーミーティングの真っ最中。しかし、今日の議題は星歌さんからのものだった。

「お前らがティズワラに行くためのレベル上げが順調なのはよくわかった。だがそろそろ現実的な話をしようと思う」

「急にどうしたのお姉ちゃん」

「げっ現実的な話…ですか?」

「ここに結構な数のクレームがきている」

「えっクレーム!?」

「私達、別に人様に迷惑をかけるような活動はしてないはずですけど…」

「うん、モンスター討伐クエストやってレベル上げしてただけ」

「リョウとぼっちちゃんがやってたのは採集クエストばっかりだけどね」

「あっすいません…」

「問題はそこじゃねーよ」

「じゃあ何が問題なの?」

「ここ(STARRY異世界店)を買い取ったわりに何もしてないのが不満らしい。特に前の地下食堂の常連や晋作さんの飯のファンからよ声が多いな」

「あー…そういうことか。勢いで買い取ったはいいけど、ライブハウスにするためのもの揃えるのに時間かかっちゃってるからな~」

「なるほど、その人達の言い分ももっともだね。ここでご飯を食べるのが楽しみだった人がいたのも事実だから、その人達にとっての憩いの場を奪ったことになっちゃってるよね」

「う…あたしそんなつもりはなかったんだけど…でも確かにこのままはダメだよね」

「ですね。私達のレベル上げよりも優先すべきことだと思います!」

「よし決めた!昼は食堂やって夜はライブハウス再開のために行動!そんな感じの営業でいこう!」

「「「(おっ)おー!」」」


伊地知虹夏の号令のもと、STARRYの昼営業はスタートした。もともと叔父さん飯目当ての客が多かったので、地下食堂が再開した噂はすぐさま町中に広がった。そして以前にも増して客足が伸び、店の売り上げも上々。順調な滑り出しのように見えたが、新たな問題が生じていた。

「忙しすぎて他のことする暇がない!」

「あっ…毎日STARRY(昼の部)の営業で皆くたくたです」

「繁盛してるのはいいことなんですけどね」

「不眠不休…」

「確かにここ一ヶ月働き詰めだったからね。私はともかく皆にはハードだったかもね」

「まあ慣れない仕事を一ヶ月もよく頑張ったよ。資金も増えてきたし、人手を増やすか」

「それだ!バイトの子を増やせば結束バンド再開に向けた活動もできるようになるよね!」

「いいですね!賛成です!」キターン

「あっ新しい人がくる…?どっどうしよううまく先輩として振る舞える気がしない…」

「有能な人材がくれば私がサボる時間も増える」

「リョウはこれ以上サボるなら1人だけ残業させるぞ」

「そんな殺生な!?」

「じゃあ早速結束ギルド名義でクエストの依頼出しとくぞ」



翌日
すぐにクエスト受注の知らせを受け、形式上の面接のために受注してくれた人をSTARRYに呼んだ結束バンド一行。その人物の顔を見るやいなや一同は驚きを隠せなかった。

「どうもー皆さんお久しぶりですねー」

「「「「PAさん!?」」」」

「お前もこっちにいたのかよ」

「ウフフ♪そうなんですよー。また会えて嬉しいです」

なんと受注主はPAさんだった。話の都合上PAさんという名前として扱うのです。

「PAさんがいてくれたらもうSTARRYの音響は安心だね!」

「ですね!」

「うむ。一気にライブハウス再開の希望が見えてきた」

「お任せください♪」

「やる気になってるとこ悪いけど、まだ当分ライブハウスの営業はできないぞ」

「そうなんですか?」

「うん、実はスタッフ以外にもいっぱい足りないものがあってね。それを揃えられるくらいお金貯めないといけなくて…」

「今はお昼に叔父様が作ったご飯を提供する食堂をやってるんですよ」

「今や晋作オジサンの特製定食は町の名物になりつつある」

「あっですね。まっ毎日通ってくれる常連さんもいるくらいで」

「あらあら~、じゃあしばらくはそのお手伝いということになりますね。でも私朝起きられないのでお昼からなら協力します~」

「お前こっちの世界でもそんな生活してんのか?」

「私のスキルがちょっと特殊なので~」


PAさん レベル3



ステータス
体力 14
攻撃 11
防御 9
俊敏 7
魔力 15
幸運 10


スキル
1.ミッドナイトレディ
効果:夜の間全ステータスが上がるが、日の出から正午まで全ステータスが半減する

2.エンチャントスマイル
効果:異性に対して与えるダメージ増加&受けるダメージ半減

3.???

「って感じです~」

「つまり本当に朝が弱いから活動できないってことですね!」

「完全にPAさんのスキルだね!」

「まあSTARRYにいる間は私や晋作さんがいるから大丈夫だろ」

「ここは平和。戦闘なんてそうそう起こらない」

「いざとなったらおじさまが守ってくれるんですね~♪頼もしいです♡」

「えっあっ、そうだね。PAさんがSTARRYに来てくれたら私も嬉しいよ」

「おじさま…♡」

「あっえっ?」

「えっ」

「ほう…」

「…叔父様?」

「お前ら急にどうした。顔が怖いぞ」

何はともあれPAさんが仲間に加わりました。


つづく(ガバガバ設定でも気にしない気にしない)
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