ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

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総UA500000達成!ありがとうございます!

ぼっち・ざ・ろっく!関連コミック三冊が発売中ですよ!またお話のネタが増えるかもね!

さて今回はやっとあの人が出てきますよ。しかし今後の出番は少なそうですよ。


お片付けする姪とアメリカンドッグ

 

ピロン

「あ、ロインだ。自主企画ライブ出演依頼の連絡かな?」

 

「えっ!?本当!?」パァァ

 

「あー違った。晋作オジサンにおやつ作って持ってきてって送ったロインの返事だった」

 

「なんだ…」シュン

 

ピロン

「あ、今度こそ出演依頼の連絡かな?」

 

「本当!?」パァァ

 

「あー残念。恵恋奈からの宇宙語ロインだった」

 

「そっか…」シュン

 

「くふふ…」

 

「もう!リョウ先輩、伊地知先輩で遊んじゃダメですよ!」

 

「いやー虹夏のテンションの落差がおもしろくてつい」

 

「もしもこのままバンドが集まらなかったら私達で高い箱代払わないといけないんですよ!リョウ先輩は平気なんですか!?」

 

「え?ローン数十万円なんて人生でよくあることなんじゃないの?」

 

「既に耐性ができてる!?ひ、ひとりちゃんはちゃんと考えてるわよね!」

 

「あっはい、こっこの間叔父さんの家でバンド集まらなかった時用の謝罪動画撮ったのでいつでも投稿できます!」

 

「頑張るところが間違ってるわ!ひとりちゃんはギターを頑張りましょうね!」

 

「あっそれ叔父さんにも言われました…へへへ」

結束バンドの自主企画ライブの日まで残り少なくなってきた今日このごろ。虹夏ちゃんは常に焦りと不安でいっぱいいっぱいの様子。緊急のメンバーミーティングの時に作った出演者募集のフライヤーも効果が薄いみたいだ。喜多ちゃんもまた真夏の機材運びという地獄を味わいたくないのか、リョウ先輩への当りが強い。やっぱりここはふたりのタンバリンの出番か?おすすめですよ?

 

「お前ら盛り上がってるところ悪いけど、今日ストレイビートで打ち合わせとか言ってなかったか?」

 

「あ、そうだった忘れてた!もう時間ギリギリじゃん!皆行くよ!」

 

後ろで私達の様子を見ていた店長さんの一言で我に返った虹夏ちゃんが、私達にストレイビートへ一緒に行くよう促してきた。

 

「えーめんどい。虹夏だけで行ってきてよ」

 

「なんでだよ!皆で行こうよー!」

 

 

 

ピロン

お、またリョウさんからのロインだ。最近では度々私の部屋に忍び込んで私のシフトを確認しているようで、今の時間私が家にいることも把握されている。こういう時のリョウさんは抜け目ないね。さっきはおやつが欲しいって言ってたけど、リクエストでもあるのかな?

 

 

 

今日の差し入れはこっちに持ってきて

 

 

https://straybeat.com/shimokita/○×.△☆

 

 

 

こっち?あ、下にURLが貼ってあるね。どれどれ…ストレイビート?って結束バンドが所属してるっていうレーベルの名前だよね?地図も載ってるけどここがその事務所ってことなのかな。今日は結束バンドの皆はこっちにいるのか。打ち合わせでもしてるのかな…だとしたら差し入れも片手間に食べられるやつにしておかないといけないね。そうだ、この前コンビニで見かけたアレを作ってみるか。

 

 

ボウルに卵、牛乳を入れよくかき混ぜたらホットケーキミックス、溶かしバターを加えてさらに混ぜて生地を作る。 3cmくらいの長さに切った粗挽きソーセージに竹串を刺す。粗挽きソーセージに生地を纏わせて160℃に熱した油で転がしながら全体がきつね色になるまで揚げたら「完成」

 

 

よし、あとはこの差し入れに付き物のコイツも用意してと…ひとりちゃん達喜んでくれるかな。

 

 

 

 

 

出来上がった差し入れを保温性抜群のタッパーに入れて風呂敷で丁寧に包んだら準備完了。リョウさんが送ってくれたストレイビートへの地図を頼りにいざ出発!

 

 

 

 

 

っと意気込んで来てみたけど、歩いて10分程度で到着してしまった。多分STARRYからでも徒歩5分以内で着くんじゃないかな。うん、物凄くご近所だったね!目の前にはかなり年期の入った建物があり、ここの2階がストレイビートの事務所になっているらしい。それにしても随分とレトロチックで落ち着いた雰囲気のビルだ…悪く言えばボロ…いやいや、これ以上考えるのはやめとこう。とにかく今はこの差し入れを結束バンドの皆に届けることだけ考えよう。私は階段を上がり、2階にある『ストレイビート事務所』と書かれた表札のある扉をノックした。

 

 

コンコンコン

「ごめんください」

 

「あーすいません今ちょーっと立て込んでて~…ってあんたはパイ…結束バンド好きおじさん!?」

 

「おや、ぽいずんさんご無沙汰してますね。ひとりちゃん達がいつもお世話になっております」

 

事務所から出てきたのはぽいずんさん。ひとりちゃんからここ(ストレイビート)でバイトをしていると聞いていたけど本当だったんだね。以前池袋のライブハウスで会って以来かな。あと地味にパイタッチおじさんって言いかけたね。

 

「おじさんが何のご用ですか?今ちょっと事務所の掃除中で忙しいんですけど…」

 

事務所の掃除?よく見るとぽいずんさんの右手にははたきが握られている。しまった、間の悪い時に来てしまったかな。

「忙しい時にすいません。リョウさんから差し入れをSTARRYじゃなくてこっちに持ってきてほしいと連絡をもらったので…」

「差し入れ?結束バンドさんいつもおじさんにそんなウー○ーみたいなことさせてるんですか?」

 

「いえいえ、私が好きでやってることですよ。これ渡したらすぐ退散しますので」

 

「あっいや、別に追い返したい訳じゃ…」

 

「やっほ、晋作オジサンやっと来たね」

 

「あれ?晋作さん、何でここに?」

 

私とぽいずんさんの会話を聞きつけてリョウさんと虹夏ちゃんが顔を出した。

 

「私が呼んだ。おやつ持ってきてって」

 

「呼ばれました」

 

「なにしてんの…晋作さんパシリにしちゃダメでしょ!」

 

「山田さんの独断だったのね…」

 

虹夏ちゃんにドヤされてるリョウさんに「入って入って」と促されて恐縮しながらもストレイビート事務所の中へ、私は全然音楽関係者とかではないんだけど入って問題ないのだろうか。通された事務所には何台かのデスクとその上にパソコンのモニター、そしてたくさんの資料等がキレイに並べられていて、THE事務仕事をする所って感じだ。こういういかにも『会社』な場所はあまり来たことがないから新鮮で少し緊張するな。

 

「ど、どうもお邪魔します」

 

「あっ叔父さん…」

 

「叔父様こんにちは♪」

 

「ひとりちゃんと喜多さん、ごめんね急に押し掛けて。差し入れ渡したらすぐ帰るから」

「大丈夫ですよ叔父様。ちょうど片付けも一区切りついたところですから!」キターン

 

「おや、あなたは結束バンドの皆さんがよく話してる後藤さんの叔父さんですね?はじめまして、私ストレイビートで結束バンドのマネージャーをさせていただいております司馬都といいます」スッ

 

「あっこれはどうもご丁寧にありがとうございます。ひとりちゃんの叔父の後藤晋作と申します」

ひとりちゃんと喜多さんの側にいたもう1人の女性が、丁寧な口調で私に挨拶しながら名刺を渡してくれた。司馬都さん、この人が結束バンドのマネージャーさんか。いつぞやの謝罪動画のためにひとりちゃんが着ていたレディーススーツを身に纏った、清閑な雰囲気の大人の女性といった印象だね。

「これ、皆さんへ差し入れです。司馬さんとぽいずんさんもよかったら食べてください」

 

「これを届けにわざわざ…?ありがとうございます。ありがたくいただきます」

 

「やったぜ」

 

「晋作さん、差し入れは嬉しいけどいちいちリョウの言うこと聞かなくていいからね?」

 

 

本日の差し入れ

叔父さん特製アメリカンドッグ

 

「はいどうぞ。初めて作ったから変な味だったらごめんね」

 

「えっこれ結束バンドおじさんの手作りなんですか!?」

 

「そうなんですよ!叔父様は料理上手なんです♪」キターン

 

「そして私の空腹を満たしてくれる神オジサン」2コクレ

 

「このパキッテ(パキッと割ってケチャップとマスタードを絞り出すやつ)もよかったら使ってね」ハイドウゾ

 

「差し入れ一つに細部まで配慮が行き届いている。私もマネージャーとして見習わなければなりませんね」

 

「晋作さんこういうとこ忠実(まめ)なんだよね~」

 

「あっですね」

 

「なるほど。結束バンドの皆さんが慕っているのも頷けます」

 

「まあ掃除もちょうど一段落してたし小休止といこう。皆手を合わせて~」

 

「「「「「「いただきます」」」」」」

 

今日は差し入れでアメリカンドッグを作ってみた。リョウさんからおやつが食べたいというロインをもらってから、家にある食材で作れて満足度のあるものをと思って作ったけど皆の反応はどうだろうか。

 

「はむっ…もぐもぐ…うん、うま~♪」

 

「うむ、うまい。ほんのり甘いカリふわの生地と中のジューシーなソーセージの塩気が合う!」

 

「ケチャップとマスタードの味のアクセントがまた王道だけど大正解な組み合わせですね!」キタキターン

 

「はむはむ…あっ美味しいです」

 

「うっま!なにこれ…事務所の掃除で消費したエネルギーがキッチリ補給されていく感覚だわ!たかがアメリカンドッグと侮ってはいけないわね」

 

「もぐもぐゴクン…これが晋作オジサンクオリティ」オカワリ

 

「んっ…んっ…これは大変美味ですね」

 

「皆の口に合ったようで何よりです。たくさん作ってきたのでおかわりも遠慮なくどうぞ。あ、食べ終わった串は回収して処分するのでこっちのゴミ袋に入れてくださいね」

 

「気遣いの鬼…結束バンドおじさんってただの結束バンド大好きおじさんじゃなかったのね」

 

「そうだよ~♪晋作さんはすごいんだから~♪ねえぼっちちゃん?」

 

「あっはい、おっ叔父さんはご飯も美味しいです。うへへへへへ♪」

 

ふむ、虹夏ちゃんとひとりちゃんがなんだか物凄く上機嫌なように見えるね。アメリカンドッグの差し入れを気に入ってくれたみたいだ。

 

 

ごちそうさまでした

 

 

「そういえば皆でここの掃除をしてたらしいね」

 

「うんまぁね…片付けないと結束バンドが路頭に迷うことになるから」

 

「えっ何がどうなってそんな結論に?」

 

「でもおかげでとてもキレイになりました。結束バンドの皆さんありがとうございます。残りは私達だけでなんとかします」

 

「普段ここ掃除してるのあたしだけなんだけど!」

 

ぽいずんさん真面目なんだね。バイトでもちゃんと責任感をもって働いてるんだなぁ。前にも思ったけど、この人はただ言動が危険なライターって訳ではないようだ。それに司馬さんも頼れる大人って感じで安心するし、結束バンドが所属してるレーベルやマネージャーをしている人がどんな人かずっと気になっていたけれど、この人達に任せていれば大丈夫そうだね!

 

「それじゃ司馬さん、もう汚さないでくださいね?あと使ったものは元の場所に戻すんですよ?」

 

「はい」

 

ん?司馬さんに虹夏ちゃんのおかんムーブが発動してる?

 

「あれ?虹夏、こっちの部屋は掃除したっけ?」ガチャ

 

リョウさんが虹夏ちゃんの後ろにあるドアを開けた。するとそこにはとても形容し難いそれはそれは見事なまでに散らかった汚部屋がチラッと視界に飛び込んできた。

 

バタン!

 

「もう汚さないでくださいね!」

 

虹夏ちゃんを始め結束バンド一同(叔父さん含む)は見なかったことにした!

 

 

前言撤回。大丈夫じゃないかも。




お片付けの時の様子は原作コミックで補完するのです。

次回 何とかしたい姪と◯◯

↓おまけ


異世界でも叔父さんは食べさせたい

※途方もなくパラレルワールドです。

前回までのあらすじ
ティズワラから帰る途中で泣く子も黙るハマ邪気盗賊団に出くわした結束バンド一行。手に入れた楽器を奪われそうになったが、ぶちギレた星歌さんが一撃で倒して事なきを得る。盗賊団が落としていった盗品を届けにティズワラへ戻ったら図らずも高難易度クエスト達成。しかし結束バンドの後ろには報復にやってきたハマ邪気盗賊団のお頭が…

キャラ紹介
後藤ひとり
転生先の世界でも叔父さんと同居。スキルの効果で自力でモンスターを倒せない。でも前衛がすごく強いので全然問題ない。新たなスキルでいつでもギターが弾けるようになりました。

叔父さん
異世界でもひとりちゃん達に食べさせる生活を目指す。作った料理に体力と状態異常回復&経験値取得の効果が付くスキルを持っている。戦っても強いので結束ギルドの主戦力。

山田リョウ
特典ほぼなしで転生してきた不憫な子。スキルのせいで戦闘中は強いけどすぐお腹が空くのであまり戦いたくない。なのでちゃんと戦うと無類の強さを発揮することに本人含めて気づいてない。

喜多郁代
叔父さんの家に住みながらSTARRY異世界店へ通う。戦闘もひとりやリョウの代わりに率先して戦う聖人陽キャ。STARRY異世界店や結束ギルドの看板娘的存在。

伊地知虹夏
叔父さん以上に特典盛り盛りで転生してきた元下北沢の大天使。異世界でのライブハウス再開のために今日も奮闘する。一応この異世界のお姫様だけどその設定が忘れられそうな勢い。

伊地知星歌
伊地知虹夏と共に転生してきた伊地知虹夏の姉。叔父さんと一緒に保護者役として結束バンドの冒険に付いていく。STARRY異世界店の店長もやっている。怒らせると(物理的な意味で)とってもコワイ。

PAさん
しれっと転生していた黒髪ロングでピアスなお姉さん。朝が弱いのでSTARRY異世界店でお留守番。

廣井きくり
転生特典で愛用のベースを持って転生してきたSICK HACKのベーシスト。盗られたベースは戻ってきたけど機材破壊したせいでティズワラ出禁中。


叔父さんを怒らせてはいけません

ティズワラのクエスト案内所の前でどの楽器を買うかじゃんけんで決めている最中に現れた大男。その周りには大男の子分とみられる輩が結束バンド一行が逃げられないようにいつの間にか周囲を取り囲んでいた。優に3メートルは超えているであろう巨体の背中には、これまた巨大な刃物がギラリと光っている。

「お嬢ちゃん達~よくも俺のかわいい子分達を痛めつけてくれたなぁ~」

「ひぃ!?」

「うわでか!」

「おお~なんという巨体。世紀末だね」

「リョウ先輩達観しすぎですよ!」

「何だぞろぞろ引き連れて…アイツらの親玉か?って後ろにさっきぶっ飛ばした奴らもいるな」

「そうみたいですね」

「イカにもタコにも!我こそはハマ邪気盗賊団のお頭ヒトノ・モノトール様だ!お嬢ちゃん達、俺様を怒らせたからには生きて帰れると思うなよ~?」

「そーだそーだ~」ヒャッハー

「お頭やっちゃえ~」ウェーイ

「お前らもこれで終わりだぜぇ~」ウィィィ

ハマ邪気盗賊団のお頭 ヒトノ・モノトールが問答無用で襲いかかってきた!

「あいつら黒焦げになってるのに随分とタフだな…というかここ(ティズワラの中)で戦闘始める気かよ」

「向こうはお構い無しって感じですね。皆私と星歌さんから離れないようにね」

「あっははははい!」

「私も一緒に戦いますよ!」キターン

「あたしだって!」ヌ"ーン

「うむ、ではぼっちと私は下がってるからヨロシク!」

「こんな時くらいリョウも戦ってよ!」

「なーにをごちゃごちゃ言ってやがるんだぁ?これでも食らえぇい!」
ハマ邪気盗賊団のお頭ヒトノ・モノトールは背負っていた武器を構えて後藤ひとりに向かって勢いよく振り下ろした!

「ぴぃ!?」

「ぼっちちゃん危ない!!」

「ひとりちゃん!!」

「ぼっち!」

「っ!!」

容赦なく振り下ろされた攻撃で大きな衝撃音と砂ぼこりが辺りを包む。

「ぎゃはははは~先ずは一人目!俺様に楯突くからこんなるのだ!」

「お前…覚悟できてるんだろうな?」

「そっそんな…ぼっちちゃんが…」

「嘘…ひとりちゃん!」

「…」

「ぼっちちゃーん!」






「あっはい」

「あれ!?ぼっちちゃん平気なの!?」

「あっはい、ギッギリギリで叔父さんが助けてくれました」

いつの間にか側にいた後藤ひとり。ヒトノ・モノトールの攻撃が直撃する前に、間一髪で叔父さんが後藤ひとりを抱き抱えて飛び退いていたのだ。

「運のいいやつだな~。だがそれは死ぬのが少し遅くなっただけなんだぜ~!」

ヒトノ・モノトールは再び結束バンド一行に攻撃を仕掛けてきた! 今度は横になぎ払いの攻撃なので避けるのは困難だ!

「ひぃ!」

「キャー!」

「危ない!」

「終わった…」

ガコン

「なっなにぃ~!?」

「いい加減にしなさい」

ヒトノ・モノトールの攻撃は叔父さんによって素手で止められていた。

「叔父様が片手で大男さんの武器を止めてるわ!」

「おっ叔父さん!?」

「えっ晋作さんすごっ!」

「さすがは晋作オジサン」

その光景に周りを取り囲んでいる子分達も動揺を隠せない。

「なっなんだありゃあ!?」ヒャッハー!?

「親分の特大肉切り包丁を止めるなんて…」ウェーイ!?

「あのおっさん何者だ!?」ウィィィ!?

「ぐぎぎぎぎ…おっ俺様の特大肉切り包丁がびくともしねぇ!こっこんなひょろひょろのおっさんのどこにこんな力が…!?」

「…こんな危ない物をひとりちゃん達に向けるなんて言語道断です。それに何より、これは人を傷つけるのではなく美味しい料理を作って誰かを笑顔にするためにある道具です!」

「あぁ~?この俺様にお説教かぁ~?調子乗ってんじゃねぇぞおっさん!!」

ヒトノ・モノトールは持っていた肉切り包丁から手を離して叔父さんに殴りかかった。

「てめぇなんて拳で十分だぁ~!ボッコボコにしてやんよ~!」

「叔父様危ない!」

「晋作さん!」

「あっあっ叔父さん!」


\パーン/

叔父さんは向かってきたヒトノ・モノトールの顔面に強烈な平手打ちをした。

ヒトノ・モノトールに8652のダメージを与えた!

ヒトノ・モノトールは戦闘不能になった!

「しゅ…しゅみましぇんれひは…」チーン

「「「おやぶーん!!」」」ヒャッウェーウィィ


「ふう…」

「すっすごい!晋作さんあの大男をビンタ一発で倒しちゃった!」

「あれが晋作オジサンの本気…」

「叔父様カッコよかったです!」キターン

「たっ助かった…おっ叔父さんありがとうございます」

「けど晋作さん、よくあの巨大な包丁を止められたな」

「あーなんか少し前から力が漲ってくるんですよ。それでなんとなくあの攻撃なら受け止められる気がして…」

「力が…?叔父様もしかして新しいスキルとか身に付いてるんじゃないですか?」

叔父さんは自分のステータス画面を開いてみた

後藤晋作 レベル48 

ステータス
体力 564
攻撃 1206
防御 809
俊敏 850
魔力 777
幸運 334

スキル
1.CookStar
効果:自身の料理に体力&状態異常回復、経験値取得効果を付与する

2.GentlemanSoul
効果:前衛にいる時、同じパーティ内の女性の人数に応じてステータスが上がる

3.GENKOTU
効果:戦闘中武器を使用できなくなるが、素手で与えるダメージが倍になる

「おおー晋作オジサンのステータスがエライことに」

「多分このパーティ内の女性の数だけ強くなるってスキルがすごい効果になってるんじゃないかな」

「私達のパーティって叔父様以外皆女性ですからね♪」

「結束バンドと私を含めた5人分強くなってるってことか」

「つまり晋作オジサンは女を侍らせることで最強になると」

「いや言い方!」

「まあ、とりあえずなんとかなったようで何よりだよ」

そこへティズワラのクエスト案内所所長が騒ぎを聞き付けて結束バンド一行の元にやってきた。

「なっなんということだ!あのハマ邪気盗賊団のヒトノ・モノトールを倒す人がいるなんて…これはあなた達がやったのですか?」

「えっあっいやっはい」

「そうなんです!こちらの叔父様が一撃でやっつけてしまったんですよ!」キタキターン

「えーと、どうやらそのようです」

「おおおー!素晴らしい!今まで誰も成しえなかったティズワラ内の最高難易度のクエストを達成する人が現れようとは!!奴らにはティズワラ周辺の人々が大変迷惑していたので助かりました!」

「コイツらの討伐がクエストになってたのか」

「つまり私達にはそのクエスト成功の報酬をもらえる権利があるということ!」

「もちろんでございます!さあさあ早速案内所の中へどうぞ!」

図らずも討伐クエスト『ハマ邪気盗賊団を壊滅させろ!』(難易度10) を達成した結束バンド一行。その報酬は今までのクエストの報酬とは比べものにならない額で、結束バンドが欲している残りの楽器を全て購入しても余裕でお釣りがくる程であった。

「すごいよ!これだけあれば皆の分の楽器が揃うよ!」

「ですね!結束バンド再始動がグッと近づきました!」キタキターン

「うむ。晋作オジサングッジョブ」

「あっよっよかったです」

こうして結束バンド一行はお目当ての楽器を全て手に入れることに成功し、大満足といった様子で外で待っていた廣井きくりと合流して今度こそティズワラを後にする。

「中が騒がしいと思ったら先輩に続いておっちゃんも本気でキレちゃったんだね~。おっちゃんもやるじゃ~ん♪」

「いやお恥ずかしい…年甲斐もなく声を荒げてしまったよ」

「でもそのおかげで盗賊団を倒して私達の楽器も手に入りましたし結果オーライですよ!」

「あっですね」

「もう晋作オジサンに足を向けて寝られない」

「うんうん♪晋作さんありがとね!一時はどうなるかと思ったけど全員分の楽器揃えられてよかった~♪」

「まだ油断するなよ?家に帰るまでが冒険だ」

「店長さんの言う通りです!また盗賊団みたいな人達が現れるかもしれませんし最後まで頑張りましょう!」キターン

「えー…もうすでにヘトヘト…晋作オジサンおんぶして」

「あっわっ私も緊張が解けたのと歩き疲れたのが重なってもう限界…」

「確かに皆疲れが溜まってきてて行きのようなペースで帰るのは難しそうだね。引き返してティズワラで一泊しますか?」

「その点は問題ない。護衛団長の権限で送迎馬車を手配してある」

「本当!?でもお姉ちゃんいつの間に?」

「私達の事情を知ってる後輩兵士達に事前に迎えにくるようお願いしておいたんだよ」

「それは助かりますね。星歌さんありがとうございます」

「あっありがとうございます!」

「よ!さすがは三十路護衛団長。いい仕事してるね」

「先輩あざーす!伊達に歳を重ねてないよね!」

「よしリョウと廣井はここに置いていくか」

「嘘です店長は若くて美人の各イケメンから引っ張りだこのモテモテ護衛団長」

「先輩冗談ですごめんなさい何でもしますから私も馬車に乗せてください」

「そういえば廣井さんはこれからどうするの?」

「あーそーいや私住むとことかなかったんだったわー。皆はどうしてんの?」

「あたしとお姉ちゃんはお城で、晋作さんの家にぼっちちゃんとリョウと喜多ちゃんが住んでますよ~」

「えっ先輩達お城に住んでんの!?」

「虹夏と晋作オジサンは転生特典で最初から寝泊まりできる場所が用意されてた。これが生前積んだ徳の差」

「あっですね。わっ私だけだったら今頃どうなっていたか…そっ想像しただけで恐ろしい」

「え~いいな~…おっちゃんの家部屋余ってたりしない?」

「えっ私の家かい?私は構わないけど場所空いてたかな…あ、私の部屋をカーテンか何かで仕切ればもう一人くらい…」
「「えっ!?」」

「本当~?さすがおっちゃん優しい~♪」

「ダッダメですよ叔父様!叔父様と同じ部屋なんて節操なしにも程があります!」プンプン
「そうだよ晋作さん!すでにぼっちちゃんとリョウと喜多ちゃんがいるのにこれ以上は見過ごせないよ!どうしてもって言うならあたしがそこに住むから!」ヌ"ンヌ"ン

「虹夏の言い分は護衛団長として却下だが廣井、お前は私達と一緒にこい。城の客間が余ってるはずだし生活していけるだけの仕事も割り当ててやる」

「住めればこの際どっちでもいいや~。お世話になりまーす♪」

こうして漸く目的を果たして帰路についた結束バンド一行。しかしSTARRY異世界店と結束バンド本格再始動までの道のりはまだまだ先かもしれない。

つづく(続いていくんです続ける気マンマンなんです)
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