ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

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あけましておめでとうございます。
今年も食べさせたい叔父さんをよろしくお願いします。


ご覧になっていただきありがとうございます。

今回は原作から離れて深酒日記からのあの神回からのお話。



犬と星歌さんとサングリア

いつもの食材探索の道中『新鮮!果物詰め放題!』というのぼりを掲げたトラックを発見した。その魅力的な謳い文句に誘われて小走りで付いていったら、運良くすぐ近くの大型書店の駐車場に停まったので、既にマイバッグを持って列をなしていた地元マダム達に混ざって私も参戦。トラックの荷台には、みかんにレモン、ネーブルオレンジやデコポン等の柑橘類、リンゴやブドウに桃や洋梨まで幅広い種類の果物が積み込まれていた。お一人様一回までというルールで、指定の袋の中に入るだけ好きな果物を詰め込んでよいということらしい。また、“多少”袋の外にはみ出てもOKという甘々仕様。先陣を切ったマダム達は思い思いのやり方で次々と果物を袋に入れていく。中には袋を手で押し広げて入るスペースを増やす荒業まで披露する方もいらっしゃった。詰め放題ベテラン勢って感じだね!そんなことを考えていたらあっという間に私の番だ。さてさてどう攻めるべきか…先人の知恵を拝借して私も袋を手で広げてみようかな。最初は皮が硬めでしっかりしてるレモンやデコポンを敷いて真ん中あたりに洋梨や桃を置いて一番上にブドウを添えて…

 

 

10分後

 

「ふふふ…大量大量」

果物詰め放題の戦果は上々といったところ。自分でも感心するくらいにたくさんの果物を詰め込むことができた。最近は物価高であらゆる物が高くなってきてるから、こういうコスパの良い売り方はとてもありがたいね。

「とはいえたくさん取りすぎちゃったな…結束バンドの皆にまたフルーツサンドでも作ろうかな」

 

大量に手に入れた果物をどうやって皆に食べさせようか考えながら帰路についていると、下北沢にある大きめの公園の前を通りかかったので何気なく中に目をやると、見覚えのあるシルエットが二つ視界に飛び込んできた。あれは星歌さんと廣井さん?公園で見かけるのは初めてだね。あと二人の周りを見慣れない大きな犬が走り回ってる。あ、星歌さんが持ってるボールを投げた。と思ったらその大きな犬が物凄い速さで追いかけていってる!そして器用に口でキャッチしてまた物凄い速さで星歌さん達のところに戻ってきた。すごい!随分賢いわんちゃんだね!私もちょっと見に行ってみよう。

 

 

「星歌さん廣井さんこんにち…」

「わーー♪わしゃしゃしゃしゃー♡チョビちゃん偉いねー♪賢いねー♪」

 

「えっ!?」

 

「えっ?あっ!?晋作さん!?!?」

 

「あ、おっちゃんおっすー」

 

「あっ…あっ…しっ晋作さん」カァァァ

 

不覚。タイミング悪く星歌さんがわんちゃんを誉めるのに夢中になって無邪気なカワイイ女の子モードになってる時に話しかけてしまった。うわぁ、星歌さん顔が真っ赤になってるね。おっさんの私に見られるのは恥ずかし過ぎて発狂してしまうのではないだろうか。何とか星歌さんに落ち着いてもらわなければ…

「カワイイわんちゃんですね。どちらかが飼ってるんですか?」

 

「いや違うよー。近所さんから散歩を頼まれてて、それに先輩がくっついてきただけ」

 

「へーそうなんですね。なんだか星歌さんにすごく懐いてるように見えますよ。まるで昔から連れ添ってる相棒みたいです」

「わんわん!」

 

「そっ…そうかな?えへへ」

 

「チョビは人懐っこいからねー。おっちゃんにも心開いてくれるんじゃない?ちょっと頭撫でてやってよー」

 

「本当?じゃあ遠慮なく」

 

私は廣井さんに促されて、まっすぐに私を見つめながらしっぽを振っているチョビ君の頭を撫でてみた。毛並みもよくて心地良い撫で心地だ。さすが大型犬、体幹がしっかりしている。後藤家でジミヘンの頭を撫でている時とは違った感触だね。

 

「チョビ君良い子だねー。さっきのボール拾いも上手だったし」

 

「おっちゃん見てたんだー」

 

「うっマジか…」

 

「たまたま通りかかった時にちょうど星歌さんがボールを投げてたのが見えたので。そうだ、星歌さんもう一度やってみてくれませんか?」

 

「えっ」

 

「いいねー!先輩、もう一回!もう一回!」

 

「うぐぐ…」

 

「ほらほら~チョビもまだまだ遊び足りないみたいっすよ~?」

 

「わんわん!」

 

「ううう…そ、そうだよな。チョビも遊びたいよな」

 

星歌さんは意を決したようにボールを握りしめ、前方に優しく放り投げた。緩やかに弧を描いて飛んでいったボールを全力で追いかけるチョビ。そしてノーバウンドでキャッチしてすぐにこちらに戻ってきた。素晴らしい。

 

「わん!」

 

「おおーすごい。またちゃんと持ってきた!」

 

「チョビナイスキャーッチ!ほら先輩、チョビのことちゃんと誉めないと」

 

「えっあっそ、そうだな。チョビえらいぞー…かわいいぞー…わしゃしゃしゃしゃー…」

 

「はっはっはっはっ…わふん」

 

チョビは星歌さんに頭やお腹を撫でられながらゴロンと寝転がってされるがままになっている。すごく人に慣れている子だね。かわいい。

 

「ほらほらほらーかわいいぞー!わしゃしゃー!チョビかわいいねー!」キラキラ

 

星歌さんは星歌さんで私と廣井さんに見られているのを忘れてるのか、チョビを誉めるのに全身全霊を込めている。こっちもかわいい。

 

「それそれー偉いねかわいいねー!…あ」

 

「そうですね。チョビ君とっても賢くてかわいいですね」

 

「うっ…すまない晋作さんあんまり見ないでくれ…」カァァ

 

やっぱりおっさんの私に見られるのは恥ずかしいのか、星歌さんはまた顔を真っ赤にして顔を伏せている。この反応もかわいい。

 

「いやー犬パワーってすごいよねー。御茶ノ水の魔王(サタン)と呼ばれたあの先輩がこんなに絆されて…」

 

「こっち見んなクズ!あとスマホで撮るんじゃねえ」ギロリ

 

「何で私だけ!?理不尽!」

 

何故か廣井さんに見られるのはドスを効かせて睨み付ける程嫌なようだ。とりあえず後々が怖いから今の映像は心の中にしまっておこう。

 

その後私は、まだ公園でチョビと遊ぶという星歌さん達と別れて自宅に戻った。家に着いてから気づいたけど、詰め放題で手に入れたこの大量の果物をおすそわけすればよかったな。でもチョビの散歩の途中だったし、星歌さんが家に帰ってきた時に渡した方がいいか。せっかくなら果物を使ったデザート的なものを…いや待てよ?確か兄さんからもらったけど飲まずに置きっぱなしだったワインがあったな…。今日は星歌さんお休みだったみたいだしアレを作りに行くのもアリかな?

 

 

 

 

そろそろ日も沈みそうな夕暮れ時、お裾分けの果物を持ってSTARRYに向かうと、ちょうど真向かいから星歌さんと廣井さんと思しき人物がこちらに歩いてくるところだった。チョビの姿はないから散歩を終えて元の飼い主さんのところに返したのかな。

「星歌さんどうも。さっきはどうも…ってあれ?」

 

「うっ…ぐすん」ウルウル

 

「先輩~もう泣き止んでくださいよ~。また店に来たらいいじゃないですか~」

 

なんか星歌さん泣いてる!?チョビとの別れがそんなに悲しかったのかな。

「だっ大丈夫ですか?星歌さん」

「あ、おっちゃんさっきぶりだね。ご覧の通り先輩がチョビのこと気に入りすぎてグズっちゃってるよ~」

 

「そ、そんなわけねーだろ!ちょっとだけ別れが名残惜しかっただけだ!ちょっとだけな!」

 

「そうですね。チョビ君とてもかわいくていい子だったみたいだし星歌さんの気持ちはわかりますよ。あっさっき渡しそびれたんですけど、昼間に果物の詰め放題をやったら取りすぎちゃったのでお裾分けにきました」

 

「おーツヤツヤでおいしそーだね!ほら先輩これ食べて機嫌直しましょうよ」

 

「人を子供扱いするな」

 

「あと2人ともこの後少し時間ありますか?この果物とコレで一杯ご馳走しますよ」

 

「「おお、それは…!」」

 

私の提案に快く了解してもらえて嬉しい。早速私達3人で星歌さんの家へ移動し、台所を借りて冬のお休みの日にこそできる特製ドリンクを振る舞おう!

 

 

果物をよく洗って皮ごと使える物は一口大に切り桃、洋梨は皮を剥いてから同様に切りレモンは輪切りにする。果物に砂糖をまぶし、少し置く。鍋に赤ワインシナモンスティックを入れ火にかける。ワインが温まってきたら各果物を全て入れて少しだけ煮る。大きめのカップにワインと果物をバランスよく注いだら「完成」

 

本日のドリンク

叔父さん特製ホットサングリア

 

「はい、できましたよ」

 

「ん…ありがと晋作さん」

 

「うわー♪やっぱおっちゃん神すぎー!」

 

「では手を合わせて」

 

「「「いただきます」」」

 

今日は詰め放題で取れた果物をたっぷり使ったちょっと特別なホットワインのサングリア。温めてアルコール度数自体は低めにしてあるけど普段からお酒を嗜む2人の口に合うだろうか。

「ズズズ…ふぅ、温かくてホッとするな。たくさん入った果物の香りもいい」

 

「んぐんぐ…は~体あったまる~♡外寒かったから余計に染みるよ~」

 

「よかったです。残った果物は冷蔵庫にしまってあるので虹夏ちゃんと食べてくださいね」

 

「ああ、ありがとう」

 

「おっちゃんおかんみたいらね~。それにしても今日の先輩は意外な一面が見れて面白かったですよ」

 

「む…他の奴らに言いふらすなよ?私が動物とかかわいいものそんなに嫌いじゃないっていうか…結構好きなこと」

 

「いや妹ちゃんを始めとして先輩の周りの人全員知ってますよ。ねーおっちゃん」

 

「えっ?まっまあそう…ですね」

 

「うぐっ…つ、つまり!今日はその…すごく楽しかったんだ!お前とチョビのおかげだよ。だから…ありがとな」

 

「先輩…素直すぎて逆に怖いですよー」

 

「なんだと?」

 

「ま、まあまあ。そのチョビがいるお店に行けばいつでも会えるんですよね?よければ今度一緒に行きませんか?」

 

「いいねー行きましょうよ先輩」

 

「ん…そうだな。私と別れるのあんなに寂しがってたしな!待ってろよチョビ!すぐ会いに行くからな!」

 

チョビと別れて落ち込んでいた星歌さんが元気を取り戻したようで私もホッとした。少し廣井さんと同じようなことを思ってしまったとは口が裂けても言えないな。墓場まで持っていこう。

 

 

ごちそうさまでした

 

 

翌日。昨日の今日で早速星歌さんからチョビに会いに行こうという連絡があり、仕事終わりに廣井さんとも合流し3人で行ったところ、店内にいたチョビを確認するなり終始ベッタリな星歌さんを数日間眺めることになったのは言うまでもない。

 




次回 再びコンセプトカフェと◯◯

またもや深酒日記からのあのお話だよ

↓おまけ


異世界でも叔父さんは食べさせたい

※超絶怒涛のパラレルワールドです。

前回までのあらすじ
楽器の修理に必要素材集めをしようとしてたらまた打倒叔父さんのために凸してきた男共。再び返り討ちにしたので今度こそ素材集めに行くよ!あ、叔父さん討伐クエストは無事削除されたよ。

キャラ紹介
後藤ひとり
転生先の世界でも叔父さんと同居。スキルの効果で自力でモンスターを倒せない。でも前衛がすごく強いので全然問題ない。新たなスキルでいつでもギターが弾けるようになりました。

叔父さん
異世界でもひとりちゃん達に食べさせる生活を目指す。作った料理に体力と状態異常回復&経験値取得の効果が付くスキルを持っている。さらにパーティ内に女性が多いと物凄く強くなるスキルも習得。戦闘でも頼れる神おじさん。

山田リョウ
特典ほぼなしで転生してきた不憫な子。スキルのせいで戦闘中は強いけどすぐお腹が空くのであまり戦いたくない。叔父さんのご飯が大好きなので、おしおきのまかない小盛りはとても辛かった模様。

喜多郁代
叔父さんの家に住みながらSTARRY異世界店へ通う。戦闘もひとりやリョウの代わりに率先して行う聖人陽キャ。STARRY異世界店や結束ギルドの看板娘的存在。

伊地知虹夏
叔父さん以上に特典盛り盛りで転生してきた元下北沢の大天使。異世界でのライブハウス再開のために今日も奮闘する。一応この異世界のお姫様だけどその設定が忘れられそうな勢い。

伊地知星歌
伊地知虹夏と共に転生してきた伊地知虹夏の姉。叔父さんと一緒に保護者役として結束バンドの冒険に付いていく。STARRY異世界店の店長もやっている。怒らせると(物理的な意味で)とってもコワイ。

PAさん
しれっと転生していた黒髪ロングでピアスなお姉さん。朝が弱いのでお昼からなら働きます。ティズワラ編の時にお留守番だったのが寂しかった模様。なので素材集めは一緒に行きます。

廣井きくり
転生特典で愛用のベースを持って転生してきたSICK HACKのベーシスト。伊地知姉妹のお城に住まわせてもらえるようになりました。ついでにお仕事も貰えたようです。今回の素材集めにも駆り出されました。


必要素材を集めよう 虹夏チーム編その1

叔父さん討伐クエスト騒動の翌日、STARRY異世界店の前では伊地知虹夏と伊地知星歌が他の人の到着をそわそわしながら待っているところだった。すぐ隣には伊地知星歌に呼ばれてきた廣井きくりが眠そうに目を擦っている。そこへ叔父さん、後藤ひとり、山田リョウ、喜多郁代も合流。

「皆おはよー!準備はいい?今日こそ楽器の修理に必要な素材を集めに行くよ!」

「あっはい、おはようございます」

「今日も張り切っていきましょう!」キターン

「虹夏と郁代朝からテンション高い」

「だよね~若いっていいね~。私なんか二日酔いでだるくてめっちゃやる気出ないよ~」

「お前はまた城内の酒勝手に飲んだのか?今回の報酬から引いておくからな」

「そんな!先輩勘弁してよ~」

「あとはPAさんだけだね!あ、もしかして今回も朝が弱いからやっぱりお休みってことないよね?」

「アイツなら絶対に遅れないようにってSTARRYで寝泊まりしてるよ。朝来たら起こしてくれってさ」

「さっき私が起こしに行ったら『準備が整ったらすぐ行きます』って言ってたから、もうすぐ出てくると思うよ」

「ふーん、そっか!じゃあPAさんが来る前に今日の予定の最終確認しておこう!」



星歌、虹夏、リョウ、廣井チーム

バリカタシの木の枝(ヤソークエの森深部)
ヌマリゲーターの牙(アンダーノース地下ダンジョン)

 

叔父さん、喜多、ひとり、PAさんチーム

金属スライムの皮膚(ニューヤード周辺)
アナホリサンドラゴンのヒゲ(アンダーノース周辺)

「これが今回の素材の種類とそれぞれを集めるチームだよ。欲を言えば今日一日で全部揃えたいけど安全第一、皆無理しちゃダメだよ?収集が難しいと感じたらすぐに撤退すること!」

「了解です!」キターン

「うむ。できるだけ戦いたくないから戦闘は避けまくる」

「あっはい」

「じゃあ時間ももったいないし、地下ダンジョンとヤソークエの森に行く組は全員揃ってるから先に出発するぞ。晋作さんあとよろしく」

「わかりました。私達もPAさんが出てきたらすぐにアンダーノースとニューヤード周辺を探索しに行きますね」

「そっちは任せたよ晋作さん!それじゃあ行くよリョウ、廣井さんも!」

「虹夏張り切りすぎ。途中で体力使いきりそう」

「そうならないようにお前も働け。廣井、お前もな」

「へーい。いってきまーす」

PAさんを待つ叔父さん達に見送られながら伊地知虹夏率いる素材探索チームその1は、最初の目的地アンダーノースの地下ダンジョンへと向かった。


アンダーノース地下ダンジョン。大半の初心者冒険者が挑む最初の難関。地下5階まで踏破した者は【ビギナー冒険者】の称号と共に初回限定でクリア報酬までもらえる。慣れた冒険者はここに何日も籠ってレベル上げや素材集めをする絶好の稼ぎ場所。

「着いたぞ地下ダンジョン!アンダーノースにこんなダンジョンがあったんだね~」

「ずっとヤソークエで草取るかSTARRYでバイトだったから知らなかった」

「でもなんか人多いね~。道具屋やお土産屋さんもあるし。あ、あっちに『地下ダンジョン攻略セット販売中!』ってのぼりが出てる」

「冒険者にとっては自分の実力を試す最初の試練だからな。毎日入り浸ってる奴も多いし商売になるんだろ。難易度そんなに高くないからああいう適当な装備一式でも何とかなるところもな」

「このダンジョン内にいるヌマリゲーターってモンスターの牙を手に入れるんだよね!」

「ああ、地下4~5階にいる比較的図体のデカイワニみたいなやつだ。倒したら必ず手に入る訳じゃないから根気よく探して何体か倒さなきゃならないかもな」

「うへぇ~めんど~。先輩私はモンスターと戦うなんて無理なんでエンカウントしたら隠れてますね!」

「私もお腹空くから後ろに下がっていたい」

「廣井さんはともかくリョウは戦ってよ!晋作さんからお弁当もらってるでしょ!」

「それはお昼のお楽しみだから」

「まあちゃっちゃと地下4階まで進んでヌマリゲーター探すか。行くぞお前ら」

伊地知虹夏一行は来た時の装備のまま地下ダンジョン攻略を始めた。既に中級~上級者並のレベルに到達している彼女達にとって、この地下ダンジョンの攻略は楽勝の一言であった。襲いかかってくるモンスターは大抵伊地知星歌か虹夏が蹴散らし、山田リョウと廣井きくりがドロップアイテムや宝箱を目ざとく見つけては回収という流れを続けながらあっという間に地下4階へたどり着いた。

「さて、ここが地下4階だな。モンスターもそれなりに強くなってくるだろうから油断するなよ」

「うん!ていうかリョウと廣井さん随分大荷物になってるけど大丈夫?」

「フフフ…良い感じの換金アイテムでいっぱい。地上に戻ったら売却か収集クエストに納品して私の懐がウハウハに」

「城の兵士達にお金借りてるからその返済費用に…」

「仕方ない。おい虹夏、クズ共はほっといてとっととヌマリゲーター探して狩りまくるぞ」

「そうだね。このまま荷物が増え続けると帰りが大変だし」

そこへお目当てのヌマリゲーターが虹夏達めがけて突進してきた。

「ギャアアアオ!!」

「うわでか!あれがヌマリゲーター!?結構素早いね!」

「よし店長早く仕留めて。牙の回収は私がやっておくから」

「先輩ファイトー」

「お前らな…虹夏、その二人に攻撃行かないように守ってろ」

「う、うん!」

伊地知星歌は剣で素早くヌマリゲーターを切りつけた!ヌマリゲーターに35のダメージを与えた!

「ギャアアアオ!!」イタイヤナイカ

「くそ、こいつなかなか硬いな」

「お姉ちゃんの攻撃で大したダメージ与えられないって相当だね。あ、もしかして魔法に弱いのかも!あたしがやってみるよ!」

伊地知虹夏は大きな火の玉を生成してヌマリゲーターへぶつけてみせた!ヌマリゲーターに14のダメージを与えた!

「ギャギャアアアオ!!」アツイヤナイカ

「えー!?全然効いてないよ!?」

「斬撃にも魔法にも耐性があるのか?序盤のモンスターにしてはめんどくさい性能してるな」

「ギャギャアアア!」コッチノターンヤデ

ヌマリゲーターは山田リョウに向かって大きな口を開いて突撃してきた!

「えっなんで私!?」

「リョウ避けてー!」

「くっ…ふん!」
山田リョウは咄嗟に持っていた鈍器のような物でヌマリゲーターを叩いた。ヌマリゲーターに309のダメージを与えた!

「ギャギャギャアアア!!」イタスギルゼコンチクショー

「効いてる!?リョウやるじゃん!その調子でもっと攻撃続けて!」

「えっやだ。お腹減るし」

「あたしのお弁当分けて上げるから!」

「ん…わかった」

山田リョウは再度ヌマリゲーターに鈍器のような物を振り下ろした。ヌマリゲーターに355のダメージを与えた!ヌマリゲーターを倒した!

「ギァァァァ…」ヤラレタゼ

「やったやった!ヌマリゲーターを倒したよ!」

「リョウがまともに戦ってるの初めて見たぞ。腹減る替わりに強くなるっていうのは本当だったんだな」

「うん…お腹空いた」グゥゥゥゥ

山田リョウの活躍で倒したヌマリゲーターだったが、残念ながらヌマリゲーターの牙はドロップしていなかった。

「よし、他のヌマリゲーターを探して牙をドロップするまで倒しまくろう!リョウはその調子で頑張ってね!」

「その前にご飯を…」ググゥゥゥゥ

「山田ちゃん強いけど燃費悪いね~」

その後地下4階でヌマリゲーターを探し回ること1時間。合計6体のヌマリゲーターと遭遇し、その全てを倒したが牙をドロップすることはなかった…。

「も…もう一歩も動けない。腹が…減った」ググググゥゥゥゥ

「うーん、さすがにリョウも限界か。あたし達のお弁当もリョウが全部食べちゃったし…お姉ちゃんどうする?引き返して日を改める?」

「そうだな。晋作さんも連れてもう一度来た方がよさそうだ」

「えーここまできて収穫なしかよー」

「お前は戦ってないだろ」

「先輩達でまともなダメージ与えられないなら私が戦っても意味ないと思いますよー?」

そこに突如金色に光るヌマリゲーターが虹夏達の前に現れた!

「ギャオギャオオオオ!」ヤッテヤンゼ

「何アイツ!?何かすごく光ってる!お姉ちゃん、あれもヌマリゲーターなの!?」

「見た目はそうみたいだな。一応こいつも倒しておくか。リョウ、まだやれるか?」

「無理。もう1ミリも動けない」ググググゥゥゥゥ

「頑張ってリョウ!あと一息だよ!」

「これ以上戦ったら餓死してしまう」グルルルルゥゥゥゥ

「あ、山田ちゃん私今日の晩酌用におっちゃんからおつまみもらってるんだけどよかったら食べ…「いただきます!」

「早っ!?1ミリも動けないって言ったくせに」

山田リョウは廣井きくりからもらった叔父さん特製おつまみ(ビーフジャーキー)を食べて少し元気になった!
「お前で牙をドロップしなかったら今日は帰る。帰って晋作オジサンのご飯をたらふく食べる!」

山田リョウは金色に光るヌマリゲーターに渾身の一撃を御見舞いした!金色に光るヌマリゲーターに1267のダメージを与えた!

「ギャオオオオ…」ツヨスンギ

金色に光るヌマリゲーターを倒した!
金色に光るヌマリゲーターはヌマリゲーターの牙を落とした!

「お、ねーねーこの大きな歯みたいなのってそうなんじゃない?」

「ああ、これだな。間違いなくヌマリゲーターの牙だ」

「やった!やったねリョウ、ヌマリゲーターの牙ゲットできたよ!」

「それはよかった。私は限界なので帰りは誰かおんぶして」グゥゥゥゥ

「まあよく頑張ったよ。おい廣井お前運べ」

「うえー!?私にそんな力仕事を?やだー」

「やらないなら今日の分の報酬は無しだ」

「やりまーす!やらせていただきます!」

「それにしても今日は珍しく真面目に戦闘に参加したね。いつもお腹が空くから戦いたくなーいって言ってるのに」

「ん…だって……から」

「えっ?何て?」

「もう晋作オジサンのご飯が食べられなくなるのは嫌だから」

「あーそういうこと」

「この前の晋作さんのまかない小盛りが相当堪えたみたいだな」

「あれはある意味地獄に等しい…今思い出しただけでも…あ、もう空腹が限界突破」グググググググゥゥゥゥ

虹夏チームは漸く1つ目の素材、ヌマリゲーターの牙を手に入れることができた!この調子で次の素材であるバリカタシの木の枝を入手することはできるのだろうか?


つづく(ことよろでございます)
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