大変お待たせいたしました。
合計文字数500000突破!趣味でまったりゆったり書いていたこの作品もなかなかのボリュームになってきたね。
さて今回はとうとうあの子が叔父さん飯の餌食になります
「うぐぐぐ…学校行きたくない…」
新学期が始まり、またいつもの秀華高校と私の家を行き来する生活が始まったひとりちゃんは、心底嫌そうな顔でそう呟きながらトボトボと登校していった。何でも本日ひとりちゃんのクラスでは月一恒例の席替えがあるらしく、それがひとりちゃんにとっては陰キャトラウマイベント第4位(ひとりちゃん談)で近くになった人にガッカリしたような顔をされるのがとてもツラいと話していた。ちなみに3位はクラス替えだそうだ。陰キャトラウマイベントってたくさんあるんだね。
よし、今日は休みだし席替えで精神をすり減らして帰ってくるであろうひとりちゃんにとびきり美味しいご飯で出迎えてあげよう。うん、いつも通りだね!
大きめの寸胴鍋に下処理した鶏ガラ、生姜、ニンニク、長ネギの頭、人参と一緒に水から煮込む。途中出てくる灰汁を丁寧に取り除きひたすら煮込む…煮込む…。
フフフ…このじっくり時間をかけて美味しいものを作り上げていくのがたまらない。休日ならではの時間の使い方だよね。しかもそれがひとりちゃんに食べさせるためのものであればさらにやる気が増すというもの。待っててねひとりちゃん、ものすごいのを作ってみせるからね!あっそうだ、ここまでやったなら麺の方も手打ちで作ってみようかな。確か粉末のかん水がストックしてあったはず…あった!これで手作り中華麺ができるぞ!
薄力粉、強力粉を計り合わせたら中央にくぼみを作る。粉末かん水と塩をお湯で溶かして水、卵黄とよく混ぜ合わせて、粉のくぼみに入れたら外側から中央に粉をよせて水分を吸わせていく。よく捏ねてまとまってきたらラップをかけて生地を休ませる。台の上で生地を伸ばしては折りたたむのを50回ほど繰り返す。生地を平たくまとめてラップに包んだら冷蔵庫で2時間ほど寝かせる。
休ませた生地を適当な大きさに切り分け、麺棒で1ミリくらいの幅に伸ばす。しっかりと打ち粉をして折り畳み、2ミリくらいの幅で切る。1玉分ずつに分け打ち粉をしてまとめておく。
ふむ…調子に乗って生地もスープもたくさん仕込んでしまったな…。そうだ!ひとりちゃんによかったら喜多さんも一緒にどうか聞いてもらおう。
「ふぅ今月もなっなんとか乗り切った」
「ひとりちゃ~ん、そろそろ帰るわよ!」キターン
「行くぞ後藤~」
「あっはい」
地獄のような席替えタイムは無事終了した。絶対に避けたかったデスゾーンである四方が人に囲まれた教室中央という最悪の席になってしまったけど、前後が喜多ちゃんとささささんだったのでなんとか致命傷だけですんだ。2人もまだ少し緊張するけど…その前に見えていたバリバリ陽キャなクラスメイトに囲まれた映像は席替えのストレスで見えてた幻覚だったに違いない。
ピロン
「あっ叔父さんからロインだ」
今日の晩御飯にとても美味しい手打ちラーメンを用意したんだけど、たくさん仕込んだのでよかったら喜多さんも一緒にどうかな?と聞いてみてくれる?あと他にも誘える子がいたら遠慮なく連れてきていいからね。
「あっあの、叔父さんがこう言ってますけど…」
「もちろん行くわ!叔父様の手打ちラーメン!映えの予感!」キターン
「あっささささんもよかったらどうですか?」
「えっウチも行っていいの?」
「あっはい、たっ食べてくれる人が増えればおっ叔父さんもきっと喜びます」
「マジで?後藤のオジサマめっちゃ優しいじゃん」
「そうなのよ!叔父様は優しいのよ♪」キタキターン
「何で喜多が嬉しそうなんだ~?」
ピロン
お、ひとりちゃんからの返信だ。喜多さんは誘えたのかな?
喜多さんともう一人友達も一緒に帰ります。晩御飯よろしくお願いします。
ほほう、喜多さんだけでなく別の友達にも声をかけることができたのか。ひとりちゃん成長したね。任せて!とびきりのを作るからね!
「あっただいまです」
「叔父様お邪魔します!ほらさっつーも入って入って!」
「喜多は自分の家みたいなテンションだな。あ、後藤のオジサマお久しぶりですー。未確認ライオットのライブ審査以来ですね」
「おかえりひとりちゃん。喜多さんもいらっしゃい。えーと、君は確かライブ審査の時に応援団団長みたいなことしてたね」
「そうそう、結束バンド応援団代表の佐々木でーす。後藤のオジサマのことはいつも聞いてますよ。主に喜多から」
佐々木さんか。ひとりちゃんの新しい友達であり結束バンドのことも応援してくれてるみたいだし、とても良い子のようだね。
「ち、ちょっとさっつー?その言い方だとことある毎に私が叔父様のこと話してるみたいじゃない!?」
「えー?違ったか?」
「違うわよ!」
ふむ、喜多さんのこの反応はとても新鮮だな。いつものひとりちゃんや結束バンドとのやりとりとは違ったキャラが見えて面白い。
「後藤からも料理上手で優しい叔父さんって聞いてますよー。な?後藤」
「ぴぇ!?あっはい、そうですねへへへ…」
見た感じ人見知りがすごいはずのひとりちゃんが佐々木さんに心を開いてるようだ。結束バンド以外の同年代の子とこうやって何気ないやりとりをできるようになったのは叔父として感慨深いな。
「皆外寒かったでしょう?中に入って寛いでてね。すぐ晩御飯にするから」
鍋に酒、みりんを入れて火にかけアルコールを飛ばす。白味噌、赤味噌、醤油を加えてよく混ぜ味噌ダレを作る。深めのフライパンにゴマ油を引き中火にかけてみじん切りのニンニク、玉ねぎ、豆板醤、豚ミンチを炒める。仕掛けておいたスープを加えて10分煮込み、ザルでスープと具に分ける。
別のフライパンでキャベツ、人参、もやし、先ほどの豚ミンチを塩コショウで炒めておく。
お湯で温めた丼に味噌ダレを入れスープで溶く。麺をたっぷりのお湯で茹でて湯切りし、丼に入れ箸で整える。
炒めた野菜、コーン、煮卵、バターを添えたら「完成」
本日の晩御飯
叔父さん特製手打ち味噌ラーメン
ネギと食べるラー油の中華奴
千切りキュウリとクラゲの中華サラダ
ミニごま団子
「えーすご…これもう店じゃん」
「これが叔父様クオリティよ!そして映えすぎ!」パシャシャ
「あっ美味しそう」
「では手を合わせてください」
「「「「いただきます」」」」
今日のメニューは味噌ラーメン。スープも麺も自分で作った渾身の一杯だけど、3人の反応はどうだろうか。ひとりちゃん、喜多さん、佐々木さんはほぼ同時にラーメンに手を伸ばして麺を持ち上げてちゅるちゅると啜った。かわいい。
「あふあふ…んっ…ふっ…っ!あっ美味しいです」
「本当!コシのある麺に絡んだお味噌のスープが濃厚で深い味わいだわ!」キタキターン
「すげープロ並な食レポだな。でもこれは本当に美味しいです。ズズズ…うまっ。うん、特にこのスープがもうヤバイ。普通にお金取れますよ」
「ありがとう。替え玉やおかわりもできるから遠慮せずどんどん食べてね」
よかった。全部手作りのラーメンなんて初めて作ったから少し不安だったけど、どうやら気に入ってもらえたようだ。
「だから言ったでしょさっつー。叔父様はすごいって!」
「だなー。これはマジでハマるわー。後藤のオジサマ飯目当てのファンとか絶対いるでしょ」
「あっはい、けっ結束バンドもSTARRYの店長さんもせっ先輩バンドマンの人も皆好きです」
「マジかー。オジサマ(のご飯)モテモテじゃん」
「そうなのよねー…叔父様お腹を空かせた子を手当たり次第に食べさせるから」スンッ
「あっあれ?喜多ちゃん?」
ん?喜多さんはなんで目のハイライトが消えてスンッってなってるのかな。もしかしてこういうオシャレとはかけ離れたメニューはお気に召さなかった?ここは話題を変えた方がよさそうだ。
「そういえば今日席替えだったらしいけど、ひとりちゃんは希望の席になれたのかな?」
「あっそれは…いっ一番なりたくなかった教室中央に…うぐぐぐ」
「ど真ん中か。それは私もちょっと嫌かもね」
「でも後藤の前後はウチらになったから前とあんまり変わんないだろ」
「そうよひとりちゃん、元気出して!」
「へえ、3人席が近くになったんだね」
「そうですねー。“たまったま”偶然近くになったんだよねー。なあ喜多?」
「そうね!素敵な偶然もあるものだわ!きっと仲良しな私達3人のことを神様が見ていてくれたのね!」
「仲良し…あっですかね。うへへへ♪」
これは…多分喜多さん達がひとりちゃんの近くの席になれるように取り計らったのかな。まあひとりちゃんが嬉しそうだしそこをツッコむのは無粋というものか。
この後3人とも用意したラーメンを全て食べてくれた。朝からスープと麺を仕込んだ甲斐があったね。
ごちそうさまでした
「後藤のオジサマごちそうさまでした。ラーメンめっちゃ美味しかったです!前にお弁当少しだけ食べたことあるんですけど、今日のですっかり虜になっちゃいましたよ」
「私もたくさん食べてもらえて嬉しかったよ。来てくれてありがとう。佐々木さん、これからもひとりちゃんと仲良くしてね」
「またねひとりちゃん。明日はスタ練とバイトだから頑張りましょうね!」
「あっはい、じゃあまた明日…」
叔父さんの家からの帰り道。今日の席替えと叔父さん飯の話題で盛り上がる2人。
「結局今回だけーとかいってまた後藤の近くの席になっちゃったなー」
「ひとりちゃんには秘密にしてよね。本人はその前の記憶が曖昧になってるみたいだし」
「わかってるって。それにしても後藤のオジサマのご飯甘く見てたわー。あれはまた食べたくなる味だね」
「そうでしょ?しかも毎回映える盛り付けで自撮りが捗るんだから!」
「その割りにはいつもより自撮りに費やす時間が少なかったみたいだけど?」
「それは…せっかくのラーメンが伸びるのがもったいなかったから」
「ふーん…まあウチは喜多のこと応援するよ?ライバル超多そうだけど」
「なっ何のことかしら!?」
「修学旅行の夜にする恋バナのネタが増えたわー」
後藤ひとり学生生活最大のイベント“修学旅行”まであと
一ヶ月(描写する予定なし)
次回 音戯アルトとコラボカフェと◯◯
久々の深酒日記からのお話ですぜ。
↓久しぶりな人物紹介
佐々木さん
叔父さんに胃袋を掴まれちゃった系女子その15くらい
通称ささささん(呼んでるのはひとりちゃんだけ)ザ・オタクに優しい陽キャギャル。結束バンドの応援団代表で喜多さんとは腐れ縁な仲。なすべん以来の叔父さん飯に感動した模様。実際に叔父さんの人柄に触れて喜多さんが叔父さんに執心気味な理由がわかったようです。
↓おまけ
もしもギャグマ◯ガ日和テイストだったら2
※凄まじいキャラ崩壊がありますので(特に虹夏ちゃん)ご注意下さい。
結束バンドリーダー虹夏「あたし達の新物販『ドキドキ結束バンドトレーディングステッカー』が妙に全く売れない!メンバーの皆、今日はこれについて話があるよ!」
ステッカー
題字:はま血あき
結束バンドリーダー虹夏「まずあたし達結束バンドの物販のウリと言えばこのステッカーだよ!開封するまで中身がわからないからお客さんが何度もステッカーを買ってくれるというわけだね!」
野草マスター山田「…」
SNSジャンキー喜多「…」
お茶の水のサタン星歌「…」
人数合わせのPAさん「…」
結束バンドリーダー虹夏「で、中に入ってるステッカーが…」
「これと」つ[氷風呂ぼっち]
「これと」つ[死刑求刑されぼっち]
「これの3種類だよ」つ[ダメバイトのエレジーぼっち]
結束バンドリーダー虹夏「売れるかよ!!」パシーン
結束バンドリーダー虹夏「3種類しかないステッカーを誰が集めるんだよ!だいたいなんで写真が全部顔色悪いぼっちちゃんなのさ!このステッカーを見たお客さんの反応を考えたら気分悪いわ!」
結束バンドリーダー虹夏「…というような事を物販で売り始めた時からあたしは言ってたんだけど、そしたら君たちはステッカーを追加してきたよね!それが…」
野草マスター山田「…」
SNSジャンキー喜多「…」
お茶の水のサタン星歌「…」
人数合わせのPAさん「…」
「これと」つ[承認欲求モンスターぼっち]
「これと」つ[ノルマ5枚ぼっち]
「これの3枚だよ」つ[星形サングラスぼっち]
結束バンドリーダー虹夏「どう違うんだよ!!」ペシーン
結束バンドリーダー虹夏「微妙に顔色よくなってるだけじゃん!余計嫌だよ!どうせならもっとかわいいとかカッコいい写真にすればいいじゃんか!」
結束バンドリーダー虹夏「…というような事を先日言ったら、そうしたら君たちはまたステッカーを追加してきたよね!それが…」
野草マスター山田「…」
SNSジャンキー喜多「…」
お茶の水のサタン星歌「…」
人数合わせのPAさん「…」
「これと」つ[ツチノコぼっち]
「これと」つ[メンダコぼっち]
「これの3枚だよ」つ[完熟マンゴー]
結束バンドリーダー虹夏「そういうことじゃないんだよ!!」ピシャーン
結束バンドリーダー虹夏「なんで一つとして人の形を保ってないのさ!こんなん売れるか!最後にいたってはただのダンボールだし!そしてなんでぼっちちゃんだけ!モデルがぼっちちゃんだけなのさ!なんでなのさー!!」
結束バンドリーダー虹夏「と、あたしが昨日言ったら…今日君たちが連れてきたのが…」
野草マスター山田「…」
SNSジャンキー喜多「…」
お茶の水のサタン星歌「…」
人数合わせのPAさん「…」
天下無双ふたり「…」ゲシゲシゲシゲシゲシゲシ
結束バンドリーダー虹夏「ふたりちゃんだよ…さっきから執拗にあたしの足を踏んでくるんだけど…もういいから連れ出してよ」
結束バンドリーダー虹夏「まったく…聞けば先々週バンドを脱退させたぼっちちゃんがけしかけたらしいじゃん。当てつけか!バンドクビにさせたあたしへの当てつけか!しょうがないじゃん!あたし達の物販ぼっちちゃんのだけほとんど売れないんだから!」
結束バンドリーダー虹夏「君たちもバンドクビにされたくなかったらもっと真面目に物販作ってよね!とにかく結論としては…この『ドキドキ結束バンドトレーディングステッカー』は販売中止にします!」
野草マスター山田「!?」
SNSジャンキー喜多「!?」
お茶の水のサタン星歌「!?」
人数合わせのPAさん「zzz」
結束バンドリーダー虹夏「そんな残念そうな顔してもダメだよ!もう決めたからね!中止といったら中止!」
野草マスター山田「ピューイ」
天下無双ふたり「…」ガチャ
天下無双ふたり「…」タタタタタタ
天下無双ふたり「…」ゲシゲシゲシゲシゲシゲシ
結束バンドリーダー虹夏「痛い痛い痛い!子供を使って抗議しないでよ!」
結束バンドリーダー虹夏「やれやれ…今日も1日疲れたな…STARRYの皆リストラしてやりたいよまったくもう!」
[死刑求刑されぼっち]ペター
結束バンドリーダー虹夏「あっ!?あたしのバスドラに!貼られてる!!あいつらぁー!!」
結束バンドリーダー虹夏「くそー!なんて嫌がらせをするんだ!むぅ全然剥がれない…」カリカリカリカリ
ピリピリピリ
ビリィ
うまく剥がせなかった
結束バンドリーダー虹夏「わぁぁー!?ステッカーなんてもうこりごりだー!!」
完
つづく(キャラ崩壊するって言ったやん)