ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

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御覧になっていただきありがとうございます。
今回はアニメ6話終わりのひとりちゃん。出てくる話題はノルマと…?


路上ライブしてきた姪と牛タン定食

最近ひとりちゃんはライブチケットとにらめっこしている。ノルマ分がまだ売れてないようだ。何度も私が買おうかと考えたが、以前言っていたひとりちゃんの気持ちを尊重するならばそれは良くないことだ。でも期限は刻一刻と迫っているのに大丈夫かな?気になって近寄ってみた時なんかひとりちゃんは「父…母…妹…犬…」とブツブツ連呼していた。犬?

 

そんな日々を過ごす中、ひとりちゃんが明日のバンド練習とバイトのために実家からこっちに戻ってくる日になった。日も落ち、晩御飯を何にしようか考えていると…。

 

ピロン

ひとりちゃんからのロインだ。

 

 

すいません後1時間くらいで帰ります

あとチケット全部売れました

 

 

え?売れたの?兄さん達両親に売ったとしてあと3枚あるよね。いったいどうやったんだろう。返信。

 

 

ノルマクリアおめでとう!気をつけて帰っておいで。

 

 

まあ、何にしても目出度いね。これはご馳走案件、こういう時のためにお取り寄せで仕入れていたアレを出そう。

 

いつもの米に大麦を加えて水を追加、30分浸水したあとにいつも通り炊飯。炊き上がったらよく混ぜてほぐして「完成」

 

山芋をすりおろし、出し汁、醤油を加えてよく混ぜる。卵黄を落とし青のりをふりかけて「完成」

 

メインはひとりちゃんが帰ってきてからだな。

 

 

しばらくしてガチャリと玄関の鍵が開く音がした。

 

「あっただいまです。…エヘヘヘ」

 

うわぁ、上機嫌だ。すんごく分かりやすく上機嫌だ。

かわいい。

 

「おかえり。チケット売れたんだね。おめでとう」

 

「あっはいへへへ…がっ頑張りました」

 

「手を洗っておいで。すぐご飯にしよう」

 

厚切りの牛タンに隠し包丁をして塩、胡椒をふる。

網焼き機で両面を焼く。「完成」

 

本日の晩御飯

麦飯(ササニシキ×六条大麦)

牛タンの網焼き

山芋とろろ

テールスープ

長茄子の漬物

 

「今日は仙台名物牛タン定食です」

 

「おお…おっお肉…厚いですね」

 

「本場の牛タンを取り寄せたよ。おかわりもあるからね」

 

「あっはい」

 

「では手を合わせてください」

 

「あっはい」

 

「「いただきます」」

 

ひとりちゃんは焼きたての牛タンをパクリといく。もう既に明るめな表情がさらにパアッと明るくなる。眩しい。

 

「あっ何かサクサクしてます。やっ焼肉の時と食感が違いますね」

 

「厚さと隠し包丁と本場の最高品質って所がミソかな。

これと麦飯と山芋とろろが付くのが牛タン定食の特徴らしいよ。麦飯もとろろもまだあるからドンドン食べてね」

 

「あっはい」

 

私の言葉でとろろをかき混ぜて麦飯の上へ。ワシワシはぐはぐと麦飯を掻き込み口の中をいっぱいにモグモグ。うむ、目の前の神映像に思わず語彙力が低下してしまった。

 

「んぐんっはぁっ…美味しいです」

 

「そう?よかった。そういえば今日はどうやってライブチケット売ったんだい?」

 

「あっそれは…実はバンドの宣伝フライヤー作って道行く人に配ろうと…」

 

「えっすごいね。ひとりちゃん少々人見知りの気があったのに…頑張ったんだ」

 

「…配ろうとおっ思ったんですけど直前で怖くて動けなくなって…でっでもその時に廣井さんっていうお姉さんに出会いまして」

 

「ひろいさん?大人の人?」

 

「あっはい、そっそのお姉さんもバンドマンでベースやってて、そっそれでなんやかんやで路上でライブすることになって…」

 

「急展開だね。ひとりちゃんとそのお姉さんの間に一体

どんななんやかんやがあったんだい!?」

 

「そっそれはまあ、色々と…で最初は怖くて目も開けられなかったんですけど、とっ途中から路上ライブを楽しめるようになって…」

 

「うん」

 

「そっそしたらライブ終わったら、みっ観てくれたお客さんがチッチケット買ってくれたんです」

 

「そっか、すごいね。初めて会った大人の人と路上でライブなんてそれだけでもすごいのに、それを観てチケットを買ってくれるお客さんまで現れるなんて」

 

「はっはい、そっその人達にライブ中も『頑張れ』って励ましてもらえて…おっお姉さんも最後にチケット買ってくれて」

 

「そうなんだ。そのひろいさんには感謝しなくちゃね」

 

「…はい!」

 

 

ごちそうさまでした

 

 

「あっあの、叔父さん」

 

「ん、なんだい?」

 

「叔父さんは、おっお酒とかは飲まないんですか?」

 

お酒?ひとりちゃんからそんなワードが出てくるなんて何事?

「お酒か。私は普段から飲まないな…料理にはよく使うけど。でもどうしてそんなこと聞くんだい?」

 

「あっいや…そっそのさっきの廣井お姉さんがお酒好きの人で…おっお酒とベースが命より大事だって言ってて…おっお酒を飲んだら将来の不安とかぜっ全部忘れられるらしくて…ほっ本当なのかなって気になったので…」

 

おやおや?廣井さんとやらはひとりちゃんにナニを吹き込んでくれたのかな?ひとりちゃんにとって恩人らしいけど油断ならないね。

「うーん、ほどほどに飲めば美味しいし楽しいんじゃないかな。百薬の長って言うくらいだし。お酒に興味があるのかい?叔父さん的には後5年は我慢してほしいんだけど」

 

「あっいえ、ちっちょっと気になっただけなんで。のっ飲む気はない…です」

 

「そう?一応言っておくけどまだ飲んじゃ駄目だからね」

 

「あっはい」

 

ふむ…ノルマ分が捌けたのは喜ばしいことだけど、ひとりちゃんがお酒やそれに準ずる何かに溺れたら兄さんに顔向けできないな。廣井さんはひとりちゃんにとってはバンドマンの先輩だけど同時に要注意人物のようだね。




次回 習いに来る天使と姪と◯◯

ゲスト回だー!さあ誰でしょうね?
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