ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

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御覧になっていただきありがとうございます。

原作の中間テストの最中で叔父さんご飯を食べさせてみようの回。


中間テストの姪とアジフライ

ひとりちゃんが文化祭のステージに出るかどうか悩んだまま一夜が明けた。昨日の今日だしまだ決断できてないだろう。ひとりちゃんだけじゃなく結束バンド全員に関わることだから慎重になるのも当然だ。私も気になるけど、こればっかりはひとりちゃんの決断を待つしかない。

 

 

 

 

ピロン

ひとりちゃんからのロインだ。バイト終わったかな。

 

 

文化祭ステージ出ることになりました

あと中間テストの勉強のために喜多さんと帰ります

 

 

おおっと急展開だ。もっと時間がかかると思ってたのにスゴいねひとりちゃん。返信。

 

 

了解。気をつけて帰っておいで。

 

 

「あっただいまです…」ズーン

 

「おかえり。ひとり…ちゃん?」

 

うわぁ…すごくドンヨリした顔。半日で何があったんだ?

すぐ隣には喜多さんが…

「あっ喜多さんいらっしゃ…い?」

 

「お邪魔します叔父様…」ズズーン

 

えぇ…喜多さんも負けじとドンヨリしてる。いつものキターンはどうしたの?2人に何があったの?

 

「あの、2人とも大丈夫かい?」

 

「叔父様…」

 

喜多さんはフラッと私に近寄って、両手をガシッと掴んできた。

 

「私、責任をもって後藤さんに勉強教えます!それが私の贖罪ですから!」

 

「えっあっはい。がっ頑張ってね」

食材?…ああ贖罪か。いや、喜多さんは何の罪を犯したんだ?よく見たら喜多さんの首元に「私は罪人です」と書かれた札がかけられていた。その状態で家まで来たのかい?

 

「後藤さん、早速勉強始めるわよ!目指せ赤点回避よ!」

 

「あっはい」

 

2人は部屋に籠ると、中間テストへ向けての勉強会を開始した。私も協力してやりたいが、生憎人に勉強を教えてやれるほど秀才君ではない。ならば別の切り口で力になるしかないな…よし、勉強に集中できるようなご飯を作ろう。

記憶力や集中力の上がるEPAやDHAが多い青魚を使うか。

 

 

鯵の鱗とゼイゴを取り除き、頭を落として背開きにして塩コショウをふる。小麦粉、卵、パン粉を着け、180℃の油で揚げて「完成」

 

更に青魚でもう一品。鰯を三枚におろして塩コショウをふる。小麦粉、卵、青のりを混ぜたパン粉を着け、180℃の油で揚げて「完成」

 

 

晩御飯の支度ができたので勉強中の2人を呼ぶ。

「ひとりちゃん、喜多さんご飯の準備ができたよ」

ノックをしてひとりちゃんの部屋を開けると、勉強のしすぎであろうか目を回しているひとりちゃんと、ひとりちゃんが解答したと思われるテストを見て頭を抱えている喜多さんがいた。

 

「あっ叔父様…どうしよう、このままじゃ後藤さん赤点補習まっしぐらだわ!」

 

「テスト勉強の出来、芳しくないみたいだね」

 

「あっすいません…ポンコツですいません…」

 

「STARRYでも少し勉強したんですけど、学力成長の兆しが見えなくて…しかも見てください、後藤さんちゃんと全問解いてるのに全部間違ってるんです…」

 

喜多さんが見せてくれたテストには、1問1問丁寧に問題を解いたあとが見て取れた。全部間違ってるけど…。

 

「ひとりちゃん」

 

「あっはい」

 

「いざとなったら叔父さんがひとりちゃんを養うからね」

 

「あっ虹夏ちゃんにもそう言われました。へへへ…」

 

虹夏さんもか。本当に面倒見がいいんだね。

「とりあえず赤点を回避できればいいんだよね?」

 

「あっはい」

 

「ですね。贅沢は言ってられません」

 

「なら全問頑張って解くんじゃなくて、覚えやすいところを重点的に勉強しておく方がいいかもしれないね」

 

「なっなるほど」

 

「それなら少しくらいなら正解できるかもですね!」

 

前途多難でどうしようかと思ったけど、方針は決まったようだ。

「じゃあ先にご飯食べようか」

 

「あっはい」

 

「はーい♪」

 

 

本日の晩御飯

炊きたてご飯(キヌヒカリ)

叔父さん特製特大アジフライ、イワシ磯香フライ

ササミとピーマンの塩昆布炒め

金平ゴボウ

トマトとフワフワ卵の味噌汁

 

「では手を合わせてください」

 

「あっはい」

 

「はい♪」

 

「「「いただきます」」」

 

2人とも先ずは特大アジフライに手をのばす。

 

「すごい…おっきい…こんな大きなアジフライ見たことないです!」

 

「こっこんなに大きなアジいるんですね」

 

「真鯵の大きいのが手に入ってね。お刺身でも食べられるんだけどフライにしてみたよ」

 

「ん~♪衣がサクサク、アジも肉厚でフワフワ~♪そのままでもソースでもいけるわね!」

 

「あっこっちのは青のり入りなんですね」

 

「磯香フライだよ。こっちはイワシだね」

 

大きくて食べるのが大変なアジフライとは対照的に、イワシの磯香フライは1切れが小ぶりで食べやすい。ひとりちゃんはサクサクモグモグとリスみたいに磯香フライを頬張った。かわいい。

 

「んっおいふぃれふ」

 

「後藤さん、口元にソースが付いてるわよ」

 

咄嗟にひとりちゃんの口元を拭いてくれる喜多さん。家に来てまでひとりちゃんの勉強も見てくれるし、虹夏さんに負けず劣らずの面倒見の良さだね。素敵だ。

 

 

ごちそうさまでした

 

 

「叔父様、ご飯ごちそうさまでした。後藤さん、中間テスト頑張りましょうね!」

 

「あっはい」

 

「ひとりちゃんの勉強に付き合ってくれてありがとう。

喜多さんも自分の勉強頑張ってね」

 

「はい!」

 

 

数日後、中間テストの結果がかえってきた。ひとりちゃんは平均点30点という超低空飛行を実現したが、赤点はギリギリ回避することができた。ちなみに勉強に付き合ってくれた喜多さんは成績が下がったそうだ。叔父としてなんとお詫びしたらいいか…。親御さんに叱られたりしてないだろうか。




次回 中間テストを終えた姪と◯◯

テストお疲れ様回だよ。あの子とあの子とあの子とあの子に何を食べさせてやろうか。
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