ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

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御覧になっていただきありがとうございます。

文化祭前の話が続きますよ。


中間テストを終えた姪とスペアリブ

中間テストが終わりリョウの結果がかえってきた。猛勉強の甲斐あってどの教科も高得点ばかり。やっぱりリョウはやればできる子だね!正直その頭の作りが羨ましい。

 

「これでバンド活動に全力で取り組めるね!」

「バンド辞める」

 

「…え?」

 

「リョウ先輩?」

 

リョウ今なんて言った?

 

「私、東大受験するから。ベースなんかやってる場合じゃない!赤本、赤本はどこだ!」

 

マズイ!意識高くなりすぎた!

「目を覚ませリョウ!ぼっちちゃんの文化祭ステージ出るんでしょ!」

 

「いやそんなことより受験に向けて追い込みしていかないと。受験は2年の今が勝負だから」

 

「イヤ~!こんなのリョウ先輩じゃない!」

 

どうする?どうすればリョウを正気に戻せるんだ?

 

「あっあの、叔父さんがきっ今日とっておきの料理作るから、みっ皆もよかったらどうですか?って聞いてます」

 

「それだ!リョウ、おじさんがご馳走作ってくれるって!中間テストの御褒美欲しいでしょ?」

 

「オジサン…ご飯…御褒美…っは!お腹空いた」

 

「よし!正気に戻った、おじさんナイス!」

 

 

ピロン

ひとりちゃんから返事がきた。どれどれ

 

 

皆来てくれるそうです。皆で帰ります。

 

 

 

よかった。これでたくさん作れるね。叔父さん張り切っちゃうよ。

 

 

食べやすい大きさにカットしたスペアリブをフライパンで軽く焼き、10分程度茹でて油抜きをする。下処理したスペアリブを鍋に並べてりんごジャム、ニンニク、醤油、ケチャップを入れてじっくり煮る。途中で上下ひっくり返し、出てきた油分はキッチンペーパーで吸わせて更に煮詰めて「完成」

 

 

スペアリブの仕込みをほぼ終えた頃、ひとりちゃん達が帰ってきた。

 

「あっただいまです」

 

「オジサン、私テスト頑張った。御褒美飯をよろしく」

 

「急に押しかけてごめんねおじさん。でもおかげでリョウの目が覚めたよ」

 

「目が覚めた?リョウさん寝てたの?」

 

「叔父様、詳しくは中で話します」

 

「あっはい」

 

話を聞くとどうやらテスト勉強のしすぎでリョウさんが意識高い系(?)になってたらしい。東大を目指すのはそれはそれで素晴らしい目標だと思うけど、喜多さんと虹夏さん的にはそんなリョウさんは“なし”だそうだ。まあ今は…

 

「ごっ飯、ごっ飯、オジサン早く」

 

「あっはいはい、すぐ用意するからね」

 

 

本日の晩御飯

炊きたてご飯(きらら397)

叔父さん特製スペアリブ

イカとそら豆のバジル炒め

かぼちゃとたっぷり卵のマヨサラダ

セロリとベーコンのトマトスープ

 

「では手を合わせてください」

 

「あっはい」

「はい!」

「やったぜ」コロンビア

「はい♪映えるわねっ!」

 

「「「「「いただきます」」」」」

 

骨付き肉のスペアリブ。用意したフォークとナイフで簡単に切り分けられるほど柔らかくなってるので皆も食べやすい筈だ…って思ってたら。

 

「んむっんっうんっ、うむ。柔らかい!うまい!」

 

リョウさん手掴みでいった!?ワイルドだね!目が椎茸だ。あ、よく見たらひとりちゃんも手でいってる。両手で持ってハムハムする姿。かわいい。

 

「リョウ先輩と後藤さん豪快ね!」

 

「いや手ベタベタじゃん…ほらリョウもぼっちちゃんもこれで拭いて」

 

「あっすいません」

 

「ありがとう、オジサンこれおいしい。気に入った」

 

「ですね!叔父様、このスペアリブはどうやって味付けしたんですか?絶妙な甘辛さでドンドン食べられちゃいます♪」

 

「それは虹夏さんからもらったリンゴを使ったんだ」

 

「えっ?リンゴってあたしがあげたの1ヶ月も前だよ!?」

 

「うん。そのリンゴをジャムにしてたんだよ。そして今日このスペアリブに使ったんだ」

 

「そうだったんだ…はむっんっうまっ!お肉ホロホロ~♪あのリンゴがこんな料理になるなんておじさん天才?」

 

「んっあっ本当に柔らかいです」

 

「ありがとう…あんまり誉められると照れるな」

けど皆うまいうまいと食べてくれてるのは素直に嬉しい。丁寧に作った甲斐があったね。

 

「あっおじさん、今度のライブ来れるんだよね?」

 

「うん、今回はバッチリ有給取ったから大丈夫。あっ結束バンドのバンドTシャツ着ていくからね」

 

「あは♪初めて叔父様にライブを見せられるのね!後藤さん頑張ろうね!」

 

「あっはい、がっ頑張ります」

 

「ご飯のお礼として私の超絶技巧ベースを披露する」

 

「あたしも張り切ってドラム叩いちゃうよ!」

 

次のライブへの意気込みを口々に聞かせてくれるひとりちゃん達の生き生きした表情を見ているだけでこっちも元気が出てくる。若いっていいね。

 

 

ごちそうさまでした

 

 

「オジサンゴチでした。あっライブ、物販もあるからそれもよろしく」

 

「宣伝雑か!…おじさんありがとう。ライブ頑張るから絶対来てね!」

 

「叔父様今日はありがとうございました!後藤さんまた明日学校でね!」

 

「あっはい」

 

「また来てね。ライブ必ず行くよ」

 

送っていった先で別れの挨拶を交わす。皆満足してくれたみたいで本当によかった。私も皆の食べる姿を見て満たされました。

 

見送ったあとひとりちゃんと帰ろうとすると「おじさーん!」と呼び止める声が聞こえ、振り返ると虹夏さんが大きく手を振ってこちらに走ってくるところだった。

 

「どうしたの虹夏さん。忘れ物かい?」

 

「はぁ、はぁ、いや違う違う、あのね!」

 

虹夏さんは息を整え、ひとりちゃんには聞こえないように私の耳元で囁いてきた。

 

「あたしがあげたリンゴをあんなに美味しい料理にしてくれてすごく嬉しかったんだ…ありがとう。今度来た時ああいう料理教えてね♪」ボソボソ

 

やや早口。でもしっかりと聞き取れる言葉だった。

 

「それだけ。伝えたかったんだ!じゃあまたねおじさん!ぼっちちゃん!」

 

「…うん、バイバイ虹夏さん」

 

「あっあっはいまた」

 

わざわざそれを言うためだけに引き返してくるなんて律儀な子だね。こんなに直接感謝を伝えてもらえるのは嬉しい

 

「ひとりちゃん」

 

「あっはい」

 

「虹夏さんは本当にいい子だね」

 

「でっですね。私もそっそう思います」

 

これは益々結束バンドのライブが楽しみになってきたぞ。当日はしっかりバッチリ全力で応援したいな。

 

 




次回 末恐ろしい姪と姪と◯◯

次は時系列的にここしかないコミック2巻の巻末エピソード後のお話。つまりまたあの子がやってくる…?
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