ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

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御覧になっていただきありがとうございます。

また初心に帰ってひとりちゃんにご飯を食べさせる回


お金の大切さを知った姪とあか牛丼

「ひとりちゃん元気出して!」

 

「ぼっち、骨は拾ってやる。もしくはMVで脱ごう」

 

STARRYに来たらなんか皆がぼっちちゃんを取り囲んでた。ぼっちちゃんはいつものように専用のゴミ箱に入ってヤドカリぼっちになってる。

 

「過ぎた事をいつまでも悔やんでてもしょうがないわよ!」

 

「後悔先に立たず。そしてMVで脱ごう」

 

「いやちょっと何があったの?事件?後リョウはちょっと黙れ」

 

「よくわからないんですけど20万消えたとかずっと呟いてて…そんなお金どこから…」

 

「えっ!?」

 

「あっマイニューギアしたくて全部使っちゃいました…」

 

「アホだー!」

リョウもそうだったけど、ぼっちちゃんもお金を持たせちゃダメな子だ!!

 

 

「ちょっと待ってください!この前の文化祭ライブ、ダイブの所だけネットに流出してますよ!」

 

喜多ちゃんのスマホの画面には、ぼっちちゃんのダイブでおじさんが下敷きになってる場面が写っていた。動画も貼られていて、ぼっちちゃんとおじさんが頭をぶつけてダウンするまでの一部始終が見れるようになっていた。

 

「あ~トゥイッターにも転載されてるじゃん」

 

「ぼっちとオジサン有名人だね。特にオジサンは哀れみ勢とおいオッサンそこ代われ勢がいてコメント欄がカオスに。これでバンドも有名になるぜ」

 

「ひとりちゃんも叔父様も顔はぼかされてるのが唯一の救いですね」

 

「あっ…いいね数負けてる…うう…」

 

「いやこれもぼっちちゃんだから!」

 

「20万が叔父さんダイブに負けた…最初のギターの写真で踏みとどまっていれば…」

 

ぼっちちゃんは将来ギャンブルとかで破産しそうだな…。あたし達のフォローだけじゃ立ち直るの大変そう。ここはおじさんにも協力してもらうか。

 

 

 

ひとりちゃんがSTARRYから帰って来た。今までにないくらいに落ち込んでいる。虚ろな目に気のない返事。これは相当重症だね。さっき虹夏さんからのロインで「ぼっちちゃんが散財して相当落ち込んでるからおじさんもフォローお願い!」って連絡がきた。叔父さんなりにできることをやってみようと思うけど、いつも通り美味しいご飯を食べさせるくらいしかできないよ?

 

あか牛(モモ肉)に塩コショウして少し置く。フライパンに油を引き強火にかけてあか牛を焼く。1分焼いたらひっくり返してもう1分焼き、フライパンからあか牛を出してアルミホイルで包む。

 

肉を焼いたフライパンでにんにく、しょうが、酒、みりん、砂糖、醤油を合わせて火にかけてタレを作る。粗熱が取れた肉を食べやすいサイズに切り、ご飯(三度のときめき)をよそった丼に敷き詰める。タレを回しかけてわさび、刻んだ大葉、真ん中に温泉玉子を乗せて「完成」

 

「ひとりちゃん、ご飯の支度できたよ。食べられる?」

 

「あっ…はい」

 

本日の晩御飯

あか牛丼

豆苗サラダ

もやしのゆかり和え

だご汁

 

「では手を合わせてください」

 

「あっはい…」

 

「「いただきます」」

 

相変わらずひとりちゃんの顔は暗い。大人にとっても大金である20万を無駄遣いしてしまった精神的ダメージは大きいようだ。

 

「虹夏さんから聞いたよ。いいねのためにお金使っちゃったんだってね」

 

「あっうっ…はい」

 

「ふむ、大金を失ってしまったのは残念だったね。でも今のうちにお金の大切さを知れたのは大きな収穫だったかもしれないよ?」

 

「お金の…大切さ?」

 

「うん。大人になってからこういうことをしたらもっと悲惨な結果になってたかもしれないからね。それこそ借金してギターやバンドどころじゃなくなって、危ないお仕事とかしなくちゃならなくなったりね」

 

「あっ危ない…ですか」

 

「そう考えたら今の状況は100倍マシだよ。こうやってご飯も食べられるしね」

 

「そっそうですかね…」

 

「それに、いつかひとりちゃんが有名なギタリストになった時にインタビューとかで話せるエピソードが1つ増えたと思えばこれも先行投資ってやつになるかもしれないね」

 

「あったっ確かに、テッテレビに出た時とかエピソードトークできますね。えへへ…」

 

お、少し元気になったかな?

「さ、気を取り直して先ずはご飯を食べて元気になろう」

 

「あっはい、さっ冷めちゃいますよね。いっいただきます」

 

ひとりちゃんはあか牛丼に手を伸ばす。ミディアムレアの赤身肉を一切れ箸で掴み口に運ぶ。ほどよい柔らかさの肉を笑顔でモグモグする姿。映画化しないかな。

 

「んっ…お肉おいしいです。かっ噛む程に旨味が…」

 

「あか牛丼っていう熊本のご当地グルメだそうだよ。こっちの汁物はだご汁っていって練った小麦粉の生地をちぎって入れてあるんだ」

 

「ズズ…はぁ、これもおいしいです…ホッとする味というか、すっ好きな味です」

 

「よかった。遠慮せずたくさん食べてね」

 

「あっはい」

 

どうやらいつもの調子に戻ったみたい。ひとりちゃん、

お金の大切さを学んで少し成長したかな?

 

 

ごちそうさまでした

 

 

「あっ叔父さん」

 

「うん、なんだい?」

 

「つっ次のライブも頑張るので、応援してくれますか?

わっ私が今頑張るべきなのは新しいギターでのライブだと思うので…」

 

「うん、もちろんだよ。ひとりちゃんのmy new gearでの活躍を楽しみにしてるよ」

 

「うっ叔父さんその返しは…ちょっと…意地悪です」

 

「ふふ、ごめんね」

ひとりちゃんは頬を赤くして俯いてしまった。少し弄りすぎた。でもかわいい。帰ってきた時の落ち込み具合から考えたら別人のように元気になったね。

 

 

 

おまけ

 

「えっ…これは…」

 

「どしたの喜多ちゃん」

 

「いえ、ひとりちゃんのダイブの映像なんですけど…よく見たら一瞬だけ叔父様の手が…その、ひとりちゃんの胸に当たってるような」

 

「えっ」

 

「ほう、オジサンやるな」

 

「コメントにも『オッサンいいぞもっとやれあとそこ代われ』とか『おそろしく早いパイタッチ俺でなきゃ見逃しちゃうね』とか書かれてて…」

 

「オジサンはテクニシャン。はっきりわかるんだぜ」

 

「へぇ~…これは今度おじさんを問い詰めないとね」




次回 バレた姪と◯◯

あの中学生(?)が登場する回だね。
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