ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

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御覧になっていただきありがとうございます。

明日ぼっち・ざ・ろっく!第6巻&アンソロジーコミック第2巻発売ですよ。

今回は原作8コマ分を無理やり1話にする暴挙に出たよ。
どの8コマかわかるかな?



クリスマスが待ち遠しい姪とハヤシライス

12月になり季節はすっかり冬。朝夕の肌寒さも際立ってきた今日この頃。ひとりちゃんは相変わらずのピンクジャージで、見ているこっちが寒くなってくる。ひとりちゃんに聞くと外ではちゃんとコートやマフラーで防寒しているとのこと(その中はやっぱりピンクジャージだけど)

 

「あっただいまです…へっへへ…」

 

そんなひとりちゃんが帰って来たが、妙に上機嫌だ。何か良いことがあったのかな?

 

「おかえり、なんだかご機嫌だね」

 

「あっはい。へっへへわかりますか?」

 

「うん、スゴく顔に出てるから」

 

私の言葉を聞くと、ひとりちゃんは「あっえへへ…」と照れた様子で下を向いた。かわいい。

 

「じっ実は12月24日に新宿FOLTでSICK HACKのワンマンライブにゲスト出演することになりまして…」

 

SICK HACKというのは確か廣井さんが活動しているバンドだったね。そして新宿FOLTはそのSICK HACKの活動拠点、以前ひとりちゃんが文化祭ステージに出るかどうか悩んでいた時に廣井さんのライブを観に行った場所だ。そこに結束バンドがゲストで呼ばれた?

 

「それってスゴいことじゃないか」

 

「そっそうなんです…未確認ライオットに向けてたくさんライブして経験を積みたいと思ってたので、だっだから…このゲスト出演で力をつけなきゃって…思ってて…あう」

 

おや?なんだかひとりちゃんの表情が曇り出したぞ。

 

「クックリスマスの日なんで陽キャリア充カップルの盛り上げ役になったりするかもしれなくて…完全アウェイの状況で廣井お姉さん達の足引っ張らないようにしなくちゃでブツブツブツブツ…」

 

あらら見る見るしぼんでいく…。これは機嫌が良いんじゃない、大抜擢による気分の高揚とその大役から来る緊張で情緒不安定なんだ

「ひとりちゃん落ち着いて。まだ時間はあるしその日までに練習すればきっと良いライブ出来るようになるから」

 

「そっそそそそうですよね。がっ頑張りますぅ…」

 

ひとりちゃんはまだ少し自信がないみたい。こういう時叔父さんが出来ることは…うん、いつも通りだね!

 

 

深めのフライパンにバターを引き、薄切りにした玉葱を焦がさないようにじっくりと炒める。1度フライパンを空けて今度は薄切りの牛肉を炒める。牛肉に火が通ったら先ほどの玉葱、トマトジュースを入れて煮込む。薄切りの玉葱を追加で入れて牛乳、ケチャップ、ソース、コンソメの素、ローリエ、赤ワイン、醤油、塩コショウ、隠し味にインスタントコーヒーを少々。全体の1/3位水分がとんだらマッシュルームを入れてひと煮たちさせる。ご飯(こしいぶき)を皿に盛り、出来上がったルーをかけて刻みパセリ、生クリームをサッとかけたら「完成」

 

本日の晩御飯

叔父さん特製ハヤシライス

カリフラワーとキャロットラペのマリネ

ブロッコリーのポタージュ

 

「ひとりちゃーん、ご飯できたよー戻っておいで」

 

「ブツブツブツブツ…っは!あっすいません」

 

「大丈夫そうかな?では手を合わせてください」

 

「あっはい」

 

「「いただきます」」

 

気を取り直して晩御飯だ。ひとりちゃんは目の前に置かれたハヤシライスに鼻を近づけクンクンと匂いを嗅ぎ「ほあぁ…」と声を漏らす。

 

「あっスゴくいい匂いですね。はむ…ん…っん…あっおいしいです。なっ何か家で食べたことのあるハヤシライスと味が違いますね」

 

「市販のルーを使ってないからかな。たっぷりの玉葱とちょっといいお肉とあと色々入れたら大体ハヤシライスっぽい味になるんだよ」

 

「色々…ですか。レッレシピとかあるんですか?」

 

「うーん、大まかな作り方は覚えてるんだけど、思い付きで隠し味とかも入れちゃってるから多分二度と同じ味はできないかもね」

 

「あはは…おっ叔父さんでも適当な時ってあるんですね」

 

「叔父さんは普段から結構適当だよ?でも最終的に美味しく食べてもらえればそれで満足だからねぇ」

ニヤリと悪そうな笑顔で答えてみる。それを見てひとりちゃんもつられてウェヘヘと笑う。少なくとも今この時だけは、さっきまでのネガティブな思考を忘れることができたみたいだ。

 

 

ごちそうさまでした

 

 

「あっあの叔父さん」

 

「うん、なんだい?」

 

「あっわっ私練習頑張ります。新宿FOLTでもちゃんと演奏できるように…」

 

「うん」

 

「新宿でもけっ結束バンドの名前が知られるくらいに頑張るので…」

 

「うん」

 

「おっ叔父さんも観に来てください」

 

「うん、もちろんだよ」

 

「あっそっそれとなんですけど、そのゲスト出演の後STARRYでクリスマスパーティーやる予定で…」

 

ひとりちゃんはどこからともなく取り出したパーティーハットと星形フレームのサングラス、それと何故かフィンランド観光大使と書かれたタスキを身につけた。

 

「こっこれでパーティーをバッチリ盛り上げようと思ってまして…へへへ」

 

「うん…叔父さん若い子達のパーティー事情はよく知らないけど、もっと普通にしてていいような気がするな」

 

「あっ喜多ちゃんにも同じ事を言われました…」

 

喜多さんグッジョブ。そして叔父さんの楽しみが1つ増えたね。STARRY以外のライブハウスに行くのは初めてだけど、結束バンドの皆がどんな活躍を魅せてくれるのか期待が高まるね。頑張れひとりちゃん。




次回 新しいファンと姪と◯◯

漸くあの子が出てくるよ。さて誰だろうね。
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