ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

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御覧になっていただきありがとうございます。
今回は原作で3コマしか出てないのに1話にしちゃったやつです。


進化する姪と親子丼

大槻さん来襲のライブから数日経ち、週末が明けて今日は月曜日。いつものように仕事を終えて帰宅すると玄関の鍵が開いていた。ああ、ひとりちゃんもう帰ってきてるんだ。と特に疑問に思うことなくドアを開けると目の前にソイツが居た。ロボだ。いや、正確に言えばロボの形状をしたダンボールだ。手と足と頭そして胴体と各パーツがよくできている。胴体部分には“完熟マンゴー”の文字が書かれていて、頭にはガ◯ダムのような飾りが付いている。

 

「えっ…と?どちら様で?」

 

「あっ叔父さん、おかえりなさい」

 

「え?ひとりちゃんなの?」

 

「あっはい、すっすいません驚かせちゃって」

 

「それはいいんだけど、そのダンボールは何かな?」

 

「あっこれは完熟マンゴーマーク3です」

 

マークスリー?どうしようわからないや。

 

「あっお父さんが作ってくれて…」

 

「兄さんが?器用だな兄さん…。それで、何のために完熟マンゴーマーク3になったのかな?」

 

「あっそれは…」

 

ロボの姿のままモジモジするひとりちゃん。かわい…くはないかな。

 

「あっ私、じっ実は初めてSTARRYでライブした時もひっ人前に出るのが恥ずかしくて完熟マンゴーを被って演奏したんです…」

 

「そっそうなんだ」

 

「はっ8月のライブの時も緊張しないように被りました。こっ今度は手足が出せて演奏しやすいように改良したんですけど、にっ虹夏ちゃんに止められました」

 

それは…そうだろうね。

 

「そっそれで新宿FOLTのゲスト出演の時も普段と違うお客さんを相手にするからぜっ絶対緊張すると思うので、お父さんに相談したらこれ(マーク3)を作ってくれたんです」

 

兄さん暇なの?仕事大丈夫なのかな…。

 

「そっか。叔父さんはひとりちゃんが楽しんで演奏できるならその格好でも全然構わないけど、虹夏さん達に止められたらさすがに脱ごうね?」

 

「あっはい」

 

うん。素直でよろしい。では気を取り直して晩御飯の準備をしていこうかな。

 

 

親子鍋(親子丼用の鍋)に出し汁、酒、みりん、砂糖、醤油を合わせたものを入れて温める。小口切りにした鳥モモ肉を入れて煮込み、鳥モモ肉の色が変わってきたら薄切りの玉葱を入れてさらに煮込む。箸で切るように混ぜた卵を半分流し入れ、卵に火が通ったら残りの卵と三葉を入れ蓋をしたら火を止め余熱で火を通す。ご飯(おぼろづき)を盛った丼の上に親子鍋の中身を乗せて「完成」

 

 

本日の晩御飯

叔父さん特製親子丼

ハムとスナップえんどうのゴマ炒め

タコとワカメの酢味噌和え

カブのお吸い物

 

「ひとりちゃんご飯だよー。そろそろそれ脱いでね」

 

「あっはい…あっあの、すいません自分だけだと脱ぎづらくててっ手伝ってもらえますか?」

 

「あっうんいいよ。腕の部分引っ張ればいいのかな?」

 

「あっはいお願いします」

 

私はロボひとりちゃんのパーツを一つ一つ外す。これ1人でどうやって着たんだろう…。手、足、頭と外していっていつものピンク色が姿を現し、残りは胴体部分のみだ。

 

「それじゃ胴持ち上げるよ」

 

「あっはい」

 

バンザイしてるひとりちゃんからヨイショと胴体部分を持ち上げる。頭と両腕がするりと抜けて無事離脱完了。かと思いきや、何かに引っ掛かっていたのか私が視界に捉えたのは見慣れたピンクジャージではなく綺麗な白い肌とヘソだった。…ヘソ?あっ

「あっごっごめん一旦下げるね」

 

「あっえっ?叔父さん?」

 

ひとりちゃんは気付いてないみたい…。危ない危ない、恥ずかしさで爆発四散させちゃうところだった。よし見なかったことにしようそうしよう。

 

「ひとりちゃん、バンザイじゃなくて腕を引っ込めてジャージの裾持っててくれるかな?」

 

「あっはい」

 

まさか完熟マンゴーにこんな罠が仕掛けられていたとは思わなかった。マーク3恐るべし…。その後何とか脱がし終わり改めて晩御飯へ…。

 

「えーでは色々あったけど手を合わせてください」

 

「あっはいおっお手数おかけしました」

 

「「いただきます」」

 

ひとりちゃんは親子丼を丼用スプーンで掬い口へ運ぶ。

半熟の卵と鶏肉とご飯を頬張った瞬間「んっんっ♪」と声を出しながらモグモグしている。かわいい。

 

「あっ卵トロトロですね。お肉も柔らかくておいしいです」

 

「卵を2回に分けて入れるのがコツだね。お肉も良いモモ肉が手に入ったからたくさん食べてね」

 

「あっはい、えへへ」

 

どうやらひとりちゃんは気に入ってくれたみたいだ。パクパクといい食べっぷりで親子丼を平らげていく。イイね!

 

「あっあの叔父さん」

 

「うんなんだい?」

 

「ライブ観に来れますか?」

 

「うん、もちろんだよ。しっかり応援するからね!」

 

「そっそうですか…。はっはい、頑張ります」

 

ひとりちゃんは嬉しそうにしてまた食事に戻った。何か言いたそうにしてるようにも見えたけど気のせいかな?

 

 

ごちそうさまでした

 

 

「おっ叔父さんおっお願いがあるんですけど…」

 

「ひとりちゃんからお願いって珍しいね。何かな?」

 

「ラッライブの後STARRYでクックリスマスパーティー兼打ち上げがあるんですけど、おっ叔父さんの料理を出してもらえたら嬉しいなって思ってるんですけど…あっ虹夏ちゃん達にも相談してて、もちろん食材の予算とかちゃんと用意してます」

 

ほう…この私にそんなやりがいのありそうな役をお願いするなんて、ひとりちゃんわかってるじゃないか。

 

「任せなさい。叔父さんが最高のクリスマス&打ち上げにするからね!」

 

今から何を作るか考えなくちゃね。これは忙しくなるぞ。




次回 クリスマスパーティーと姪と◯◯

↓おまけ

8割自分の確認用。各キャラの叔父さんの呼び方一覧

後藤ひとり→叔父さん
伊地知虹夏→おじさん
山田リョウ→オジサン
喜多郁代→叔父様
後藤ふたり→おじちゃん
後藤直樹→晋作
後藤美智代→晋作さん
伊地知星歌→(ぼっちちゃんの)叔父さん
廣井きくり→おっちゃん
1号さん2号さん→3号さん
毒闇14歳→パイタッチオジサン
PAさん→おじさま
大槻ヨヨコ→3号のおじさん

大半の方が気付いていたかもしれませんが、誰が喋っているのかわかりやすくするために意図的に叔父さんの呼び方をバラバラにしています。ただ今後の叔父さんとの関係に進展があったら呼び方が変わるかもしれません。

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