ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

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御覧になっていただきありがとうございます。

2月だからね!やっぱりこれを食べさせたいよね!


新曲と姪と恵方巻き

2月3日。節分の今日、晩御飯のメニューは決まっている。ひとりちゃんにとっておきのやつを食べさせたい。 もうすぐ新曲ができるみたいだし願掛けにもちょうどいいかもしれない。よし、買い出しに行こう。

 

 

 

「おじさん!」

スーパーで必要な食材を物色中、後ろから声をかけられた。その声に反応して振り向くと、買い物カートを押しながら満面の笑顔でこちらに手を振る天使…じゃなくて虹夏さんがいた。

 

「あっ虹夏さん、こんにちは」

 

「奇遇だね~おじさんもお買い物?」

 

「うん、虹夏さんも?」

 

「そうだよ~伊地知家の普段の料理はあたしの担当だからね!でも今日の献立はまだ決めてないんだ~。おじさん家はもう決まってるの?」

 

「うん、私は今日あれを作ろうと思ってるんだ」

そう言って私は特設コーナーに山積みにされた“それ”を指差した。

 

「そっか~今日は節分だもんね!家もそうしようかな~。でも作ったことないしここで買っていこうかな」

 

「それなら私が教えるから家で作っていくかい?虹夏さんがよければだけど」

 

「えっいいの!?じゃっ…じゃあお願いしちゃおうかな」

 

献立が決まった私達は、買い物を終わらせて2人で私の家へ向かった。途中、虹夏さんとの荷物を持つ持たない合戦が繰り広げられたが割愛。

 

「ただいまー」

 

「おっ邪魔しま~す」

 

「じゃあ手洗いうがいしたら早速作っていこうか」

 

「は~い♪」

 

ひとりちゃんはまだ帰ってきてないみたいだね。喜多さんと放課後の練習をしてるのかもしれない。何はともあれ我が家へ到着した私達は早速夕飯の準備を始める。

 

 

ご飯(きぬむすめ)と酢、塩、砂糖を合わせたすし酢混ぜ合わせて酢飯を作る。巻き簾に焼き海苔を敷き酢飯を広げる。棒状に切った厚焼き玉子、キュウリ、煮穴子、かんぴょう、カニカマ、桜でんぶを酢飯を両端に残しつつキレイに敷き詰める。

 

「それじゃあ巻いていくよ」

 

「うん!」

 

手前から巻き簾を持ち上げて奥へと巻いていく。巻けたら巻き簾を持った手を真ん中から左右へスライドしながら軽くキュッと握る。

 

「おお…お店で売ってたのと同じだ…!」

 

「こんな感じかな。虹夏さんもやってみようか」

 

「よっよ~し…やってみる!」

 

虹夏さんは今私が見せた動作を真似てみせる。分かりやすいようになるべくゆっくり巻いたけどうまくできるかな?でも物怖じせずにチャレンジする精神はステキだ。

 

しかし虹夏さんが初めて巻いた巻き寿司の出来は虹夏さんにとっては納得がいかなかったようで…

 

「ちょっと形が歪になっちゃった…やっぱり難しいな…」

 

「初めてにしては上出来だと思うけど、何本か巻いていけばコツが掴めるかもね」

 

「う~ん、よし!おじさんちょっといい?」

 

そう言うと虹夏さんは私の手を掴んで自分のすぐ後ろに誘導し、私の両手を自分の手の上に置いた。あれ?これってほぼあす◯ろ抱き状態?

 

「あの…虹夏さん?」

 

「これでもう一回巻いてみて!体で覚えるから!」

 

ふむ…虹夏さんは何事にも熱心なんだね。

「うっうん、わかった。嫌になったら言ってね?」

とは言えこんなに女性と密着するなんてなかなかないから緊張するし照れる。虹夏さんの手は柔らかくて細くてそれでいてしっかりと肉付いている。普段の家事とバンド活動の賜物かな?それに当たり前だけどすぐ近くに虹夏さんの頭が…なんというかすごく女の子らしい匂いがする。私の臭いは大丈夫だろうか?気付いてないだけで加齢臭とかしてるかも。虹夏さん不快に思ってないかな…。

 

「こうやって奥の方に巻き込んで…」

 

「ふむふむ」

 

「最後にこう…キュッとしめる」

 

「ん…なるほど」

 

「はいできあがり。どう?できそう?」

見本を巻き終えた私はすぐに虹夏さんの手を離して横へと移動した。

 

「うん!なんとなくわかったかも!」

 

と元気良く返事する虹夏さんと目が合う。

 

「にっ虹夏さん…」

 

「えっおじさんどうしたの?」

 

私は虹夏さんが明らかに平静を装っていることがわかった。何故なら表情こそいつものニコニコした可愛らしい

笑顔だったのだが、虹夏さんの頬が見事なまでに真っ赤に染まっていたからだ。これは…

 

 

 

 

 

 

きっと私の臭いがキツくて頑張って息を止めて我慢していたのだろう。虹夏さんには悪いことをしてしまった…何と詫びればよいか。

「ごっごめんね虹夏さん」

 

「えっ何が?」

 

「ちょっと密着しすぎたよね。叔父さん変な臭いとかしなかったかな?」

 

「いや全然!むしろ…あっ…ううんなんでもない!」

 

「そう?お風呂はちゃんと入ってるつもりだけど、次からはもっと念入りに洗うから!」

 

「なんで急にお風呂の話になったの!?」

 

何はともあれ「完成」

 

 

 

「あっただいまです」

 

「おかえりひとりちゃん」

 

虹夏さんが帰った後入れ替わるようにひとりちゃんが帰って来た。学校と練習の疲れは見えるけど、なんだか機嫌がいいみたいだ。

 

「晩御飯すぐ用意できるよ。どうする?」

 

「あっはい。いただきます」

 

 

本日の晩御飯

叔父さん特製恵方巻き

イワシの梅煮

タコとワカメの酢の物

具だくさんけんちん汁

 

「では手を合わせて下さい」

 

「あっはい」

 

「「いただきます」」

 

「今日は恵方巻きだからこっちを向いて一本を一気に食べきります」

 

「えっあっはい」

 

「恵方を向いて無言で食べきるとご利益があるんだって。叔父さんも結束バンドの繁栄を願いながら食べるからね」

 

「ご利益…ですか?」

新曲も完成するし、叔父さんと一緒に結束バンドが売れるようにお願いすれば効果があるかも…

「よし!あむ…ん」

 

「あっでもひとりちゃんには大きすぎるから別で作っておいたこっちの小さいのを…」

 

「んご…んぐ…んが…」

 

うん、まあ大きい方がご利益ありそうだよね!私もひとりちゃんに続こう。

「んぐんぐ…もぐもぐ」

 

 

 

同時刻の伊地知家

「そんな訳で今日の晩御飯は恵方巻きです!」

あたしはおじさんの家で作った恵方巻きを食卓に並べた。初めて作ったけど我ながら力作揃いだ。

 

「いやデカいな」

 

お姉ちゃんのリアクションは上々だ。おじさんと一緒に作ったから味も抜群!それに恵方巻きの作法を守ればご利益もあるおまけ付き。今日食べない手はないね!

 

「今年の恵方はこっちだよ!お姉ちゃんも一本丸かじりしてご利益もらおう!」

 

「…せめて食べやすく切らないか?」

 

「ダメ!結束バンドの新曲の命運もお願いするんだから!」

 

「その願いは私関係ないだろ」

 

「じゃあお姉ちゃんはSTARRYの商売繁盛を願うといいよ!」

 

「ねえもう食べていい?」

 

「…ツッコまなかったけどリョウはなんで家にいるの?」

 

「私の美味いものセンサーが虹夏の家に反応したから」

 

「まあいいやたくさん作ったし。あっそうだ、節分だから福豆も用意したよ!歳の数だけ食べて健康に過ごそう!お姉ちゃんもちゃんと31個食べてね!」

 

「いきなり現実を突きつけるのやめろ」

 

「虹夏」

 

「何リョウ?」

 

「実は私人生4周以上してて本当は200歳なんだ」

 

「へーそーなんだー。じゃあこの鬼の面着けて。今からあたしが全力で200個豆投げるから頑張って食べてね!」

 

「ごめんなさい嘘です18個でいいです」

 

 

ごちそうさまでした

 




次回 MV撮影の姪と◯◯

↓おまけ

もしもぼっち・ざ・ろっく!のキャラが◯◯だったら

もしも後藤ひとりの◯がナーフどころか爆盛りされたアニメ第1話だったら

「引きこもり一歩手前ですぅ~…作詞作曲私、押入れより愛を込めて…あっアップした動画もうコメントついてる…えへへ。…ん~でも時々見かけるこの『エッッッッッ!!』とか『でっっっっっ!!』ってコメントはどういう意味なんだろう?しばらくしたら消えてるし。あとこの『立派な双丘が眩しすぎてギターが見えない』っていうのも気になる…照明強すぎたかな?編集中は気にならなかったけどな…うー…この体制肩凝るなぁ…また大きくなったかな」タユン

そして学校へ

「今の私はどこからどう見てもバンド系女子。これなら絶対誰か話しかけてくれるよね。これは今年の文化祭は忙しくなるぞ~♪」ガララ


ザワザワッ


話しかけられない…まあいきなりは来ないか。まだ今日は始まったばかりだし大丈夫大丈夫…。


(エッッッッッ!!)クラスメート男子の心の声
(でっっっっっ!!)クラスメート女子の心の声


(なっ何なんだあの迫力は!?)
(人の◯ってあんなに育つものなの!?)
(おかしい…同じ性別の筈なのにこの差は…)
(後藤さんいつものジャージ越しでも◯の存在感凄かったのにシャツ姿だなんて…)
(激レアだぜ!しっかりこの目に焼き付けねば!)
(おい見ろよ後藤さんのシャツの柄を!)
(うわ…ぱっつんぱっつんじゃねぇか!あれじゃ元の柄がわかんねぇよ!)
(俺、生まれ変わったら後藤さんのシャツになるんだ…)
(お前ズルいぞ!)
(クソッこんな貴重な瞬間をカメラに収められないなんて…!)
(協定忘れるなよ?GYM【後藤さんをやさ(ら)しく見守る会】では後藤さんを不快にさせる行動は禁止だぞ!)


ふぅ…いっぱい身に付けてきたからやっぱり重いな…。あっ…この体勢楽でいいな。ノシ…ギュム


(エッッッッッ!!)クラスメート男子の心の声
(でっっっっっ!!)クラスメート女子の心の声


(乗ってる…机の上に乗ってるよ)
(えっ?人の◯ってあんなに乗せれるものなの?)
(何あれ?晩白柚なの?チャンドラポメロなの?)
(もしくはつきたてのお餅だわ!)
(何食べてどんな生活したらああなるんだ…)
(俺生まれ変わったら後藤さんの机になるんだ…)
(お前ズルいぞ!)
(おい!後生だから1枚だけ撮っちゃダメか?)
(それやったらGYM【後藤さんをやさ(ら)しく見守る会】追放だぞ?)


うー…話しかけてもらえない。このバンドTシャツマイナーすぎたかな?やっぱり知らないバンドのTシャツ見せても話しかけにくいよね!前は閉じておこう。ジー


(あー…ファスナーが上がっていく…)
(祭りの時間はもう終わりか…残念)
(俺はしっかり心に刻み込んだぜ!)
(俺ちょっとトイレ行ってくる…)
(おいやめろ!同じ校内で後藤さんを汚すんじゃねぇ!)


ジジー…ボフンッタプン

(((((!?!?)))))

あっどっどうしよう途中で引っ掛かっちゃった…!?あうう…◯がつっかえてこれ以上上がらない。グイグイグイ

ポヨンポヨンフヨンフヨン


(エッッッッッ!!)クラスメート男子の心の声
(でっっっっっ!!)クラスメート女子の心の声

結論 ナーフ&盛らないは必要だった。

つづく(続けられるのかこれ)
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