ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

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御覧になっていただきありがとうございます。

今回はひとりちゃんのあの奇行を叔父さんの家でやる一部原作改変があります。


凍える姪と豚汁とおにぎり

いつもより早めに仕事が終わり、上機嫌で帰宅。おかげで良い食材も手に入ったし良いことずくめだ。あれ?ひとりちゃんの靴がある。最近にしては珍しく今日は用事がなかったんだね。

 

「ひとりちゃんただいまー」

部屋全体に聞こえるように言ったが返事はない。ああ、防音室にいるのかな。とりあえず制服を洗濯機に入れて…あっ。

 

「お風呂入ってるのか」

 

家のルールとして、入浴中は風呂場の扉に「使用中」の札を引っかけておくことにしている。所謂エ◯ハプニングを防止するためである。その札がかかってるってことは中にひとりちゃんが居るのだ。

 

「ならもう少し時間を空けるか」

 

先に夕食の仕込みを始めることにする。お米を研ぎ、炊飯器にセット。お湯を沸かし、食材を切る。

 

そういえばひとりちゃんは私が帰ってきてるのは気付いてるかな?一応扉越しにもう一度教えておこう。

ノックをしてから「ひとりちゃんただいま」と発してみる

…返事はない。札をしまい忘れてるだけかもしれない。

 

「ひとりちゃん脱衣所にいる?洗濯物入れたいから入るよ?」

 

やっぱり返事はない。脱衣所にはいないようだ。恐る恐る扉を開けるとお風呂場の電気がついていて、すりガラスの扉越しに見覚えのあるピンク色の頭が見えた。

 

「あっごめんねひとりちゃん。すぐ出てくからね」

 

慌てて謝るも返事がない。もしかして逆上せてる?

 

「ひとりちゃん?大丈夫?」

 

耳をすませると「…と20分…と20分」と聞こえる。あとなんかカラカラと固いもの同士が当たってるような音も。

 

「ひとりちゃん?」

 

これはさすがに確認した方がいいかもしれない…。

 

「ひとりちゃん開けるよ?ダメなら今言ってね」

 

第三者から見れば年頃の娘の入浴中に突撃するおっさんの図。こんな変態行為言い逃れもできないな…。できるだけゆっくりと扉を開けてひとりちゃんが拒否拒絶する猶予を与えて…え?そこには真っ青な顔に口からは緑色の液体を垂れ流して虚ろな目をしているひとりちゃんがいた。

 

「ひとりちゃん!?ひとりちゃーん!!」

 

呼び掛けても反応がない。よく見ると湯船に何か浮かんでる。これは…氷?お湯じゃなくて氷水!?とにかくひとりちゃんを出してやらないといけない。氷が浮いていただけあってひとりちゃんの体はキンキンに冷えていた。早く体を温めてやらないと。唯一の救いはひとりちゃんがスク水を着ていたため、姪の生まれたままの姿を目撃してしまうという大罪を犯さずにすんだこと。というか水冷たっ!

 

終始呼び掛けながらありったけのバスタオルで(触ったら不味いところは避けて)全身を拭いてから毛布で包むとひとりちゃんは意識を取り戻した…よかった…。

 

「あっすっすすすすいません…おおお叔父さん」

 

「うん大丈夫だから、すぐ温まるもの作るからね」

 

「あっ…ひゃい」

 

温まるもの…あれを作るか。

 

豚こま肉を油を引いて炒める。切っておいた食材も投入。人参、大根、牛蒡、こんにゃく、油揚げ、葱。沸かしてたお湯と合わせて粉末だしを入れる。最後に私のとっておき、信州の三年熟成味噌を溶く。「完成」

 

ご飯は食べやすいようにおにぎりにしよう。衛生手袋を装着してるから他人の握ったおにぎりがダメな人だったとしても大丈夫だろう。あまり強く握りすぎず、握る回数も1つにつき6回までにしてふっくら仕上げる。海苔は食べる時に巻けるように別で用意して…。「完成」

 

本日の晩御飯

 

おにぎり(梅、鮭、おかか、昆布、ツナマヨ)

具だくさん豚汁

たくあん

 

「では手を合わせて…できる?」

 

「あっははははい」

 

「「(いい)いただきます」」

 

スク水に毛布という斬新なスタイルのまま豚汁を啜る姪。「ほぅふー…」と声を出し、最初青白かった頬は血色良くなってきている。一安心。

 

次におにぎりを手に取ってパクりとかじる。ひとりちゃんでも食べきれるようにやや小ぶりにしてるが、その分具のバリエーションを増やしている。

 

「あっこのおにぎりも美味しいです。くっ口の中でホロホロってくずれて食べやすいです」

 

「そうでしょ?ミルキークイーンってお米でね。おにぎりに適してるんだって」

 

一緒に出した温かいお茶を啜って、また1つまた1つと食べ進めて用意した分を平らげてくれた。

 

「お腹は足りた?まだまだ作れるよ?」

 

「あっもう大丈夫です…あっすっすいませんこんな格好のままで…」

 

「それはいいんだけど、なぜあんな苦行を?もしかして叔父さんとの生活が苦痛だったとか?」

 

「あっちっ違います、それは絶対ないです」

 

「そうかい?ならどうして?」

 

「あっ…そのっ、かっ風邪引けないかな…って」

 

「…あー、あれかな?学校かバイト休む口実が欲しかったってところかな?」

 

「あっそれです。すいません」

 

なるほどね。その行動力をバイトに向けたら全然なんとかなると思うんだけど。でもちょっと親近感。

「私も似たようなことしたな」

 

「おっ叔父さんも?」

 

「うん。学校行くのが嫌で休みたくて、真冬なのに窓全開にして掛け布団かけずに寝たりしたよ。風邪とか全然引かなかったけど」

 

「そっそうなんですね…」

 

「でも氷風呂はビックリするし普通に危険だからもうしないでね?」

 

「あっはい」

 

 

ごちそうさまでした

 

 

「さ、そのままじゃあれだから着替えておいで」

 

「あっはい。無価値なもの見せてすいません」

 

「いや普通にかわいいよ?(お団子頭を見ながら)」

 

「かわっ!?(叔父さんスク水が好きなのかな?)」

 

その後ひとりちゃんは温まり過ぎたのか体がすこし溶けてきて、呼び掛けて意識を戻すのに苦労しました。褒めすぎてもよくないんだね。次から気を付けよう。

 




次回 寝込む姪と◯◯


今回のひとりちゃんの奇行が平日だったか土日だったか忘れてしまいましたが、叔父さんの家でやった方がお話として書けるのですこし改変させていただきました。

あとこれはR15のタグいるのかな?
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