ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

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御覧になっていただきありがとうございます。

チラッとランキングにのってたりしてビビっています。

今回は結束バンドが下北沢で路上ライブする回。を叔父さんが見に行く話ですよ。




路上ライブする姪とホワイトホットチョコレート

結束バンド公式トゥイッターに路上ライブの告知がされていた。よし、この日は休みだし見に行ける!…なんか告知に対してのコメントを見ると、結束バンドがちゃんと活動してるバンドだということに驚いている人もいるみたい。喜多さん、普段どういう投稿をしてるんだろうね。さて、例によって差し入れを持っていきたいけど、この前のMV撮影の時と違って人通りが激しいだろうから温かい飲み物くらいにしておくか…。ちょうどホワイトデーの時期だしホットチョコレートなんていいかもしれないな。逆チョコの時と被らないようにホワイトチョコで作ってみようか。

 

 

結束バンドの路上ライブ当日、私はライブ開始時刻より少し早く現地に赴くために家で差し入れの準備を始めた。

 

刻んだホワイトチョコと生クリームを電子レンジで温めてチョコを溶かす。チョコを鍋で温めた牛乳に少しずつ入れながらよく混ぜ合わせる。十分に温まったら保温性抜群の魔法瓶に入れる。後のせ用のトッピング、使い捨てカップ、除菌ウェットティッシュ、回収用ゴミ袋、あとはこの秘密兵器を持ってと…よし、準備万端いざ出発!

 

 

告知されていた場所に着くと、既に結束バンドの皆が集まっていて路上ライブの準備を進めているところだった。

 

「皆~来たよー」

 

「あっ晋作さん!来てくれたんだね!」

 

「晋作オジサン熱心だね」

 

「さすがファン3号ですね叔父様♪」

 

私の姿を確認すると虹夏ちゃんと喜多さんとリョウさんがすぐに反応してくれた。

「今日は路上ライブ頑張ってね。私も応援してるから」

 

「ありがとー晋作さん。新曲もバッチリ演奏するからね!」

 

「私も…頑張ります!」キターン

 

ふむ、喜多さんは特に気合いが入っている様子。喜多さんは初めての路上ライブみたいだし、緊張もするだろうけどいい経験になるといいな。あれ?

「そういえばひとりちゃんは?まだ来てないのかな?」

 

「あれ?ぼっちちゃんさっきまでそこに居たのに」

 

「本当、ごひとりちゃんどこにいったんでしょう?」

 

<あっこっここにいます

 

「ん?どこかからひとりちゃんの声が…?」

 

<あっここです

 

微かに聞こえる声の方に目を向けると、虹夏ちゃんの側に置いてあるキャリーバッグが開いて中からひとりちゃんが顔を出した。

 

「ひとりちゃん!?なんでそんなところに」

 

「いつの間に…ていうかさっきぼっちちゃんごとキャリーバッグ叩いちゃったじゃん…」

 

「えっ叩いたの!?」

 

「うん、バスドラの代わりにこうやってキャリーバッグにキックペダル取り付けて叩くとそれっぽい音になるんだよ」

 

虹夏ちゃんはそう言ってドスドスとキャリーバッグを鳴らしてみせた。ただその度に「う”っ…うぐっ」とひとりちゃんの呻き声が上がる。

「わっわかった。わかったから虹夏ちゃんそのくらいで…ひとりちゃんもそろそろそこから出よう?」

 

「あっはい」

 

「晋作オジサン」

 

「ん?どうしたのリョウさん」

 

「ライブ始まる前に来たということはもしかしてまた差し入れがあったりしますか!?」

 

「おいリョウ」

 

「うん、もちろん。あっライブ終わってからの方がよかっ「いただきます!」

 

「いや早っ!」

 

それでは仕上げをしていこう。

魔法瓶のホットチョコレートをカップに注ぐ。トッピング用に小さく切ったマシュマロを入れる。

 

「おお~」

 

「これは映えの予感だわ!」

 

「もう飲んでいい?」

 

「まあ待って、ここで秘密兵器を使います」

取り出したのはミニトーチバーナー。片手で簡単にあぶり料理ができる優れもの。その名も火あぶり君!を使ってマシュマロを炙っていく。表面がこんがりしてきたら砕いたローストアーモンドを散らして「完成」

 

 

本日の差し入れ

叔父さん特製ホワイトホットチョコレート

 

「はい皆どうぞ」

 

「これもうストバ(ストァーバックス)じゃん!やっぱり晋作さんはすごいなぁ」

 

「ステキ!叔父様こんなものまで作れるんですね♪ほら、ごひとりちゃんツーショット撮りましょ!」パシャパシャ

 

「あっはい…わっ私のような陰の者がこんなキラキラ映えドリンクに手を出していいのかな…ズズズ…あっおいしい」

 

「いただきますズゾゾゾゾ…んっ…うむ。うまい!」

 

うん、4人とも喜んでるみたいで何よりだ。演奏前の士気上昇に貢献できたかな?

 

 

ごちそうさまでした

 

 

「うぇぇぇぇい!◯△×¥※#@&%~皆応援に来▽♪◎ o n s らよ~」

 

皆が差し入れを飲み終わり片付けていると、誰かが私の後ろからほぼ聞き取れない残念な呂律で喋りながらこちらに近づいてきた。それを見た結束バンドの面々は露骨に嫌そうな顔をしている。いったい誰だろう?と思い振り返るとそこにいたのは…

 

「あっお姉さん…」

 

「今日のライブ終わった!廣井さんどこにでも湧いてきますね!?」

 

「廣井さんも告知を見て来たんですか?」

 

「あ~おっちゃんも来てたんら~いや~実はね…」

 

廣井さんの話によると、星歌さんからライブすることを聞いてここまで来たらしい。いつも酔っ払ってて残念な部分のある人だと思っていたけど、先輩バンドマンとして結束バンドのことをちゃんと気にかけてくれt

「箱でのライブかと思ったけど路上ライブか~打ち上げねーなこりゃ」

 

と思ったけど全然そんなことなかったね。少し見直したのに…。このまま廣井さんを絡ませ続けたらせっかくの路上ライブが台無しになるかもしれないし…ここは私が人柱にならねば。

「さて廣井さん、そろそろライブの準備始めるみたいなので私達は下がってましょう。皆頑張ってね!廣井さんは私が責任をもって見張ってるからね」

 

「うぇへ~おっちゃん大胆らね~」

 

「はいはい、おとなしくライブ観ましょうね」チラッ

私は廣井さんの腕を引き後ろへ下がった。路上ライブの為のスペースを空け、皆にアイコンタクトを送る。

 

「あっ叔父さんありがとうございます」

 

「よし!晋作さんが廣井さんの相手をしてくれてる間に準備していくよ!」

 

「ですね!立て看板にも色々書いていきましょう!」

 

「物販も少し持ってきたよ~」

 

「私は投げ銭箱作ってきた。これで今日の飯代を稼ぐ」

 

「リョウはそういう事だけは準備いいな…」

 

皆は次々と機材や看板を用意していく。途中マスコットキャラのようなものが書かれたボードが置かれたり、喜多さんがお客さんに謎のおもてなしをしたりしていたが、なんとか無事開始予定時刻に路上ライブが始まった。

 

 

 

\ケッソクバンドデース/\ヨロシクオネガイシマース/

 

ライブが始まるとすぐに周りはお客さんでいっぱいになり、廣井さんもおとなしく地べたに座ってライブを聴いていた。お客さん達の反応は概ね良好で、投げ銭をしてくれる人もいた。これは贔屓目に見なくても実力が上がってるってことかな?私もファンとして嬉しいな。

 

 

「次は新曲、『グルーミーグッドバイ』です!」

 

お、きたきた。私の最近のお気に入り。自分でも呆れるほどMVをヘビロテしている(叔父さん的に)神曲『グルーミーグッドバイ』生で聴くのは初めてだ。MVとどれくらい違

「ーーーっ!!」

 

 

「っ……」

喜多さんの第一声を聴いて私は度肝を抜かれ言葉を失った。全然違う。声量や抑揚もさることながら、歌詞の表現力が段違いに上がっている!…ような気がする。音楽素人の私がそう感じるのだ、周りの音楽好きなお客さん達にはもっとダイレクトに届いているに違いない。喜多さん…

おそらくこの境地に至るまでに物凄く努力したのだろう。

ああ…やっぱり私は結束バンド推しだなぁ…。

 

 

 

「今日はこれで終了でーす。ありがとうございました!」

 

ライブ終了の声に合わせてお客さん達からあたたかい拍手が鳴り響く。もちろん私も目一杯の拍手で結束バンドを称えた。ふと廣井さんの方を見ると、目を見開いてニンマリとドヤ顔で結束バンドを見つめていた。この顔の時だけはカッコいいお姉さんって感じなんだけどな…。

 

 

 

「いや~よかったよ~皆の初ライブから観てきた身としては何かこう…込み上げてくるものがあったよ~」

 

「ありがとうございます!」

 

路上ライブを終えて、廣井さんが結束バンドに労いの言葉をかける。やっぱりこういう所は先輩バンドマンだね。

 

「うん、込み上げてきたよ~……胃から…」

 

ん?

 

「それでは廣井さんさようなら!!」

 

あっ皆すごい早さで帰っていく…。

 

アッ!ゴトトリチャンガトケテマスッ!

キッキンチョウカラカイホウサレタショウゲキデ

ドイツモコイツモー!

 

「ぼろろろろろ…」

 

「あー…」

 

シンサクサンゴメーン!

 

虹夏ちゃんが遠くから精一杯の謝罪をしているのが聞こえる。うーん仕方ない、責任をもって見張るって言っちゃったからね!

「廣井さん大丈夫ですか?」

 

「おっ…おっちゃ~ん…」

 

「一応聞きますけど1人で帰れますか?」

 

「むっ無理れす…」

 

「…ふぅ。じゃあ先ず汚した場所を片付けましょう。その後家に来なさい。体調戻ったら駅まで送りますから」

 

「あ…あ~い…」

 

まさか路上ライブを観に行って廣井さんを連れて帰ることになろうとは。でも放置しておくわけにもいかないよね。

 

 

 




次回 酔っぱらいベーシストと◯◯

あのレアキャラが出てくるよ。さて誰だろうね。

↓おまけ
もしもぼっち・ざ・ろっく!のキャラが◯◯だったら

もしも童話の主人公だったら

廣井きくり×浦島太郎

配役
浦島太郎→きくりさん
乙姫→星歌さん
亀→ひとりちゃん

「お前何日居る気だ?」

「え~亀を助けたお礼なんれしょ~?あっおにころおかわり~」

「あっはい」

「限度があるだろ!あと亀ちゃんこいつの言うこと聞かなくていいから」

「あっはい」

「あ~でもそろそろSICK HACKのライブあるから帰らないとかな~」

「おっそうか!よし帰れ今すぐ帰れ」

「うわ~乙姫ちゃん露骨~」

「ほらお土産に玉手箱やるから」

「わ~い。で、これ何~?」

「だから玉手箱だよ。いいか?蓋は開けるなよ?ぜーったい開けるなよ?」

「えーそれって開けろってこと~?」パカッ

「あっバカ!」

モワワワワァァァン…


「アッヒャヒャヒャ!乙姫が婆さんになってら~!!」

「てめぇ…なんでよりによってここで開けるんだよ!あとお前もそんな変わんねえだろうが!!」

「あっ2人とも大丈夫ですか?」

「あれぇ~?亀ちゃん見た目変わらないじゃ~ん」

「あっ亀なので…」

めでたしめでたし?

つづく(え?続けますけど?)
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