ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

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御覧になっていただきありがとうございます。

今回は二部構成。もはや定番となった虹夏ちゃんと叔父さんが一緒に料理する話です。やっぱりこの2人が一番微笑ましいよね


ネットステージと姪と伊地知家カレー前編

本日の仕事が終わり、昨夜ひとりちゃんが言っていたネット投票用の宣伝ビラを受け取りにSTARRYへ向かう。一応その旨を虹夏ちゃんにロインで伝えたところ「ありがとう!待ってるね!あともし晋作さんさえよかったらついでに一緒に晩御飯作りませんか?」というお誘いを受けた。ふむ、嬉しい申し出だね。二家族分まとめて作るのは効率がいいしなにより経済的だ。それに虹夏ちゃんという料理仲間と晩御飯を作るのは、一人で作る時とは違った楽しさがある。さすが虹夏ちゃん、伊地知家の食を支える身として色々考えてるんだなぁ。あ、返信しとこう。

 

 

 

 

それはいいですね!是非一緒に作りましょう!

 

 

 

 

STARRYに着くと受付にPAさんがいた。先日の私の大失態(酔った勢いでの褒め撫で攻撃)を謝罪した時は顔を真っ赤にしながらも一応は許してくれたけど、やっぱりまだ少し罪悪感が残っている。

「こんにちはPAさん」

 

「あら♪おじさまいらっしゃいませー。今日は結束バンドのライブはありませんよ?」

 

「あっ今日はライブを観に来たわけではなくてですね…」

 

「あ♡…もしかして私に会いに来てくれたとかですか?」

 

「いえ虹夏ちゃんからネット投票の宣伝用のビラをもらいに来ただけですよ」

「ですよねーやっぱり虹夏さん目当て…」

 

 

その後何故かテンションが下がっていたPAさんに通してもらいSTARRYの中に入ると、すぐ近くにリョウさんがいた。虹夏ちゃんの姿は見当たらない。

 

「リョウさんこんにちは。虹夏ちゃんはいるかな?」

 

「あれ?晋作オジサンだ。虹夏なら今ネット投票の宣伝ポスターをSTARRYのあちこちに貼りまくってるよ。あんな感じで」

 

そう言ってリョウさんが指差した方に目を向けると、確かに結束バンドのアー写と投票サイトにアクセスできるであろうQRコードが載ったポスターが貼られていた。ふむ、素晴らしい。手作り感満載で温かみがあるね!

 

「晋作オジサンもこのポスターで宣伝ヨロシク」

 

「もちろん、今日はそのために来たからね。…っとその前にちょっとトイレ借りてもいいかな?」

 

「ん、トイレはあっち」

 

「ありがとう」

 

 

 

 

「ふぅ、すっきり…」

数分後、私は男子トイレの個室で用を足し終わり、改めて虹夏ちゃんに宣伝ポスターをもらうためにトイレから出ようとしたが、個室から出た時に予想外の人と目が合った…

 

「うわぁ晋作さん!?ごっごめーん!!」

 

「えっ?にっ虹夏ちゃん!?なんで男子トイレに!?」

よく見ると虹夏ちゃんの手元には件の宣伝ポスターらしきものがある。なるほど、男子トイレにもポスターを貼りに来たのか。だけど中に誰かいるかどうか確認しないまま入ってくるのは少々強引だね。

 

 

私がトイレから出ると、虹夏ちゃんとリョウさんが何やら言い合いをしている。

 

「晋作さんが入ってるなら止めてよ!」

 

「いやぁ熱心だなぁーと思って…フフフ」

 

「山田ァッ!!」

 

「それでどうだった?」

 

「どうって何が?」

 

「だから晋作オジサンの晋作オジサンはどうだった?立派だった?」

 

「知るかぁ!!」

 

「まあまあ2人とも、ビックリしたけど何もなかったしもうその辺で…ね?」

 

「あっごめんね晋作さん、ポスター貼るのに夢中で気付かなくて…」

 

「大丈夫大丈夫、こんなこともあるさ」

 

 

「あらあらー賑やかですねー何の話ですか?」

 

私達がトイレでの遭遇で騒いでいると受付のPAさんが戻ってきて、話題を未確認ライオットのネット投票に戻すことができた。ありがとうPAさん。

 

「虹夏さん張り切ってますねー」

 

「まあね!これから2週間ネットステージだからこういうポスター貼ったりしてドンドン宣伝していくよ!」

 

「男子トイレに突入したりねプフゥ」

 

「お前の顔と背中にも貼ってやろうか?」

 

リョウさんここぞとばかりに虹夏ちゃんを弄ってるなぁ。

 

「そういうリョウは何か宣伝してるの?」

 

「私は…」

 

リョウさんは口ごもる。リョウさんだって次のライブ審査まで進みたいだろうし何にもしてないわけない。

ないよね?

 

「親の病院の待合室で流してもらうことになった…」

 

「結束バンドの曲をかい?」

 

「ごりごりのロックだよ!?」

 

リョウさんご両親にどんな交渉をしたんだろう。まあ一応宣伝にはなるのかな?

 

 

「おはよーございまーす!あっ♪叔父様も来てたんですね!」

 

「あっおはようございます」

 

「喜多ちゃんぼっちちゃんおはよ~」

 

ここでひとりちゃんと喜多さんも合流か。さらに賑やかになってきたね。

 

「クラスの子達皆投票してくれてましたよ~あとイソスタのフォロワーさんとよく行くショップの店員さんにも宣伝しておきました!」

 

「さすが喜多ちゃんだね!」

 

喜多さん顔が広いなー。こういう時の喜多さんは本当に頼りになるね。

 

「それとクラスの皆で“あれ”考えてきましたよ!とっても良いのができたの!ねっ!ひとりちゃん!!」

 

「えっあっはい」

 

「何々~バンドが拡散されるような秘訣かな?」

 

“あれ”とは?私も気になるな。

 

「スローガンですよ!ひとりちゃん、練習の成果見せてあげて!」

「天まで届け魂の音!いざ掴み取れ勝利の栄冠!伝説作れ結束バンド!!」

「です!」

 

ひとりちゃんらしからぬ大きくてハキハキとした声で叫ぶスローガン。きっといっぱい練習したんだろうな。

 

「私も毎日票入れてますよー微力ながら知り合いにも広めてます」

 

「ありがとうございます!」

 

PAさんの知り合いか。PAさんも交友関係広そうだよね。

 

「PAさんのプライベートとか全然知らないや!」

 

「週末は麻布十番のオシャレなバーで高級酒飲んでるんですよね!」

 

「あっいやまぁ…ふっ普段はグローバルな友人達と新時代コンテンツについてのオンラインサロンなど開いてます」

 

「さすが大人の女性!そこにシビれる憧れるわ~!」

 

カタカナがいっぱい出てきておじさんの私にはサッパリ

わからないけどきっとすごいことしてるんだろうな。

「あっそうだ、オンラインといえばこの前結束バンドのことを話してるVTuberさんがいてねー」

 

「へ~晋作さんVTuberとか見るんだ」

 

「うん、おすすめに上がっててね。名前は確か音戯アルトさんっていったかな」

 

「あ…」

 

「VTuberの人にも知ってもらえてるなんて結束バンドも名が売れてきましたね!」

 

「こういうところにもファンがいてくれるのは嬉しいよね。私もこの人が結束バンド推しだって話を聞いて思わずチャンネル登録しちゃったよ」

 

「あ…♡おじさまぁ…」

 

ん?何故かPAさんが恍惚の表情でこっちを見てくるけど何でだろう…。

 

「これだけ宣伝の効果が出てるならかなり票も集まるよね!よーし、やる気出てきたぞ~!!」

 

「あっでっですね!」

 

皆の士気は爆上がりだね。これなら未確認ライオットのネット審査も通過できるかな?

 

「あっもうこんな時間。それじゃあたしと晋作さんは家で晩御飯作ってくるね!晋作さん行こっか!」

 

「あっうん、そうだね」

 

「虹夏、今日のメニューは?」

 

「カレーだけどリョウには関係ないでしょ」

 

「先程は申し訳ありませんでした。どうか私めにもカレーをお恵みください」

 

リョウさんは…また草生活送ってるのかな。

 

 

約束通り虹夏ちゃんと2人でSTARRYを出て伊地知家へ。さっきの話から今日の晩御飯がカレーなのはわかったけど虹夏ちゃん主導で作る伊地知家のカレーだからどんなものになるのか楽しみだ。

 

「たっだいまー!」

 

「お邪魔します」

 

「早速作っていこう!今日は晋作さんにいつもごちそうになってるから食材もこっちでしっかり用意したからね!」

 

「うん、ありがとう」

 

「あっでもその前に晋作さんに一つだけお願いがあるんだけど…いいかな?」

 

虹夏ちゃんは神妙な面持ちで私の目を真っ直ぐ見つめながら問いかけてきた。これはきっと真剣なやつだ。

「…うん。何かな?」

 

「晋作さんのイソスタ…cookstarのことなんだけど…」

 

「うん」

 

「フォロワーたくさんいるよね?」

 

「そうだね。おかげさまで今は6万人くらいいるかな」

…なるほどcookstarのフォロワーさんに結束バンドの宣伝してほしいってお願いかな。…そうだよね、ネット審査を勝ち抜くためにはあらゆる人脈やコネを使うのも戦略の一つだからね。いつもは晩御飯の写真を上げるためのアカウントだけど虹夏ちゃんの頼みなら…

 

「お願い!ネットステージの2週間の間…」

 

「うん」

 

「イソスタのアカウントで結束バンドの宣伝はしないでほしいの!!」

 

「うん…ん?」

え?逆パターン?

 

 

後編へ続く

 

 

 




次回 後編

虹夏ちゃんとカレーを作ったり◯◯したり?


↓おまけ
もしもぼっち・ざ・ろっく!のキャラが◯◯だったら

もしもぼっち・ざ・ろっく!がギャルゲーだったら

私の名前は後藤晋作。どこにでもいる普通の料理人。ある日移動販売でカレーを作っていたら頭がギターの男に「Youの料理に感動したよー。是非私の学園で腕を振るってくれないか」と言われ男子禁制の音楽学校で働くことに。そこで出会った個性豊かな子達との熱いランデブー&アバンチュール。君は全ての女の子のトゥルーエンドを迎えることができるかな?

攻略対象
1 伊地知 虹子
潰れかけのライブハウスを建て直すために音楽学校で経験を積む黄色い髪のサイドテールと大きなリボンが特徴の女子高生。手作りのお弁当を褒めてくれた主人公と仲良くなり次第に惹かれていく。

2 喜多 郁美
スクールカーストの頂点に君臨する陽キャ中の陽キャ。なんでもそつなくこなせる反面突出した能力のない自分に不満を持っている。規格外の飯テロイベントを連発してくる主人公に興味を持ち…

3 ゴットゥーザ・ヒットゥーリ
小さい頃からギターの英才教育を受けてきたいつもピンクのジャージを着ている帰国子女で巨乳。人見知りでコミュ障で巨乳だが一緒にご飯を食べてくれた主人公とだけは普通に会話ができる。あと巨乳



「ここまで考えたよ。売れると思わない?」モグモグ

「私だけ本名でプライバシー皆無なんだけど…」

「というかSTARRYは潰れかけじゃないし!」

「あっわっ私に至ってはドイツ人みたいになってます」

「しかも設定盛り過ぎてワケわからなくなってるわ。あっでも郁美って名前は好きかも♪」

「だいたい、何でリョウは攻略対象にいないのさ!」

「私がご飯を与えられたくらいでおとせるとでも?」モグモグ

「晋作さんの差し入れバクバク食べながら言ってても説得力ないぞ」
「ですね♪」

「あはは…気に入ってもらえたのは嬉しいよ」

「これはこれそれはそれ」モグモグ



つづく(続くはず)
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