ロックな姪と食べさせたい叔父さん   作:氷英

7 / 138
御覧になっていただきありがとうございます。
誤字脱字報告も大変助かります。


頑張った姪と焼肉

ひとりちゃんが全快した月曜日。私も出勤だ。新たな気持ちで頑張ろう!ひとりちゃんはしきりに「憂鬱な月曜日が始まった」と嘆いていたが、ちゃんと登校はしたようだ。

 

今日はひとりちゃんの快気祝いとしてとびきりのご馳走にしてやりたい。安直ではあるけど焼肉とかどうかな。日曜日の時点で体調も食欲もほぼ戻ってたし食べられるよね。

「そうと決まればいい肉を仕入れねば!」

 

 

 

ピロン

ひとりちゃんからのロインだ。

 

 

もうすぐ帰ります

ご飯も食べられます

 

 

今日はライブハウスのバイトもできたみたい。病み上がりなのに頑張ったね。私も張り切って食べさせちゃうぞ。

 

 

「あっただいま帰りました」

 

「ひとりちゃんおかえり。お疲れ様体調は大丈夫かい?」

 

「あっはい。えへへへ、おっお腹すきました」

 

ひとりちゃん全体的になんとなくフヨンフヨンしてるな。口元も緩みきってる。いいことあったのかな?

 

「じゃあ手洗いうがいしておいで。すぐご飯にしよう」

 

「あっはい」

 

本日の晩御飯

 

炊きたてご飯(つや姫)

焼肉(カルビ、ハラミ、タン、シマチョウ、???)

焼き野菜(ピーマン、茄子、南瓜、玉葱)

牛骨スープ

 

「叔父さんが焼いていくからドンドン食べてね」

 

「あっはい」

 

温めたホットプレートにカルビ、ハラミ、タンを焼いていく。野菜は前もって焼いておいた。肉をひっくり返した辺りでいつもの音頭をとる。

 

「では手を合わせてください」

 

「あっはい」

 

「「いただきます」」

 

ご飯を片手に私の育てた肉達をさらっていく。タレ、塩をはじめニンニクにレモン汁等も取り揃えている。カルビをタレにつけパクッといくひとりちゃん。「んん~♪」という声が肉を焼く音と共に響く。これこれ、この声を聴くために私は生きてるんだ。かわいい。

 

「じゃあとっておきのヤツも焼いていくね」

 

「とっとっておきですか?」

 

「希少部位が手に入ったのです…これです!」

じゃん!っという効果音(脳内)で出したのはキメ細かなサシの入ったヒレ肉。またの名を…

「シャトーブリアンです」

 

「ほわぁ…これがあの…えっあっ私なんかが食してつっ罪に問われたりしないでしょうか?」

 

「問われない問われない。しっかり食べて英気を養って」

 

「あっはい」

 

一度ホットプレートの脂や焦げを拭き取り、牛脂を引く。十分に温めたらシャトーブリアン投入。ジュウジュウと小気味いい音を立てる。焼けていく様を凝視しながらタンやハラミ、野菜をモグモグするひとりちゃん。その目はシャトーブリアンを捉えて離さないハンターの目だ。

 

「さあ焼けるよ。準備はいいかい?」

 

「あっはい」

 

ミディアムレアで仕上げたシャトーブリアンを切り分けてひとりちゃんの皿に乗せる。ゴクリと生唾を飲む。テレビのグルメ番組でしか見たことのない代物を目の前にして、ひとりちゃんは緊張してるようだ。

 

「あっここここれは塩コショウだけでいただいた方がよいでしょうか?」

 

「えっ?ひとりちゃんの好きなように食べるといいよ。それが一番美味しい食べ方だからね。ここに用意してない物で使いたい調味料があったら遠慮なく言ってね」

 

「あっはい。じゃっじゃあタレを…」

 

よっぽどタレの味が気に入ったんだね。ご飯に合うからね。わかるよ。

 

1切れをバクッといった瞬間パァっと表情が明るくなる。

 

「あっ美味しいです。柔らかくて…とろけます」

 

「それは何よりだね。奮発した甲斐があったよ」

 

うまいうまいとあっという間に平らげ、シマチョウを焼き出した頃にひとりちゃんが口を開いた。

 

「あっあの今日、結束バンドのギターボーカルがもっ戻ってきてくれて…喜多さんっていう子なんですけど、わっ私と同じ秀華高の子で」

 

「あーそういえば逃げちゃった子がいるって言ってたね」

 

「あっはい、じっ実は喜多さんギターが全く弾けなくて。さっ最初は逃げたことの罪滅ぼしのためにきっ今日だけSTARRYを手伝ってくれたんですけど…そのっ喜多さんはきっと本当はバンド続けたいんじゃないのかなって思ったらかっ体が勝手に動いて引き留めちゃって…」

 

「うん」

 

「そっそうしたら戻ってきてくれることになって」

 

「うんうん」

 

「あっその代わりわっ私がギター教えることになったんですけど…」

 

「なるほど。つまりひとりちゃんのおかげで結束バンドのメンバーが揃った訳だね」

 

「あっはい」

 

「…ひとりちゃん、頑張ったんだね。偉い」

 

「あっいや…私なんか全然大した事してないですよ…うへへ」

 

何故だろう…ひとりちゃんの周りに褒めてオーラが見える。ような気がする。かわいい。

 

「ひとりちゃんは今日一日でいろんな事があったんだね。あっホルモンもう焼けたよ」

 

「あっはい」

 

私に促されて、焼けたシマチョウを1つ口に運ぶ。専用のタレに漬け込んだのでそのままで美味しくいただける。

 

「あっ脂が溶けていって美味しいです。ごっご飯おかわりいいですか?」

 

「もちろん。どんどん食べてね」

 

ひとりちゃん専用の茶碗にご飯を装う。ご飯が進むように味付けして正解だったね。

 

 

ごちそうさまでした

 

 

「そういえばひとりちゃんは喜多さんって子のギターの先生になるんだったね」

 

「あっはい」

 

「ギターを続けてきたからこそ先生という大役に抜擢されたんだね。ひとりちゃんならいい先生になると思うよ」

 

「うへへ…そっそうですかね」

 

「うん。ひとりちゃんが帰ってきた時にご機嫌だった理由がよくわかったよ」

 

「あっ顔に出てましたか?」

 

「うん。なんかフヨフヨしてて可愛かったよ」

 

「かわわ!?」

 

あ、ひとりちゃんをまた溶かしてしまった。褒めすぎると溶けるのいい加減覚えないとな…。

 

 




次回 教える姪と◯◯

ゲストキャラ&叔父さんに新たな設定が付与される?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。