廣井きくりの深酒日記第1巻発売!本編で出番の少ないSICK HACKの解像度上がりまくりの大変素敵な作品です。
さて、今回は珍しくひとりちゃん視点多めです。
19時前にスタジオ練習が終わった。叔父さんのおかげで練習中は皆比較的明るく振る舞っていたけど、内心不安や焦りもあったと思う。週末なので叔父さんの家ではなく自分の家に帰るために電車に乗る。外の景色を見ながら一息ついたところでぼんやりと中間結果のことを考え出した…48位…正直ショックだ。叔父さんはああ言ってくれたけど崖っぷちであることには変わりない。でも学校中の人に宣伝したし、喜多ちゃん曰くエゴサすると呟いている人も結構いるって言ってたな…中には高校生のコスプレして結束バンドの音源を聴かせてくるおばさんもいるらしい。それでもまだ30位圏内に足りないなんて…いっそのこと私のギターヒーロー垢で宣伝すれば…でもなぁ…それは結束バンドの力でもらった票じゃないからなぁ…
…
…
…
<渋谷~渋谷~
「あれ!?かっ考え事してたら全然違う所で降りちゃった…!どどどどうしよう」
あああ焦らず家に遅くなる連絡ををを…いやいやその前に次の電車の時間を調べた方がいいか…?近くの駅員さんに聞けばすぐに…いや無理。仕事中にわざわざ私のために時間を使わせるなんて罪悪感で押し潰される…!
「ほら!あんた達早くしないとスタジオ遅れるわよ!」
ん?何か聞き覚えのある声がしたような…
「あっ」
「あっ」
もしかしなくてもSIDEROSの大槻さんだ。バッチリ目が合ってしまった…どうしよう何て声をかければ…そうだ!こういう時の陰キャ奥義…気づいてないフリ!
グリン!
「そのダイナミック回避は何!?後藤ひとり!なんで毎回そんな反応なのよ!?ちょっと傷つくんだけど!ちょっとだけね!」
「あっいや…じょっ条件反射で」
「ぼっちさん奇遇ですね。ウチら今からスタジオ練習なんで良かったら一緒にどうっすか?」
「えっ」
「わ~それいいね~楽しそ~来て来て~♪」
「えっ」
「幽々もぼっちさんのギター興味あるわ~」
どうしよう私も行く方向で話が進んでる…絶対会話続かないしSIDEROSの邪魔になるから行きたくない!断らないと
「えっあっはい!」
「決まりっすね!さあ行きましょう」
はい無理でした。私にそんな拒否スキル備わっていません
「ちょっと勝手に決めないでよ!私は嫌だからね!」
大槻さんいいぞ、そのまま私を追い払ってください。
「今日のスタジオ5人以上だと格安で大部屋借りれるみたいっすよ」
「…まっまあそういう事なら一緒に来てもいいわよ?」
「チョロいっすね~」
「あれぇ…?」
ああ…これは逃げられないやつだ。
「わ~部屋広~い」
「これは…!使いたかったアンプ!」
渋谷のスタジオに着いたのはいいけど、大槻さん以外よく知らないしこんな状態で練習できない…そうだ!こういう時の陰キャ奥義…ステルス&スマホを無意味にスライドさせて今忙しいんですよアピール!
「ちょっと、時間もったいないから早く準備しなさいよ!」
「あっはい…」
通じなかった…
「…そういえばこの間はオーチューブ動画の撮影でぼっちさんのおじさんに大変お世話になりました」
「えっあっはい」
「そ~そ~おじさんとのスイーツ作り楽しかったです~♪」
「あの浄化スイーツはなかなか真似できるものじゃないわ~。また食べたいわね~」
「ヨヨコ先輩なんか『食べてるところかわいい』ってコメント見てニヤニヤしてたし」
「しっしてない!全然してないから!」
「ぼっちさんは毎日おじさんのご飯が食べられて幸せ者っすね」
「あっいやそんなへへへへ…」
叔父さんのおかげでSIDEROSの人達と自然な会話ができてる…!(できてない)ここで畳み掛けるようにパーソナルスペースブレイカー喜多ちゃんの会話術で一気に仲良く!
「あっはっ長谷川さんかわい…っはっ肌白…ふへへっロッロインID教えて…?」
「ぼっちさん距離の詰め方えぐいっすね…」
あれぇ…?喜多ちゃんの真似しただけなのに…
気を取り直して練習開始
って言われても何をすれば…とりあえずニコニコして輪に入れてる感出しながら大槻さんの側で弾いてよう。あっ、近くで聴くと大槻さんのギターやっぱりうまいな…。
「あの~そろそろいつものやらないっすか?」
「ん、そうね」
え?いつものって何?そんな居酒屋で常連客が頼むメニューみたいなこと言われてもわからない
「ぼっちさんもよかったらどうぞ」
「あっはい」
「じゃハチロクでいくんでカウント6でてきとーに!」
ズダダダダンッジャーン!!
「っ!?」
すごい…迫力と一体感が段違いだ…!…私もっ!
SIDEROSに混ざって夢中で弾いていたらあっという間に休憩の時間になった…。正直この時間の方が苦痛だ…。
「あっ大槻さんはどうしてフェスに出ようと思ったんですか?」
「そんなの一番になりたいからよ?」
即答…さすがだ。
「かっ仮に優勝できなかったらどうしますか?」
「絶対優勝するけど?」
また即答。大槻さんはすごいな…。
「まぁ優勝できなかったら死ぬほど悔しいけど、たかが一度の挫折で一喜一憂なんてしないわ。今の私達にとってはバンドを成長させるための通過点に過ぎないもの」
「通過点…」
「目標はもっと大きくビルボードチャート1位とかね!最後に私達が一番だったらそれでいいのよ!!」
「…っ!」
「何かその言い方だとウチら悪役みたいっすね…でもヨヨコ先輩対バン相手の方が盛り上がってると裏で毎回泣いてるっすよね~?」
「は!?泣いてないし!全然泣いてない!!」
ああ…まだまだ結束力も完成度も敵わないや!
「あっありがとうございました!わっ私今日はもう帰ります!」
「えっ?ちょっ待っ私もちょっと聞きたいことが…」
私も立ち止まってる場合じゃない。あと一週間、やれることはたくさんあるはず!今の私達にできることを全力でやろう!
って思ったけど…
「おねーさーん、いいバイトあるよ~話だけでも聞いてかな~い?」
「ってーなぁ!てめぇぶつかっておいて謝りもしねーのかよ!」
「あぁ!?やんのかコラァ!!」
その前にこの地獄(渋谷)から抜け出さないと…誰かに連絡…お父さんは…無理、遠すぎて私の精神がもたない!虹夏ちゃん…いやさすがに同じ未成年にこの地獄(渋谷)を歩き回らせるわけにはいかない!じゃあやっぱり…叔父さんに…
ピロン
ん?ロインの…通話?しかもひとりちゃんからだ。通話で連絡してくるのは珍しいね。
「はいもしも『あっ!おっおおおおあお叔父さん!』
「ひとりちゃん?どうしたのそんなに慌てて」
『あっあの、じっ実は今渋谷にいまして…』
「渋谷…あれ?今日は帰る日じゃなかったっけ?」
説明を聞くと、ひとりちゃんはどうやらSIDEROSの皆とばったり出会った後なんやかんやで最終的に渋谷という魔境で立ち往生しているらしい。金沢八景に帰るよりも私が迎えに行った方が安全と判断しての連絡みたい。ふむ、頼られたからには叔父さん応えないわけにはいかないね!
「事情はわかったよ。すぐに行くから待っててね」
『あっはい、はっ早めにお願いします…』
渋谷に到着し、直前の連絡で教えてもらったひとりちゃんの現在地へ向かう。よく待ち合わせに使われているハチ公像にへばり着いてプルプル震えているピンク色の塊が視界に入った。うん、絶対にこれだね。
「ひとりちゃん、来たよ。大丈夫?」
「あっ叔父さん!」
ひとりちゃんは私の声に反応して今度は私の腰に腕を回ししがみついてきた。苦しい…あと何か柔らかいのが当たってて反応に困るな。
「ひとりちゃんとりあえず離れようか。周りの視線が…」
「あっはいすいません、ありがとうございます。わざわざ来てもらって…たっ助かりました」
「それは何よりだね。今日はどうする?家(金沢八景)帰れそうかい?」
グゥゥゥ…
「あっ…お腹すきました…エヘヘ」
さすが10代の代謝だね。そりゃSTARRYでも渋谷でも練習してたんだからお腹もペコペコになるよね!
「そっか…じゃあ下北沢に戻って…せっかくだし外で何か食べようか」
「あっ…はい」
ひとりちゃんと共に下北沢へと帰って来た。電車の中ではお腹の音を鳴らしながらも渋谷でSIDEROSとスタジオ練習したことを楽しそうに話してくれた。その表情は昼間のそれとはまるで別人のようで、中間結果を見た時の動揺など微塵も感じ取れないほどに何か吹っ切れたような…そう、未確認ライオットに出ることを決めた時と同じような決意に満ちた顔をしていた。
「あっ…ここ、食べてみたいです」
どこでご飯を食べようかと下北沢駅付近を歩いていると、昭和のドラマやアニメでしか見ないような屋台を見つけたひとりちゃんがそう言った。
「えっここでいいのかい?」
「あっはい…ここが…いいです。多分1人じゃ絶対入れないので…」
「うん、じゃあ行こうか」
本日の晩御飯
下北沢の屋台のラーメン(トッピング全部のせ)
「では手を合わせてください」
「あっはい」
「「いただきます」」
年季の入った器に王道のしょうゆ味のスープ、中太ちぢれ麺とチャーシュー、メンマ、ナルト、味玉、海苔、葱…これでもかと盛られた具材がラーメンを彩っている。これはさすがに私でも作るのは難しいね。ひとりちゃんはよっぽどお腹がすいていたのかハフハフズルズルとラーメンを啜り出す。かわいい。
「んぐっんぐっ…はぁ~美味しいです」
「そうだね。こういう屋台で食べるっていう特別感も含めてご馳走だね」
「でっですね。…あの、叔父さん」
「ん、なんだい?」
「これ食べた後皆ともう少し練習できますかね…?」
「えっこの後?うーん…どうだろう」
「あっロインで皆に聞いてみますね」
ひとりちゃん、SIDEROSの皆に触発されてやる気に満ち溢れてるね。練習できるかどうかは置いといてこの熱い思いを遮るのは野暮というものか。
「あっ今から集まったら明日に支障が出るからって断られちゃいました…」
「そっか。でもひとりちゃんのやる気は皆に十分伝わったんじゃないかな。きっと次に練習する時は実りあるものになると思うよ」
「あっ…はい!」
「さっラーメン伸びちゃうから食べちゃおっか」
「あっはい」
今日はひとりちゃんが大いに成長する一日になったみたいだね。ここから一週間が勝負…私も私にできることで最後まで結束バンドを応援するぞ!
ごちそうさまでした
下北沢に所謂屋台のラーメン屋さんが本当にあるかどうかはわかりません(リサーチ不足)でもあった方がおもしろいじゃん?(なかったらごめんなさい)
次回 最終順位と姪と◯◯
↓おまけ
もしもぼっち・ざ・ろっく!のキャラが◯◯だったら
もしも皆でア◯ングアスをやったら2
※作者はアモン◯アス初心者です
前回までの流れ
世界のYAMADA死亡!
参加者一覧
BOCCHI
虹サマー
世界のYAMADA
キターン☆ミ
ヨヨコ
あくびちゃん
ふーこ
UU
この中に2人殺人鬼がいる!
あくびちゃん「はい、ついに最初の犠牲者が出ちゃったっすね。あ、世界のYAMADAさんはミュートにしてくださいね。死人に口なしっす。それで通報したのは…」
虹サマー「はーい、あたしだよ。リョウ…じゃなかった世界のYAMADAめ、ベタな死亡フラグ立てるからこんなことに」
キターン☆ミ「うう…先輩、まさか一番最初だなんて…」
ヨヨコ「それで死体はどこにあったの?」
虹サマー「えっとねー…マップの左下辺りかな」
あくびちゃん「下部エンジンっすね」
虹サマー「そうそうそこだよ。電気室の停電直すタスク?が終わったからやりかけの自分のタスクやりに戻ろうとしたら真っ二つになった世界のYAMADAが…」
あくびちゃん「電気室には結構な人数が集まってたっすよね」
ふーこ「私とあくびちゃんと虹サマーさんとヨヨコさん、それにキターン☆ミさんとBOCCHIさんがいたわねー♪」
ヨヨコ「世界のYAMADAは犠牲者だから仕方ないとしてUUは何処にいたの?」
UU「UUわー、通信室のタスクが終わった後わずっと管理室にいたわー」
BOCCHI「かっ管理室…あっ私と喜多ちゃ…キターン☆ミさんが電気室に向かう時に通りました」
UU「そうそこよー。残念ながら停電中だったからBOCCHIさん達が通ったかどうかはわからないけどー」
ふーこ「管理室なら何処の部屋に何人居るか確認してたって感じー?」
UU「そうね。電気室に6人いて、管理室と下部エンジンに1人ずついるところわ確認したわー」
ヨヨコ「うーん…UUが殺人鬼の可能性はゼロじゃないけど…言ってることは本当っぽいわね」
あくびちゃん「そうっすね。孤立してたからといってそれが殺人鬼の決め手になるわけではないのがこのゲームの面白いところっすね」
その後、話は進展せず投票スキップでこの会議は終わった
再びBOCCHI視点でお送りします。
「えっと、とりあえず自分のタスクを終わらせないと…あっ喜多ちゃん私が動くの待ってくれてる…」
BOCCHIの周りをウロチョロしているキターン☆ミ
「酸素ルームって所にもタスクがあるから行ってみよう」
酸素ルームへ向かうBOCCHIとそれに着いていくキターン☆ミ
途中キターン☆ミがナビゲーションへ寄り道
「喜多ちゃんが離れてく…そっちに喜多ちゃんのタスクがあるのかな?着いてってみよう。あっ大槻さんもいる…」
BOCCHIがナビゲーション入り口付近まで行くとキターン☆ミとヨヨコがバタバタ動き回っている。BOCCHIもその場で一緒になって動き回る。
「えへへ…何かこれ楽しいな」
ヨヨコがナビゲーションから出て下のシールドルームへ向かい、キターン☆ミは再びBOCCHIに着いていく
「喜多ちゃん、大槻さんを見かけたから挨拶しに行ったのかな?もし大槻さんが喜多ちゃんをキルしても私が目撃者になれるから…」
BOCCHIとキターン☆ミが酸素ルームへ到着
「それじゃあ気を取り直してタスクを…」
ピンポンパンポーン
死体が発見されました!
デデーン
あくびちゃん
「あ、長谷川さんが…!?」
つづく(殺人鬼は誰と誰かなぁ?)