誤字脱字報告も大変助かります!
今回はひとりちゃんと喜多ちゃんが一緒に水着を買いに行ったという原作のセリフを頼りに1話書いちゃったぜ☆
例によってそこに叔父さんを捩じ込んでるぜ!
「叔父様!これなんかどうですか?」
「ああうん、良いんじゃないかな。よく似合ってるよ」
「あっ!こっちの色もいいと思いませんか?」
「そ、そうだね。かわいいと思うよ」
今私たちは若者のファッションの最先端が集う場所、渋谷の108に来ている。目的はひとりちゃんと喜多さんが着る水着を選ぶためだ。現在喜多さんが絶え間なく見せてくる水着の感想を考えるのに必死で、周りも若い男女ばかりなのでおじさんな私は正直居心地が悪い。後ろではひとりちゃんが店員さんに見つからないように私の背に隠れて存在感を消しながら(消せてない)こっそり自分の水着を選んでいる。何故このような状況になっているかというと…
時は少し戻って旅行の予定が決まった日
「叔父様も一緒に行って私たちの水着選んでくださいね!」
「えっ?何で私と?」
「せっかく海へ行くんですからかわいくて映える水着を着たいですし、一緒に行く叔父様の意見も聞きたいんです!ね!ひとりちゃん!」キターン
「えっいやっあっはい」
「いやでも、男の意見が聞きたいなら同世代の…クラスの気になる男子とか誘った方が…」
「…叔父様は私のことお嫌いですか?」
「えっ!?いやそんなことはないよ!?」
「でもこの前のカラオケのお誘いも断ったじゃないですか!あの時言った『また今度』は嘘だったんですか?」
「うっ…それは確かに言ったかも…」
「クスン…きっと叔父様は私とお出掛けするのが嫌なのね…。そうよね、私は結束バンドの中で一番叔父様と親密になれてないもの。伊地知先輩ほど料理できないし、リョウ先輩みたいに1人で叔父様のご飯食べに来てないし、ひとりちゃんみたいな姪っ子でもない…」
「喜多さん…」
そんなつもりはなかったけど悪いことをしてしまったな…知らず知らずのうちに喜多さんに不満が溜まっていたみたいだ。これは私が思ってるよりもずっと深くて複雑な悩みなのかもしれない。
「だから今回のお出掛けで叔父様との親睦を深めたいんです!」キターン
と思ったらすごく前向きだった!喜多さんすごいな。
というやり取りがあっての108。旅行の話もそうだけど、私は押しに弱すぎるな。
「叔父様!叔父様も私たちに選んでください!」
「「えっ」」
おっと反応がひとりちゃんとシンクロしてしまった。ひとりちゃんは私に水着を選ばれるのがよほど嫌なのか体全体が崩れかかっている…。
「ひとりちゃんも叔父様に選んでほしいわよね!」
「えっあっいやっ…」
ひとりちゃんはついに顔面崩壊が始まった。喜多さんはそれを気にすることなく私の背中を押して最新デザインの水着が陳列されている場所へ誘導してきた。ひとりちゃんも取り残されないように付いてくる。
「ほらほら叔父様、どれがいいですか?試着しますから選んでください」
「えっえっと…」
あっこれは何かしら選ばないと終わらないやつだ。どうする私…どんな水着を選べばいいのかわからない…。周りを見てみるとカラフルで可愛らしいものから明らかに布面積が少ないものまで多種多様の水着がある。後者は論外として正直ひとりちゃんと喜多さんのポテンシャルならどの水着を着てもかわいいと思うんだけど…これを言ってはいけないんだろうな。ええいままよ!
「じゃあこれと…これを!」
「えっこれ…」
「はーい♪じゃあ早速試着してきますね!ひとりちゃん行きましょう!」
「あっえっ」
私の選んだ水着を手にした喜多さんは意気揚々とひとりちゃんを引きずってそれぞれ試着室に入っていった。私も後に続いて試着室の横で待つ。ごめんひとりちゃん、なるべく普通のやつを選んだつもりだから今は耐えておくれ…。
試着室に入って数分後。
「じゃーん!どうですか叔父様!」
先に出てきたのは喜多さん。喜多さんにはフリルが付いた可愛らしいビキニを渡した。
「うん、今までで一番かわいいよ」
「ウフフ♡ありがとうございます♪私これにしますね!」
ふう、どうやら気に入ってもらえたみたいだ。適当に取った水着だったけどなんとかなったね。さて、ひとりちゃんは大丈夫かな?
「ひとりちゃんはどう?着れたかしら?」
喜多さんがひとりちゃんの返答を待たずに試着室のカーテンを少し捲った。途端に「きゃあ」という悲鳴が上がる。声の主は喜多さんの方で、ひとりちゃんの「あっ」とか「えっ」という声もわずかに漏れ聞こえてくる。
「ひとりちゃん!その着方はあまりにも卑猥すぎるわ!隠すべき部分が全部出ちゃってるわよ!」
「あっでっですよね、てっきり陽キャはわざとこうやって見せびらかすものなのかなと…」
「ひとりちゃん、その陽キャへの謎の偏見はなんなの!?陽キャでもそんな着方しないわ!」
「出る?見せる?私はひとりちゃんにそんな危険な水着を選んではいないはずなんだけど…」
一体どんな状態なんだろうか…。喜多さんはひとりちゃんの試着を手伝うために試着室に入っていく。当然私は待っていることしかできない。暫くガサゴソと物音がして喜多さんの修正が入っていることがうかがえた。そのうち喜多さんの顔がひょこっと出てきて…
「叔父様、ひとりちゃんも着れましたよ!」
のセリフと共にカーテンが開かれ水着のひとりちゃんの姿が露になる。
「っ!?」
私は言葉に詰まってしまった…ものすごい美少女がそこにいたからだ。私がひとりちゃんに選んだのはシンプルな白いビキニで、夏の陽射しから守るための麦わら帽子と膝にかかるくらいの丈のパレオも装備している。
「はぁ~♡これよこれ!ひとりちゃんはちゃんとしたらかわいいのよ!叔父様もそう思いますよね?」
「うっうん…その、すごく似合ってるよ」
私は思わず目を逸らした。元々色白の綺麗な肌とビキニの白色の合わせ技は反則級にかわいい。自信なさげに両手で麦わら帽子のツバをもって顔を隠すひとりちゃんの姿勢は、逆に想像以上に立派に育った胸部を強調する形になってしまっていて叔父として直視することができない。おそらく今のひとりちゃんの出で立ちを見たらほとんどの男性が魅了されてしまうんじゃないだろうか…。
「あっ…そうですよね…むっ無価値なもの見せてすいません。も、もう脱いでもいいですか?」
ひとりちゃんはそそくさと引っ込んでカーテンを閉めてしまった。超絶水着美少女の姿の披露は時間にして約10秒、私が目視した時間はもっと短かったけど、あの強烈な印象は脳裏に焼き付いて離れない。兄さんに知られたら◯され確定だろうな…。
「お買い上げありがとうございましたー」
渋谷の108で水着を選ぶという高難易度任務を終えて3人で下北沢へ戻る途中、晩御飯の食材を買うためにショッピングモールへ寄り道。そこで『世界のチーズフェア』という催し物を発見した。
「おお!これは…グリュイエールチーズにエメンタールチーズ、ゴーダチーズも!ほほう、パルミジャーノ・レッジャーノまで…!」
王道のものから普段お目にかかれない珍しいものまであらゆるチーズが目白押しだ!これは晩御飯にこの子たちに食べさせてあげたいな。
「叔父様…私たちの水着姿を見た時よりも目を輝かせているわね…」
「あっですね…お、叔父さんらしいですけど」
予想外の食材も手に入り、ホクホクで自宅に戻ってきた。
早速晩御飯を作っていこう。
グリュイエールチーズ、エメンタールチーズ、ゴーダチーズを小さく刻み、片栗粉をまぶしておく。鍋にニンニク片を擦り付けて白ワインを温める。弱火にして刻んだチーズを少しずつ入れながら溶かしたら「完成」
本日の晩御飯
叔父さん特製チーズフォンデュ
切り干し大根の明太子和え
ほうれん草の豆乳ポタージュ
「では手を合わせてください」
「あっはい」
「はーい♪」
「「「いただきます」」」
今日は衝動買いしてきた各種チーズを使って作ったチーズフォンデュ。具材もバゲット、ソーセージ、炙りベーコン、ポテト、ブロッコリー、アスパラガス。変わり種にベビーカステラを用意した。ちょっと多かったかな?
「わぁ~チーズトロトロ~♪パンにもベーコンにも合うわね!」
「あっあつつ…んっんむっあっおいふぃれふ」
「はむっ…ん~♪ベビーカステラまで用意してるなんて…叔父様は女の子の好みを把握しすぎです!」
「ハフ…ハフ…あむあむ…」
うんうん、2人ともよく食べてくれてるね。作った甲斐があったというものだ。
「ひとりちゃん、落ち着いて食べて火傷に気をつけてね」
「あっふぁい」
チーズを絡めたポテトを口いっぱいに頬張って返事をする姿。今日の水着姿とは別ベクトルでかわいい。
「そういえばひとりちゃんは結局どんな水着を買ったのかしら?」
「あっそれは…」
少しもじもじしている。さすがに私の前で言うのは恥ずかしいのかな?
「おっ叔父さんが選んでくれたのを…買いました」
「えっ本当に?あれでよかったのかい?」
「あっはい…あれがよかったので…えへへ」
「ひとりちゃんなら絶対似合うわよ!ね、叔父様!」
「うんそうだね、虹夏ちゃんやリョウさんもびっくりするんじゃないかな…きっと楽しい旅行になると思うよ」
「あっですかね?へへへへ」
あっ体全体がフヨンフヨンし出したね。渋谷にいる時はカタカタ震えて落ち着かない様子だったけどひとりちゃんらしさが戻ってきたようだね。
ごちそうさまでした
「叔父様!ごちそうさまでした!水着選んでくれてありがとうございました♪素敵な旅行にしましょうね!」
「喜多さんもたくさん食べてくれてありがとう。良い旅にしようね」
喜多さんの帰り道
「私も叔父様が選んだ水着にしちゃったのよね…」
『今までで一番かわいいよ』
「ふふふ♡楽しみね♪」
補足という蛇足
今回叔父さんが選んだのでひとりちゃんの水着は原作と異なります。喜多さんは同じです。
次回 別荘と姪と◯◯
お待ちかね水着回だー。しかし叔父さんなので健全でなければならない(白目)
↓おまけ
虹夏ちゃんだって気になります
「むむむ…」
「おーい虹夏、今日の晩御飯…ってまたやってるのか?最近ずっと鏡とにらめっこしてるな」
「あっお姉ちゃん、この水着変じゃないかな?子供っぽかったりしない?」
「なに着たってそんな変わらんだろ。それで十分似合ってるよ」
「でも…晋作さんも行く事になったし、あたし体型に自信ないからせめて水着はちゃんとしたの着たいと思って…」
「あー…晋作さんはそういうの気にしないと思うぞ?」
「むぅ…気にしてほしいから聞いてるのに…」
「え?」
「なんでもない!」
つづく(しかしラブコメではないのです)