side ???
『これより任務を始める。任務内容はツィマッド社実験場の襲撃と尾白流星の捕獲、又は殺害。
きっと目標はISを使って応戦してくるものと見られます。2日連続の任務で疲れてるのは申し訳ないけど、気は抜かないようにね』
「……了解」
……2日連続の任務か。
でも生きるためには任務をこなして報酬をもらうしか道はない。
────―
『VOB残りエネルギーゼロ、パージする』
背部のブースターが切り離されて自壊しながら落下していく。
作戦区域に入って目標の施設などがだんだんと見えてくる。
(『新しい情報がはいってきた。ターゲットは新型ISの操縦試験後、今から示す施設に入った模様。先にそっちをやる?』)
そう言ってHUDに『TGT』と書かれた建物が出現する。……先に人の方を片付けたほうがいいかな。
「……分かった。そっちを先に片付ける。……メインシステム:戦闘モードに移行」
ジェネレーターが唸りだし、出力が目に見えて上昇していく。
右手武器
左手武器
両肩武器
いつもの武器をコールし、戦闘に備える。窓からはいるのは気づかれる可能性がある。なら壁から……
「……っ!?」
壁から施設に侵入した途端に突然体全体に鈍い衝撃が走り、ISが急停止する。
『なっ、気づかれていた!? 施設のアラームは一つもなってないのに!?』
大きな盾を持った目標はこちらを見て驚いているようだった。
「ホワイト・グリントだと……!?」
なぜこの機体の名前を知っているのだろうか……まぁいい。任務を続けよう。
「……何の用事でここに来た」
完全にこちらをまだ敵視していなくてこちらを見ているだけ……? 目標との交渉の余地はあるのかな……?
(『了解』)
『こんにちは、尾白流星さん。パイロットに代わりこの機体のオペレーションをしている者が私達の目的を説明します。
私達の任務はあなたの捕獲を指示されています。手荒な真似はしたくありません、どうか抵抗せずについていただけないでしょうか?』
機体のスピーカーからオペレーターが目標に説明する。うまくいくといいけど……
「……結局連れて行って殺されることが目に見えている。その話には乗れないな」
目標がこちらの目的を否と答えた。
……交渉は失敗したか。でもここで逃がす訳にはいかない。
『……残念です』
突然目標が
(『逃げるつもり!?』)
割れた窓を通り目標を追いかける。
だが目標は逃げることなくその場に佇んでいた。
さっきと違って目標の右手に大型砲、左手にはシールドが装備されている。足にもなにか増えているものがあるが、ミサイルの類だろうか。
「やるならこちらの方がやりやすいだろう?」
『あなたがやられる場所が変わっただけです。あなたが武装までも展開して戦うことを望んだ以上、今から降伏しても聞き入れませんよ?』
「上等だっ!」
────―
戦闘が開始してからもう30分程が過ぎようとしている。
先程まで両者共に飛び回ってたまに狙えそうになったら射撃することを繰り返していたが、目標が先程まで使っていたプルパップ式の銃を捨てた後に使い始めている大型砲が出てきたことにより劣勢に立たされていた。
バックでミサイルを発射しながら両手の武器で目標に射撃する。
向こうも左の盾をこちらに向けて追いかけてきながら大型砲を発射している。
時折なにかのタイミングでミサイルも接近してくる。
一定間隔で走る衝撃と共に減っていくアーマー値。一方あちらには目に見えてわかる重装甲で特にこれと言ったダメージを与えることができていない。
(『なんであの
いくら避けても右手の大型砲に被弾してしまう。付け入る隙がない。
カチッカチッ
……右の銃が弾切れ。カートリッジを拡張領域から取り出してリロード……カートリッジがもうない!?
左の銃もいつ弾切れを起こすか……(『
弾幕が薄くなったからか、目標がピンクの刀身を持ったサーベルを取り出して接近してくる。
エネルギー系の近接武器!?
こっちは格闘武器内から避けるしかっ
「ぐぅっ……」
こちらの装甲が削られ深刻なダメージを食らってしまう。
(『PA残り25%及び残りSE12%! まずい! 撤退する!?』)
……なんだろう、この高揚感は。
今までこれほど強い敵に出会ったことがない。
まだまだ
(『これはっ!?』)
私の機体は突然光に包まれた。
────―
side流星
「
あの黒いホワイトグリントは肩部ブースター部から触手? のようなものが飛び出して全体のシルエットが変化している。
(『大丈夫か?』)
なんとかな。多分あれは無害化できてないコジマを動力源に使ってるだろうから後で
(『随分とできる敵のようだな』)
弾幕を切らさないようにリロードが重ならないようにしたり、機動の方も二段QB、いや
だが心なしか相手の加速後の動きが、少し単調なので狙いやすかったのが災いしたな。狙いやすかったぞ。
ISは学習して今までの戦闘・経験から搭乗者が一番望むであろう形を
だからさっきまでのようにうまくいかないだろう。相手の機体各部の装甲が時折展開しており、さっきまで使って来なかった
さて何で仕掛けてくるって、
「レーザーだと!?」
肩部の武装はレーザー砲に変化したか。弾速が速いから非常に面倒なやつになってる。
右手の銃は変化してないようだが、左手の銃は変化している。……性能が上がっているだろうから警戒が必要だな。
しかし向こうのSEはどれくらい回復したんだ? シャア、少しコアネットワークで調べを入れてくれ。その間
(『わかった。…………ほう。流星、相手のSEは回復したとはいえ3割強といったところか』)
ならゴリ押しでもう終わらせるとしようか。さすがに超高機動の敵とずっと戦うのも疲れてきた。
両手にビームサーベルを持ち接近戦を仕掛ける。
相手が近づかせまいとまた二連瞬間加速をまぜた引き撃ちを始めるが、
何度も瞬間加速して機体の限界速を維持して突撃する。
体がきしむように痛いが、あと数秒の辛抱だ。
二本のサーベルを黒いホワイト・グリントに刺突する。
相手の機体はエネルギーが底を尽き、活動を停止した。
倒れゆく黒いホワイト・グリントが解除されて出てきたパイロットは……
「少女、か……」
髪や肌までも真っ白で見えている顔や腕、足に打撲や出血が見られる。さっきの戦闘でついたものもあるだろうが、この感じは最低限の手当てしかできてない。
『尾白さん! 大丈夫でしたか!?』
スピーカーからツィマッド社員が話してくる。
「……なんとか。さっきのパイロットの少女を保護した、すぐ俺がそっちに行く。このあたりは無害化してないと思われるコジマ粒子が結構拡がっている。除染作業を頼めるか?」
『コジマ粒子が? 了解しました。コジマ粒子の除染作業をするから待機してる奴ら急げ! 』
──────
医務室、無数回、長短間隔で瞬間加速して疲れ切った身体の検査して特にコジマ汚染なども身体に見られなかった俺は襲撃者についての調査結果を聞いていた。
「──―やはりあの機体、もとの有害なコジマ粒子をジェネレーターの動力源に使ってました。
周辺の除染作業はすぐに終わりそうですが、流星さんの機体の汚染が少しひどくて……
今預かっている機体本体の洗浄作業が終了するのは全力を持ってしても3週間後となる予定です……本当に申し訳ありません。
……その間、何かあの機体が必要になることがありますか?」
3週間、か……
「……いや、特に今の所必要になる場面はないな。IS学園でも訓練機を使うことにする。……して、あの子の様体は?」
「5分前に確認したところではそろそろ目を覚ましそうでしたよ。……何か話しに行きますか?」
「ああ、話に行くとしよう」
……? どうしたシャア? (『少しあのパイロットのオペレーターと話した……今から一部始終を説明する』)
────―
ある端末内
『ごきげんよう、尾白流星が使っているISのコア人格さん』
『やぁ、どうも。私にはシャア・アズナブルという名前があるのだがね……まぁいい、君の名前は?』
『失礼しましたシャアさん。私はBS77-4通称ナナシ、と呼ばれています。私自体は今まで彼女しか認識していなかったので通称はいささかおかしいかもしれませんが』
『……それで、なぜ今回このような真似をした』
『信じていただけるかはわかりませんが、彼女はとある傭兵組織に属していました。そこの組織をよく使っていた亡国機業からの依頼です』
『……なぜ任務内容を晒した』
『任務は失敗しました。そしてもうその情報は雇い主に彼女の体に入っていたナノマシン──―もう破壊してもらいましたが。それによってもうそのことは雇い主に知られています。
それにより、彼女の帰る場所が雇い主によって無くなりました。……もとより任務を拒否しようともし任務が成功しようとそうなる予定だったようですが』
『さっきの言ってた場所がか?』
『はい。
それで今回、私の独断により任務をあえて受けて彼女が安心して暮らせる場所であり彼がパートナー、
すなわち強い相棒であるかどうかを判断し、もしその技量が認められた場合、このようにお願いさせていただくためこのような行為を起こしました』
『最初からそう説明すればよかったものを……だいたい事情は分かった、私の口から伝えとく。彼のことだ。きっと許してくれるだろう』
『……感謝します』
『それと、流星はそんなヤワではないぞ』
『……期待しておきましょう』
────―
……何で俺のことをそんなふうに見てるんですかねぇ?
(『……だめだったか?』)
まぁもとよりあの子はIS学園に通わせるつもりだったし、向こうの意思もだいたい確認できた。
別に話がスムーズに進みそうで良かったよ。
(『やはり、流星は優しいな』)
「着きました。おや? ……もう目を覚ましているようですね。彼女の処分はどのようにするつもりで?」
「彼女の意思を尊重しようと思っているが、あなたはどうしたい?」
「おそらく誰もあなたの意見に反対する人はいませんよ。いつもあなたが正しいと思って行動したことはだいたいうまく行ってますから」
「……ありがとう」
────―
病棟内、ベットに横たわる彼女に話しかける。
「話は君のオペレーター、ナナシさんから聞いてるよ。名前はもう知ってると思うけど、尾白流星という。もしよければ君の名を教えてくれないかな」
表情筋が弱っているのだろうか、あまり表情の変化は見られず、口が動く。
「……あの子が……
私は傭兵組織『カラード』所属リンクス名:Hollow.Zainの『C4.621』(カラードヴェセラ.ロニィ)。
……私をどうするの? 」
カラードに虚構の存在……ねぇ……最近裏社会でよく耳にする腕のある傭兵だったとはな……
実在するなら
それはそれとして
「……君には2つの選択肢がある。まず一つ、ツィマッド社のパイロットになって俺と同じIS学園に行く。
そしてもう一つは、お金を渡すからそれで傭兵業から足を洗って生活するかだ。どっちがいいとは言わない、好きな方を選んでくれ」
「……警察に突き出したりはしないの?」
そんなことして誰が喜ぶ? 少なくともツィマッドの奴らはこんなことして喜ばないな。
「そんなこと誰がするか。まだ君は遅くない、どっちにする?」
「私は──―
流星についていく」
「……それでいいんだな?」
「……うん。よろしく相棒」
彼女が少し微笑む。なんだ、笑えるじゃないか。
「これからよろしく、ロニィ」
今回のアレックスはペイルライダー重装備の装備です
次回リコリス回です。(唐突)
カロリーメイトを「――すぎる!」と言いながら食べてお待ち下さい。
実働部隊第一部隊、出るよ。複数採用しています。是非お待ちを。
まだまだ募集中です。是非参加を……
ツィマッド社の実働部隊
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=299773&uid=427875
こっちも是非……
自分のISを作ろう!
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=298944&uid=427875
敵として出るなら……どれ?
-
よう、首輪突き。
-
世に平穏のあらんことを
-
私こそが企業だ!