といっても本編も少し進みます。
今回は大浜 響さんのペイルライダーが出てきます。
side マドカ
IS学園の学生寮内、同室となった布仏本音と風呂上がり後に話している。
「昼のセッシーサンド……凄かったねぇ〜」
「なぜあの時ロニィの行動に気が付かなかったのだろうか……」
あの時、ロニィが首を横に振っている理由を聞いとけば、あの様な惨事にならなかっただろう。
「そういえば朝の実習で見たマドマドの専用機ってかんちゃんのハマリングと似てるよね〜」
「そうか?」
確かに全体の意匠や、装甲の配置などはかなり似た点が多いかもしれない。
「もしかしてりゅーりゅーと同じ会社だったりするの〜?」
「そうだ。最近貰ったばかりの第3世代機って言われたな」
「へぇ〜! どういう経緯でマドマドの機体が?」
「それはだな──―」
少し前の話をするとしよう。
────―
ツィマッド社実験場、私は濃紺と青い装甲で形成されたISを身に纏って、横ににいる兎の耳を付けてツィマッドのマークが入った白衣を着る女性が話している。
「この機体はね、ペイルライダーっていうんだ! フレームとか装甲はツィマッドのみんなが作ったんだけど、ソフト面は私のお墨付きだよー! ブイブイ!」
「は、はぁ……」
篠ノ之博士の制作に携わった機体とは……
「それじゃあ早速機体のテストを始めようか!」
そういって左手にいつの間にか持っていたボタンを押す。
すると、前の地面が2つに割れて下から別の地面が何かとともにせり上がってくる。
「な、何だのはあれは……!?」
目の前に現れるのは白とオレンジの横に大きく翼のように大きく広がった装甲を持つ自分と同じくらいの機械。
「あれはハシュマルっていって無人のツィマッド社警備ロボットです!
鳥みたいでかわいいでしょー!」
それに合わせて肯定するかのようにギャンと鳴く。
かわい、い?
「……今からあれと戦うのですか?」
「君のような勘のいい娘は嫌いじゃないよ!
ちゃんとリミッターは付いてるし、ハシュマルにもSEとほぼ同じ物を付けたから本気でやっちゃってオッケー!」
それでは行くとしようか。
「それでは試験開始ぃ!」
合図と同時に垂直に跳躍して司令部に飛んでいく篠ノ之博士。
なぜあれほどの跳躍力を持っているか不明だが、今は前の相手に集中するとしようか。
ビームライフルで撃つが……
「弾かれた!?」
『一定時間はビーム兵器無効の装甲を持ってるよー!』
言うのが遅い!
実弾兵器で装甲を剥がすしかないのか。
【ARIZAWA部門謹製グレネードキャノン】と記された武装をコールする。
背中にズシンと重い衝撃が走り、装備されたことが分かる。
『あ゛、社長砲だけはやめてください』
しらん。篠ノ之博士もやめてくれと言うほどのこいつがどんな威力なのかためしてみよう。
3つに折りたたまれていた砲身が接続されていき、砲身が、身の丈以上の長さとなる。
相手もなにか不味いと察したのか、回避運動を取り始める。
「撃てっ!」
ズドンッという音とともに発射されるグレネードの砲弾。
ISが3mほど後退すろほど、発射の衝撃が強すぎるとは。
少しずれたか……
ズガアアアァァァン!!
着弾した地点に半径30m程の火球ができる。
……爆発範囲が広すぎないか!?
ギャオオォ……と装甲が穴だらけになってSEもゼロとなったのか、黒焦げになって倒れるハシュマル。
まさかの一撃必殺……
『あー! ハシュマルがぁー!?』
「……これなら何機でも行けそうだな」
『ほう……言ってくれたね?
ハシュマルに
次々に出てくる鳥に加えて3つの手を持ってカシャカシャと大量にやって来る球体。
「……なんだあれは?」
数が……100を超えている!?
『さぁまーちゃん、この数にどう対処するかな?』
全方位からジリジリとにじり寄ってくる機械たち。
グレネードキャノンを装備したせいで動きが鈍くなっている。
「む、無理いいぃぃ!!」
そして数の暴力でもみくちゃにされてSEがゼロになって試験が終了した。
────―
「──―という訳でもらったのだ」
「そのグレネードキャノン、ほんとにリミッターかかってたの?」
「本来なら火球だけであと4倍程大きく出来るそうだぞ?
流石にあれでも危険すぎるから更に火薬量を減らして5mまでサイズダウンしてもらったが……」
ちなみにこれで最低限の火薬量らしい。火薬の性能、一体どうなっているのだろうか……
「マドっち? なんで篠ノ之博士がツィマッドにいるの〜?」
「……そういえばそうだったな。こっちも話そうか──―」
────―
試験が終わってISを解除し、椅子に座ってスポーツドリンクを飲みながら対面している博士に質問を投げかける。
「なぜ篠ノ之博士がツィマッド社に?」
肩を仔月光が揉んでいる中、博士が答える。
「まーちゃんはどうして私がISを作ったか知ってる?」
「……もともとは宇宙に行くために作った、とどこかで聞いたことがあるな」
「合ってるよ。元々はルクセンブルクにある隠れ家に住んでいたんだけど、りゅーくんがここなら私の考えに共感して、手伝ってくれる人がいるっていうから来たんだ!」
尾白が手を引いて世界中から追われている博士をスカウトしたというのか。彼の人脈はどうなっている?
「それで今はその開発は?」
「順調そのものだよ! 最近は宇宙で発電してマイクロウェーブで送電して電気を供給するシステムができたよ!
はい、これ!」
そう言って手渡されたのは平べったい半径10cm程の円柱状で白い塊だ。コンセントの穴がある。
「これは?」
「今リアルタイムでそこに電気が供給されているよ! 衛星軌道上にソーラーパネルを付けたゴーくんがいつでも太陽が当たる位置に移動して新鮮な電気を供給中だぜぃ!」
どうやらただコンセントの穴があるだけでなく、いつでも電気が通っているようだ。
何やらとんでもない代物である事はわかった。
「こういった感じで色々宇宙で使える新しいものをどんどん作れる此処は最高だよ!」
「それは良かったな。宇宙か……一度月に行ってみたいものだ。あの時には考えもしなかったことだな」
流星……このように生きる楽しさを教えてもらったことを感謝する。
────―
「……へぇ〜! 博士は自分のやりたいことをできる場所を見つけれたっていうことだね!」
「そういうことだな。そして、今使ってるのが博士からもらった『レクテナ』だ」
いま髪を乾かしているドライヤーのコードの先は確かにコンセント穴があるだけにしか見えない置物だ。
「……マドっち、それってずっと電気代タダになるよね」
「そうだな」
「一体幾らになるんだろ? 整備室とかで使いたいなぁ〜」
IS学園の整備室では電動のクレーンや工具が揃っているので電気代がバカにならないそうだ。
「流星に聞いてみたらどうだ?」
「そうしてみよ〜……おやおや〜? マドっちりゅーりゅーを名前呼びとは……もしかしてマドっちも!?」
「……? 普通に彼に恩があるから親しみを持って言っているだけだが……『も』? ということは本音、お前は……」
彼に好意があるのだろうか?
「そそそ、そんなこと…………ある」
本音が顔を真っ赤にして俯く。
身を挺して庇ったり、昼の弁当を作ってくれるところに惚れたのだろうか。
私は恋などしたことがないが、目の前で起こっていることがそうなんだろうな。
……にしても本音がそう感じるということは、私の感情も本音と同じなのだろうか。
グレネードキャノンは皆さんご存知であろう温泉企業のあれです。
4Aでも1発1キルしたり発射の反動で空飛べるとかあたおか。
大量のハシュマルに、仔月光……地獄ですね。
ペイルライダーはマドカの専用機としてレギュラー化します。
敵として出るなら……どれ?
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よう、首輪突き。
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世に平穏のあらんことを
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私こそが企業だ!