IS 白き一角獣   作:どこぞの機械好き

39 / 74
今編はこれ含めあと2話……そういえば3学期以降の話も作る予定です。いつになるかわかりませんが……

SAOも後で更新しますね。


第28話 合法○○○○

 side 流星

 

 ……チャイムがなったが、シャルが来ないな。またあのスタイルで来るのか……? 

 

「み、みなさん、おはようございます……」

 

 そう思っていると、なにか衝撃的なことをついさっき聞いたような、少しグロッキーな山田先生が教室に入って来る。

 

「ええと……今日は皆さんに転校生を紹介します。転校生というか既に紹介は済んでるというか……えっと……そのう……」

 

 山田先生の訳の分からない説明にクラスがざわつき始める。

 まぁあのことだろうな。

 

「見てもらった方が早いですね……入って下さい」

 

「失礼します」

 

 扉が開き女子生徒の服を着たシャルが教室に入る。

 

「訳あって男として過ごしていましたが、それが解決したので改めて自己紹介をします。ボクはシャルロット・デュノア。デュノア社代表に加えてフランスの代表候補生になりました。皆さんよろしくお願いします」

 

 そう言って一礼したあと、こちらにニコっとする。

 あの後、代表候補生にも選ばれてたのか……フランスのお偉いさんのお目にかかったようだな。

 

 クラス全員が時が止まったようにぽかんとして固まっていた。

 

「デュノア君が……女?」

 

「ウソダドンドコドーンッ!?」

 

「狙ってたのに……!」

 

 クラスメイトが次々に喋る中、誰かが次のように口零す。

 

「……あれ? 昨日は男子が大浴場使ってたよね?」

 

「ということは……」

 

 スゥーッ……もしかしなくてもバレてるよな。(『……だろうな』)

 

 クラスの女子全員が俺か一夏の方を見る。

 

「俺は風呂場から出る時にシャルロットとすれ違ったぞ! だから違う! 

 

 あっ……流星、まさかだが……」

 

 一夏に向いていた視線もこちらに集まり、クラス全員の視線が刺さる。

 

「……否定はせん」

 

 ……殺気!? 

 とっさに後ろを向くと、青筋を立てたセシリアとロニィが後ろからどんどんと迫ってきている。

 

(『捕まった後の未来が見えない……逃げるべきだな』)

 

 教室内で鬼ごっこが始まった。

 なんとか挟み込まれないように机の隙間を縫って逃げる。

 

「オホホホ……流星さーん? 何故お逃げになるのですか?」

 

「シャル、昨日は何もなかったよな?」

 

 逃げながら教壇に立っているシャルに助けを願う。

 これで収まるといいが……

 

「……流星のえっち」

 

 なんでぇ、そんな言い方するのぉ……? 昨日は突然入ってきて、しかも仕掛けてきたのはあなたでしょぉ……

 クラスの目線がダインスレイヴのように鋭く刺さる。

 

「流星……どういうことか説明してくれない?」

 

 そうやって逃げていると突然フードを誰かに掴まれて動きが止まる。誰が……って!? 

 

「ちょっ、のほほん!?」

 

 なんつー反射神経。いつもののほほんとした表情から黒い何かが溢れている。

 

「ちょっと、かんちゃんとたっちゃんとでOHANASHIしにいこうかりゅーりゅー?」

 

 ここにもいたぁーっ!? 

 

 そうしている間にも、こちらに二人が一歩一歩近づいてくる。

 これは……マズイ……

 

 

 

 

 

 ……ん、どうした? なんでラウラが一夏の前に行って……

 

「「「キャアアアアアッ!!」」」

 

 キス……か。

 

 うわー大胆、そして長っ。追いかけ回してきた二人もその光景を見て思わず止まる。

 

「プハッ……お、お前は私の嫁にする! 異論は認めないぞ!」

 

「……嫁?」

 

 ……それならラウラが夫になるぞ? 

 

「副官のクラリッサから日本では気に入ったものを嫁にすると聞いたのだ、お兄ちゃん!」

 

「なんでそうなったラウラ!?」

 

 いまだラウラとゼロ距離にいる一夏がなぜそのポジに俺が入ったのかと驚く。

 

「む? 流星と嫁は義兄弟なのだろう? ならばそう呼んで構わないはずだ」

 

 間違ってはないが……色々とまずいからやめてほしいなぁ……

 クラスに微妙な雰囲気が漂う中、待ち望んでいた先生がやってくる。

 

「なんだこの状況は……」

 

 やっと来てくれたよ織斑先生……

 

 ──

 

 なんとかロニィ達も落ち着いたことで、HRが本格的に始まる。

 

「織斑と尾白に重要な連絡がある」

 

 俺たち向けの連絡……? 

 

「国連で前々から出ていたとある案件がようやくお前たちの国籍である日本政府が法律化することを決定した」

 

「……その内容は?」

 

「男性搭乗者重婚適用法……つまり、尾白と織斑は複数人のものと籍を入れることができるようになるな」

 

「「「えええええぇぇぇぇっ!?」」」

 

 耳がぁっ!? この叫びに耐性ができるのはいつだろうか……

 

 それよりも……マジで? 

(『世界公認のハーレムとは……これからそっちの事を本格的に考えないといけなくなったな』)

 ほんとになんで……いや、彼女たち全員の想いに応えることができるようになったからありなのか……? 

 というか……

 

「なんでみんなの前で言ったんですか……?」

 

「いやなに、1ヶ月もしない内に国会でその法律が通る方向だからな……少しの差だ」

 

「さいで……」

 

「だから、これからはハニートラップなどに十分気をつけるようにな」

 

「「……はい」」

 

 これ世間に出回ったら世界中の男から恨まれるぞ……

 

 ────―

 

 時は昼、珍しく女子はおらず、男二人で昼食を摂っていた。

 

「重婚、ねぇ……一夏は箒と鈴、ラウラあたりか? いや、ここは初恋の束も引き込むのか?」

 

「な、なんでそれを知ってるんだよ……」

 

 一夏が顔を赤くする。別にいいじゃないか、誰でも恋はするもんだからな。……そういやララァはどっちなんだ? 母親とか言ってたりしてたが……新ジャンルか? 

(『あの時はただただ導いてくれる者がいてほしかったからな……今はもうただの友人だ』)

 ほーん。

 

「ニュータイプの勘ってやつだよ。たまにしかしないけどな……最近一夏も感じるようになってきたんじゃないか?」

 

 例えばハマーンが昔を見られたらガチギレするから乱用するのはほんとにおすすめはできない。

 

「そういえばそうだな……なんか、別の感覚みたいなのが最近感じるようになってきた、かな……?」

 

 そう言って炒め物を口にする。

 

「そのうち一夏も後ろに目ができるな……んで、箒達が告白してきたらどうするんだ?」

 

「……みんないつも訓練してくれたり色々手伝ってくれて、はっきり言って悪いイメージはないから、誰でも受け入れると思う。

 

 そういう流星はどうなんだ? 俺の倍くらいいるはずなんだが……」

 

 今のとこ……IS学園だけで8人、もしかしたら他にも……多いな。(『大丈夫か……?』)……やるしかない。

 

「俺ももとより受け入れるつもりだ……にしても、平等に愛さないといけないんだぞ……できるか?」

 

「やらなくちゃわからないけど……やってみるしかないよな」

 

 ま、今はポジティブに受け止めたほうが楽か。

 

 ────―

 

 今日は金曜日で、放課後からすでに外出しており、毎週足を運んでいる喫茶店の扉を開ける。

 

「いらっしゃいませーって流星!? 今日は平日だよ!?」

 

「何驚いてるんだ千束……学校終わったから来たまでだ。それよりも……なぜ束がいるんだ?」

 

 そこには和席でクルミと話している束がいた。

 

 そっちのほうが驚愕なんだが……

 

「あれ? りゅーくんじゃん! はろー! りゅーくんの行きつけの店がどんなところか見に来たんだけど、なかなか面白い店員もいるんだねー! 

 私はさっきまでくるちゃんとお話して、いい考えがいっぱい出てきたよ!」

 

 くるちゃん……クルミのことか。ソフト面で強い者同士、気があったのだろうか? 

 束との談義で頭を回しすぎたのだろうか、頭から湯気が上がってクラクラしているクルミがこちらに気づく。

 

「やあ流星……」

 

 災難だったな……

 

「……ミカさん、とりあえず氷水となんか甘いものいただけませんか? クルミに奢ります」

 

「悪い……」

 

 その後、いつものコーヒーと白玉を頼み、カウンターで、品が来るのを待っていると店の電話が鳴り、千束が受話器を手に取る。

 

「はいこちら喫茶リコリコです! …………なぁんだ司令か…………え? 検査? それは……アハハ……受けてないや。…………うえっ!? ライセンスの更新明日までなの!? …………はーい」

 

 話し相手は誰だ? 司令……DAと仮定すれば……楠木司令のことか? んで検査ってのは人間ドッグにくわえて、あっちの方も含まれる……んで何でマーダーライセンス更新してないんだよ! あれ無かったらクビなるだろ! 

 

「千束……ちゃんと検査とかはしたほうがいいぞ」

 

 特にその体の中にあるやつの検査とかいるに決まってるだろ……

 

「う〜、注射嫌だなぁ……」

 

 そっちかい!? 

 

「そうか、注射が怖いのか……」

 

「誰だって嫌いなものはあるからいいでしょ! そういう流星の怖いものを言ってみなさいよ!」

 

 千束は頬を赤く染めて話を逸らす。んで俺のか? なんかあるかな……

 

「確かに一方的に聞くのは良くないな。怖いか……強いて言うなら、仲間がいなくなっちまうってことが一番嫌だな」

 

 それだけは本当に心が折れそうになるな。(『そうなのか……』)そうだよ。

 

「へぇ〜ってそれは誰でもそうでしょ!」

 

 千束がツッコミをいれる。だが正直な話、ほんとに嫌なんだがな。

 

「だが俺は、人一倍それが嫌いだという自信がある。誰も失いたくない……わがままだよな」

 

「そんなことないと思うよ! だって流星は仲間思いのいい人なんだから!」

 

 後ろから束も「モチのロンだよ!」と肯定してくる。

 

「……そう言うかもな」

 

「……はい! この話はおしまい! 白玉できたから、これ食べてリフレッシュしよ!」

 

「わかったよ……いただきます」

 

 

 

 その後、閉店するまで話は続いた。そして、閉店後のボドゲ大会で……

 

「「「戦いは数だよアニキ!」」」

 

 俺と束、クルミの三人で人生ゲームという名の頂上決戦が繰り広げられていた。千束やたきなといった周りは俺達から絞りに絞られることにより、手元にたんまりとある約束手形……つまり借金まみれとなってほぼ放心状態となっている。

 

「生命保険期間満了により10万ドル追加したよ!」

 

「なんの! こっちは人間国宝で給料日を通過! 40万ドルゲットだ!」

 

「この宝くじが当たれば30万……当たったぞおおぉぉ!」

 

 絶妙な力加減でルーレットを回して、運をコントロールしている束と俺に戦術眼で食らいついてくるクルミ。一方……

 

「出目は……1000ドルか……いつになったらここから出れるんだろうね、たきな」

 

「……おそらくこの額を考えると最後までここにいることになりそうです」

 

「そんなぁ……」

 

 開拓地送りとなった二人は自分の番が回ってきたらルーレットを回し、雀の涙ほどのお金を貰うという借金地獄に遭っていた。

 

 ────―

 

「ねぇ流星?」

 

 店が今度こそ閉まって常連と束が帰った後、家に戻ろうとしているところに千束が話しかけてくる。

 

「どうした千束?」

 

「明日、もし予定とかなかったら、一緒に本部に来てくれない? 2つ頼みたくて……」

 

 DAの本部? なんでそんな日本の対テロの防衛の要である場所に行かないといけないんだ……? 

 

「予定はないが……なんのために?」

 

「たきなのことでね……」

 

 曰く、明日たきなが本部に戻りたいと直談判しにいくので、俺に力添えしてほしいとのこと。

 

「明日は暇だから付いていく分には構わない。だがはっきり言って、俺が言っても望み薄だと思うがな……あの組織が判断するとは到底思えん」

 

「それはそうなんだけど……もしそれなら、それはそれでたきなに踏ん切りつけてもらいたいし」

 

「そうか……ま、俺は構わないぞ?」

 

「ありがと」

 

 それじゃあ明日見せてもらうか、リコリスの本部とやらを! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んでもう一つの理由って、やっぱり注射一人でするの怖いのか?」

 

「うっ……はい」

 

 千束、あんた注射に対して耐性なさすぎだろ。




次回は本部に乗り込みですね……オタコンは次回に登場です。

お盆は更新停止します。これからの展開をじっくり考える時間としますね……申し訳ない。

敵として出るなら……どれ?

  • よう、首輪突き。
  • 世に平穏のあらんことを
  • 私こそが企業だ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。