IS 白き一角獣   作:どこぞの機械好き

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前半シリアス気味。ご注意を。


第31話 ロニィの過去

 

 20■■年■■月■■日

 ISの生体兵器化実験:ファンタズマ計画を実行

 多数のIS適合者の身体を■■し、生体パーツとしてISに組み込むことで、絶対的な戦力にする計画である。

 亡国機業の助力もあり、数年の内には実用化が望めるだろう。

 

 ──―

 

 20■■年■■月■■日

 多数の実験を行ってきた。被験者の数は■■■人となり、その内成功例は■■人だけだった。その成功例達も従来の制御システムでは動かないことが確認されている。

 そこで、今まで以上にIS適正のある者を探し出し、指揮官機となるように改造する[Project.NEXT]を実行。これが成功すれば大国にも遅れは取らないだろう。

 

 ──―

 

 20■■年■■月■■日

 [Project.NEXT]の被験体は■人しか集まらなかった。しかし、ファンタズマが■■機しか製造出来ていないので、失敗は許されない。

 [NEXT]達のコードネームも、ファンタズマ達と同じくCシリーズと呼称しよう。

 

 ──―

 

 20■■年■■月■■日

 [Project.NEXT]の生存者は2人となってしまった。C4.620とC4.621だ。これでは全部隊を制御出来ない。路線変更として全てのファンタズマを一括で管理するタイプに変更する。

 メインシステムはC4.620。サブコントロールはC4.621とする。

 

 ──―

 

 20■■年■■月■■日

 本日より亡国機業の本部で作業を行うことになった。本部での作業効率は素晴らしく早く、C4.621の改造は数日で終わりそうだ。

 C4.620は迅速な指示をファンタズマにさせるため、傭兵会社『カラード』にて傭兵をやらせる。回収は■年後だ。

 

 ──―

 

 20■■年■■月■■日

 C4.621の改造及びファンタズマ指揮用IS[THE/NEXT]の建造が完了したそうだ。C4.620の回収指示をし、本国に戻る。

 ……ついでだ。このタブレットは本国のPCと繋げてこちらの責任者達も読めるようにしよう。セキュリティが一番高い所に置いてもらうつもりだから盗られないだろう……多分。

 

 ──―

 

 20■■年■■月■■日

 本国に到着した。C4.621の組み込みは明日行うつもりらしい。悠長にしている時間は無いだろうに。

 尚、C4.620の回収が少し遅れるので、先に組み込むようだ。脳は逆らえないように■■したはずだが……本国の処置が甘かったか? 

 

 ──―

 

 ──―データが破損しています──―

 ■そっ■■! あ■野■! 最■に■■りや■■た! ■■■あい■■ISを■■■覚え■無いぞ!! 

 

 ──―

 

 20■■年■■月■■日

 C4.621の担当研究員の裏切りと謎のIS展開、施設の破壊により立て直しは困難になった。幸いTHE/NEXTとファンタズマ数機は無事だし、C4.620は数日後に帰還する。

 計画の大幅な見直しが必要だ。by■■博士

 

 ────

 

 side 流星

 

「……日付が掠れてるのは、この資料の破壊作業中に回収したからだということらしい」

 

 生徒指導室に集まった三人で亡国企業から回収された資料をタブレット上で見ている。

 

「……あなたの経歴もそうだけど、ロニィちゃんも大概よね……」

 

「なんで今年に限って、こんなに訳ありが多いのだ……」

 

 心中お察しいたします、織斑先生……

 

「生徒のことは、ちゃんと知っておかないと後で後悔しかねませんからね……」

 

「それはそうだが……」

 

 続けて「どこの国でもやってることに、変わりないか……」と愚痴る。

 

「流星、その『ファンタズマ』はどういったものなの?」

 

「人の脳みそと脳幹を直接マシンにつなげて動かす、殺戮兵器だな……設計図を見る限り、一度組み込んだら、そのままマシンの運命共同体となる。引き剥がすことは……できそうにないな」

 

 タブレットをスライドし、ファンタズマの設計図や俯瞰図を見せる。

 

「何なのそれは……!」

 

「もう家のアレが潰したからないとは思うが……もう一つ、これはロニィから織斑先生たちには言っても構わないと言ってくれたものでな……彼女目線で何があったか、今から話す」

 

 ────

 

 ……意識がはっきりしない中、僕は目を開けた。

 

 ……ここは? 確か僕は、ACⅥを買った帰りに子供をかばって車に引かれたはず。

 

 一応周りを見渡す……どこかの施設の中? ぼやける視界には、白衣を着た人たちが話している。

 

 何となーく、ヤバイ状況なのは分かった。でも身体は言うことを聞いてくれない……分かった。これACだな? 僕は転生して早々ナニカサレタのか……

 

 そんなことをぼんやりと考えていると、突然僕の腕を引いていた白衣の男性が僕を突き放した。

 

「……ッ!!」

 

 いったいなぁ……ころんじゃったじゃないか? しかし、これは好機だ。あの人は僕を逃がしてくれるみたいだ。急いで立って廊下を走る。

 

 体の動きはぎこちない、けど走れないわけじゃない。ただひたすら走る。

 

 しばらく走っていたらシャッターの前に着いた。この先に何かがある……けどどうにかできる物を持ってるはずもなく。

 

 どうしよ……と考えていたら、何かが僕に語り掛けた。

 

《■■■■■■?》

 

「ッ!?」

 

 ちょっとびっくりしたし、何言ってるかわかんないけど、とりあえず力を貸してくれるってことは感覚で分かった。

 

「~~~!!」

「~~!?」

 

 うげ……さっきの人たちがもうきた。あぁはいはい、わかったわかった。せかさないでよ……

 

「スゥ……ハァ……よし。力を貸して……≪N-WGIX/v≫!!」

 

 ズドオオオォォォォォォン!!! 

 

 ……空から落ちてきたのは、人間サイズの白栗(黒塗装)だった。

 

 現状一番好きなAC呼んだらスケールダウンした別機体が降ってくるとか思わんじゃん。予想外だよ、うん。

 

 とりあえずアーマーみたいに纏えるらしいので装着して……おし、シャッターぶっ壊します~

 

 おっあいてんじゃーん(自分で開けたんだよなぁ……)お邪魔しまs……うっわ。ナニコレ。ファンタズマ? ACPPの? 趣味わっる。これ量産しようとか……

 

 じゃけんぶっ壊しましょうね~。ついでにここ(研究所?)全部ぶっ壊すか~

 

 人類史の汚点は出荷よーっつって。そんなノリで破壊して回ってるけど、実際はファンタズマ破壊するたびに吐き気が昇ってくるんだが……何? もしや僕は転生ではなく憑依だった? じゃぁこのファンタズマは何? きょうだいか何か? 

 

 とりあえず壊せる所は全部壊したので、脱出してオサラバしますか。バイバ~イ

 

 ──―

 

 結構飛び続けて疲れたので、適当な所に降りて休むことにした。

 

 解除っと……ありがとうね、黒栗。いや、この際ホワイトグリントの方が良いのか……? 

 

 まぁいいや。現状を確認して……? 

 

 ……あれ、何か気持ち悪い? そういえば、あの時は気づかなかったけど、声が高くなってるし、身長も全然低いし、だれ かの き おく が

 

「……!? ウップ……おええええぇぇぇぇぇ……」

 

 な にこ れ!? 戦場 ま ちが燃 えて る おか あさ ん あっやば いやつ これ 白衣 の人 いか ん! そ いつに は手を 出 すな! つか ま った こ れ のう が  死  じぶ んじ ゃ なく なる

 

「オ"ェ……ゲッホゲホ……ゥ……げぇぇぇぇぇぇぇ……」

 

 記憶 の統 合 あな た だれ ? わ がん ね わた しは ? 考 え るな ど うし よう まとま ろう 楽に な る し なな い? 今 生き て る

 

「……ゲッホゲホ……ァ゛ァァァ」

 

 ……? わたしは何をしていたんだっけ……? 

 

 生きなきゃ……何か探さなきゃ……

 

「……ごめんなさい。私……」

 

 返事は無い。けれど、『私』はたぶんここにいる。

 

 ────―

 

 傭兵会社カラードにて一人の男が少女を連れて帰ってきた。

 

「……それで? 黒い鳥、抱っこしている子供は誰だ?」

 

「いや~それがね、任務中に乱入してきたんすよ! 腕も良くて、だれがやってんのかと思ったらこんな幼女だった訳ですよ!!」

 

「……それで?」

 

「ウチで働かせようぜ」

 

「却下だ」

 

「即答かよ!! 硬いな~オッツはよ!」

 

「硬い柔い以前の問題だ。そんな子供が傭兵まがいの事をやっている時点でアウトだが、どこかの差し金の可能性もある。更に本人の合意も無しにだな……」

 

「……しかしだなぁ……せめて飯位は食わせてやろうぜ」

 

「……何故だ?」

 

「コイツ戦闘が終わった途端にぶっ倒れやがってよ。結構危険なんじゃないかって」

 

「それを先に言え馬鹿野郎!! 首輪付き! さっさとこの子を寝かせろ!!」

 

「……了解」

 

 横で話を聞いていた首輪付きと呼ばれるものが、彼女を来客用のベッドに寝かせた。

 

 ────―

 

「黒い鳥……お前は説明不足過ぎるぞ」

 

「速攻で却下したオッツも、人のこと言えねぇんじゃ……」

 

「オッツダルヴァ。彼女が目を覚ましました」

 

「ご苦労、首輪付き」

 

「……んぅ?」

 

「おはよう。私は傭兵会社カラードの創設者兼№1のオッツダルヴァだ」

 

「俺は黒い鳥だ。よろしくな!! 嬢ちゃん!」

 

「……首輪付き。よろしく」

 

 次々と自己紹介が流れていく。

 

「……んぅ。おとぅさん?」

 

「ブッフォッ!?」

 

 それを聞いた首輪付きが思わず吹き出す黒い鳥のも方が震えていることからそうなる寸前だということがわかる。

 

「おやおや? オッツゥ~親御さんと間違われてるぜ?」

 

「うるさい……ゴホン! では、君の名は?」

 

「……ぅ」

 

 少女は何かを書いたものをオッツに手渡す。それは……

 

「……紙、でしょうか」

 

「『C4.621』……それがお前の名前か」

 

「ん。わたし、ろくぃいち……う?」

 

「……カラード、ヴェセラ、ロニィ。どうでしょうか?」

 

「首輪付き……結構ノリノリじゃねぇか……」

 

「よくそんなすぐに思いつくな……」

 

「……ぅ……かぁど、うぇせぁ、ろにぃ……! わたし、ろにぃ!」

 

「……色々とやることが増えそうだな」

 

「……じゃあいいよな!? 正式にウチで働こうぜ!」

 

「う!」

 

「……やれやれだ。620との関係がありそうだな……」

 

 ────―

 

「その後、亡国企業の息がかかった傭兵として尾白を襲撃、現在に至る。か……」

 

「転生ってそんなホイホイあるものなの?」

 

 ……概念は説明できなくもない。だが、

 

「もし完全に説明しようとしたら、十年以上かかることになるが……普通は、知らないほうがいい」

 

「それは、束でもか?」

 

「そうだな……彼女でも、最初は混乱すると思う」

 

(『それを理解している流星は一体何なのだ……?』)

 そりゃあ、いろんな世界行ってたら勝手に理解すると思う。シャアもなんとなーくわかるだろ? 

 

(『……わからん』)

 さいで……

 

「それで、ロニィの精神は今は安定してるのか?」

 

「いいや、彼女の精神は今も不安定な所がある。だから、フラッシュバックがいつあってもおかしくないですね……その時は、なんとか宥めてみせますよ」

 

「そうか……話は変わるが、これから()()()()()()がよくあるかもしれない……間違いは、起こすなよ?」

 

「ちょっ!? ……それくらいはちゃんとしますって……」

 

 目の前にこっちに気のある人の前でそれ言いますか……ほら、楯無があらぬことを想像し始めて、で体をくねくねし始めたぞ? 

 

「流星とそんなこと……あっ」

 

 あっ鼻血も出た。

 

 ────―

 

 side ロニィ

 

 目の前に映るのは、真っ赤に燃える街。

 たくさんの人がいたであろう箱庭。

 

 もう、わたしにはかんけいない。ただのおきもの。

 

「待ってくれ! ロニィ!!」

 

 ……誰かがわたしを呼んでいる。けど彼じゃない。

 

《……何の用だ。織斑一夏》

 

「あいつはまだ死んだ訳じゃない!! だから、こんなことはやめるんだ!!」

 

 ……ただの戯言か。現実を受け入れられない、操り人形が。

 

《あいつは……私の相棒は死んだ。私には、もう何も無い。何も残っていない。ならば、相棒を殺した世界を壊そう》

 

「そんなこと……! 貴女こそ、自分の不甲斐なさを言い訳にして八つ当たりしているだけですわ!」

 

《黙れ。セシリア・オルコット。貴様らまでもが、アイツの死を受け入れられないのか。……貴様らは、狂っている》

 

「いいや、狂っているのは私達ではない。貴様だ、C4.621……この程度で、そこまで墜ちる奴だったとはな」

 

《……ラウラ・ボーデヴィッヒ……貴様なら、分かるだろう。アイツは永遠に目を覚まさない》

 

「ううん、それでもボク達は信じる。彼なら、必ず帰ってくると。それとも、貴女は彼を信じれないの?」

 

《シャルロット・デュノア……》

 

 ……私だって、わたしたちだって、そう信じていたよ……でも、もう……

 

《アイツは、もう帰ってこないんだ……わたしの、せいで……》

 

「ロニィ……お前……」

 

 それに、今のわたしたちには、彼の隣に立つ資格なんて無い……

 

《私の手は、朱く染まってしまった……こんな手で、アイツの手を取れない……》

 

「っ……! そんなこと……!」

 

《慰めなんて要らない……あぁ、そうさ。遠慮も、しがらみも、……今までの思い出も。何もいらない》

 

 いっそのこと、わたしたちを、あの人と同じ場所に送って……

 

《私は、()()は、"人類種の天敵"……言葉は不要だ。見せてみろ、貴様らの力を……!!》

 

「……ッ!! ロニィ──ーッ!!」

 

《戦いは良い!! 私達にはそれが必要だ!! もうそれしか残っていないっ!!!》

 

 あぁ、そうだ。これでいい。これで、ワタシを……

 

 ────―

 

「……ッああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 布団から飛び上がる……ということは、さっきのは? ゆめ? いや、そんなはずは……あの感覚は……

 

「ハァッ……ハァッ……ハァッ……ハッ……ハッ……ハッ……ハッ……」

 

 流星が、相棒が、死んだ? そんなはずはない。相棒は今、隣にいる。じゃあ、あれは? わたしの手の中で、相棒は……

 

「……ひぐっ……ぐずぅっ……」

 

「……どうした? ロニィ」

 

 相棒が不安そうな表情でこちらを見ている。

 

「……えぅ? あい、ぼう?」

 

 やっぱり、あいぼうは、いきている。でも、こわい。ふあんがいっぱいで、ぐちゃぐちゃで……

 

「なんか悪い夢でも見たのkデストロイ!?」

 

 横で寝ていた流星の胸に飛びつく……あいぼうは、生きてる……

 

「あ゛い゛ぼ゛ぉ゛ー……あ゛い゛ぼ゛ぅ゛……グズッ……」

 

「……本当に、大丈夫か?」

 

「……スンッ……ズビッ……怖い夢をね、見たの。相棒が、いなくなっちゃう夢」

 

「……大丈夫だ。俺はどこにも行きやしないよ……」

 

 

「あいぼう、お願いがあるの……」

 

「……わたしを、ぐちゃぐちゃにして……ぜんぶわすれるくらいに、めちゃくちゃにして……?」

 

「ヴッ……いつか来るとは思っていたが、今か…………本当に、それでいいのか?」

 

 それで今の気持ちを忘れることができるのなら……

 

「……おねがい」




このあと何があったのかは皆さんの想像にお任せします。

ちなみに主の場合出た言葉は……「マ゜ッ」

敵として出るなら……どれ?

  • よう、首輪突き。
  • 世に平穏のあらんことを
  • 私こそが企業だ!
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