IS 白き一角獣   作:どこぞの機械好き

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うむ……高評価……ほちい……


第32話 恋バナ

 side 流星

 

「海、見えたあっ!」

 

 誰かがそう叫ぶ。

 

 トンネルを抜けて見えたのは青い海。東京の磯臭いイメージとは大違いだ。

(『……きっと近くで見たら同じだろうな』)

 ……んなことないわ。

 

 海沿いを4台のバスが走っていくと、砂浜と建物が見えてきた。あれが今回お邪魔する「花月荘」、か……なんとも和風な旅館だな。

 

「マドカ、そろそろ着くから起きろー?」

 

「んぅ……そうか」

 

 横ですやすやと寝ていたマドカを起こす。何故マドカが俺の横に座っているのか、それは前の日のこと……

 

 ──―

 

「「「「あいこで、しょ!」」」」

 

「……何回続いてるんだ?」

 

「いまのあいこで162回目だ。一夏の方は一発でラウラになったのにな……いつ終わるのやら」

 

 放課後、屋上で後に頂上決戦と名付けられた、乙女達の戦いが繰り広げられていた。ただ誰が俺の横に座るかっていうじゃんけんなのにな……かれこれ30分は続いてる。

 

 さぁ163回目、これは……

 

「しゃおらーっ!」

 

 マドカが一人だけパーを出したか。

 

「そんな……ですが、まだ帰りの席は決まっていなくてよ?」

 

「そうだね、それじゃあそっちを始めるとしようか」

 

 まだ続くの……? 

 

 ──

 

「これが海か……流星、一日目は自由行動だったよな?」

 

「そうだな……二日目と三日目は作業だから、存分に楽しむとしようか」

 

 時は少し進み、場所は変わって旅館の中。それも教員、織斑先生の部屋だ。なぜなら……

 

「良からぬことをさせないためだ」

 

「誰がそんなことしますか……」

 

 ハニトラ対策とのこと。一夏はともかく、俺はそんなんに引っかからんよ……

 

「……まぁいい。さっさと着替えて、一夏の後を追ってこい。私も準備ができたらすぐに向かう。流星の選んでくれた水着を着て、な」

 

「りょーかいです」

 

 流石に肩のあれを見せながら歩くわけには行かないので、ラッシュガードを着ている。

 

「流星くんの凛々しい背中を見れると思ったのに……残念」

 

「でもこれはこれであり!」

 

 さいですか……遠くの方ではタオルぐるぐる巻になったラウラが一夏の方に向かっていたり、こちらに水着を見せてくるセシリアにシャル、ロニィにマドカ、そして簪……誰も似合ってるな。

 そして目の前に現れたのほほんが着ているのは……

 

「……何だそりゃ」

 

「何ってこれは水着だよー、りゅーりゅー!」

 

 そう言ってグポーンとモノアイが光る。

 それはアッガイの水、着? というよりかは着ぐるみか……? 確かに側はジオン水泳部のそれだが……

 

「……脱ぐのしんどくない?」

 

「そんなことないよローロー、だってほら!」

 

 そしてアッガイのフェイスがパカッと開き、中からのほほんの顔がひょこっと現れる。

 

「……それどうなってるの本音?」

 

 どっちかというと誰が作ったか気になるな……

 

「知らな〜い。だってタバタバがくれたものだからね〜!」

 

「タバタバ……篠ノ之博士ですか!?」

 

 あんたら、いつの間に仲よくなったんだ……

(『私も束女史と本音氏は、仲が合いそうだと思うぞ?』)

 ……マジで? 

 

 その後、沖の方まで泳いだり、砂浜恒例のビーチバレーをした。千冬と俺で2個ずつボールを破裂させたのは、いい思い出だ。

 

 ────―

 

「本音、外洋まで泳げるとは……」

 

「かる~く泳いだだけなんだけどね〜?」

 

「あれがかる~く……?」

 

 のほほんの水着、というよりかは小型MSはやっぱりやばかった。水中で70キロも出せるとは……束も恐ろしいものを作る。

 たまたまいたマグロを獲ってきたから、今日の晩御飯にマグロの刺身が急遽追加されている。うまい。

 

「やっぱり日本では生物を食べるんだ……この緑色のものを乗せて食べるんだね」

 

 そう言ってこっちの食べてる様子を見ながら、赤い刺身に緑の山が築かれ、そのままシャルの口に運ばれる。

 

「ちょっ、漬けすぎ……」

 

「っ~~~~~~~~!!」

 

 涙目になって鼻を抑え、声にならない叫びをあげる。そんな量食うからだろ……

 

「ふ、風味かあっておいひいね……」

 

「無理に感想言わんでいいから、さっさと茶を飲め……」

 

 お茶を渡した後、セシリアが足つったといったので変わりに食べさせると簪とロニィにも同じことをしてくれとせがまれた。

 昔は、こんなことになるなんて、思いもしてなかったな……

(『……そうか』)

 

 風呂に入って晩、布団を広げていると……

 

「久しぶりに、アレいいか?」

 

 背中を天井に向けた千冬に、アレをしてほしいとお願いされる。

 

「アレ? いいですよ」

 

 そして俺と一夏は千冬の下へ行って……

 

「んっ……そこだ……」

 

「千冬姉、やっぱり疲れ溜まってないか?」

 

 一夏が背中を親指でグッグッと押し、俺は千冬の足裏をふみふみしている。

 

 ……さっきから襖の奥で布の擦れる音が聞こえてるな。

 

 ────―

 

 side 千冬

 

「……ちょっとまってくれ」

 

「……どうした流星?」

 

 一夏首をかしげる。さっきから聞き耳立ててる彼奴等にしびれを切らしたか。

 

「コソコソしてないで出てこ、いっ!」

 

『わああぁぁっ!?』

 

 流星がふすまを解き放つと、もたれかかっていたであろう10人がなだれ込んでくる。やはり、一夏と流星を好きな奴等だったか。

 

「クククッ……私達が良からぬことを、しているとでも思っていたか?」

 

「いえ、そんなことは……」

 

「嘘つけセシリア。さっきまで「織斑先生の……先を越された!?」なんて言ってたくせに」

 

「シャルロットさぁん!?」

 

 暴露されたオルコットが顔を真っ赤にする……若いな。

 

「一夏に流星、これでなにか飲み物を買ってきてくれ」

 

「はいよ。そら、行くぞ一夏」

 

「おう!」

 

 流星にお札を渡しておつかいに行かせる。

 

「さて、と……どうした? いつもの馬鹿騒ぎは。……あぁ、先立つものが必要か。ほら、お前達で好きに交換しろ」

 

 一夏達が部屋から出ていき、女子オンリーとなったところで、冷蔵庫から10本の缶を取り出し、机の上に置く。

 

「ラムネとオレンジとスポドリ、コーヒーに紅茶に緑茶に烏龍茶……後……コーラだ。好きなのをとってくれ。束は、アルコールでいいな」

 

『い、いただきます……』

 

 10人が飲み物を口にする。よし、

 

「飲んだな?」

 

「の、飲みましたが……」

 

「何か入っていましたの!?」

 

「失礼なことを言うなセシリア。なに、ちょっとした口封じだ」

 

 10人全員が飲んだことを確認した私はニヤリと笑い、缶ビールのプルタブを開け……飲む。

 マッサージ後の一杯は、やはり旨い。

 

「……っぷは! ……なんだお前たち、お化けでも見たような顔して?」

 

「い、いや……飲んでいいのか?」

 

 何をわかりきったことを……

 

「気にするなマドカ。……お前たちも飲んだだろう?」

 

『あっ……』 

 

 そう言われて9人は声を漏らす。

 

「さて、前座はこのぐらいでいいだろう。そろそろ肝心の話をするか」 

 

 早速一本の缶を空けたので、二本目を冷蔵庫から取り出し、再び喉を鳴らす。

 

「篠ノ之、凰、ボーデヴィッヒに束。お前ら、あいつのどこがいいんだ……? あぁ、流星組にも後でちゃんと、付き合ってもらうぞ?」

 

『は、はい……』

 

 私が言ったあいつ、というのはもちろん、一夏である。

 

「わ、私は別に……いつも流星を追いかけて日々頑張ってる所、ですかね。あと昔助けてくれたこともあるので……」

 

 と、ラムネを傾けながら呷る箒。

 

「あたしも、箒と似たかんじ……あいつが酢豚のことをちゃんと謝ってくれたのは、嬉しかったな……」

 

 烏龍茶の飲み口を指でなぞりながら、ボソボソと呟く鈴。

 

「よし、一夏に篠ノ之と凰がそう言っていたと伝えておこう」

 

「「伝えなくていいですっ!」」

 

「はっはっは! 冗談だ冗談。それで、お前はどうなんだラウラ?」

 

 そんないつもとは正反対な口調で話す2人を、いい具合にアルコールの回ってきた私は豪快に笑う。

 

「つ、強いところが……でしょうか……」

 

「……そうか? 私は、流星のほうが強いと思うぞ。全盛期だったあのときの私でも膝をつくだろうな……」

 

「織斑先生……りゅーりゅーがあなたよりも強い、ということですか?」

 

「そうだな布仏。なんなら、デュノアの高速換装や一夏、ロニィがよく使う瞬間加速、二重瞬間加速……今あるすべての技術は、流星が発案したものだ」

 

「ほ、本当ですか!? 織斑先生?」

 

 知らなかったのかデュノア? 私も、彼の操縦を見て成長したのだが……

 

「ああ。ISの生みの親は束だが、育ての親は流星と言っても過言ではない……あいつは、対戦相手の未来を読んでるような動きをしてな……あいつの本来のISに乗ったとき、誰も勝つことができないだろうな」

 

「本来の……IS? 今のアレックスじゃないのですか?」

 

「あれではないな、更識妹。それは今どこにあるのやら……おっと、最後に束も話しとくか。お前はどこに惚れたんだ? 私は今まで、流星かと思っていたが……」

 

「りゅーくんは仲のいい研究者同士ってかんじ……? でもいっくんに対しての感情は、なんていうか……」

 

「超人スペックと自分で謳う束も、恋愛はうぶだな」

 

「ちょっとちーちゃん!?」

 

 珍しいの束を見ることができたな……おっと、酒が回ってきたな……早く本題に入ろう。

 

「で? お前たち6人は流星のどこに惚れた?」

 

 さて、答えを聞かせてもらおうかライバルどもよ? 

 

「わたくしは……彼の誠実な所でしょうか」

 

「いつもお菓子くれたり、あの時守ってくれたことかな〜?」

 

「僕は、お人好しなとこ」

 

「……わ、私は、その……頼りになるところ……」

 

「この学びの場を提供してくれて、いつも弁当をもらってること……といったところか」

 

「流星がいつも優しくしてくれる所です!」

 

 上から順にオルコット、布仏、デュノア、更識妹、マドカそしてロニィと立て続けに話す。

 

「そうか……あいつも、罪な男だな」

 

 その言葉に、誰もが首肯する。

 

「ところで、ちーちゃんは?」

 

「私か? もちろん流星だ。あいつに惚れない理由があると思うか?」

 

『うわぁ……』

 

 なんでみんな引き気味になる? 

 

「帰りましたよーっと……お話、盛り上がりましたか?」

 

 と、ここで流星と一夏が部屋に戻ってくる。ほう、ツマミも買ってきてくれたか。気の利く奴め。

 

 

 ……彼奴等ならちゃんと私達を愛してくれるだろうな。

 




そういえばSAO要素なさすぎ……?と思いの方、ご安心を。しっかりキリトは学園に引きずり込むので。(暴露)

SAOは明日更新します。

敵として出るなら……どれ?

  • よう、首輪突き。
  • 世に平穏のあらんことを
  • 私こそが企業だ!
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