IS 白き一角獣   作:どこぞの機械好き

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投稿遅れました……すまない。
もうそろそろ戦闘パートに入ります。


第33話 赤

side 箒

 

臨海学校二日目、海岸でISの装備をクラスメイトと運んでいると、織斑先生から呼び出しがかかった。

 

「なんのようですか、織斑先生?」

 

「お前は今日から専用「ちぃーちゃぁぁーーーん!」ということだ。」

 

織斑先生の声を遮った昨日聞いた声のする方向を見ると、崖から姉が砂煙をあげながら降りてきた。そして織斑先生の方へ飛びつ……

 

「昨日もあったけど、会いたかったよちーちゃん! さあハグを――ぷべらっ!?」

 

「うるさい、束。」

 

く前にアイアンクローの迎撃を受けた私の姉、篠ノ之束。

 

「ぐぬぬ……相変わらず容赦がないねぇ。昨日はずっーとりゅーくんの―――イダダダダダダダ!?人の頭から聞こえてはいけない音が出てるよ!?嫌だなーそんな照れなくてもー……」

 

「照れてなど、ないっ!」

 

「ピギャァァァアアア!?」

 

アイアンクローの力が更に強まり、こちらまでミシミシと聞こえてくる。それでもなんともないとは、さすが姉。

あのように言いつつも、織斑先生の頬が少し赤くなってるのは気の所為ではないだろう。

 

「あれ?その白衣は……」

 

シャルロットが姉の服を見て首を傾げる。

姉は、いつも着ている某不思議の国のようなフリルのついたドレスではなく、白衣を着ていた。機械チックなうさ耳はそのままだけど……

そして私並み、いやそれ以上かもしれない姉の豊満なそれの部分についてるポケットの表面のロゴ……

 

「イタタ……お、気づいたかい?前々からいたけど、りゅーくんの会社で研究をしてるんだ!」

 

「本当か、流星!?」

 

思わずロニィの機体を点検していた流星を見る。他の周りにいたみんなも彼を見る。

 

「……気づいたらいた。別にいても困ってないし、うちの科学者が喜んでるから気にしてない。」

 

しれっと受け入れてると流星が発言する、世界中追いかけ回されている姉の定住地が公開された。

 

「そんなさらっと言っていんですか、流星……」

 

「いつかわかることだしな……それで、今日は何の用でここに?」

 

「ふっふっふ……それはすでに準備済みだよ。さあ、ご覧あれぇ!」

 

びしっと直上を指さす姉に、私や他のみんなも空を見上げると――

 

激しい衝撃と轟音を伴って落ちてきたのは、銀色をしたミョウバン結晶型の金属の塊だった。

 

「ついに、できたか……」

 

流星がふとこぼす。何かを秘密に作っていたのか。

その金属の塊の正面がぱたりと倒れると、中にあったのは……

 

「IS……?」

 

マドカの口から漏れた言葉通り、中にあったのは、赤い装甲のISであった。

 

「じゃーん! これぞ箒ちゃん専用機こと「紅椿」!全てのスペックが()()()()()現行のISを超える、束さんお手製のISだよ!」

 

こんなものを姉の一存でもらっても、いいのだろうか……

 

「……本当に、」

 

「ん?」

 

「本当に、私がこれほどのものを、貰ってもいいのですか?」

 

この疑問に、姉は「何をそんなかしこまってー」と言う。

 

「うん、これは、ほうきちゃんの誕生日プレゼントなんだけどね……他の皆は専用機を持ってるけどほうきちゃんだけ持ってなかったでしょ?

いざという時、お婿さんを守れるようにね!」

 

「そうですか……」

 

姉なりに考えてくれたのかな……毎年プレゼントが進化していってるけど、この調子だったら来年のプレゼントが怖い……

 

「それじゃあ箒ちゃん、今からフィッティングとパーソナライズを始めようか!」

 

「……それでは、頼みます。」

 

「堅いよ~、実の姉妹で、どっちももうすぐいっくんと結ばれるし、もっとキャッチーな呼び方で~」

 

「は、早く、始めましょう!」

 

「はいはい〜。りゅーくんー、手伝ってー!」

 

「はいよ。」

 

そうしてロニィの機体の点検を終えた流星と姉が空中にディスプレイを広げ、作業を進める。やはりというべきか、二人のそういった技術は目を見張るものがある。

 

「ほうきちゃんがいつも頑張っているから、最近適正がBになったことも知ってるからね〜!」

 

「……なぜそれを知ってるのですか?それは私しか知らないはずなのですが……」

 

「ギクッ!?いや、それはなんというか、その……」

 

「束……後で話がある。」

 

―――――

 

side ラウラ

 

頭の上のたんこぶが、アイスクリームのように重なった束氏……この際、義姉になるから束姉さんと言うべきか。

そんな束姉さんとお兄ちゃんが専用機を次々と見回って点検、ISの評価をし回っている。

 

「俺としては、実体の近接装備……ラウラならコンバットナイフ型のものがいると思うぞ。戦闘スタイルと交戦距離を考えた時に、役に立つと思う。あと脚部の装甲はバイタル部以外9.5パーセント削れば、燃費が良くなる。」

 

「そうか……本国で提案しとこう。」

 

「本来は、もう少し性能を底上げしたいんだがな……」

 

お兄ちゃんがやれやれというふうに手を広げる。

 

「……やっぱり、本来の目的ではないからか?」

 

「そうだな……まだ、軍用は自衛目的、通常のやつも競技で留まっているが、なんかのきっかけで戦争で使われかねんからな。紛争地域ではもう使われてるとも聞く。」

 

確かに、アフリカなどでは政府軍がISを使って民間人が虐殺されたという報告を聞いたことがある。

 

「この話を束姉さんが聞いたとき、悲しんだだろうな。」

 

「宇宙のためじゃない、人を殺すために使われてな……ラウラは、もしそうなったらどうする?」

 

彼がこちらの目をしっかりと見つめる。

そうとは……私がレーゲンを使って虐殺する状況になったらということか?

 

彼は……試してるのか?

 

「軍人の鑑としては、上層部からの司令は絶対だ……転校当時の私ならそうしてる。」

 

「……今は?」

 

「今なら、その作戦は辞退するだろうな。もちろん、そのような命令を下す上層部に反論も忘れない。」

 

「なら安心だ。」

 

真剣な表情が崩れてホッとしたような表情になる。お兄ちゃんの納得行く答えだったようだ。

 

「りゅーくんそっちは終わったー?」

 

あらかた終わったのであろう束姉さんが、ちょうど周りに広げていた配線を片付け終わったお兄ちゃんに話しかける。

 

「こっちも今終わった。ロニィの機体が、もうすぐフォームシフトしそうになってたぞ?」

 

今のロニィが第二だったから……第三形態(サードシフト)!?理論上でしか説明されてないものなのに!?

 

「へぇ~……また変わったらデータ採ろうっと。あ!さっきかんちゃんのコア人格の声、ちょっとだけど聞こえるようになったよ!」

 

「ほう……またうちのアイツとも話させてみるか。」

 

コア人格まで……しかもお兄ちゃんはすでに出ているの、か……

……話してる内容が最先端すぎて理解が追いつかない。

 

「……そういえばりゅーくんの機体、そのままだと足を引っ張るだけだよ?さっさとその意味ない装甲外したら?」

 

意味ない……?反応装甲や増加装甲ではなく、()()()()だとでも言うのか?

 

「どういうことだ、お兄ちゃん?」

 

「はずしたら色々めんどくさいことに……っ!?ラウラ、一瞬機体のコアネットワーク借りるぞ!」

 

微笑みから一変し、驚いた顔に変わったかと思うと突然レーゲンの周辺にディスプレイが飛び出して何かを探し出す。

 

「構わないが……何があった?」

 

「……どうしたのりゅーくん?」

 

「……やっぱり。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「それではその機体の位置情報がわからないじゃないか。つまり……」

 

「たたたっ、大変です!おお、お、織斑先生!」

 

話している途中で、慌てて口がうまく回ってない山田先生が、教官の下に走っていった。

 

そして二人は口元を隠して読唇できないようにしながら、小声で話している。

流星の言ったことが関連しているのか……?

 

「生徒は今出している物を今すぐに、すべて片付けて自室で待機!専用機持ちと篠ノ之は来い!」

 

教官の声が海岸に響きわたり、一般生徒が慌てて道具やISを片付けていく。

そして、専用機持ちは、教官の後についていく。

 

―――――

 

side ???

 

『銀の福音、システム掌握。コアネットワークより切断。』

 

銀の福音の四方を取り囲む4機の()の一機から機械じみた、しかしどこか人間の声が感じられる音声が出る。

 

『仕事だ。作戦通り、この前殺り損ねた尾白流星を今度こそその命を取る。616から619、付いてこい。』

 

『了解、620。』

 




次回より福音戦が始まります。

アンケートの結果次第で、千束とたきなの専用機の案募集します。

敵として出るなら……どれ?

  • よう、首輪突き。
  • 世に平穏のあらんことを
  • 私こそが企業だ!
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