IS 白き一角獣   作:どこぞの機械好き

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UA50000超え感謝!

超久々のフラグ回収。覚えてましたか?


第37話 レイヴン

 side 簪

 

「キャァァ──ッ!? SEが切れました……撤退します! 皆さん申し訳ありません!」

 

「セシリアもやられたか!? クソっ!」

 

 こら織斑くん、口悪くなってるよ……

 

 二次移行した織斑くんのISが来てから一時的に優勢になったものの、福音も二次移行したせいで今度はこっちの戦力が削られ始めた。

 

 しかし、ファンタズマもさっきまでは異常な運動をしていたけど、元の運動に戻ったお陰で……倒せるのは時間の問題かな……? 

 

 そっちはマドカとお姉ちゃん、ロニィがやってくれてる。

 なら私は……あれを使って福音を削り切るっ! 

 

『不明なガザットがせザザザッした』

 

 GBを展開。一気にかたをつけるっ! 

 

 光の翼から光弾が放たれるが、バインダーで受け止める。

 バインダーはもう使い物にならないほどズタズタだが、今だけでも盾になればいい。

 

「はああぁぁ──っ!!」

 

 距離300……200……100……今っ! 

 

「当たれぇ──っ!!」

 

 振りかぶったチェンソーは、光の翼と脚部の装甲を福音もぎとる。

 

 ……やった! 搭乗者には当たってない! 

 

 福音が海に落ちていく。

 

 それと同時に、ハマリングの出力が落ちていく。

 

 実質相打ちだね。

 

 そう言おうと、ふと一緒に落ちている福音を見ると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 落下していく福音のバイザーに……

 

 また光がついていた。

 

 落下をやめた福音は、私の頭上を取る。そして、先程より巨大な4枚の光の翼が広がり、光弾が私に向けて発射される。

 

 ……三次、移行? 

 

 空を埋め尽くす先程よりも大量の光弾の数々。避けきれるはずがない。GBでエネルギーは枯渇。Iフィールドも破損してしまい、武器もない。

 

 まだその手があったんだね、福音さん。

 

「かんちゃんっ!」

 

 お姉ちゃんが私の名前を叫ぶ。

 

 ここで私は死んでしまうのか。

 これから来る結末に目を瞑る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 流星にちゃんと好きって言いたかったな。

 

 

 

 

 

 

 

 ズキュゥゥ──ンッ!!! 

 

 

 

 

 

 

 ……いつまでも死が来ない。

 

 目を開けると、2条の光線が全ての光弾を消し去っていた。

 

「作戦区域内に所属不明機侵入! 速度は……マッハ4!? なにこれ!?」

 

 また敵が増えたのか。

 

「あの出力……!? 尋常じゃないわよ!」

 

 さっきのあの光弾が一つも残らず消えさっている。エネルギー兵器を無効化できるほどの出力? 

 

「IFF ARRY……この反応は、味方?」

 

 だとしても一体誰が……

 

「名前は…………嘘でしょ……【白獅、子】」

 

 ……え? 誰がのって──―

 

『──―みんな、待たせたな』

 

 流、星? 

 なんで、白獅子に……まさか、あの時も……

 

『随分とやられてしまっているようだな……遅れてすまない』

 

 だんだんと近づいてくる青い光。

 

 それを見て安心したのだろうか、体に力が入らずに下に落ちていく。

 

 

 

「……大丈夫か?」

 

「遅いよバカ」

 

 落ちていく中、体を手で支えられて落下が止まり、近くの小島にゆっくりと降ろされる。横にはロニィも一緒に降りてきた。

 

「ラウラ、仕事増やしてすまないが……簪も、見てやってくれないか?」

 

「そのくらい、大丈夫だお兄ちゃん。しっかり努めを果たさせてもらう」

 

「ありがとう」

 

 そう言ってラウラに一礼をいれる流星。

 

「流星、もう大丈夫なの?」

 

「ああ、もう元気だよロニィ」

 

 何が大丈夫なのよ。さっきまで心臓止まってたのに。

 

「いつも……無茶ばっかりして」

 

「……悪い。それは後でしっかり聞く」

 

 …………伝えよう。

 

「……私、伝えたいことあるから、ちゃんと戻ってきて」

 

「駆け抜け!? わ、私もあるからね流星!」

 

 ロニィが慌てて私の後に話をつける……別に流星は逃げたりしないのに。

 

「分かった……それも後でまとめてちゃんと聞いてやる。今はここで待っといてくれ……さっきまでお疲れ様、簪」

 

「……それは帰ってきてから聞く」

 

 彼が立ち上がり、さっきから出ていた緑色の光に加えて、かつて見たあの青くて心が落ち着く光が彼のISから溢れ出す。

 

「ロニィ、まだ行けるか?」

 

「もちろんだよ……始めよう!」

 

 彼が空中に飛び出した途端、装甲が動き下から青く光る装甲が現れ、背中の翼のようなものも変形する。

 嘗て私と世界を救った、あの形に。

 

「さぁ、ペイバックタイムだ!」

 

 

 

「……行ったな。さて簪、一応護衛対象と顔合わせはしといてく「あ、あの〜……どこかで会ったことあります?」む?」

 

 白髪ボブカットの人が恐る恐るこちらに訪ねてくる。

 

「アインクラッド、でしょうか……?」

 

「いいや、そこにはいなかったよ。たぁしか、その時二人いたんだよねぇ……確か大きい方の子に手当してもらったような……」

 

 手当……? 

 

「誰かにしたことは、ないです……」

 

「それでその後、さっきのISに助けてもらったんだよね〜」

 

「流星の……白獅子に?」

 

「誰が白いバンシィだ!」

 なんか聞こえたような……

 

 というか、それなら私も……

 

「旧電波塔で流星に降ろして貰ったことがありま……どうされました?」

 

 何故か彼女の顔がパアァァッと明るくなる。

 

「やっぱりあの時の子だ〜!」

 

 ということは……

 

 どんどんと芋づる式に蘇ってくる記憶。確か……

 

「旧電波塔で、お姫様抱っこされてた人……!」

 

「ちょっとそれだけは言わないでぇ!」

 

 ────―

 

 side ロニィ

 

「誰が白いバンシィだ!」

 

「急にどうしたの、流星……?」

 

「なんかまた間違えられたような気がしてな…………敵性機体2接近。どちらもコードネーム『バルテウス』と呼ばれる福音の護衛をしている無人機だ。ISじゃないとはいえ、ISの技術を応用したリロードで継戦能力に優れている」

 

 レーダー上に新たに赤点が2つ、追加されている。それがバルテウスというものだろう。

 

「……分かった。後はナナシに行動パターンとか分析してもらう」

 

 ナナシ、分析お願いね。

(『了解』)

 

「俺は楯無とか一夏たちと戦っている、ファンタズマと福音もまとめて相手する」

 

 流星が4体も相手するの……? 

 

「流星、さっき簪が言ってたよね……無茶しないでって」

 

「悪い……ならファンタズマは、一緒に頼めるか?」

 

「了解、相棒」

 

『聞こえてるか、そこの二人』

 

 と、ここで敵から通信が入る。発信源は……バルテウス? 

 

『俺の名は、620。勝負だ。尾白流星、621』

 

 私と同じ、あの計画の……けどあれは無人機なんじゃ……

 

「……620、一連の出来事は誰の差金だ」

 

『それについては答える法がない……聞きたいのなら、俺を倒してみな』

 

「……上等だ」

 

 流星が両手に特徴的な銃をコールして、手に持つ。

 

 あの形状……さっきのビーム兵器? 

(『おそらく中央部にあるパックで撃っているのね』)

 

「さっきの手筈通りだ。行くぞ、ロニィ」

 

「……うん!」

 

 ────―

 

 流星が四方八方からやってくるミサイルとレーザーの弾幕をかいくぐり、ファンタズマにゼロ距離でビーム兵器を発射する。

 

「後ろにも目が付いてるのか、流星?」

 

「……あながち間違いじゃない」

 

 ビームが貫通し、ジェネレーターに当たったのか、爆散するファンタズマ。この時、すでに一夏たちのとこまで移動している。

 

「流兄、それの威力どうなってるのよ!?」

 

「こいつじゃないと、腕が吹き飛ぶくらいだな」

 

 アレックスとは違い、身軽になったそのISは常に瞬間加速以上の速度で移動している。体にかかる負荷は尋常じゃないに決まってる。

 

(『計算してみたんだけど……ISの補助込みでも7Gがかかってるよ……どうなってるのよ』)

 やっぱり無理してるじゃんか。

 

「ロニィちゃん! ファンタズマを引き寄せて! 一夏くんを福音に近づけてさせる!」

 

 おっと、楯無さんからのお願いか。

 

「わかりました!」

 

 肩部と腰部のミサイルを斉射する。当たらないだろうから、目眩ましに使って左手のパイルバンカーで……アラート! 

 

「……ぐうッ!」

 

 一瞬の警告音の後、鈍い音と共にいくつかの武装がやられた……バルテウス肩のキャノンに当たった!? 

 

 今のでSEが半分も……それよりも、該当武装をパージッ! 

 

 駆動系統にエラー発生……エネルギー配分再計算「ロニィ、下だ!」っ!? 

 

『もらったぞ、621!』

 

 いつのまにか真下にいた別のバルテウスが、火の剣を振りかぶってこちらに肉薄してくる。

 

 そういえば、周りの確認を怠っていた。

 

 まだ……死にたくない……! 

 

 そう思った次の瞬間、私の意識は別の場所に移った。

 

 ────―

 

『やあ、レイヴン……君があの機体を使ってるんだな』

 

 ここは……前に一夏とラウラが言ってたISコアの、深層空間? 

 

 眼の前に現れた彼、その声は……

 

「ジョシュア……?」

 

 その名前が間違ってないのか、彼は首を縦にふる。

 

『随分と懐かしい名前だ……昔にあいつに言われたきりだったか。アナトリアの傭兵だった彼……今は見る影もない』

 

「アナトリア……流星の過去を、知ってるの?」

 

『ほんの一部、という枕詞が付くがな……それで、話したい事はそれじゃないだろ?』

 

「……力が、ほしい」

 

 そう言うと、ジョシュアの眉間に皺が寄る……そうか、なぜ力がほしいのか、知りたいのか。

 

『今の力を持ってしてでも、満足しないというのか』

 

「……うん、流星の横に立ち続けるにはもっと力がいる! その力がほしい! 私は……死にたくないっ!!」

 

 心なしか、眉間の皺が薄くなったジョジュアは口を開く。

 

『そうか……あいつのためもあるというのなら、主人の願いを聞き入れよう。

 

 …………その力を、決して間違った使い方をしないようにな』

 

 ────―

 

『何っ!?』

 

 火の剣が緑から紫色になったコジマ粒子の発散によって弾かれた。だが、

 

(『メインシステム、ダウン……でもなんで、ISが解除されてないの?』)

 

 それはね、ある人と話をしたから……かな。

 

(『誰と話してたの?』)

 

 ……秘密。

 

(『はぁ……またいつか教えてね』)

 

 わかったよ、またいつかね。

 

《メインシステム……戦闘モード、再起動。行くぞ、レイヴン》

 

(『今の声……ISコア!? この光……トーナメントの時の!』)

 

「これは……三次移行か!」

 

『面白くなってきたな、621!』

 

 まだまだこれからだ……! 

 

「私は……621じゃない。

 

 ロニィだっ!」




千束とたきなの機体案まだまだ募集中……ぜひご参加を。何個でも、いいですよ。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=302122&uid=427875

参加してくれた人には、頂いた案に千束とたきなが乗った際のセリフを作らせていただきます。ぜひご参加を(二度も言うな。)

敵として出るなら……どれ?

  • よう、首輪突き。
  • 世に平穏のあらんことを
  • 私こそが企業だ!
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