IS 白き一角獣   作:どこぞの機械好き

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世界旅行第1段最終回はっじまっるヨー!

はいスタート!


第43話 世界旅行in中国

 side 一夏

 

 今旅行最後の地、中国。そこにある北京国際空港に三人は降り立った。

 

「流石人口世界2位の国……人がそこら中にいるな」

 

「……そうだな、ラウラ」

 

 まぁ早速感想なんだが……人が多い。

 見渡す限りの人、人、人。成田空港でも人は多かったけど、ここまででは無かった。

 

 搭乗口を出ると、役人と名乗る男性が空港の外まで連れて行ってくれた。その人の名前は……

 

「俺は張五飛(チャン・ウーファイ)、鈴音の監督官を任されてる……最も、そこで目がお皿になってる流星には『ごひ』って言われてたから、好きな方で呼んでくれ」

 

 ……なんかもう驚かなくなってきたな。別世界での流星の知り合いが多すぎて……

 チャンさん、か『ごひ』さん……ごひさんのほうがしっくりくるかな? 

 

「よろしくお願いします、五飛(ごひ)さん!」

 

「こちらこそよろしく、一夏くん」

 

 五飛さんが差し出した右手を握り、確かに握手をした。

 

「して、鈴音はどこに……」

 

「あそこにいるぞ、ラウラ」

 

「待ってたわよ、一夏!」

 

 五飛さんの後ろでは、腕を組んで仁王立ちしてる鈴がいた。

 何か既視感を感じる。学園でもこんなことあったような……

 

「……やっぱり似合ってないぞ、それ」

 

「今回に限ってはそんなことないわよ!?」

 

 あれ? じゃあ純粋に待っててくれてた……ってことなのか? 

 

「悪ぃ、ありがとな」

 

「ふ、ふん! やっと一夏もわかるようになってきたじゃない」

 

 ほんとにやっとだよ……

 昔のこんな自分なんてって思ってた自分を殴りたい。

 

「仲は、良さそうだね二人共」

 

「はい……もともと小学校の時からだったので……」

 

 昔は弾や数馬と一緒の悪友だったんだけどな。今思えばその時から始まっていたんだ……

 

「ふふっ、それはいいことだ。鈴音を守ってあげるんだぞ?」

 

「それはもちろんです!」

 

「……お父さんとお母さんにいい報告ができるな、鳳さん」

 

「はいっ!」

 

 

「ちなみに流星はそのくらいの時……」

 

アクシズって(隕石押し返して)た」

 

 なんか新しい動詞作ってないか? 

 ……あの映画とほぼ同じことしてたから、間違いじゃあないんだけど。

 

「アクシズ? …………逆シャアの……そうか」

 

 やっぱり昔からの付き合いなら……これで通じるんだな。

 

「4年前のあれだ。分かったか?」

 

「……流星自身がそれを世間に言うまでしまっておくよ。

 

 ところで……

 

 君たち、料理に自身はあるかい?」

 

「「……へ?」」

 

 できないことはないけど……

 

 ────―

 ────

 ──―

 ──

 ―

 

「今日も始まりました! 中華料理の超人!」

 

 ところ変わってテレビ局。セットされたキッチンを前に俺は立った。

 料理人の格好になった3人に所狭しとカメラがこちらに視線を寄せている……

 

 初めてIS学園に行った時よりかは緊張がゆるい……のかな? 

 

 普通スタジオには多くても8台くらいだと思うんだけど……

 

 30台くらいあるぞ? 

 

「なーんか、料理番組始まったな……」

 

「そうだな……海外のテレビも混ざってないか?」

 

 ……ほんとだ。B○C(イギリス)とかAR○(ドイツ)とか……待て、ニ○動のあのテレビの顔もしれっと混じってないか? 

 

 今頃なんて言われるのかな……? 

 

「今回は特別ゲストとして! 世界に2人だけのIS男性操縦者も来てくれています!」

 

「鳳さん曰く、どちらも一流シェフ顔負けの腕前を持つということで、毎回挑戦者を負かし続けている張さんにどこまで食いついていくのか! 期待が集まります!」

 

 五飛さん、鈴の事だけじゃなくてテレビの仕事もあるんだな。

 

 横では、流星と五飛さんがヒソヒソと話している。

 

「五飛、料理できるのか?」

 

「妹蘭と一緒に作ったりするからな、人並み以上にはできる自信はあるぞ?」

 

「妹蘭が……その指輪を見る限り、幸せそうだな」

 

 そう言って五飛さんが手を上げたそこには、左薬指には光るものが……

 

「司会はいつものカミーユ・ビタンがお送りします! 

 審査員はいつもおなじみの竜妹蘭と、花園麗(ファ・ユイリィ)さん、そして! 

 中国代表候補生の鳳鈴音さんと、ドイツよりいらした代表候補生のラウラ・ボーデヴィッヒさんです!」

 

「ファ!? ……カミーユも……!?」

 

 流星の視線の先には手を振る一人の女性……そして、手を振っている司会者がいる。

 

 ……流星が心なしか、反応にもう疲れてる気がする。

 

「今日のゲストになぜボーデヴィッヒさんが?」

 

 それは……

 

「ラウラと鈴は、フィアンセなので……」

 

『……へ?』

 

 途端に凍りつく会場内。流星と五飛さんはあちゃーって顔をしてる。

 

「一夏さん……その情報はまだ発表されてない……」

 

「……その発表3日後だぞ、一夏」

 

 …………あれ、俺なんかやっちゃったか? 

 

 それの答えとしてか、スタジオには驚きの声が響いていた。

 

 ────―

 

「一夏さんの唐突なリークがありまして、少し事態の収束を必要としましたが……改めまして、今回のルールを確認していきたいと思います!」

 

 ……それから10分くらいはさっきの騒動が続いてた……申し訳ない……

 

「この番組のタイトル通り、中華料理を作っていただき、その味を審査員にジャッジしてもらい誰の料理が美味しかったかを選んでもらいます!」

 

 中華料理か……テーブルにはありとあらゆる中華料理の調味料やら食材やらが並んでるけど……何作ろうかな? 

 

「制限時間は45分! それでは……はじめ!」

 

 始まったんだけど、何作ろうか……

 

 流星と五飛さんはもう作るものが決まってるようで、小麦粉をこねたりもう鍋に火を入れ始めていたりする。

 

 ……というか、道具が本格的過ぎて使ったことないようなものが多いんだよな。

 

 自分の顔より2周り大きい中華鍋とか、ISのブレードみたいな分厚くて胴が長い包丁とか。

 使えないわけじゃないけど……

 

「……一夏ぁ! 迷ってるなら、()()の作り方くらいはわかるでしょ!」

 

 少し離れたところで座っている鈴から声が飛んでくる。

 

 ……そうか、少し前に鈴が『毎日一緒に作れるように』って教えてくれたものがあるか! 

 

 では作っていこう。

 

 まずは以下の材料を用意する。

 豚肩肉

(下味用:しょうゆ こしょう、紹興酒 水)

(衣用:サラダ油、水溶き片栗粉各少々 片栗粉)

 ピーマン

 パプリカ(赤)

 たけのこの水煮

 干し椎茸

 玉ねぎ

 じゃがいも

【合わせ調味料】

 ・しょうゆ

 ・酢

 ・砂糖

 ・塩

 ・水

 

 水溶き片栗粉(片栗粉と水を1:1の割合で溶いたもの)

 サラダ油

 揚げ油

 

 ここではあえてケチャップを使わない。鈴の作る酢豚は、これだけでも十分に美味しいからだ。

 

 なんで水があるかは……すぐに分かる。

 

 豚肉は脂身と筋を除き、ひと口大に切り、ボウルに豚肉を入れ、しょうゆ、こしょう、紹興酒を加え、手でもみ込む。

 

 そして、ここからが一味違う。それは……

 

 下味をつけた豚肉に分量の水を加え、手でもみ込む。

 

「水、ですか……?」

 

 意外だったのだろうか、司会者のカミーユさんが尋ねてくる。

 

「はい。水を加えて手でもみ込むと、水分が豚肉に入ってよりジューシーにやわらかく仕上がるので」

 

「へぇ~……知らなかった……」

 

 豚肉にサラダ油、片栗粉と水を1:1の割合で溶いた水溶き片栗粉を加え、手でもみ込む。

 

 サラダ油は衣をカリッとさせる効果がある。そして水溶き片栗粉は、このあと片栗粉を豚肉にまぶすための、のりのようなものだ。

 

 片栗粉をたっぷりまぶして馴染ませたら、中華鍋に豚肉がつかるくらいの揚げ油を入れて180℃に熱し、さっきの豚肉を入れる。

 

 これはころころと油の中で転がしながら、表面がカリッとするまで1分ほど揚げる。

 

 ここでお玉で転がしながら周りを見てみると……

 

「……みんなすごいなぁ〜」

 

 五飛さんの鍋の上ででチャーハンが踊っており、流星は鍋をかき混ぜながら小麦粉の塊を整形している。

 

 というか、流星は何作ってるんだ……? 

 

 いい感じにカラッと揚がったので網に取り出して、油をきる。玉じゃくしで軽く表面を叩いて衣にひびを入れる。

 

 この一手間で、食べやすく、美味しくなるのだ。

 

 170℃まで油を冷ましたらまずじゃがいもを3分揚げる。そして、豚肉とたけのこを入れて更に1分揚げる。

 

「……この順番には、なにか意味があるのですか?」

 

この2つ(じゃがいもとたけのこ)は、火が通りにくいので……」

 

 1分ほど経ったら玉ねぎ、ピーマン、パプリカを加え、さっと揚げてピーマンの色が鮮やかになったら、すべてザルに取り出して油をきる。

 

「そして、玉ねぎはシャキッとした食感を残すため、ピーマン、パプリカは色味をきれいに保つために、最後に加えます」

 

「参考になります……」

 

 ここまで来たらあと一息だ。

 

 油を鍋から取り出して、一番最初の混ぜた【合わせ調味料】を中火で熱す。

 

 …………そして、沸騰したら水溶き片栗粉をいれて、具材を1分満ないくらい混ぜ……

 

「……完成しました!」

 

 鈴に教えてもらった通りにできた……

 

「織斑さん、ここで完成! あとの二人も、もうすぐ完成しそうです!」

 

 ────―

 

 そして、制限時間いっぱいになり、3人の調理が終わった。

 4人の審査員の前には、それぞれ3つの皿が並んでいる。

 

「まずは織斑さんから、酢豚! これ! といった点はありますか?」

 

「豚肉に色々工夫したので……柔らかくて、食べやすくなってると思います!」

 

 それを聞いていた鈴は、まるで弟子の成長を見るかのようにウンウンと頷き、ラウラは「ほーう……」と言いながらいろいろな視点で料理を眺めている。

 

「次に張さんは……炒飯ですね!」

 

「俺の炒飯は、コンロの大火力でパラッと仕上げてるから、余分な調味料を入れてない素材本来の味を楽しめると思う」

 

「新婚の妹蘭さんのお口に会うといいですね!」

 

 そして最後は……

 

「尾白さんは、刀削麺! どこかこだわったところとかありますか?」

 

 途中、手元が見えない程の速さで麺を削いでいた流星は、やはり刀削麺。

 

「四川料理ということで、花椒(ホワジョー)を多くの場所に使いました。その上、多くの野菜や肉を煮込んだスープと多くの具材の掛け合わせにより、辛くて美味いと言える一皿ができたと思います」

 

 流星の皿を見るが……

 

 ……一人だけクォリティが違う。

 俺と五飛さんは、いかにも家庭といった盛り付けなのに対し……流星のものだけ高級店のそれになってる。

 

 司会者(カミーユさん)も苦笑いしちゃってる。

 

「流星さんだけすごい……といっても勝敗を決めるのはやはり、味です! 審査員の皆さん、召し上がってください!」

 

 四人のは口を動かして料理を食べていく……

 

 

 

 

 が

 

 

 

 

 

「ゲホッ……流兄のこれ、香辛料使いすぎ……」

 

「なん……だと……!?」

 

「……張さん、味が……ほとんどしません……」

 

「ファさん!? 馬鹿な……!? こんなことが……!?」

 

 何やら二人の雲行きが怪しい。

 もしかして俺のも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……普通に美味しいぞ? そうだと思わないか、妹蘭さん?」

 

「ああ、他の二人のものよりずっと美味しい。家庭的な味だな」

 

 その後、満場一致で俺が選ばれた。

 

 ────―

 ────

 ──―

 ──

 ―

 

「なんで……あの味気に入らなかったんだろ……」

 

「お兄ちゃん、もう過去のことは過去のことだ……」

 

「……ありがとうラウラ」

 

 その夜、ホテルで流星と分かれる前に、珍しくしおらしくなった流星がラウラに慰められている。

 

 そんなにショックだったんか……

 

「もう大丈夫そうか……?」

 

「……まぁな。ありがとうラウラ」

 

「お兄ちゃんのためならこれくらいどうってことないぞ!」

 

「あれだけ見ると……ほんとの兄妹見たいわね」

 

「……そうだな」

 

 ────―

 

 そして、部屋に入った。

 

 三人部屋と聞いてるが……横に広いベッドが一つしかない。

 

「……どうしたんだ二人共?」

 

 そしてその上に座る二人。

 

「今日の酢豚の……お礼よ!」

 

「今晩は、よろしく頼む!」

 

 そう言って鈴とラウラにベットに引っ張りこまれた。

 

 ────―

 ────

 ──―

 ──

 ―

 

 翌日の空港。鈴と五飛さん、カミーユさんが見送りに来てくれた。

 

 なにやら訳のわからない単語が飛びかって、時折笑っている。

 そしてそれを興味深々に聞くラウラ。

 

 やっぱり流星の昔いた世界の人たちで間違いなさそうだな……

 

 と思っていたら、流星がこちらにやって来る。

 

 そして俺以外に聞こえないような声量で、こちらに小声で話しかけてきた。

 

「二人まとめてまぐわったのか……?」

 

 ちょっ……!? 

 

「もうちょっとこう、オブラートに……」

 

「何今更遠慮してる……ちゃんと日本に帰ったら、箒とか束も相手してやるんだぞ?」

 

「……それくらい分かってるよ!」

 

「二人共、何話してるのよ?」

 

「ん? ……今後の予定」

 

 間違いじゃあないけど……すごい回避したな。

 

「そ……一夏! もうすぐ私も日本に戻るけど、それまで元気にしてなさいよ!」

 

「おう! そっちこそ、夏風邪とかには気をつけろよ!」

 

 

 

 

 

「帰ろうか……日本に」

 

「……ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──― ──― ──―

 

 一方その頃、ツィマッド社研究所では……

 

「……これはなにかの拷問ですか、ロニィさん?」

 

 目の前に浮くのは背部に大きな武装コンテナとジェネレーターを載せたバルテウス。

 

 それも2機。

 

「いや、貴方にはこれくらい乗り越えてもらわないと困る」

 

「ロニィさんと流星も、これを……」

 

「うん。流星に至っては、20秒でできる。とっても無茶してたけどね」

 

「ガンビット20機の完全制御での飽和攻撃なんてできないでしょ?」と続けた言葉に閃光は激しく首を縦に降る。

 

「そこまでしろとは言わないけど……乗り越えて。あなたならできる」

 

「……やります!」

 

『遠足は帰るまでが遠足だ! 最後の総仕上げといこうじゃないか!』

 

 閃光の訓練ももうあと少し……

 




ここでタイマーストップ!記録は5日間でした。
……かなり弾丸旅行でしたね。

ワンサマは鈴とラウラがゴールインしました……これからあと5話くらいで夏休み編は終わりとの想定をしています。

……次は、4年ぶりに家に帰りましょうか。

敵として出るなら……どれ?

  • よう、首輪突き。
  • 世に平穏のあらんことを
  • 私こそが企業だ!
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