IS 白き一角獣   作:どこぞの機械好き

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……あ、喫茶リコリコに白い悪魔と赤い人の妹がお見えになってます。

この頃……SAOとの温度差がすごい。


第51話 学園祭の準備と……

 side 流星

 

「ここのMSの動作を見てくれない?」

 

「見せてくれ…………足の動きがちょっと不自然だな。もうちょっと動きを減らして見るといいと思うぞ」

 

 

「このNPCの動きなんだけど、どうしても単調になちゃって……」

 

「……ふむ、ここのプログラミングのミスでループしてる。ここを直せば戻ると思うが、それでも問題あったらもう一回言いに来てもらいたい」

 

 

 授業の放課後……教室にほとんどの生徒が残り、各々がパソコンやら、すでにツィマッドから持ってきたシミュレーターを使ってテストしたりと、学園祭に向けて準備が進められている。

 

 そんな中、俺が色々できることもあって……開発の中心となりいろいろなサポートに現在徹しているところだ。

 今は本音の横で何段階かに分けられたNPCの動きを見ている。

 

「りゅーりゅー、難易度をいくつかに分けといたほうがいいかな〜?」

 

 見せてもらっている画面には10段階あるが……そんなに多くなくていいかもしれない。

 多すぎても、どれをやるか迷うだろうしな。

 

「3か、4くらいでどうだ? 一番下はどれだけ当たっても死ななくてなおかつ敵の数を少なく、一番上はリアル準拠……当たりどころが悪ければ即死で四方八方から弾がが飛んでくる……なら丁度いいと思うが?」

 

「なるほど~、じゃあ4段階に分けてみるね〜!」

 

「よろしく頼むぞ、本音」

 

 そう言うと彼女は前向きな返事をして、早速キーボードを叩き始める。

 やっぱり整備科である以上、ISのソフト面をメンテナンスすることのある本音などにとったらいい練習にもなるんだろうな。

 

「後でナデナデして〜」

 

「……いいだろう」

 

 ついでと言わんばかりに砂糖をばら撒くことを忘れてない本音。

 これを見た複数人の生徒が逃げるように教室を出ても俺は悪くない……よな? 

 

「流星、少しいいか?」

 

 次に、マドカとロニィが製作途中のアクシズのあのシーンを見せてくる……なかなかの出来だな。

 具体的には「ロンドベルだけにいい思いはさせませんよ!」「やってみる価値ありますぜ!」の辺り。

 

「こんな感じのムービーを作ってて、この人たちの音声が欲しいんだけど……声の人とかは……」

 

「ちょうど声が同じやつがいる……そいつらに任せとこう」

 

 意識共有でシャアを呼び出し、その旨を伝える。ツィマッドにも当事者がいたはずだから後で話をつけとく。

 問題ないよな、シャア? アクシズの台詞もう一回言うことになるけど……でも()()()だけはいないからな……アムロは誰か声が似ている人を探すか。

 

(『了解した……前にいる()()()にも協力を仰いでおく』)

 

 それはどうも……アムロにもありがとうって……

 

 

 ………………アムロがいる? 

 

 

 …………あの天パがシャアの前にいる?? 

 

 

 ……ん──ー??? 

 

 

 なぁ、シャア……まじでアムロ見つけたの? 

 

(『見つけたも何も、目の前で私が淹れたコーヒーを飲んでる』)

 

 …………はーっ!? アムロこの世界にいたのっ!? 

 しかも喫茶リコリコにピンポイントで出てくるってどういう奇跡だよ!? 

 

(『誰かと待ち合わせしている『ちょうど今来た』……アルテイシアっ!?』)

 

 アムロの声が聞こえたと思った瞬間、シャアの叫び声で誰が来たかがその場にいないのにわかる。

 アルテイシアまでいるのか……喫茶リコリコの店内がカオスになっている状況が目に浮かぶ。

 

(『何っ!? 付きあっゴホッ……』)

 

 おお、アムロとアルテイシアが……というか大丈夫か? 

 

(『……コヒュー……コヒュー……』)

 

 過呼吸しか聞こえなくなった……よっぽどショックだったんだろうな。

 喫茶リコリコの中がめちゃくちゃになってないといいが……

 

「……どうしたの流星?」

 

「コア人格と話してたら過呼吸になって喋らなくなったんだ……」

 

 コア人格(シャア)と喋っているときは周りから見れば完全に固まっているようにしか見えない

 

「何話してたらそうなるのだ……?」

 

「……そいつがかつてのライバルが妹と付き合ってるって知ったらそうなった。あ、音声については明日以降になるが……それでもいいか?」

 

「「はぁ……」」

 

 二人とも、前半部分をあまり理解してない状態でさっきまでいた場所に戻っていく。

 ……また後で詳しく話しとくか。

 

「流星、宇宙デブリの3Dデータがあればいいんだけど……」

 

 その次に来たシャルが頼んできたのは、宇宙デブリの3Dデータ……アニメの奴は大体2次元だから、新造しないといけないが……

 

「そっちのデータは時間がかかるな……4年前の隕石で代用するか」

 

 そっちなら腐るほどサンプルもあるだろうし、ランダムで出せば毎回新鮮なゲームになるだろう。

 

「えっ……そのデータあるの?」

 

「一応、4年前のあの時に観測機(アイザック)で採った隕石のデータは残ってる……あ、そっちの疑似体験も、出来るようにするか?」

 

「……それも入れちゃうの?」

 

 シャルの声はちょっと疑問系……シミュレーターの容量は問題ないが、流石に今から1から作るのは厳しいか……

 

「言い出しっぺは俺だ。そのコンテンツは俺が作ることにする」

 

 大体、2徹くらいすれば出来るか。ちょっと寝る時間が削られるだけだ。

 それで作れるなら……

 

「流星、ボクの作業が終わったらそのコンテンツ手伝うよ?」

 

 ……と思っていた時期(3秒前)が俺にもありました。全然協力してくれるじゃんか。

 

「悪いな……助かる」

 

「それくらい良いってことよ!」

 

 シャルの微笑みに元気づけられ、早速コンテンツの作業を始める。

 

 その後……作業を始めて30分くらい経ったところで織斑先生が様子を見に来た。

 

「お前達……作業に励むのもいいが、遅くなりすぎないようにな」

 

『はーい!』

 

「それと尾白、少しいいか?」

 

「……いいですよ」

 

 そして……お呼び出しをくらったので廊下に出る。

 

「あの厄災の時のデータ、国には渡さないのだな……」

 

 開口一番それは……何か裏があるのか? 

 

「結局国とかに渡ったところでですよ。映ってるガンビットとかが兵器の開発に使われる未来しか見えないから……」

 

 ……ただ聞きたかっただけ。心配してただけか……杞憂だったようだ。それで次が本題と。

 

「……そうか。いや、ただ疑問に思っただだから特にどうということはない。それはそれとして、ここからが本題だが……一夏と流星には、無制限で招待チケットが渡される予定だ。もしかしたら流星たちの周りに、第3の操縦者がいるかも知れないなんて、考えているのだろうな」

 

 何人誘おうか……というかその中に男性の適正者いるのか……? 

 

「そんなポンポン出ていいものじゃないでしょうけど……まぁ出ないでしょ」

 

(『それフラグ……にはならないか?』)

 

 お、復活したか。グロッキーな状態から戻ってきたであろうシャアが、いきなり何やら不穏な言葉を投げてくる。

 ……ならない事を祈るしかない。

 

「確かに伝えたぞ? 一夏に会ったときに伝えておいてくれ」

 

「それなら……これからちょっと練習があるから、そのときに伝えときますよ」

 

「練習? ……一体何を企んでるんだ?」

 

 何か怪しんだ目でこっちを見るが……そんなに卑しいものじゃないから問題ない。

 

「学園祭が始まってからのお楽しみですよ」

 

 ────―

 ────

 ──―

 ──

 ―

 

「よっと……だいぶ上達してきたかな?」

 

「いい感じだ……今日の練習はこれで終わるか。順調だな一夏」

 

 今日の学園祭のサプライズの練習を終えて、スポドリを一夏に投げ渡すと「サンキュ」と言って受け取った。

 ふと窓を見ると外はもう暗い……日が短くなってきたな。

 

「さすがはいっくんとりゅーくん!」

 

「……そっちもいけるクチなんだな」

 

 前ではいつからかいた観客の束とオータムがパチパチと拍手していたので軽く会釈しとく。

 オータムは束に引きずり回されてる最中なのだろうか……ちょっとやつれた表情が見える。

 

「さ! 次の場所に行こー!」

 

「ちょっ! どこ引っ張ってるんですか博士!? 一人で歩けますからああぁぁ!」

 

 ……やっぱりそうだった。ドナドナされていくオータムに心の中で合掌し、片付けの続きにあたる。

 

「束さん、学園祭楽しみにしてそうだな……」

 

「それで招待人数無制限のチケットは、誰に渡すんだ?」

 

「マさんと、弾、蘭もかな……あとは御手洗とかも連絡取れたら送ってみる。でもマさんはツィマッドの方で来るのか?」

 

 マを一夏が誘うのか? 

 俺がいない間は、一夏達の面倒を見てくれたからその恩とかもあるんだろうか。多分マ自身も会いたがっていた筈だ。でも……

 

「そうだな。マに関しては、あいつはIS企業枠で来るだろうさ。にしても弾か……最近ずっとあってないな」

 

 今度学園祭であったときにちょっと話してみるか。

 

「最近どころかもう4年もあってないはずだぞ。俺は夏に会ったけどさ……蘭と厳さんも元気にしてたぞ! 相変わらず、食べてるときに喋ったらお玉が飛んできたよ……」

 

「その様子じゃ、まだまだ元気そうだな」

 

 あと20年はデイサービスの世話になりそうにもないな。

 

「それで、流星は誰に渡すんだ?」

 

「メインはSAOでお世話になった奴らにな。結構な数がいるから、渡し忘れがないようにしたいが……」

 

「……何人に渡したいんだ?」

 

 キリトにアスナ、ミトに……まぁクラインもいれてやるか。その他にもギルドに入ってたメンバー423人……それにキバオウやディアベルとかも入れて…………そこに加えて家の人も招待するとなると……

 

「ざっと450人だ」

 

「……普通に多いな!? 流石にそこまでは想定してないと思うぞ……せめて10人までにしようぜ?」

 

「ううむ……」

 

 45分の1まで削り落とさないといけないのか……

 どうしようか……

 

 …………

 

 ……こうするか。

 

「……10人に絞れた」

 

「一応、内訳を聞いても?」

 

「SAOでお世話になった六人とその従姉妹一人、あと最近GGOで知り合った一人。木綿季とさっき連絡取れた知人二人で合わせて十人……これでどうだ?」

 

 具体的には和人、明日奈、蓮(ゼータ)、帆坂(アルゴ)と直葉に詩乃だな。あとアムロとアルテイシア。名無はロニィが誘うって言ってたから、そっちは大丈夫だろう。

 

「それでいいと思うけど……GGOで知り合った人って、家に新しく来た人か? あの朝田さんっていう……」

 

「ああ、あの人だ。ちょっと前に色々あった人」

 

 詩乃は、和人と一緒に解決した一件で家に来ることになった。まさか彼女が5年前の郵便局から、俺を探してたなんて思わなんだ。

 

「まーたフラグ立てたよな。気づけば木綿季も流星に気があるみたいだし……これで何人だ?」

 

「……ついに二桁になりました」

 

 これでもまだ一夏に言ってない人いるからもうちょい増えるっていうね……一応簪やロニィなどの彼女たちには伝えてる……一夏にも今度伝えるか。

 

「まじかよ……流星のことだから関係とかは大丈夫だろうけど……」

 

 ……何故か言い淀む一夏。何か問題でも起きるのか? 

 何かを疑問に感じたのか、一夏は首を傾げる。

 

「あれ、シャアさんは誘わなくていいのか?」

 

 ……確かに今の話からすればシャアは誘ってないことになる。だがその心配はいらないな。

 

「あいつは喫茶リコリコの出張店の店員で来るから問題ない」

 

「……店員?」

 

「いっつも俺が週末に行ってる店があるんだが、その出張店が学園祭でやる予定なんだとよ」

 

 少し前に聞いたところ、DAからもOKが出たそうだ。学園祭に来ているときの人員の埋め合わせはうちの部隊から出すっていう条件付きだがな。

 

「ここに外からの店が? 珍しいな……」

 

「……なんか色々あるんだろうさ」

 

 主にDAとか政府の云々が……ほんとに千束達をここに入学させるなんて考えてないだろうな……? 

 

「……なんでそこでシャアさんが働いてるんだ?」

 

「本人希望だ。今のとこ特に問題は起こってないから別にいいだろ?」

 

「ふーん……それから、さっきの朝田さんの話に戻るけど……そろそろ家の拡張工事しないと、狭くなってきてないか?」

 

 そういえば……そうだな。そろそろ限界かもしれない。

 夏休みに一度、全員が同時に来たことがあるけど……何人かはリビングで寝ることになったからな……

 

「あー……そろそろ検討して、来年には工事できるようにしとこうか」

 

 ────―

 ────

 ──―

 ──

 ―

 

 side シャア

 

「いま流星から、アムロとアルテイシア宛に招待状を贈りたいと届いた……どうする?」

 

 スマホに届いた流星からのメッセージを伝えた。その表情はかなり綻んで見える。

 

「シャア、尾白流星とは……リュウセイさんで間違いないんだな?」

 

「間違いない。彼そのものが、学生生活を謳歌してる」

 

 千束スペシャルを頬張りつつ、アムロはふぅむ……と唸る。

 

「また彼と会いたいな……あの人の姿をまた見れるとは、これも何かのめぐり合わせか?」

 

「……だろうな」

 

 ララァあたりがやってくれたのだろう。

 

「流星さん、元気にしてるかしら……」

 

 そう言って過去を懐かしむアルテイシア……妹と私が小さい頃には、彼にお世話になったな……

 

 そんな彼女が今現在、かつてのライバルと付き合っているというのは、兄にとってはかなりくるものがあるが……妹が幸せなら、それで良いのだろうか……? 

 

「色々あったが……今は元気にしてるぞ」

 

「その色々って、具体的には?」

 

 ……いかん、地雷を踏んだかもしれない。

 しかしここで嘘をつくわけにも行かない……押し通るっ! 

 

「具体的には隕石を押し返したり、背中が焼けたり……」

 

「兄さん……どうして流星さんがそんな目にあってるんですか?」

 

 分かってはいたが怒るだろうな……アルテイシアの背後から黒いオーラ……見えてはいけないものがっ……! 

 

「ドレモ仕方ナイ状況ダッタンデス……」

 

「セイラさん、まぁ落ち着いて……というか流星さんも僕と似たようなことをしたんだな……」

 

「……まぁ実際に流星さんと会ってみるとしましょう」

 

 アムロに諫められ、なんとか落ち着きを取り戻したアルテイシアも、学園祭に来る意を示す。

 

 流星に二人とも来ることを確認したとISの通信機能を用いて伝える……とすぐに返信が来た。

 

(『りょーかい、二人分のチケットを俺の家に速達で送っとくから、明後日以降にまたあって渡しといてくれ……あと、二人とも再会を楽しみにしてるって伝えといてもらいたい』)

 

 随分楽しみなようだな……了解。伝えておいとこう。

 

(『サンキュー』)

 

「明後日以降、またここに来たときに二人にチケットを渡す……それと、流星から『二人とも再会を楽しみにしてる』とのことだ」

 

「……では2日後にまたここに来ましょう……アムロもそれでいい?」

 

「それで構わない」

 

―――――

 

「アムロさんとセイラさん、千束スペシャル美味しかったですか!」

 

 二人とその後も少し喋り、千束スペシャルを食べ終えた後……珍しく千束が会計を打ちつつ、彼らに質問を投げかける。

 

「ああ、美味しかったよ」

 

「また食べたいわ……次来たときも頼もうかしら」

 

「それは良かったー! ……シャアさんとは知り合いみたいだけど、三人はどんな関係なの?」

 

「……かつての流星の知り合い達だよ」

 

 少しためを置いてアムロが喋った言葉は、いかにも……そして心に来るものがあった。

 

「流星っていろんな人と面識あるんですね〜!」

 

 

「「ありがとうございました!」」

 

 会計を終えて店から出ていく、手を繋いだ彼らの若い後ろ姿を見送る……いかん、涙が……

 

「なに感傷に浸ってるのよシャアさーん?」

 

「……少し物思いに耽けさしてくれ」




男性操縦者二人で何企んでるんでしょうね……
それはともかく……もうじき、学園祭始まりますよ……?
実は学園祭編と言っときながら学園祭終わったあとも結構この編が続いたり……

敵として出るなら……どれ?

  • よう、首輪突き。
  • 世に平穏のあらんことを
  • 私こそが企業だ!
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