IS 白き一角獣   作:どこぞの機械好き

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今の今まで、アスナの漢字を間違えていました……本当に、申し訳ない。


第59話 新米のような経験者のような……

「じゃんけんっ!」

 

「どぉうぇええ!?」

 

「ぽんっ」

 

「あああああ!?」

 

「よっし!よしよしよしよっし……!」

 

「……今回は、紺色のお嬢ちゃんの作戦勝ちだったようだな」

 

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―――

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side 明日奈

 

「すごいね、もう飛行ができるなんて……」

 

「なかなか、筋があるようね……ほんとに初めて乗ったの?」

 

IS学園のアリーナ内。中国とフランスの代表候補生の二人に見てもらいながら『OOセブンソード』と名付けられた白と赤のISで空を飛ぶ。

このアリーナではキリトくんが流星に連れられて飛んでいたり、詩乃がオルコットさんと射撃の練習をしているのが見える。

 

「ほんとに私はこれが初めて……でも正直言うと、ALOで似たようなことをしてたかな?」

 

「そんな話は聞いたことがあるわ。操作感が似てるって一夏が言ってたね……」

 

「へえー……今度、買ってみようかな」

 

……と、こんな感じで会って数日も経ってないというのに、普通に会話できている。

話しやすい人が多くてよかった……詩乃も、あの感じだったら問題なさそうだし。

 

「純粋にISを楽しめるって、正直羨ましいわ……」

 

「だね……」

 

「二人はなにか色々ある感じ?」

 

「ほんっとに色々あるのよ。代表候補生って色々縛られたりしてるし……」

 

「……ボクも、そういうしがらみ無しで思いっきり空を飛びたいけどね」

 

私が飛んでいるところを見て、どこか遠い目をする二人。学生だけど、二人は国の仕事とか忙しいのかな……代表候補生も暇じゃないってことが今の状況を見ただけでわかる。

 

「でも、今は楽しもうよ!きっと私や凰さん、デュノアさんのISも飛べて楽しいだろうし!」

 

『はい!私も一緒に飛べて嬉しいです!()()!』

 

本来、ここでは聞くことのできないはずの声が聞こえて、思わず空中で止まる。

私のことを『ママ』と呼ぶ子は、一人しか知らない。

 

「ユ……ユイちゃん!?どこから話して……」

 

『こうやって話すのは初めてですね!私は今、ママの装着しているISから話しています!』

 

「突然止まって、どうしたの結城さん?」

 

「ア……ISからユイの声がしたんだけど……」

 

「ユイさんって……一体?」

 

私が突然泊まったことに気づいた鳳さんとデュノアさんが此方にやってきて、事情を伝える……けど、しまった。この二人はユイのことを知らないから、どうやって説明したら……

 

『サプライズ、気に入ってくれたか?』

 

今度は流星の声が頭に直接聞こえてくる。

 

「流星もどこから話して……!?」

 

『今使ってるのはプライベートチャンネル……秘密の話をしたいときに使える』

 

「それはわかったけど、ユイちゃんの声はどうして……」

 

『コア人格にユイを同期させたんだ。別に今の状態になったからと言って、ALOとかで会えなくなるわけじゃない』

 

種明かしに内心胸をなでおろしつつも、新たな疑問が浮かび上がってくる。

 

「……なんでそんなことを?」

 

『一緒に、この空を飛びたいんだとさ……俺はその手伝いをしたまでだ』

 

詳しく話を聞くと、私に専用機が回されることになった時に流星がユイちゃんに相談したそう……

 

「先に教えてくれたって良かったじゃない」

 

『そこんとこはすまなかったな。これで説明は終わるが……ユイ、しっかり明日菜のサポートをするんだぞ?』

 

『了解です、流星さん!』

 

こうして話を終えて、待っていてくれた鳳さんとデュノアさんの元に戻り、誰と何を話していたのかと聞かれたのでさっきの内容を二人に答える。

 

「コア人格って、そんなふうにすることもできるんだ」

 

「きっと流星のことだから、なにかしでかしてると思ったけど……やっぱりだったわね」

 

「……流星はいつもそんなことを?」

 

「簪も無理矢理ツィマッドの代表にしたし、デュノア社(パパ)に第3世代の設計図渡すし……それだけじゃないかな。ISを動かしていても、仲間をかばうこと前提で動いてるし……スタントプレーが多すぎるよ、流星は」

 

「それ、わかるよ……VRMMOの中でも、そんな行動が目立ってたし……」

 

「他のところでも相変わらずってわけね……いつか、どでかいしわ寄せが来そうだけど……?」

 

「そ、そんな縁起のないこと言わないの!」

 

―――――

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―――

――

 

side 和人

 

「……そういうのは事前に教えてほしかったな」

 

「明日奈と似たことを……でも、そっちのほうが楽しいだろう?」

 

アスナと話していた流星が、アスナのISにユイをコア人格?というものに載せていることを知らされた。

 

飛行の練習をしていると、時折練習がてら他の生徒がよくこっちにきて、俺と流星をまじまじと見たり、他の専用機乗りの人がアドバイスを教えに来てくれたり、ある時には……

 

「……何か壮観だな、白獅子が2体いるって」

 

「ほら、道草食べてないで高速飛行の訓練をするぞ嫁!」

 

「おわっ!?ちょっとまってくれラウラ!」

 

途中、一夏くんがこちらを覗きに来たと思ったら、銀髪のラウラという子に引っ張られていく。

一夏くんが……嫁?と呟くが、それを拾った流星が気にするなと首を横に振った。

 

流星は時々速度を落として、俺がついていけるようにしてくれている。

カタログスペックでは、つけてる武装は後ろの流星のISの背中に乗せている畳んでいる物以外同じはずなんだけどな……

 

「流星は後ろの羽を外して、こっちは全力で吹かしてるのに……どうして流星のほうが速いんだ?」

 

「サイコフレームから斥力を発生させてるからな……具体的な原理は知らん」

 

よくよく見ると、装甲の隙間から漏れている青い光がなるほど確かに、流星の機体を押しているように動いている。

サイコフレームって、ただピカピカ光るだけの装甲じゃなかったんだ……

 

「じゃあ、サイコフレームを使ってる、このバンシィも……」

 

「それは乗り手次第だな。こいつ(バンシィ)はお前の望むことを実現できる可能性を秘めている……人の未来を切り開く事もできるし、その()も然り…………というわけで、次は武装を試しに使おうか」

 

神妙な顔をしていた流星だが、一変して飛行訓練の次は武装の練習を勧めてくる。

 

「まずは……っておお。なかなかやるな!?」

 

「ちょっと変わった軌道をするんだな。狙ったところには当たるけど」

 

2枚の板から出てきた不規則な弾道を描くビームは、流星が設定して出した直後の的に命中する。

 

「ちょっとずれてたら顔にあたってたぞ……」

 

「……すまん!」

 

「まあいい……射撃はISの方で照準を補助してくれる。今ので大体わかったんじゃないか?」

 

そう言われてみれば、狙いを合わせる時……若干ISの方から動いていた事に気がつく。

 

「言われてみれば、たしかに……」

 

「それがわかったなら上等だ。次は左のナックル……名前は知ってる筈だ」

 

アームドアーマーVN(ヴァイブロネイル)。そう名付けられた黒いそれは勢いよく開き、内側から金色の爪が見え隠れしている。

 

「これって、流星がSAOで使ってた……」

 

「ものを新しく作ったんだ。使い方は言わずもがな、横で見てきたお前に知らんとは言わせないぞ?」

 

「思った通り……使いにくいなこれ。リーチの差がどうしても剣には……」

 

「それはどこまで行っても慣れとしかな……しかし、剣か。剣を持ちたいなら、心のなかで願ってみろ」

 

彼の言われるがままに、この両手についている武器の代わりに、剣を持つ……両腕の武装が消えて、空いた両手に二振りの刀が握られていた。

おもむろに流星の方を見ると、彼はニカッと笑う。

 

「伊達に3年一緒にいたわけじゃない」

 

「……用意の良いことで」

 

「近接ならもってこいだが……使い所は気をつけろ。GGO以上に銃器が有効だから……油断したらすぐにおじゃんだ。その分、VNは防御にも使えるから、よく考えて立ち回れよ」

 

―――――

 

「昨日から、顔色が悪くないか?」

 

練習の終了後、ISを解除した流星から飲み物をもらった時に、昨日のミーティングから変わらず顔色が芳しくない彼に声をかけてみる。

 

「血を抜きすぎたから、ちょっと色白になってるんだよ」

 

「それじゃあ、なんで目に隈が?」

 

「最近の睡眠時間が足りてないんだ。仕事が忙しくてな……」

 

「本当か……?」

 

「本当だ。もうキャノンボールも近い……今日はゆっくり寝る」

 

そう言って、流星はロニィ達と次の授業の場所へと向かっていく。

 

「ロニィ、待たせたな。詩乃も、今日はどうだったんだ?」

 

「詩乃が思った以上に射撃がうまくてびっくりしたよ!」

 

「でもロニィは、どれだけ訓練したらあんな運動を取れるように……」

 

遠ざかる彼を見ていると、肩に誰かの両手が置かれて聞き慣れた声が聞こえた。

 

「キリトくん、お疲れ様!」

 

「あ……今日はお疲れ、アスナ」

 

―――――

――――

―――

――

 

side 流星

 

「シャルは寝たか…………だが俺は今日も……」

 

すやすやと眠るシャルの少々乱れた布団を整えると、彼女を後目にしつつ寝静まった寮のベランダで夜空を見上げながら独り言を呟く。

和人と明日奈の話し声?だけが微妙に聞こえてくるくらいだ。

 

右腕を見ると和人に指摘された通り、日に日に色白になってきている。それに、()()()()……これが、前にたきなに輸血したものから来てるものじゃないことは、身体がわかっていた。

 

「……まっさか、今になって()()にガタがくるとは」

 

これは4年前の厄災時で治療が半年も行われなかった事によるものだと、主治医から説明を受けている。

症状名は千束と同じ……言わずもがな、このままだとそう遠くない内にお迎えがくることになる。

 

「これを見越して、あいつらが作ってたんだがなぁ……もうあれは千束のものって決めたし……」

 

もしもの事があれば、取り替えるために家の技術者が作っていたそうだ。

SAOをクリアした時にはもう治っていたから処分しようかと考えていた矢先に、ミカからの依頼でその作りかけの心臓を千束に譲る事を決めた。

 

『千冬女史といい、千束といい……流星は好きになった者には目がないな』

 

「全員魅力的なのが悪い」

 

ISの待機形態から聞こえてくる、シャアの声に即答する。

どうせ、俺は結局死んでもどこかに送り飛ばされる……ならばせめて、千束には長生きしてもらいたい。

 

『遺される方の身になって、考えてくれ……』

 

「……それもそうだが」

 

もしそんなことになれば……後ろで寝ているシャルやロニィを始め、多くの人が色んな感情を持つことになる……に違いない。

この命ある限り、頑張ってどうにかできないか考えるのが彼女たちのため……

 

……だが今日はその気分になれない。明日から考えるとしよう。

 

「ちょっと昔話を洒落込むが、付き合ってもらえるか?」

 

『現実の身体は、部屋で横になって夢の中だ。もしそうじゃなくても構わんさ』

 

「……悪いな」

 

そうして、男二人の会話が密かに続いていく。

結局朝まで話し通し、巡回の千冬に少しばかり注意を受けた。




OOセブンソードinユイ。つおい(確信)
次回はシノンをメインに作って、大会に突入したいと思います。
お楽しみに。

敵として出るなら……どれ?

  • よう、首輪突き。
  • 世に平穏のあらんことを
  • 私こそが企業だ!
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