まぁもとより行き当たりばったりなので突然投稿を辞める時もありますが、そのときまで楽しんで読んでくれると幸いです。
今話は少々長いです。
今朝、少しめんどくさいことに巻き込まれた。
「お兄ちゃん!私もオールマイトに会いたい!!」
朝飯を食べてるところに突っ込んでくる雲里。
俺はとっさのことに反応ができずに、勢いを抑えきれずに椅子ごと地面に倒れこんでしまった。
「おーい、大きな音がしたけど、どうしたぁ!?」
別の部屋で作業を行っている空さんの声が聞こえてくる。
俺は雲里を抱きかかえながら空さんに聞こえるように話す。
「雲里の勢いを止められなかっただけだから特に何でもないぃ!!」
「わかったぁ!ケガだけはすんなよぉ!!」
「おぉ!!」
俺は倒れた椅子を直しながら雲里を膝の上に置いて、話を聞くことにする。
「で、どうした?」
「私ね!今日の新聞見たの!」
「おう、そうなのか」
「うん!それでね、オールマイトがお兄ちゃんの学校にいるって書いてあったの!」
「ほうほう、なるほど」
あー、なんか嫌な予感がしてきたぞ?
「私もオールマイトに会いたい!連れてって!!」
「( '꒳' )」
なぁに言ってんだこの妹は。
「いや、無理だろ」
「やだ!会いたいの!!」
はい、駄々こね娘の完成だね。
はぁ~……。
「無理なもんは無理なの、諦めなさい」
「むぅ……ふん!」
雲里はそっぽを向いて俺の膝から降り、どこかへ走りに行ってしまった。
「……しばらくはあのままなんだよなぁ。どうやってなだめようかねぇ、ほんとに」
俺は学校に帰ってきてからどうしようかと、頭を悩ませることになった。
しかし、俺は知らない。
そんなことがどうでもよくなるぐらいのことが学校に着いてから待ち受けていることに。
★★★
「じゃあ行ってくるわ」
「あぁ、気を付けなよ。……はぁ、それにしても雲里のやつはどこに消えちまったんだか……」
あの後、俺はいつも通りに学校の準備をしていたのだが、その間に雲里はどこかに消えてしまったらしい。
多分、というか俺のせいだな。
「すみません、ちょっと判断ミスりました」
「ん?あぁ、亜久は気にしなくていいんだよ。雲里にも我慢ってのも覚えてもらわないといけないしね」
と、空さんは俺の頭を撫でてくる。
「やっぱり結構伸びてきたね、髪。もうそろそろ切るかい?」
「急に撫でないでくれよ、空さん。もう俺は子供じゃないんだから」
「私にとっては、お前もいつまでも子供なんだよ」
精神的にはもうおっさんと言われてもおかしくないので、こういうことをされると人並みに恥ずかしいのだが、空さんはそんなことお構いなしに撫でてくる。
ちょっと鬱陶しいときもあるが、まぁ、気分穏やかになれるので振り払わないでおく。
「ん、ほら、俺学校遅れちまうよ」
「そうだな。……よし、じゃ、今日も頑張って来いよ」
「はいよ」
さすがに時間がないと思った俺は、空さんの撫でる手を止め、学校に向かった。
★★★
で、学校の前まで着いたのだが……。
「なんだあれ、マスコミか?」
校門の前にマスコミと生徒の壁があった。
さっさと学校に入りたい生徒をどうしても取材したいマスコミによって道を阻まれ、てんやわんやとしている。
「あ」
「あ」
やっべ、マスコミの1人と目が合っちまった。
早く逃げないと……。
「あの、オールマイトの授業はどんな感じですか?」
「うわはっや!?」
すぐにその場から離れようと後ろを振り向いた瞬間、すでに後ろには先ほど目が合ったマスコミがマイクを片手に立っていた。
「それで、オールマイ――」
「ちょっと脇、失礼しますね!」
俺は素の身体能力でマスコミを避けようとした。
しかし、
「あのぉ、取材をお願いします!」
「待ってまじかよ!」
俺これでも中学じゃ陸上部にも引けを取らなかったんだぞ!
なのにこのマスコミは、そんなのお構いなしに俺の退路を塞いできやがる。
…………はぁ、大人しく取材を受けるのが吉か。
「ようやく取材を受ける気になりましたか」
「一個だけな、学校に遅れる」
「えぇ、わかりました。それでですね、オールマイトの授業はどんな感じですか?」
「まぁはい、オールマイトはヒーローの成り方こそ最高の一言では表しきれませんが、教師という立場を語るのならば、初心者、と評価せざるを得ませんね。たまにカンペを読んだりして話してますし」
そう話すと、マスコミは驚いたような表情をする。
「オールマイトがカンペ、ですか!?」
「えぇ。それじゃ、質問には答えたんで、行きますね」
「え?あぁはい。ありがとうございました!」
マスコミは約束通り一つだけ質問をして満足し、俺を開放する。
そして一瞬目を離した時には、既に別の生徒に取材を行っていた。
「性根逞しいなぁ」
俺は思わずそう呟いてしまった。
★★★
あそこから複数のマスコミに追われたが、さすがにあんな化け物フィジカルなマスコミはあいつだけだったようで、簡単に撒いた後、俺は教室に入った。
「あ!おはよう、黒墨くん!」
「おはよ、葉隠」
教室に入るとすぐに葉隠が反応してきた。
それに続いて、勝己と轟以外が反応してきたので、そっちにも挨拶をする。
「今朝はすごかったよな!さすがはオールマイトって感じでよ!」
赤髪の少年、切島が今朝の様子を話し始める。
「うち緊張しすぎて何言ったかわからんかった」
「さすがは平和の象徴といったところだな。影響力がすさまじい」
麗日、飯田もその話に混ざってくる。
よし、俺も混ざるか。
「俺の素のスペックに余裕でついてきたマスコミもいたな」
『そのマスコミ何者!?』
なぁんて話をしてるうちにチャイムが鳴り、相澤先生も来た。
もちろんその間に俺たちはちゃんと席に座っている。
「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績、見させてもらった」
相澤先生ははぁ、と息をついて、まず勝己に目を向ける。
「爆豪、お前もうガキみたいなマネするな。能力あるんだから」
「……わかってる」
勝己がぼそりと呟く。
そういや昨日の放課後、出久となんか話してたらしいけど、何話してたんだろう。
幼馴染の俺にも話してくれよ~。
「で、緑谷はまた腕ぶっ壊して一件落着か」
「っ」
「個性の制御……、いつまでも「できないから仕方ない」じゃ通させねぇぞ。俺は同じこと言うのが嫌いだ。
「っはい!」
出久も出久で、相澤先生のわかりづらい激励に元気よく返事をする。
「さて、
え?また臨時テストでもするつもりか?
俺的にはいままでやった勉強内容は把握済みだから、やっても特に問題ないんだけどな。
周りも俺と同じ考えのものが多いのか教室の空気がざわざわとしだす。
さて、どうなんだ……?
「学級委員長を決めてもらう」
「学校っぽいの来たー!!!!」
あ、なんか間に安心したかのようなため息が聞こえる。
で、学級委員長に関してだが、俺は参加できなかった。
みんなが委員長を立候補している中、俺は相澤先生に呼び出されたのだ。
呼び出されたまま歩き続け、俺と相澤先生は応接室と書かれた部屋に通される。
中には誰もいないと思っていたが、予想に反して、スーツを着たネズミが一匹いた。
俺は不審に思ったが、相澤先生に促されて長椅子に座り込む。
「いやぁ、急に呼び出しちゃって悪いね、黒墨くん」
「いえ、大丈夫です。……けど、まず、その…、貴方は?」
俺は、俺と対面で座るスーツを着たネズミに質問する。
「おっと、自己紹介が遅れたね。私はこの雄英の校長の、根津さ!」
なんと校長だった。
へぇ、異形化の個性なのかね。
「で、なんで俺はここに呼ばれたんですか?」
「ふむ、それはだね、依然行った入試の実技試験と昨日行ったヒーロー基礎学に関して、君と話そうと思い、相澤くんに呼んでもらったのさ」
「はぁ、なるほど」
意図が読めない。
この人(ネズミ?)はどういう意図をもって俺を呼んだんだ?
規則違反とかの話か?
でも俺はそんなことはしていない。
「単刀直入に言わせてもらうと、君の個性、インクという名称で抑えるのは些か無謀である、と僕は思っている」
「……と言いますと?」
「君の個性の内容は、体中からインクを生成することができる、と個性届には書かれている。だが、君のあのインクを纏う技、あれは常識から外れている。あれはまるで、
「…………」
この校長、鋭すぎないか?
確かに俺の個性の本質の中には悪魔――ベンディも入ってはいる。
だが見た目的には、一発で悪魔と判断するのは厳しいと思う。
だが、こいつは一発で正解まで持っていきやがった。
……なかなかめんどくさそうだ。
「そして昨日のヒーロー基礎学。君が映写機を媒体として創り出した怪物からは、凶悪なヴィラン特有の圧に似たようなものを画面越しから感じ取ることができた。それはつまり、君の個性の一部は自我があると判断したのさ」
「…………」
「さて、黒墨くん。このことをどう説明してくれるんだい?」
まじでやばい。(迫真)
この校長、さすが雄英の校長を務めるだけのことはあるとは思ったけど、あまりにも鋭すぎではないだろうか。
いや、正直に言ってもいいんだけど、絶対頭おかしいやつって思われるだろうし、信じてくれる可能性もあるだろうけど、それはそれでなんか危険性が高いとか何とかでどっかに閉じ込められそうだしなぁ。
うわぁ、俺どうすればいいんだ?
転生直後以来の絶体絶命じゃないか?これ。
「…………」
「……どうやら、話してはくれそうにないみたいだね」
「っ」
「まぁ、それでもかまわないのさ!」
「……え?」
なん、でだ?
「君からどれだけ危険な気配を感じても現状は何も起こっていない。君自身の行動を見ていてもそういう予兆というものもない。それならば少し警戒だけして、個性のことに関しては話してくれるのを待つ、というスタンスをとるつもりさ」
「なる、ほど?」
よくわからない。
こんな危険因子、さっさと牢屋なりなんなりにぶち込んでおいたほうがほかの生徒の安全を守れるし、犯罪を防止することもできる。
それなのになぜ?
「それに、危険な道に進もうとしている生徒に対して、少しでもお膳立てをしたり、安全な道を歩ませてやろうと思うのは、教師以前に大人の仕事だからね」
「そう、ですか…」
まだちょっとわからないが、なぜか校長の言葉が心の中にストンと落ちた。
……はぁ、こんなに生徒に寄り添ってくれる先生とかなかなかいないって、ほんとに。
「で、前座はこのぐらいにして、本題に入ろうか」
「え、今から本題なんですか!?」
「そうなのさ!で、これも単刀直入に聞くんだけど、この子わかるかい?」
校長のその言葉を皮切りに、先ほどまで俺の後ろに立っていたはずの相澤先生が応接室に入ってくる。
その手には、
「は?」
「あ……」
俺の妹である、
そういえばお気に入り登録数が100件を超えていました!
ありがとうございます!
また現時点でUAもあと少しで1万に到達することもご報告します!
それもこれもたくさんの読者のおかげです、ありがとうございます!
これからも精進して頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします!
と、今話についてですが、あまりに長くなりそうだったので前半と後半に分けて書くことにしました。
ということで、次話もお楽しみに待っていてください。
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