インクの悪魔のヒーローアカデミア   作:ホム竜

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そういえば主人公の外見スペックを貼り忘れたのでここに貼っていきます。

亜久hair:背中まで伸ばした黒髪。うなじあたりで纏めてポニテにしている。
亜久face:細目の優男風。目はインクのように真っ黒。若干大人びている。
亜久body:程よく筋肉がついていて引き締まっている。
亜久height:通常時170後半

では本編をどうぞ


2話.ヴィラン

肩を掴まれた勝己はすごい形相でこちらを振り返る。

 

「亜久ぅ!その手を放しやがれ!」

 

いや形相だけじゃないな、手のひらから小さな爆発が起きてる。

余程イライラしているらしい。

 

「そんなカッカすんなよ、このままだとお前の頭にやかん置いた途端に水が沸いちまう」

「誰が瞬間湯沸かし器だクソがっ!!?」

 

うんうん、やっぱりこいつはいじると面白いんだよなぁ……っと、面白がってる場合じゃないな。

 

「まぁさ、ここはいったん引いてくれるか?」

「なんでてめぇの言うことなんざ聞かなきゃいけねぇんだ!?えぇおい!!」

「……な?いいだろ?」

 

なかなか引かない勝己に対して少しだけ圧をかける。

 

「……っ!……ちっ、クソが…!」

 

すると勝己は悪態をつきながら自分の席に戻っていく。

俺はそれを見送ると、尻餅をついた状態の出久のほうに振り返り、左手を差し出す。

 

「大丈夫だったか?」

「う、うん、ありがとう、あっくん…」

「おう」

 

出久は俺の手を掴んで起き上がり、自分の席に戻っていく。が、

 

「あ…」

 

出久の間の抜けた声が聞こえ、そちらのほうに顔を向けると、そこには先ほど勝己が破壊した机が鎮座していた。

 

「あー…、後で空き教室から新しい机持ってくるか」

「う、うん、そうするよ」

 

そんな話をしながら、俺たちは各々の席に戻ることにした。

 

 

★★★

 

 

「あぁぁ、疲れた…」

「あっくん、勉強はできるけどめんどくさがりだもんね」

 

今日の授業はすべて終了し、今は放課後。

クラスの奴らはその友人らと駄弁ったり、早々と帰宅したりと様々である。

 

という俺は椅子の上でグーっと体を伸ばしたり、肩を回したりと体をほぐしていた。

その前では出久が苦笑いをしながら席を立つところであった。

 

「んじゃ俺はちょっとトイレ行ってくるわ。一緒に帰りたいから待っててくれよ」

「うん、わかった」

 

と言いながら俺はそそくさと教室から出てお手洗いに向かった。

 

 

~~緑谷side~~

 

 

僕はあっくんが教室を出るのを見送りつつ、スマホをいじる。

 

(お、今朝の事件ヤフートップだ!家に帰ったらノートにまとめなきゃ)

 

今朝起きた、シンリンカムイ、Mt.レディ、デステゴロ、バックドラフトが関わっていた事件がヤフーニュースのトップに躍り出ていた。

 

僕は机に置いておいたノート、【将来の為のヒーロー分析】を鞄にしまおうとする。

しかし……、

 

「あっ」

 

何者かの手によってノートを取られてしまった。

僕はすぐに取ったであろう誰かに視線を移す、そこには……、

 

僕の幼馴染である、爆豪 勝己――かっちゃんが僕のノートを持った状態でこちらを睨みつけるように見ていた。

 

「勝己、何ソレ?」

「【将来の為の……】、マジか!?」

 

後ろにいた、いつもかっちゃんとつるんでいる不良たちが僕のノートを見て嘲笑のような笑いを飛ばしてくる。

 

「いっ良いだろ別に。返してよ!」

 

僕はかっちゃんに対してそう言うが、当たり前のように無視して、ノートを両手で挟み、そして…

 

 

BOOM!!

 

 

爆破させた。

 

「あーーー!!?……ひ、ひどい…!!」

 

僕は黒い煙を上げているノートを見ながら戦慄する。

かっちゃんは僕の様子を見て鼻を鳴らし、ノートを窓の外へ投げ捨てる。

 

「ちょ!?」

 

僕は慌てて窓の外に駆け寄ろうとするが、その前にかっちゃんが口を開く。

 

「一線級のトップヒーローは大抵、学生時代から名を残してる。俺はこの平凡な市立中学から初めて!唯一の!『雄英進学者』っつー"箔"を付けてーのさ。まー完璧主義なわけよ」

 

その言葉を聞いた僕は思わず、みみっちいと思ってしまったが、間違っても口には出さない。

口に出た瞬間、ノートが受けた爆発を、今度は僕の顔面が受け止めることになる。

 

「つーわけで、一応さ……」

 

かっちゃんは圧のある笑顔で僕の肩に手を置き、

 

「雄英受けるな、ナードくん」

 

そう、言ってきた。

 

僕は何か言い返そうとするが、言葉が出てこない。

 

(結局僕は、あっくんがいないと何も…)

 

僕の脳裏には、いつも僕がいじめられているところを颯爽と現れて助けてくれるあっくんの顔が思い浮かぶ。

 

「あ、そんなにヒーローに就きてんなら効率良い方法があるぜ。来世は個性が宿ると信じて、屋上からの――」

 

「――おい」

 

かっちゃんの言葉を遮るように、教室の外から声が聞こえた。

それは、よく僕と話してくれて、相談に乗ってくれて、助けてくれる声。

そう、

 

「あっくん…」

 

僕の一番の友達で、ヒーロー…、黒墨 亜久だ。

 

 

★★★

 

 

お手洗いから戻ってくると、出久と勝己が何やら言い争いをしていた。

いや、言い争いというよりも一方的なものだ。

 

「はぁぁ、こいつらまたか…」

 

俺は教室の扉で体を隠し、会話を盗み聞きする。

 

こいつらの喧嘩は今に始まったことではないが、何回も止める身にもなってほしいものだ。

今回も別に俺が止めてもいいのだが、いつまでたっても俺が助けてばっかりじゃ出久のためにもならないため、今回は限界まで止めないようにするつもりだった。

だが、最後の勝己の発言はいただけなかった。

あれを言い切って、尚且つ出久が窓から身投げすることがあったら、それはもう立派な自殺教唆だ。

もう雄英云々の話じゃなくなってしまう。

 

だから俺は勝己の言葉を遮り、勝己を睨みつける。

 

「あっくん…」

 

出久はまるで一筋の希望を見つけたかのような雰囲気を漂わせているが、あいつにはもうそろそろ自分で何とかしてもらうように話す必要があるな。

 

「亜久ぅ…!!」

 

一方勝己は、親の仇でも見るような目で俺を睨みつけてくる。

 

「てめぇにも文句があるんだよ俺はよぉ…!」

「ほぉ、言ってみろよ」

 

勝己の手のひらから、小爆発が連続で起きている。

俺も俺で感情が高ぶっているのか、腕や足からインクが漏れ出し、顔からも鼻から上を覆い隠すようにインクが垂れてきている。

 

「てめぇは事あるごとに俺の邪魔をしやがってよぉ、ヒーロー気取りか亜久!俺よりも弱ぇ"没個性"のモブの癖によぉ!!」

「お前は毎度毎度、度が過ぎてるんだよ、いろいろとな。それの後始末はいつも俺だしよぉ。てめぇは自分のケツも拭けねぇのか?」

「んだとぉインク野郎!!」

 

どんどんヒートアップしていく俺と勝己。

勝己の手のひらからはさらに大きな爆発音に変わり、地面は真っ黒に染まっていく。

 

「「………」」

 

お互い無言で睨み合って、一分もたたないぐらいだろうか。

 

「けっ!」

「ふん…」

 

ほぼ同時に目をそらし、帰り支度をする。

 

「…勝己」

「あぁ?」

「さっき言いかけたことは立派な自殺教唆、犯罪だ。次からは気を付けるんだな」

「わかってるわクソが!!」

 

先ほどまで一触即発な雰囲気だったが、そこはまぁ昔からの仲のためか、すんなりお互いに矛を収める。

 

「出久、帰ろう」

「う、うん、わかった」

 

俺は出久を呼び寄せ、教室から出た。

 

 

★★★

 

 

「ったくよぉ、少しは自分の意志を貫こうとは思わないのか?」

「申し訳ありません……」

 

投げ捨てられたノートを回収し、出久と下校中、俺は出久に対し説教をしていた。

 

「まぁさっきのは勝己も言い過ぎだとは俺も思ったけどよ。少しぐらいは怒ってもいいと思うぞ、俺は」

「…うん」

「あと、周りの奴らの発言なんて気にすんなよな。お前はバカまじめだから、グイっと上見てつき進めりゃいいんだよ」

「…!うん、そうだね!」

 

俺がそういう風に言うと、出久は物理的に上を見て道を進む。

 

「そういうことじゃないんだけど、まぁいいか。形から入るってのも大事だしな」

 

俺は少し苦笑いを浮かべたが、先ほどよりはいいかと考え、出久の横に並ぼうとする。

そのとき…、

 

「…!!出久っ!!」

「え…?」

 

視界の端でマンホールの穴から、何か流動的なものが出てくるところを見た。

俺は考えるよりも先に出久を押して弾き飛ばす。

 

「…!?あ、あっくん!」

 

マンホールから出てきたものは、全身がヘドロで構成された異形型の、恐らくヴィランだろう。

その推定ヴィランは、マンホールの近くにいた俺に向かって近づいてきて、そして…

 

「Mサイズの隠れ蓑…」

 

そう呟き、俺に纏わりついてくる、否、取り込もうとしてくる。

 

普通の人間なら、何もできずに取り込まれて終わりだろう。

だが、()()()()

 

「インク飛ばし!」

 

推定…いや、ヴィランの目に目掛けて手のひらに生成した多量のインクを飛ばす。

が、ヴィランはヘドロという体質を生かし、インクを腕で受け止め、弾く。

 

「ちっ」

「抵抗しないで、大丈ー夫。ただ君の体を乗っ取るだけさ。苦しいのは約45秒だけ――」

 

バコッ!

 

どこからか飛んできた鞄が、ヘドロヴィランの目に当たる。

目は生き物の弱点の1つだ、それは異形型のヴィランでもそう変わらない。

ヴィランは一瞬怯み、俺はそのうちに後ろへ下がる。

 

「まったく、もし目じゃないところに当たってヘイトがお前に向いたらどうするつもりだったんだ?」

「ご、ごめ――」

「まぁ、結果的にいい具合に当たったから、今回は良しとするけどな」

 

鞄を投げた人物は出久だった。

まぁ、この状況で出久以外の一般人が投げてたら、そいつは今すぐヒーローになることをお勧めするけどな、主に状況の呑み込みの早さと判断力の早さを見て。

 

閑話休題(現実逃避はここまでにしてっと)…。

 

「さて、なんとか間合いは取れたけど、ここからどうするかな…」

「あのヘドロヴィランは体が流動的だから物理攻撃はほぼ効かない。かといって僕たちに遠距離攻撃は…なくはないけどさっきのあっくんのインク飛ばしが効かなかったことから攻撃しても意味はない。唯一目はヘドロじゃないからそこを目掛けて攻撃するのが一番有効的だけど、さすがにヴィランも棒立ちな訳ないから当たる確率は限りなく低いし、そもそも倒せるだけの遠距離武器がないブツブツ………」

 

出久が隣で策を練っているが、なかなか妙案が出てくる気配がない。

くっそ、ここは覚悟を決めて()()になるしかないのか…?

 

俺は最終手段である()()になろうか迷う。

その間もヘドロヴィランはジリジリとこちら側に詰めてくる。

 

「……覚悟を決めろ、“インクデー――」

 

俺が覚悟を決めて、インクを全身に纏おうとした瞬間……、

 

「もう大丈夫だ、少年たち!!」

 

そんな声とともにマンホールの蓋が勢いよく跳ね上がる。

マンホールから現れたのは……

 

「私が来た!」

 

存在そのものがヴィラン達の抑止力と称されている、"ナチュラルボーンヒーロー"、または"平和の象徴"である、ヒーロービルボードチャートJPランキング一位、

 

オールマイトだ。

 

「TEXAS…」

 

オールマイトが右腕を引き、ヴィランに向かって勢いよく拳を前に出す。

 

「SMASH!!!」

 

たった一発、されど一発。

オールマイトの一撃は直撃せずとも風圧だけでヴィランを吹き飛ばし、ついでに出久も巻き込まれた。




ここまでお読みいただきありがとうございます。
結構設定とかがばがばなところが多々あると思いますが、感想、評価よろしくおねがいします。
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