結構駄文が目立ったり、キャラクターの口調に違和感があったりしますが、3話もよろしくお願いします。
「っ!?おい出久、大丈夫か!?」
オールマイトの一撃の巻き添えを食らい、大きく吹き飛んだ出久。
俺はすぐさま出久が飛んだ場所へ走り、落下地点へと急ぐ。
そして、
「――…はいナイスキャッチ俺!!」
なんとか地面に激突する前にキャッチすることができた俺は、トンネルの壁際に出久を寝かせ、オールマイトのほうを見る。
「す、すまない少年、大丈夫だったかい?」
「地面にぶつかる前に捕まえたからな、今はあまりの衝撃に気絶してるだけだ。しばらくすれば目を覚ます」
「そうか。いや、ほんとに申し訳ない。いつもなら一般人が巻き込まれるようなことはしないのだが、慣れない土地と私がオフだったことが相まって遅れてしまった」
ナンバーワンヒーローとは思えないほど腰の低い態度をするオールマイトを見て、こういうところも彼をナンバーワンヒーローへと引き上げた理由の一つかな、とどうでもいいことを考えていた。
「いや、ヴィランの行動っていうのは簡単に予測できるものじゃない。ヒーローは基本的にヴィランの後手に回ることが多い、と思う。むしろ今回は被害がそんなに出なくてよかった」
「そう言ってくれると私にとっても助かるよ」
「まぁ、出久吹っ飛ばしたのは頂けないけどな」
「うぐっ、それに関してはホントにごめんね?」
「それは俺に謝るんじゃなくて、出久に謝ってくれ」
オールマイト相手にねちっこくて自分でも申し訳ないとは思うが、流石に俺の友人である出久を吹っ飛ばしたことは置いておくことができない。
だからオールマイトには謝ってもらう...という建前。
本音は、出久は大のオールマイトファンなため、今はいい機会だし会わせておこう、という感じだ。
俺はオールマイトから顔を逸らし、出久の方に歩いていく。
「出久、起きろ」
「......」
「おーい、出久、起きろって」
呼びかけたり、ほっぺを叩いたりするが起きる気配無し。
...仕方ない、最終手段だ。
「出久、オールマイトがお前の目の前にいるぞ」
「え、うそ!?どこどこ!?」
俺がオールマイトの名を口に出すと、先ほどまで起きる気配の無かった出久がすぐに目を覚ます。
「って、こんなところにオールマイトがいるわけないよ、なんでそんなわかるような嘘つくの、さ......」
「HAHAHAHA、ようやく目を覚ましたようだな、少年!!」
「トぁああああ!!?」
オールマイトの姿を確認した出久は一瞬の硬直の後、凄まじい勢いで後ずさる。
おいおい、そんな移動してたらズボン燃えるぞ?
「元気そうで何よりだ!!いやぁ悪かった!
オールマイトは先ほどの申し訳なさそうな態度ではなく、あくまでエンターテイナー風な感じで言葉を連ねていく。
おそらく出久が
俺としてはちゃんと謝ってもらいたいのだが、出久が嬉しそうなら俺は文句を挟むようなことはしない。
そこからも、オールマイトは豪快に笑いながら出久に倒したヴィランを見せ、ヒーローノートにサインをしていた。
出久は満足そうだ。
...てかそんなに頭振って大丈夫か?頭取れたりしないか?
「じゃあ私はこいつを警察に届けるので!液晶越しにまた会おう!!」
「おう、これからも頑張れよ、平和の象徴」
「HAHA、応援ありがとう少年!」
俺も孤児院のみんな用にサインもらったし、満足だ。
が、出久はまだ何か聞きたそうに慌てている。
「え!そんな...もう...?まだ...」
「プロは常に敵か時間との戦いさ。それでは今後とも...」
オールマイトは膝を曲げ、そして
「応援よろしくねええぇぇぇぇぇ」
多く跳躍した。
瞬きし終える頃にはもう彼は遥か彼方へ跳んでいっていた。
「うん、よし。サインも貰ったしちょっと怖い思いもしたけど、いいこともあった。明日クラスの奴らに自慢してやろうぜ、出、久...」
俺はサインしてもらったノートを仕舞いながら出久がいるであろう後ろを振り返るが、そこには誰もいなかった。
俺は嫌な予感がして、オールマイトが跳んでいった方を見る。
もう点になりかけているオールマイトのおそらく足の部分がやけに肥大化している。
俺の見間違いじゃなきゃあれは...
「あークッソ!熱狂が過ぎるぞ出久!!」
俺はオールマイトが跳んでいった方に向かって走り始めるのだった。
★★★
走り始めてどれくらい経っただろうか。
俺は商店街へと近づいていた。
ぼんっ!!
ふと、前の方で爆破音が聞こえてくる、それも何回も。
それに合わせるように悲鳴も大きくなっていく。
俺は好奇心を抑えることができず、爆破音がする方を見てみる。
そこには、先ほどオールマイトが倒したはずのヘドロヴィランが暴れ回っていた。
そしてどうやらヘドロヴィランは人質をとっているらしい。
人の波を押し退け、全体が見えるところまで移動する。
そこで俺は見てしまった。
ヴィランに取り込まれまいと必死に抵抗し続ける少年、勝己の姿が...。
「!?...勝己ぃ!!」
俺は思わず勝己の名を叫ぶ。
ヴィランの周りには何人かヒーローが応戦しているが、戦況は芳しくないようだ。
(奴は流動体だ、俺が個性を使えば何とかなるがたくさんの人の目がある以上使うことは非常に難しい。一体どうすれば...)
俺は脳内で色々思考する。
だがなかなかいい案が思い浮かばない。
相性のいいヒーローを待つというのが最善手なのかもしれない、だがそれまで勝己が耐えられたらの話だ。
......。
あぁ、全くさ...、
「世話が焼けるよ!!」
俺は人波を飛び越え、ヴィランの方へ向かう。
後ろの方でヒーローだか警察が何か叫んでいるが、今は聞かないことにして走る。
ふと横を見ると、緑色のモジャモジャが...って、
「出久!?」
「あっくん!?」
俺たちはお互いに驚くが、ひとまずそれは置いとくことにし、何となく出久を前に、俺は後ろに配置付く。
「爆死だ」
ヴィランは左手を前に突き出し、爆破の準備をする。
「させるかよ!"インクジェット"!からのぉ、"デビルキック"!!」
両手を後ろに回し、インクを勢いよく噴出する。
その推進力で俺は一瞬にして出久の前に躍り出る、と同時に右足をインクで固め、思いっきりヴィランの左手を蹴り上げる。
「な、このクソガ――」
次は俺に向かって奴の右手が迫ろうとするが、それは途中で遮られることとなる。
出久がヴィランの目に向かって鞄を投げたのだ。
それのよりヴィランは少しの間怯むことになる。
「いいぞ出久!そのまま勝己を引き摺り出せ!」
俺またもや思わず叫ぶが、どうやら出久には聞こえてないようだ。
そりゃそうか、俺は対抗できる力があるから様々な戦闘方法を取れるが、出久は今の時代じゃ珍しい、個性無しだ。
やることは限られる上にタイミングも難しいだろう。
だからこそ集中しまくる必要がある。
「かっちゃん!!」
出久はヘドロを必死に掻き分けながら勝己を引き摺り出そうとする。
「なんで!!テメェらが!!!」
「足が勝手に!何でって...わかんないけど!!」
「君が助けを求める顔してた...!!!」
出久はおそらく怖くて、いや、確実に怖いのだろう。
涙を堪えながらそう叫ぶ。
(...そんな理由で飛び出してきたのかよ出久。それってよぉ...)
「さいっこうにかっこいいな!!」
ほんとに今日は何度目だか、俺は叫ぶ。
無個性な俺の友人はほんっとに、どんなヒーローよりもヒーローらしい奴だよ。
「もう少しなんだから邪魔するなぁ!!」
「やっば!?」
ヴィランはイラついたのか、左手を大きく広げ、出久をなぎ払おうとする。
(やばい、マジで一瞬こいつのこと眼中から外してた!まずい、間に合わない!!)
「無駄死にだ!自殺志願かよ!!」
後ろから複数の足音が聞こえる、おそらくヒーローだろう。
「今更動いたって遅いんだよヒーローがよぉ!!」
思わず悪態をつく俺。
「いや、まだ間に合うさ、少年!!」
横から大きな手が現れる。
俺はそっちの方に目を向けると、全身から湯気のようなものを出すオールマイトの姿が。
オールマイトは片手で俺、出久、勝己を掴み、右手は弓のように思いっきり後ろへ引く。
「君を諭しておいて...己が実践しないなんて!!!」
オールマイトは口から血反吐を吐きながらさらに叫ぶ。
「プロはいつだって命懸け!!!!!!」
十分に握られた拳をオールマイトはヴィラン、ではなく地面に向かって解き放つ。
「DETROIT SMASH!!!!!」
瞬間、辺りは風が吹き荒れ、そして雨が降ってくる。
「おいおいマジかよ...」
さすがはオールマイト、拳一つで天候を変えやがった。
俺はただひたすらにオールマイトの凄さを目の当たりにし、ただ呆然とオールマイトの背中を眺めていた。
★★★
その後の話をしよう。
オールマイトにより倒されたヘドロヴィランは警察に引き渡されたようだ。
なぜそんな確証の持てないような言い方をしたのかと言えば、その場から全力で逃げ出したからだ。
こんなことが空さんにバレでもしたら、俺はインク瓶に詰められて出荷されてしまう。
それだけは何としてでも避けたかった俺は、その場で大量のインクを体内からぶち撒き、"インクホール"*1で白羽院の目の前へとワープした。
おそらく向こう*2では出久がヒーロー達から説教を受けているだろう、許せ...。
で、俺は胸に若干の罪悪感を抱きながら白羽院へと入ると、そこには般若の顔をした空さんの姿が。
まぁ、その後のことは安易に想像できるだろう。
なぜバレたかはわからないが、危険なことをしたこと、無断で個性を使ったこと、他諸々のことを空さんに説教される事となった、それも泣きながら。
普通に怒鳴られるならまだしも、泣かれながらだと、とんでもないぐらい罪悪感を感じる。
最後の方だと、「無事で良かった」と抱きつかれてしまった。
...まぁ、これからはなるべく危険なことはしないように気をつけようと思ったよ、流石にな。