インクの悪魔のヒーローアカデミア   作:ホム竜

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今回はいつもの二分の一倍の内容でお送りいたします


5話.合否

1週間後…。

 

「そういえば今日あたりじゃないのかい?」

 

夕食を皆で食べているとき、目の前に座っていた空さんが味噌汁を飲みながらそんなことを口にする。

 

「今日?……あー、そういえばそうだな」

 

そういえば今日で雄英の一般入試を受けて1週間ほど経つ。

だいたいの入試は受けてから1週間前後で合否通知が来る、それは雄英も例外ではないだろう。

 

「亜久兄、受かってると思う?」

「あぁ、筆記は自己採点でなら全部合格ラインは越えてるし、実技試験のほうでも上位に食い込んでると思うから、合格は確実だろうな」

「お兄ちゃんすごーい!」

 

ほかの子供たちも矢継ぎ早にすごいすごいと騒ぎ立てるが、空さんの「ご飯中は騒がない」という声を聴き、皆の声量が小さくなる。

空さんは怒ると怖いからな、皆はすでに調教済みということか…、俺もだけど。

 

「ん?なんか郵便に入ったみたいだから取ってくるわ」

 

俺は玄関のほうから僅かに聞こえてきた音を聞き、席を立ち玄関のほうに向かう。

ポストの中には、1つの封筒が入っていた。

封筒には、【雄英高等学校】の一文が。

 

「!?…空さーん!」

「なんだぁ?」

 

俺は玄関から直接空さんに呼びかける。

 

「ちょっと部屋に籠るから皆が入らないようにしておいてくれ~」

「……おーぅ、わかったぁ」

 

空さんはさっきの話の流れから何が来たのかを察し、了承。

俺は封筒を持ってそのまま部屋の中に入り、備え付けの椅子に座る。

 

「…すー、はー……、よし」

 

俺は1つ深呼吸をし、封筒を開ける。

そこには円盤状のプロジェクターが入っていた。

俺はそれに備え付けてある電源ボタンを入れる。

すると、

 

『わーたーしーが……、投影された!!!』

「……オールマイト」

 

なんでオールマイトが雄英の合否通知に……、ゲスト出演か?

 

『HAHAHA!!なんで私が雄英の合否通知に出てきてるかって?それはこの私が、雄英に勤めることになったからさ。さてと、早速だが黒墨少年の合否結果を発表しよう!』

 

結果はまぁわかってはいるが、誰かに発表されるというのは無条件に緊張するもんだな、ほんとに。

 

『結果は……、合格さ、それも首席でね!筆記試験は全教科が90点台!実技試験に関しては85ポイントで二位と差をつけた結果となった!!』

 

よし!主席合格はなんだかんだでうれしいもn『だがポイントは(ヴィラン)ポイントにあらず!!』……ん?

 

『我々雄英が見ていたもう1つの基礎能力、それは救出活動(レスキュー)ポイント!君は試験時間ギリギリな状態で取り残された少女を救うために迷わず、一直線に巨大ロボットに立ち向かい、見事撃破!!少女を救い出すことにも成功した君のポイントはプラスで救出活動ポイント45ポイント!!合計で130ポイントだ!雄英史上非常に数少ない100ポイント超え!!来いよ、黒墨少年!ここが君の、ヒーローアカデミアだ!!』

 

その言葉を最後にプロジェクターは終わり、俺の部屋は再び暗くなる。

 

「合格、か……。いやわかっちゃいたけど、めっちゃ緊張したぁ!」

 

俺は背もたれに寄りかかり、息を吐く。

前世含め二度目の高校受験、なんなら今世のほうが倍難しいところを首席で合格。

本来なら飛んで喜びたいところだが……。

 

「大丈夫かね、出久」

 

心配事は出久のことだった。

あいつは勉強はできるほうではあるので、そこらへんは心配していない。

心配なのは実技のほうだ。

この10ヶ月間でどれだけ特訓したかはわからないが、やはり無個性というのは周りに対して大きなハンデを背負っていることになる。

もしかしたら0ポイントで終わってる可能性だって……。

 

「心配だな……」

 

 

★★★

 

 

合格通知開封のその日の夜中、深夜1:00。

 

「さて、もうそろそろ寝ておく(ピロン♪)…ん?誰からだ?」

 

明日の準備を終え、寝る準備をしていると、スマホからLIMEの通知音が聞こえてきた。

俺は腰かけていたベッドから立ち上がりスマホが置いてある机に向かう。

 

「んー、えーと、……お?葉隠からか、どれどれ?」

 

 

【どうだった!?】

 

 

主語も減ったくれもない内容が送られてきてた。

まぁ何を聞きたいかはわかるけどな。

 

 

【あぁ、合格だったよ】

 

 

【私も合格だった!】

 

 

返事を返したらすぐに既読が付き、さらに返信も来る。

 

 

【よかったな】

 

 

【あの時黒墨くんが助けてくれなかったら多分受かってなかったと思う、だからありがとう】

 

 

【別に、ヒーローの卵として当然のことをしただけだ】

 

 

【それでも、だよ!】

 

 

"ありがとう"。

何度言われてもうれしい言葉だ。

 

適当な理由で受けようと思った雄英受験は、結果的にはよかったのかもしれないな……。

 

 

そこから俺たちは眠くなる限界までやり取りをすることとなった。

 

 

★★★

 

 

それから何ヵ月かが経過した。

 

「じゃあ、空さん。行ってくる」

「はいはい、いってらっしゃい。……あ、亜久」

「ん?」

 

俺は空さんに背を向けながら返事をする。

 

「――楽しんできなよ」

「……あぁ、わかったよ」

 

 

 

今日から俺のヒーローアカデミアが始まる。

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