インクの悪魔のヒーローアカデミア   作:ホム竜

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相澤先生の口調が安定しないなぁ。

ということで今話もよろしくおねがいします。


7話.個性把握テスト

「お前たち遅いぞ。そんなのでヒーローになろうってのか?」

 

現在、俺たちは相澤先生に怒られている。

理由はいたって単純、グラウンドに来るのが遅かったからである。

 

「はぁ、ヒーローになるための3年間、いつまでも学生気分でいられると困るんでね。今からやる個性把握テスト、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう」

 

へぇ…。

 

「は、はあああ!?」

 

 

相澤先生の唐突のデスゲームの開催により、皆は口をあんぐりと開けて驚きの声を上げる。

 

「雄英は"自由"な校風が売り文句、そしてそれは"先生側"も然り」

 

と話す相澤先生は、手に持っていたボールを俺に投げてくる。

 

「おっと……」

「黒墨、中学の時のソフトボール投げの記録は何mだった」

「……61mです」

 

後ろのほうから、「はっ!」と鼻で笑うような声が聞こえたが、なんとなく誰だかわかるため無視。

相澤先生はチラッと声が聞こえたほうへ目を向け、すぐにこちらに目を向ける。

 

「じゃあ個性を使ってやってみろ」

 

と、お達しが出たため、まぁ、全力でやってみようかな。

幸いにも円から出なければなんでもいいらしいので、ね。

 

ではまず、ボールに一定時間で爆発するインクをいくつか付着させる。

次に腕全体にインクジェットを取り付け、勢いをつけられるようにする。

あとはインクジェットをふさがないように腕をインクで纏えば……。

 

「お、おい、あれって0pを中からぶっ壊した奴に似てないか?」

 

と、後ろからおそらく俺のことを言ってるであろう話し声が耳に入るが、さすがに今返事するわけにはいかないのでそれをまた無視する。

 

「せー……の!!!」

 

腕につけたジェットが勢いよく噴射し、ボールを持つ手が前に押し出される。

その勢いをそのままに、投げる体勢につき、ボールを押し出す。

 

ゴっ!!

 

到底ボールを投げる動作から聞こえるものではない音が、()()()()()のほうから聞こえる。

 

俺は音が聞こえたほうへ顔を向けると、ボールはインクをまき散らしながら空に向かって小さくなっていく。

しばらくして相澤先生が俺たちに見えるようにスマホの画面を見せてくる。

 

「まず自分の「最大限」を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

スマホの画面には、【991.3m】と表示されていた。

 

「991mって、ほぼ1kmじゃん!すげぇ!」

「個性思いっきり使えるんだ!さすがヒーロー科!!」

「でも、これでこの人の記録が基準になったらやばいんじゃ……」

 

個性を思いっきり使える、というこれまでの生活ではなかったことができるということに興奮していた皆だったが、どこからか聞こえてきた一言で、興奮の声がざわめきへと変わる。

 

「これはあくまで個人がどれだけ個性を使えるかのテストだ。誰かを基準にする、なんてことはしない」

 

相澤先生のその言葉にホッと息を吐く皆。

ちなみに俺も安心した。

俺のせいで皆にプレッシャーを与える、なんてことになったら罪悪感で消滅するところだった……。

 

「それにしても、最下位は除籍処分って、あまりにも理不尽よぉ……」

 

個性把握テストのデモンストレーションを終え、皆のところへ戻ってきたとき、葉隠がボソッと呟くのが聞こえた。

おいおい、そんなこと言ってると聞こえr――「自然災害…大事故…身勝手な(ヴィラン)たち…」――あ、あ~……、聞かれてた……。

 

「いつどこから来るかわからない厄災、日本は理不尽にまみれている。そういう理不尽を覆していくのがヒーロー。放課後マックで談笑したかったならお生憎……」

 

相澤先生は静かに息を吐き……。

 

「これから3年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。Plus Ultra(更に向こうへ)さ。全力で乗り越えて来い」

 

これが雄英からの洗礼、ってやつなのかな。

なんか、すげぇ……、年甲斐もなくワクワクしてきた!!

 

 

★★★

 

 

【第1種目:50m走】

 

「"インクジェット"!!」

「3秒56!」

「亜久!てめぇ俺のをパクんじゃねぇ!!」

「亜久くんの後ろとんでもないことになってるんだけど!?」

「黒墨、後ろのインクは自分で処理しろ」

「……はい、すいません」

 

【第2種目:握力】

 

「粘力のあるインクを生成して、強く締め上げる……」

「105kg」

「……なんかお前の個性って、エロイことにも使えそうだよな」

「黙れちび」

 

【第3種目:立ち幅跳び】

 

「起きろ、サーチャー」

「うぉ!?なんか出てきた!?」

「サーチャー、俺を運べ」

「いやいや、流石にそれは反則だろ!?」

「――という話が出ましたが、相澤先生。これはどういう判断になりますか?」

「当人の体が地面についてない、よってセーフだ。……それより、黒墨、それはどれくらい保つ」

「んー、測ったことはありませんが、おそらく無制限ですかね」

「……はぁ」

「ん?おぉ!?∞かよ!?」

「すごーい!」

 

【第4種目:反復横跳び】

 

「記録、98回」

「いや個性使わなくても化け物かよ……」

 

【第5種目:ボール投げ】

 

「相澤先生、この枠を出なければどんな方法でもいいんですよね?」

「あぁ」

「そうですか、なら…………、ロケットパーンチ!!!」

『腕が飛んだぁ!!?』

「……998.2m」

「うっわ、惜しかったな」

 

 

★★★

 

 

ダイジェスト終了。

ほかにも持久走や上体起こし、長座体前屈があったが、"インクジェット"を使ったり、体を切り離したりと、記録をそこそこ伸ばした。

まぁおそらく上位には入れただろうという考えを一度片隅に置き、先のボール投げのシーンを思い出す。

 

――SMASH!!!――

 

出久が投げたボールが空高く飛んでいく光景。

酷く腫れた右手の人差し指。

 

どんな光景であれ、出久は個性を持っていた、……否、発現したのか?

いつだ……いや、いつ頃かについてはもうおおよそ見当はついている。

おそらくだが、受験までの10ヶ月の間だろう。

もともとあったが気づいてなかった?

もしくはレアケースとしてその時期の間に個性が発現したのか……。

前者と後者なら、後者のほうが可能性としては高いだろう。

でも確か、あいつの親はどちらも超パワー系の個性ではないはずだ。

 

「勝己ではないけど、あとで問い詰めてみるのもありかな」

 

 

★★★

 

 

てことで結果発表。

結果は3位と上位に食い込むことができた。

で、相澤先生の言っていた除籍云々はウソだったらしい。

俺たちの最大限を引き出すのと、いつでもヒーローになれるようにするための心持のための合理的虚偽らしい。

これを聞いた皆は、盛大に驚いていた。

 

出久に関しては顔が歪む勢いだったということをここで言っておく。




長らくお待たせしました。
中々都合がつかずにズルズルと引きずってしまい申し訳ないです。

次の話はなるべく早めに出せるように精進いたしますので、お気に入り登録、感想を待っています。
評価もつけていただけると、モチベにつながるのでお願いします。
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