ただの変態が凍った星を救っちゃう話   作:ハナホジン

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こういう変態なキャラが強かったり、たまにカッコいいところみせると惚れるよね。





変態と書いて、紳士と読む

ヤリーロ-VI

 

およそ700年前、星核と呼ばれる正体不明の物質が惑星の表面に落下したことで氷河の星へと変わってしまった不憫な星である。

アリサ・ランドが建造を主導した都市、「ベロブルグ」はこの星に残っている唯一の安らぎを得れる場所であった。

都市から少しでも離れると裂界造物と呼ばれる人ならざる者が蔓延る地獄の世界が広がる。

 

星核による寒波でこの人類希望の都市も雨に削られる岩のように少しずつ摩耗していっているのも事実。

このままではこの星に未来はないだろう。

救世主と呼ばれる者が来なければだが。

 

 

 

 

 

 

こじんまりとした狭い部屋に一人の男がベッドに座っている。

ホテルの部屋のほうが万倍も豪華といえるほどの部屋の廃れ加減は常軌を逸していた。

本棚らしき物は欠けていたり腐りかけていたりもし、机は破損しすぎでなんなら鉛筆一本通るほどの穴が空いてある。

そんないつ崩れるかもわからない場所で男は何をしているのか。

 

「ふぃ〜、気持ちよかったぁ〜…。やっぱ禁欲してからのスプライトは快感が3億倍にも登るわ」

そう、彼は自慰行為をしていたのだ。

持っていた淫本は破りに破れ顔がギリギリ見えるだけ、登場している局部や隠すべき場所を露わにしているであろう女性は首から下がキレイに見事に無い。

彼は見えない物を見える特別な目を持っているのだろうか。

 

否、ただの妄想癖変態野郎なだけである。

 

「さぁ、マイベイビー。体をキレイにちまちょうね〜」

男はティッシュを複数枚取り出し、排出するために刺激を与えたホースをキレイに割れ物を扱うかのように拭く。

その姿はまるで愛する我が子の純白なる体を洗っているかのように感じさせる。

 

「うしっ、んじゃあ今回も先にオカズから摂取しにいきますか」

男はズボンを履き直し、自分に気合を入れ込んだ。

そしてベッドから降り、数歩先にあるドアノブに手をかけて回し、外へ出ると

 

「おい変態、アンタの気色悪い音が私の耳に聞こえてくるんだけど? キモい、死になさいクズが」

黒髪だがほんのちょっぴり紫がかっている長髪の女性が男に会ってそうそうに罵倒を浴びせてくる。

 

「うっせぇな処女ちゃん、オメェだってどうせ一人でアンアンオナってんだろ?w」

男は暴言をそよ風のように受け流して、半笑いのバカにしたような顔で鋭い言葉のカウンターフックをくらわせる。

相手の女性はそれに顔を真っ赤にさせて、口が半開きになり「な、な、な」となにかを言おうとしている。

 

「う、うるさいわね!!アンタだって童貞じゃない!!どうせ今日もひとり悲しくセコセコとヤッてたんでしょ!?」

女性は顔を真っ赤な林檎のようにして、大声で女性が言うべきではない羅列を並べて叫びだす。

 

「黙れ小娘!!お前だって痴女みてぇな格好しているくせに男誰一人寄ってきてねぇじゃねぇか!!」

男も反撃するように公共の場で言うべきではない事を言う。

 

「も〜あったま来た!!! 一回その節操もない使い道もないそれを切り落としてやるわ!!去勢よ!!去勢!!!」

すると女はどこからか同じ身長くらいの大きな鎌を取り出して刃を男へと向ける。

 

「ふん、レスバに負けた雑魚はそうやってすぐ暴力に頼るんだよ。頭おサルさんか?」

男はそれに恐怖をせずに煽る態度は止めない。

 

「っ…!! 死ね!!!!」

そして女の刃が男に振り下ろされ、血が吹き出すと思った瞬間。

 

「やめなさい、ゼーレ」

また新たな声が響いた。

女は勢いをつけていた鎌を止めて、声がした方へ振り向く。

するとそこには暗い青色の髪を持っているおっとりとした目をした女性がいた。

 

「な、ナタ…、これはまたあの変態デイルが…」

ゼーレは慌てながら弁明しようとするが、

 

「うわぁぁぁんママぁぁぁ!!! またゼーレがボクチャンを虐めてきたんだよぉ!!」

変態が上から塗りつぶすように大きな声量でナターシャへと飛びつく。

 

「ゼーレ、デイルも思春期のお年頃なんだからそれくらいはするの。デイルもデイルよ、貴方はもう少し大人の対応というものを取りなさい」

ナターシャは飛びついてきたデイルの頭を両腕で包みながら頭を手のひらで撫でてくる。

 

「ぬ、ぬぐぐ…」

ゼーレは納得のいかない顔つきをしているが相手は自分の母親のような人、そう簡単に反論などできないものである。

だが、そんな親のような人に性を吐き出す変態がいる。

 

「やっぱ、ママのが一番プヨプヨしていて気持ちいい…」

デイルはナターシャの強調された豊満な胸に顔を押し付けて、左右の乳を優しく紳士のようにフヨフヨと揉む。

形がスライムのように押し付けては元に戻るように反発し、離すと前に突き出していつもの胸に戻る。

ただの脂肪だが、これに興奮しされど安心感を与える。

今はいない繁殖の星神、タイズルスにこの一瞬だけ称え崇めた。

 

「これが30代こうは」

デイルが何かを言おうとした時にはそこにデイルはおらず、何故か木でできた壁に頭から突っ込んでいた。

パラパラと煙と破片が落ち、ナターシャは投げ終えた体制を取っていた。

 

 

 

 

 

場所は変わってとある大部屋の中、そこにはベッドが横並びで複数並んでおり薬品特有の匂いがする。

ベッドには赤ん坊のようにスヤスヤと寝ているデイルとその隣に優しい表情をしているナターシャの姿があった。

 

 

 

この子は私がまだ孤児院の母となっていた頃の子の一人。

小さい頃は元気で外を、いや青空のない外をよくゼーレと走り回っていたわ。

私が大事に育てた子供達の何人かは色々な事柄のせいで死んだけど、今生きているこの子達だけでも自由になってほしい。

 

デイルは少し欲に忠実な子だけどちゃんとした優しさというものを兼ね備えているわ。

でもその優しさが自分に対する優しさとして向いてほしい。

ある日、診療所内のアルコールが無くなりかけた時に私はデイルにお願いした。

 

少し消毒用アルコールを取ってきてほしい、と。

 

デイルは地炎の中でも一番の強さといえるほどの実力の持ち主、ゼーレといい勝負をしているらしいけど私としては戦いなんてしてほしくない。

まぁ、そんなだから私はデイルなら大丈夫でしょといった愚かな楽観的な判断をしてデイルを危険な場所へと送ってしまった。

 

帰ってきた時のデイルは血を体中の至るところから吹き出しており、歩いてきた道には真っ赤な水溜りができていた。

私はデイルが命がけで持ってきてくれた物と薬品を使って治療した。

肉は裂け、体は火傷を負い凍傷を負い、死んでもおかしくないほどの怪我だったが何とか一命を取り留めた。

 

私はデイルに頭を地面に擦り付けて謝った、尊厳など何もない私の今まで見せたことのない格好でデイルに謝った。

そこからなのか分からないがデイルは昔の元気なデイルではなく、今のデイルに変わっていったと思う。

 

私がデイルにできることなら何でもすると言うと、

「じゃあ、俺と寝て」

と思ってもいないことを要求してきた。

 

勿論私は断ろうとしたけど、引き寄せられてベッドに押し付けられてそのまま流されるがままに一線を超えてしまった。

初めてではなかったけど、初めてした時よりも気持ちよくて我が子のように扱っている人の目の前でよがりによがって、その姿はただのメスだった。

 

避妊はしたけど、デイルの性欲は底なしで6回も連続でヤッた時は腰がくだけてしまい、終盤動けなくなった私をただの玩具のように使われて巨根を打ち付けられた。

でもデイルは乱暴にやらずにちゃんとお互いに気持ちよくなれるやつでしてくれるからまだ優しさが残っているんだなと思ったりした。

 

看病を続けてデイルの怪我が治っていつもの日常に戻る、というわけでもなく女の体の味を知ってしまったデイルは時間が空いた時、私を犯してくる。

それを受け止めてしまう私もあれだけど、デイルの大きな体と甘いキスが私を狂わせてくる。

フックや子供達の前の私と、デイルとシている時の私のギャップにフックの目の前で下腹部の底が反応してしまう。

ゼーレはデイルを変態と罵っていたけど、私のほうが変態なのかもしれない。

 

 

 

少し回想を挟みながら今の現状を頭の中でまとめていると、ふと見たベッドで寝ているデイルは子供の頃のデイルを想像させる。

ついデイルの頭を撫でたらサラサラとしている真っ赤な髪質の肌触りが良い。

 

「ナターシャ先生、患者さんが診察を望んでいますが…」

「ええ、今行くわ」

お手伝いさんが私にそう伝えてきたため、私は席を外して待合室の方へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

もう本当にイライラする、私が一生懸命誘惑しているのにあのバカデイルはなんでか私にそういう目で見てこない。

いつもアイツに私の胸を見せつけているのに興味無さそうに無視してくる。

一瞬アイツは男にしか興奮しないヤツなのかとも思ったけど、ナターシャや他の子に堂々とセクハラをするからただ単に私をそういう目で見てこないだけらしい。

それが一番腹が立つ、本当にムカムカする。

 

ちっちゃな時にアイツ

「ゼーレをお嫁にしてやるよ!!」

って啖呵を切って言ってた癖にそれが処女だの痴女の格好しているアイアンメイデンだの、なんなのよアイツ!!

 

アイツの持て余している性欲なら私はちゃんと受け止めてあげるのに…。

 

まぁ良いわ、アイツがバカでマヌケで鈍感アホ変態野郎っていうのはずっと前から知っていたし、私が本気出したらすぐにアイツ如きイチコロよ。

 

絶対アイツを私のに…。

 

 

 

 

 

 

「変態と書いて紳士と読むと思うんだ」

「貴方は何を言っているのですか?」

デイルは腕を組み、壁に寄り掛かりながら隣にいるサンポという怪しさ満点の顔をした男に話しかける。

 

「いやなチンポ君、俺はいつもゼーレに変態変態と言われているじゃないか」

「私はサンポです、人の名前を下ネタとして変えないでください」

デイルは真面目な顔つきのまま堂々と下ネタを言い、サンポにツッコまれる。

 

「でもさ、俺は別に強要をしている訳ではない、だろ? チビ共にはそういう接し方はしていないんだ。変態と書いて変態と読むのは相手をレイプ同然に迫って犯す奴のことを言うんだ!!」

「バカみたいな持論を振り回さないでください」

熱のこもった声量で叫ぶデイルを貶す目で見るサンポ。

今すぐにここから離れてしまいたいと思うサンポの気持ちなど無視して、デイルはギャーギャーと身勝手で自己中な論文を叫ぶ。

勿論これは通行人にも聞かれており、ある者は気持ち悪いと思いながら避け、ある者は一理あると考えながら歩き続け、意味のわからない事を親に聞こうとする子供の姿もある。

 

しかし、これら住民は総じてデイルの事を信用しているし信頼しているし尊敬している。

変態思考な性格ではなく、業績と強さとたまに見せる優しさである。

 

彼は強い、変態の癖に知将だし、変態の癖に武将である。

ある時は子供に数学や歴史を教え、見たこともないアーティファクトを自在に操る。

ある時にはボルダータウンに攻め込んできた無数とも思う裂界造物を薙ぎ倒し、スヴァローグと呼ばれる人類に敵対視している人工知能ロボを破壊寸前まで追い込んだりもしたらしい。

あとイケメンである、彼を知らない人が彼を見たら全員が彼を格好良いと思うほどの美人なのである。

 

天は人に二物を与えずというが彼は二物も三物も与えられている。

倫理観、常識といった物を取られているからプラマイゼロなのかもしれない。

 

「んでだサンポ、余談なんだがこの後地上まで連れてってくれ。物資を回収しに行かなきゃならないんだ」

「そっちが本題ですよね!?さっきの変な戯言の方が余談でしょう!?」

急に話を変えたデイルにサンポは驚きを隠せないでいたがそれでもツッコミをしないという選択肢はなかった。

サンポは根っからの芸人なのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

「久しぶりに外に出たけど、やっぱ寒いな」

「そりゃあそんな格好でいるからでしょう!?」

デイルの格好はなぜか裸、下着など勿論履かずに魔羅を自慢するようにぶら下げている。

赤髪の佳人が粗品を曝け出す、正に残念美人だ。

 

「さぁ、行くぞチンコ。こんな場所にいては我の約束された勝利の剣(エクスカリバー)傷つける魔の杖(レーヴァテイン)になってしまうからな」

「何を言っているのかわかりませんが、速く行くことについては同意します」

サンポは若干諦めながら筋骨隆々のデイルの後をついて行くことにした。

 

 

 

 

 

足場が雪の場所から変わって、石造の地面を裸足で歩くデイルとそれについて行くサンポ。

寒かった空気と風が少しずつ暖かく過ごしやすい空気へと変わっていくのを二人は肌で感じる。

 

「デイルさん、ここからは流石に服を来ましょう。その状態で行ったら悪目立ちしすぎて目標が達成出来なくなりますよ」

「うん、じゃあ服を着るとしようか」

サンポは心をホッと撫で下ろして、持ってきたカバンを漁ってデイルの服を探す。

 

二人の目標は上層部にある在庫から薬、食材を掻っ攫うことである。

地下は資源が限られている、地上よりも薬の数も食料も治安維持のための人材も少ない。

捕まってしまったら二人は永遠と陽の目を浴びることが出来なくなるであろう。

このことを地炎のリーダーオレグと真のボス、ナターシャには言ってはいない。

聞いたら二人は猛反対し、ゼーレの鎌が胴体を切断するからである。

 

「おや?着替えがない…?」

「キャアアァァァァァァァァァァァ!!!!」

サンポがカバンをいくら探しても服が見つからず、最悪の展開を考えてしまっていたその時に女性の叫び声が聞こえた。

サンポはその最悪の展開が起こってしまったのではないかと思い、慌てて声がした方へ振り向くと…。

 

そこには見慣れた引き締まった臀部と背筋がなんと我が道を行くかのように道のど真ん中を突っ切っているではないか。

時間帯は昼、勿論人は横行しているしなんなら目の見える範囲でシルバーメインが普通にいる。

サンポは今すぐ逃げるように伝えたいが、そんなことしたら作戦が全てパァになってお陀仏だ。

 

「おい!!貴様何をしている、今すぐその裸体を隠せ!!!」

シルバーメインの一人が槍先をデイルに向けながら命令する。

デイルはゆっくりと青々とした美しい空に顔を向けて、

 

「チンポォォ!!!先に取りに行けぇ!!!」

デイルは空に叫び、シルバーメインを更に引き寄せた。

サンポは彼が囮になったのかと考え、持ち前の速さと忍びの技で溜め込んでいるであろう倉庫へと疾走っていった。

 

「なんだこいつは!!! イカれてんのか!?」

「違うだろ!! こいつただの変態だぜ!?」

シルバーメインはデイルを取り囲み、銃口を、槍を、斧を構える。

 

「悪いが俺は男の趣味は無いんでね、さっさとイカせてやるよ」

デイルはそう言って、足を広げ腰を落とし、左手を前に出し右腕を後ろへと引いた。

ソレは重力に従い下へと引っ張られる。

 

「ドオォラ!!!」

デイルが覇気を込めた叫びを上げるとタックルのように前へと突っ込んで、道を無理やり作り出した。

タックルを喰らったシルバーメインらは後ろに吹き飛ばされ、地面に背中から着地したり電柱に体をぶつけて下に落ちるといった惨状が繰り広げられた。

 

「クッ…!!殺れぇ!!」

男の合図に合わせてシルバーメインがデイルを攻撃しようと近寄る。

 

「遅いぞ!!遅漏共が!!」

デイルは根拠もない偏見を叫んで武器を持つ相手に裸で真っ向から挑んだ。

ぶらぶらとソレを振りながら。

 

デイルは目の前に来た兵士に下からの蹴りを顎に喰らわせて、宙へと舞う。

更に攻め込んできた兵士の武器を躱し、拳を頬に直撃させる。

遠くから銃を撃ってきた兵士の弾を当然かのように避け、寄ってきた兵士にドロップキックをブチかます。

そうやって避けては攻撃し、避けては攻撃する方法で40人ほどいるシルバーメインをお手玉に取っていた。

 

「オリャ!!!」

一人の兵士の槍がなんとデイルの背中に刺さった。

全員がやったとかチャンスだとプラス思考で考えていたら

 

「えっ!? は、入らない!?」

刺した兵士はそう言い出してくる。

兵士がどれだけ力を入れてもこれ以上刃が奥へと入っていかない。

 

「変態はな」

するとデイルは何かを言い出して後ろへと振り向く、

 

「最強でジャスティスなんだよ」

マヌケの真骨頂を言い出したデイルに刺した兵士はあんぐりのまま呆然にしていたら腹に拳が飛んで当たり、後ろへ飛んでいった。

大砲かと思うほどのデイルの拳の一撃は周りの兵士達に格別な強さを分からせた。

変態は最強なんだとそう思わせるほどに。

 

「総員!! 捕縛対象を囲め!!」

兵士達が怯んでいる時に一喝が耳の鼓膜を揺すり、兵士たちは体を動かし即座にデイルの周りを再度囲んだ。

 

「貴様のような不埒な者など、このベロブルグには必要ない!!即刻捕まえて投獄させよ!!」

デイルの目の前に銀髪に近い髪色と丸っこい形のイヤリングをした、とても長い銃を持っている女性がデイル相手に言う。

デイルは何を思ったのかその女性の目を見つめながら、

 

アソコをいきり勃たせてきた。

 

周りがザワザワと騒ぎ出してきた。

で、デカすぎると言う者や負けた…と勝手に勝負して敗北宣言する者やよくもブローニャ様にあんな穢らわしい物を!!と怒りだす者もいた。

 

被害者、ブローニャ本人は…

 

「なんだあれは?内蔵武器?」

なんと彼女は勃っているソレを知らないという。

ブローニャは小さい頃から勉学、訓練に勤しみ男と接する機会なんて無かった。

勿論、親から性知識を教えられずにシルバーメインの頂点に立ってしまったのだ。

そんな純白な彼女を見た、ソレは新たな武器かと思うほどにピュアで穢れなき心の持ち主なのだ。

 

デイルは巨塔を勃たせながら、ゆっくりと両腕を広げてブローニャへと近寄る。

シルバーメインらはブローニャの前に立ちふさがり、仮面越しから見えるその目は護ることを誓った漢の目をしていた。

 

「フフッ…。お前らのその覚悟、見させてもらおうか」

デイルはシルバーメインらの殺気を正面から受け止め、相手に向かってまた突進をかまそうとしていた時に、目の前に白煙が急にボワッと現れた。

 

「デイルさん!!目標は達成致しました!!逃げますよ!!」

するとサンポが煙と同時に現れて、デイルの肩を掴んで逃げることを促すが

 

「チンポ…、このはち切れそうな我が朕をどうすれば良いというのかね?」

デイルはこめかみにシワよせて、漫画のようにキレてしまいそうな雰囲気を醸し出している。

 

「後で風俗の代金を奢りますから!!」

「よし行こう今すぐ行こうさっさと行くぞぉ!!!」

目の色が変わり、デイルはサンポの腰を脇に抱えて比喩表現だが光の速度で走っていった。

 

 

 

 

 

 

次の日、サンポとデイルは無事に上層部が溜め込んでいる食材や必需品を盗むことに成功した。

上では指名手配犯として悪人になっているが、地下では英雄呼ばわりされている。

称賛の嵐、絶賛の雨、デイルは高笑いになりながら両手に風俗の売女を抱えている。

 

はずだった。

 

地下では英雄呼ばわりというよりもやってくれたな精神が強く反映しており、現在デイルはパンツ一張羅の正座でナターシャとゼーレとオレグに説教を受けている。

 

「やったわね」

「やってくれたわね」

「やってくれたな」

三人は怒りを隠すことは出来無さそうに顔が引きつっている。

 

「英雄じゃないの…?」

デイルは脳内で描いていたハーレムドリームが作られないことに疑問を抱いていた。

 

「今、上層階と下層階の関係性わかるわよね? あなたがバカみたいな事をしてくれたおかげで余計劣悪になったのよ」

「これで上と下の関係性を回復させることは不可能になったな」

ナターシャとオレグは憤怒をため息と一緒に吐き出している。

 

「ごめん☆」

「死ね」

デイルは反省の色を全く見せずにテヘペロっと相手の神経を逆撫でしてくる。

ゼーレはそれに反応しデイルの顔面を容赦無く蹴ってくる。

 

「これからどうしましょう…」

「やはり、一度あの貨物エレベーターを復活させるしか…」

ナターシャとオレグは真剣な表情でこれからどうするかを議論している。

一方バカの変態な本人はというと、

 

「みんな裸になって踊れば平和になると思うんだ」

「黙りなさいアンタは!!!」

「いだだだだだだだだだだ!!!!」

ゼーレはデイルの本気の提案を一蹴し、一枚の布越しに竿を握りつぶそうと力を入れる。

流石にデイルも泣きそうな表情で藻掻き苦しんでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

救世主が来るまで、残り数日。




人物紹介
デイル:オリ主、キレイな赤髪で身長は186cmとクソデカいしメチャクチャイケメン。
でもなぜか変態でプラスがマイナスと絡み合っていい感じにプラマイゼロになった。
好きなことは裸でいること、エッチなこと。
嫌いなことはしつこい奴、苦い食べ物。
チン長は30cmっていう本から出てきたと思うほどの化け物。
座右の銘は「ロリに手を出すやつは死ね」
経験人数は一人だけ。

ナターシャ:元孤児院のママ、そこで育てたデイルやゼーレを実の子のように愛している。
でもその大事な子に犯されて脳みそが破壊された。
ある日を境に自慰行為の回数が週0から週2になった。
経験人数は2人。

ゼーレ:ツンデレ幼馴染みキャラ、デイルと小さい頃からの仲。
エッチな格好しているのに処女。
処女をコンプレックスとしているが簡単に捧げたくない。
自慰回数は週8。
デイルが好き。

サンポ:ツッコミ役、主にボケはデイル。
デイルにチンポと言われて嫌がるが、他の人にもチンポと言われてもうムリリスカシヨ。
自慰回数は月1。
童貞ではない。

オレグ:オッサン、最近誰かのせいでストレスが溜まってハゲてきた。
自慰回数は年0。
精子が枯れた。
童貞ではない。

ブローニャ:純白系のお姫様、処女だがゼーレとは違うタイプの処女。
下ネタ用語は一切知らない、男のアレも見たことが無いし名前を聞いたことない。
好き。
自慰回数は週0、というかしたことないし知らない。

シルバーメイン共:処女厨、ブローニャ様の処女を命をかけて護っている。
なおデイルが初めてを奪ったら脳味噌が破壊される(予言)。
全員童貞。

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