からの久しぶりなんで文章おかしかったらすいませぬぅ!
「……はぁ、これで何体目かな?」
心底面倒臭そうに……いや、実際面倒臭いのだが。とにもかくにも、吸血鬼の下っ端らしき存在の頭を握りつぶしながら、吐き捨てるように僕はため息をついた。
「幽香ちゃん、出てきていいよ」
「う、うん。……あなたの戦う姿なんて初めて見たけれど、日向って強いのね」
危険が去ったところで、僕の家の中に避難していた幽香ちゃんを呼ぶ。扉から出てくる際、何処かおずおずとしているのは、まあ、初めて僕の戦う姿を見たからだろうか。そりゃ幽香ちゃんは人間なんだから、妖怪の戦いなんて見たら怖がるよね。うっかり忘れてた。
なるべく刺激しないよう、笑いながら幽香ちゃんに話しかける。
「あはは、強くても、僕は僕さ。大丈夫だよ、幽香ちゃん」
「わ、わかってるわよそんなことは!!ふん!」
僕の言葉に、緊張を吹き飛ばすかのように強気に振舞う幽香ちゃん。なんだか微笑ましい。思わず撫でてみたくなる。
……うん、サラサラだ。あと幽香ちゃんの顔真っ赤だ。
「いや何自然に人の頭を撫でてるのよこのセクハラ妖怪!!」
「いてっ」
何故だろうか。頭を撫でたら、罵倒と暴力が返ってきた。理不尽すぎる。解せぬ。
だいたい、何故いつも僕が幽香ちゃんにちょっかいをかけるとセクハラになるのだろうか。僕を一体どんな目で見てるんだい、この子は。え、手つきが変態?さいですか……と、まあ、幽香ちゃんとのいつもの茶番はここまでにしといてだね。
「……こいつ、なんで日向の向日葵畑を襲ってきたのかしら?」
「さあね。知りたくないし、興味もない。……ただ、ここを襲うなら、全力で『殺す』だけさーーーあっ」
……迂闊だったかな。
僕の殺気のこもった殺す、という単語に、身体をびくっと震わせる幽香ちゃん。僕の大切な物を狙ってくるなんていう冒涜に、ついつい殺気が出ていたようだ。
夏の間だけだけど、大妖怪たる僕の殺気。そりゃ、ただの、ではないにしても人間の幽香ちゃんにとっては身体の底から震え上がるほど怖いだろう。先ほどの僕の戦う姿も見たことだし、それも相まって怖さ倍増ってところかな。……まあ、あれは戦いというより、『一方的な虐殺』だったけど。
「日向……その、私には何もしないってわかってるけど、周りにもできるだけ怖いこと、しないでね?」
「ううーん、それは約束はできないけれど。……まったく、幽香ちゃんは優しいなぁ」
頭を撫でながらそう言うと、幽香ちゃんは黙ってされるがままになった。先程は嫌がってたのだけれど、こういう不安になったりした時は甘んじて受け入れる幽香ちゃん。まったく、愛いやつめ。
「ちょ、撫ですぎよ日向……!もう大丈夫だから!」
「ん、そう?」
幽香ちゃんがそう言うなら、もうやめておこう。しかし幽香ちゃんや。手を引っ込めた瞬間、少しだけ寂しそうな顔をしたのを僕は見逃さないからね?
「……ふふ」
「わーらーうーなっ!今子供扱いしたでしょ絶対!」
「はてさて、一体何のことやら。別に、普段大人ぶってるくせに実は甘えん坊な幽香ちゃんのことなんて、何も考えていませんよ?」
うがー、などと叫び出す幽香ちゃんをよそ目に、吸血鬼の下っ端ーー確信ではないが、今の幻想郷の状況的にそう予想しているーーがここを襲ってきたことを考える僕。決して幽香ちゃんを無視しているわけではない。面倒だなんて思ってない。きっと、恐らく、メイビー。
……まあなんで襲ってきたかなんて、おおよその見当はついてるんだけどね。戦力の増強。ここ、幻想郷の妖怪達を従わせ、自分達吸血鬼の戦力にする。それも見境なく、手当り次第に。まったく、こちらとしてはいい迷惑だよ。
「……あのスキマは何してんだか」
ここにはいない友人の名を呟きながら、いつまで冬眠してるんだと悪態をつく。がしかし、もちろん冬眠などしてないのは知ってるし、本当は忙しいということもわかっている。
わかってはいるのだが……やはりとっとと解決しろと言いたくなるのも仕方がない。じゃないと何回も畑が襲われるからね。そのせいで僕の可愛い向日葵達が怖がるじゃないか。
『ソンナコトナイヨ!』
『ヒナタガマモッテクレルカラダイジョウブ!』
『ネー!』
「君達は本当に可愛いなぁ」
向日葵達のそんな無邪気な声が、僕の心を癒してくれる。
あー、幽香ちゃんの『花と話す程度の能力』が羨ましいなぁ。僕は向日葵の声しか聞けないから。その点幽香ちゃんなら、花全般の声が聞けるし、毎日楽しいだろうなぁ。
それにしても、『はな』と『はな』す程度の能力、か。……ふふっ。
「ねぇ、日向。私は今、そこはかとなく馬鹿にされた気がするのだけれど?」
「そこはかとなく気のせいだよ幽香ちゃん」
適当に誤魔化して難を逃れる僕。ふっ、いくら幽香ちゃんの勘が鋭くても、君を扱い馴れてる僕からすればこのくらいの危機はピンチでもなんでもーーー痛いよ幽香ちゃん。
「ふんっ」
「ごめんごめん。代わりに幽香ちゃんのお願い何か聞いてあげるからーー「ほんと!?」ーー食いつき早いね?」
「こ、こほんっ。……じゃあ、その、日向。そのね、今の状況じゃ日向も賛同し難いだろうけど、私、人里に帰っていいかしら?一日だけ、その、向こうに居たいの」
食いつきの早さを誤魔化すように咳払いをして、そんな提案をしてくる幽香ちゃん。
しかし……ううーん。これは幽香ちゃん、ひょっとしなくても、何か裏があるな?それも僕に言えないくらいの。明らかに挙動不審すぎる。
さて、どうしたものか。幽香ちゃんの言う通り、僕としては賛同し難い。当たり前だ。人里が緊迫としてる中、半妖だのなんだの言われてる幽香ちゃんを置けばどうなるかなど……いや、絶対そうなるわけではないし、ただの予想だけどね。それでも、幽香ちゃんに危険が及ぶ可能性がある。それだけで賛同しない理由としては十分だ。
「どうしても向こうに?」
「どうしても……どうしても必要なものがあるの」
必要なもの、か。それがなんなのか、僕には想像もできないけれど、幽香ちゃんにとっては余程大切なものなんだろうね。
一応、紫やエリーを護衛に付かせるって手も考えたけど、エリーはくるみの世話で今の時期は手が回せず、紫にとっては言わずもがな、今回の異変でそんな余裕はない。よって、幽香ちゃんを人里で一日だけでも置いておくという行為は却下。もこうやこーりんがいてもダメなものはダメなのだ。
……だけど。
「ーーーっ」
そんな思いつめたような……譲れないような、真剣な目でこっちを見ないでよ。僕が悪いことしてるみたいじゃないか。
初めて見るその幽香ちゃんの姿に、少し戸惑ってしまう。まったく、普段の幽香ちゃんを考えると、似合ってない姿だ。いつものようにアホな幽香ちゃんはどこいったのさ。
……なんて心の中で誤魔化していても、目を逸らしてはくれない、か。
「……はぁ」
ため息を一つ零す。本当は行かせたくないんだけどなぁ……まったく、そりゃずるいよ幽香ちゃん。反則だ。
「負けた負けた。まったく、幽香ちゃんは頑固だなぁ……必要なものがなんなのか、後で教えてね?」
やれやれ、とため息混じりに言葉を口にした。そんな僕の態度から察したのか、幽香ちゃんは真剣な目つきから一転し、ぱぁっと顔を綻ばせた。
「ーーー!そ、それじゃぁ!」
「た、だ、し」
ーーー必ず、ここに帰ってくること。
そう約束して、僕は幽香ちゃんを人里へ送り、自分の向日葵畑に帰った。本当は僕も人里にいたかったのだが……これ以上刺激を与えて幽香ちゃんの立場を更に悪くなるのを危惧したのと、僕がいない間に向日葵畑を荒らされたら困るからだ。
幽香ちゃんに構ってばかりであそこを荒らされたら、幽香ちゃんに殺されちゃうしね。それじゃあ本末転倒だ。
それに、もっこすやこーりんにも見てやってくれと頼んどいたし、大丈夫。
「あの子なら、絶対に帰ってくるさ」
ーーー翌日、幽香ちゃんが死んだ。
急!展!開!
まあ、この話はもともとこう行こうと思ってたので、めんどくさいから早く終わらせようとかじゃないですよ真面目に!ちゃんと考えてます!そしてこの話も、そろそろ終盤です!予定としては20話くらいで終わらせるつもりだったので!
あと花妖怪で感想くれた方々には、花妖怪を更新する際に返事をいたします!すいません遅くなって!
これからモチベーションあげて、頑張ります!……感想や評価もあるとモチベーション上がりますよ|д゚)チラッ?