向日葵の咲く頃に   作:『向日葵』

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更新の遅れについては、活動報告をご覧ください!だけど更新が遅れたのは事実。誠に申し訳ございません!

この小説を見ているときは、向日葵畑を想像していただくとより深く感情移入できる......と思いやす。


向日葵の咲く頃に―八輪―

「日向ー!こっち終わったわよー!」

 

ちょっと聞いてんのー、と向日葵畑の方から聞こえる幽香ちゃんの呼びかけに適当に返事をして、幽香ちゃんが戻ってくる前に僕は縁側からリビングへと向かいお茶の準備に取り掛かった。この暑い中、僕の代わりに向日葵たちに水やりをしてくれている幽香ちゃんのためだ。

 

そうしてお茶を用意し終わったところに、ちょうど幽香ちゃんが帰ってきた。その可愛らしい顔には汗が大量に出ているが、どこか満足そうだ。

 

「ふぅ......やっぱり夏は暑いわね。でも、そこがまたいい!」

 

「その意見には激しく同感だね。はい、お茶」

 

あんがと、と軽く礼を言い僕の手からコップを受け取り、中に入っているお茶を勢いよくごくごくと飲む幽香ちゃん。なんかおっさんぽいなぁ、と思ったが口には出さない。出せばあの日傘でぶっ叩かれるのは目に見えているからだ。

 

さて、仕事終わりの一杯は最高だなぁ、みたいな顔して冷たいお茶を飲んでいる幽香ちゃんを無視して、僕は彼女のある一点を見つめていた。

 

......これは、ひょっとすると?いや、間違いない。

 

怪訝そうに目を細める僕を、いつの間にかお茶を飲み干していた幽香ちゃんが不思議そうな表情で見てくる。

これは、彼女のために言った方がいいのだろうか?いや、彼女はこの前言った。隠し事はするなと。友達なんだから、と。

ならば僕も、そんな幽香ちゃんという友達のために真実を伝えよう。よし。

 

「幽香ちゃん......君に、重大な話がある」

 

「な、何よ、急にそんな真剣な雰囲気出して......」

 

僕のタダならぬ真剣な雰囲気に、生唾をゴクリと飲み込んで言葉を待つ目の前の幽香ちゃん。いつの間にやら正座までしている。

 

そんな幽香ちゃんに、僕は―――

 

 

 

 

 

 

 

 

「幽香ちゃんって、僕の友達の中で唯一おっぱいちっちゃいんだね」

 

 

 

 

 

 

 

―――残酷な現実を、叩きつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

❁❀✿✾

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何か言うことはあるかしら?」

 

「誠に申し訳ございませんでした」

 

土下座。

 

そう、土下座。詳しく言うなら、DO☆GE☆ZAである。......そんなに変わんない?いや、僕にもよくわからん。 とにもかくにも、土下座である。僕が、幽香ちゃんに、だ。

妖怪が人間に土下座をする。こんな光景を、誰が信じるだろうか。いや、誰も信じないだろう。

 

「何か言い残すことはあるかしら?」

 

「さっきと言ってることが微妙に違うんですが?」

 

言うことはあるかしら、から言い残すことはあるかしら、に変えるだけであら不思議。こんなにも殺意が溢れています。

 

......あれ?

 

「......なんで幽香ちゃんは、その日傘を振り上げてるのかな?」

 

「何か問題でも?」

 

大ありだよこんちくしょう、と思った僕を誰が責められようか。いや、誰も責められやしない。こんな理不尽を目の当たりにしている僕を責めきれる人は、それはもう人の皮をかぶった悪魔かなんかだ。

 

だがしかし、そろそろ僕の身も危なくなってきた。これは早急になんとかしなければ。主に幽香ちゃんのあの対妖怪兵器たる日傘を。

 

「幽香ちゃん、誤解だ」

 

「五回?なるほど、五回殴られたいのね」

 

あるぇーおかしいなぁ?会話が成り立ってそうに見えて成り立っていない。これは非常におかしい。どれくらいおかしいかと言えば、人間が妖怪を食べるくらいおかしい。......よくわからん例えだね、これ。

 

ってそんなことじゃなくてだね。

 

「だから違うんだ幽香ちゃん。僕は別に、巨乳派とかそんなわけじゃない」

 

「問題はそこじゃないと思うけれど?それともなにかしら。もしかして私の胸に対するあてつけ?それとも同情?」

 

「すいませんでした」

 

再び土下座を実行。

 

だめだ。向か着火ファイヤーになってる今の幽香ちゃんには、何を言っても会話が成り立つ気がしない。

幽香ちゃんの前では、いかなる言葉もただの戯言にしか聞こえないのだ。

 

しょうがない。こうなったら、僕の切り札を出してやろう。

 

「幽香ちゃん......とある偉人はこう言いました」

 

「あら、何かしら?」

 

「貧乳はステータスだ、希少価値だ、と」

 

「それが遺言で相違ないわね?」

 

いかん。選択肢を間違ってしまったようだ。これでは殴られてしまう。やはり『幽香ちゃんのちっぱいを触って悪くないと言う作戦』の方がよかっただろうか。いや、今更過去のことを悔やんでも仕方がない。今を生き延びるために、なんとかこの場を切り抜けよう。

 

......だがしかし、何が気に食わなかったのだろうか。あれか、僕がドヤ顔で言ったのが悪かったのだろうか。うーむ。って、そんなことはどうでもいい。

 

―――あ、思いついたぞ。この場を切り抜けられる方法を。

 

「ねぇ、幽香ちゃん」

 

「何かしら?もうこれで最後よ?」

 

「いや、今の僕は土下座して、幽香ちゃんを見上げてるわけじゃん?」

 

「?そうね。それがどうかしたの?」

 

「いや、ね......この位置からだと、幽香ちゃんの下着が......」

 

「んなっ―――ッ!」

 

言った瞬間、顔をかぁっと赤めらせワンピースの裾を下に限界まで引っ張る幽香ちゃん。うむ、何故だろうか。物凄く犯罪臭がする。......だが、これも計画通り。

そう思った僕は、土下座状態を開放して向日葵畑の方へと走る。僕の家には一人、未だにワンピースの裾を抑えている幽香ちゃんだけが取り残された。

 

ハッとなった幽香ちゃんは、慌てて僕の方へと走り出した。

 

「―――こ、のぉッ!ひ、日向ぁ!!」

 

日傘をブンブン振り回しながらこちらへと向かってくる幽香ちゃん。その顔は羞恥と憤怒が混じっているのか、真っ赤だ。

僕は追いつかれないようにスピードを上げ、向日葵畑の奥へと逃げる。

 

ふっはっは。人間の小娘ごときが妖怪である僕に追いつけるものか。

 

そう小馬鹿にしながら、僕は先ほど見た幽香ちゃんの下着について思い返していた。

 

「......花柄の、下着かぁ」

 

「うにゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

僕のつぶやきが聞こえていたのだろうか。後ろの方からとち狂ったかのような絶叫が聞こえてきた。言うまでもなく、幽香ちゃんの絶叫だ。

 

......うん、まぁ。

 

 

 

「色鮮やかで、いいと思うよ?」

 

 

「しぃぃぃぃねぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

 

この日僕たちは、日が暮れるまで鬼ごっこを続けたのだった。




なんかいつもより文字数少ないし、文も雑になっしまっていて申し訳ない!それでも次の更新をお待ちにしてくる方々は、ありがたいです!

あと、活動報告の方もできれば見てくれると助かります。自分の現状を記しておりますので。

感想等、返信遅れるかもしれませんが、お願いいたします!

花妖怪の方は、近々更新致します。
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