死んだらポケモンだらけの世界に転生した   作:森茶民 解夏禾 フドロジェクト 山岸

1 / 1
白い体に薄く蠢く長いもの……そのピンクのシルエットとは……?

 

 

 ああ眠い……身体の力が抜けて行く。

 瞬きするのも億劫だ……閉じた瞼は真っ暗で、力や意識が頭に集まって来るかの様な感覚を覚えて、身体がどんどんとベットに沈み込んで行くかの様な気がしてくる。

 

 何だか頭がふわふわした様な気持ちになってきた。

 思考が(ほつ)れて行く。

 

 僕、死ぬのかな?どうしよう。嫌だな。何でだろう。しょうが無いのかな。意味分かんない。まだオムライス食べて無いのに。どうしよう。シュークリームだって食べて無い。羊羹だって食べて無いし、田楽って奴だって食べて無い。ハンバーガーだって食べて無いし、シェイクだって飲んで無いし、パーティだって、友達の家にだって行って無いし、ポケモンも一緒にやれてないし、ポッ拳とか、ユナイトとか、ポケモンセンターにも行けて無い。ポケモンGOも一緒に出来て無いし、旅行だって、キャンプだって、滝とか、湖とか、森とか、砂漠とか、雲の上からの景色だって…………何も無い。どうしよう。僕の人生何だったんだろう。どうしようか?どうしよう。何でだろう。意味分かんないな。何したんだろう。何も出来て無いのに、意味分かんない。この14年間何だったんだよ…………意味分かんないよ。意味分かんない。意味分かんない。意味分かんない!意味分かんない!!意味分かんない!!!何で──────────

 

─────────

 

───────

 

─────

 

───

 

 

 

 

 

 

 

 段々と闇に引き摺り込まれて、息苦しくて、涙は出るし、頭は痛いし、気が付いたら、また明るくなっていて、背中を撫でられる様な感覚と伴に、空腹感と、何か言葉の様な同じ調子の音が何度も繰り返されているのを感じた。

 何なんだと周りを確認しようと瞼を開けようにも上手く力が入らず、手足に力を込めて体を動かしても空を切るばかりで、何だか変な気分だ。身体の調子も何だか良いし、ここは、あの世だったりするのだろうか?

 

 瞬間、少しの浮遊感と共に体全体が暖かさに包まれて、口先に何かの柔らかい突起が宛がわれた。

 甘い香りがして、空腹感に抗えずに体は自動的に吸い出していた。

 牛乳?にしては味が薄い。けど、甘くて美味しい……何だ?コレ?

 

 

 

 

 

 何故か、僕はイーブイに成っていた。

 イーブイとか、ニンフィアとか、ブラッキーとか、特別好きだったつもりは無かったのだけれど、こんな姿に成っているのだから、たぶん違ったのだろう。

 いつまで続くのかは分からないけれど、たぶん母親役であるニンフィアの母乳は、ほんのりと甘くて美味しいし、どうせだから、色々してみたいな。

 

 

 

 

 それから3日程して退院する事となった。

 退院。感慨深い言葉だが、やはり素直に喜べ無い。

 だから、この世界の設定、いや、どうせ体験するのだから、そんな無粋な表現はせずにいこう。

 

 そうだな。丁度良いし、まず、僕の両親は、母親がニンフィアで、父親がブラッキーなのだと思う。

 そして、この世界には“人”が居ないらしい。病院の中には、ゴーリキーやルカリオ等が歩き回っていたけれど、人は一人たりとも見掛けなかった。外に出てもそれは同じで、両親の二匹は、たくさん(たむろ)していたギャロップの中の一匹に……何かややこしいな。これからは人で考えよう。

 それで、その呼び止められたギャロップは、両親と二言三言話した後に奥へと消えて行き、どうやってか馬車の様な箱に繋がれて戻って来て、母が紙幣の様な茶色く薄い物をギャロップの胸元に提がっている筒に投入してから、僕たちはその箱の引き戸を開けて乗り込んだ。中には、長椅子が1つ置かれているだけで他には窓しか無いシンプルな物であり、母は気を利かせてくれて、窓の外が見える位置に、胸元に提げられた袋から僕を持ち上げてくれた。

 外を見ると、色々なポケモンや家々が流れて行くが、やはり、人間は何一人として見掛け無かった。

 それから暫く、曲がったり止まったりしたが、生け垣や塀を持つ家が多く、低かったり高かったり、花が有ったり、葉っぱだけだけど赤黄色緑とカラフルだったり、緑一色だったり、石だったり煉瓦だったり、漆が塗られていたり、そのそれぞれは、(ひび)が入っていたり、屋根が付いていたり、何かの構造物の頭がひょっこり見えていたり、木々が少しだけ見えていたり、家1つとっても、日本家屋っぽい見た目の物が有ったり、西洋建築っぽい見た目の物が有ったり、色々有って面白かった。

 こうして外の景色を見ていて気が付いたのだけれど、二階建て以上の建物が見当たらなかったのと、エーフィやブラッキー等のイーブイ系列のポケモンが妙に多かったのだ。なんでなんだろう?口を利けない今の状態がもどかしい。

 そうしてギャロップは、何の変哲も無い住宅街の真ん中で脚を止めると、箱の何処からか笛の様な甲高い音が鳴った。すると母は、僕を袋に入れ直すと外に出て、ギャロップに一言二言何か言ってから、箱がギリギリ通れ無いかもしれない程度の幅が有る道を進み、色々な装飾がされていたり、されていなかったりする石垣や、緑だったり赤だったりする生け垣の家々を通り過ぎて、灰色のシンプルな石垣に囲まれた、やはり平屋のおそらくコンクリートで出来た西洋建築みたいな見た目の白っぽい建物の前に、エーフィやサンダースが僕たちの方を座って見ていて、母はリボンを振って大声を出していた。とてもビックリした。出来ればあまり驚かさないで欲しいのだけど、あの二人は家族なのだろうか?友人なのだろうか?よく判らないが、その白っぽい家の中に入って、柔らかい布の上に置かれた僕をまじまじと凝視したり、頬や手と言うか前足を触ってきては、何やら声を弾ませて話し合っている。

 僕は、赤子と接した事が無いし、そういう話しも読んだ事が無いから、何を言っているのか全く想像が付かないのだけれど、まぁ、少なくとも悪感情では無いのは確かなのだと思う。

 

 ああ。何だか眠く成ってきたな。

 願わくば、まだこの夢が続きますように。

 

 

 






 10年以内に続きが書けたら良いなって思っています。

 もし投稿されなかった場合は、夢オチだったんだなって思っといて下さい。
 もし続きが投稿されたとしても、エタった場合は、やっぱり夢オチだったんだなって思っといて下さい。


 そう……これは、常に夢オチが付き纏う闇の日記系の何か……
 坊主にならない様に頑張ります。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:5文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。